今年も若干スロウスタート気味ですがよろしくお願いします
とりあえず年始のスタートはifエンド回
【不健全鎮守府-Latest days-】
【サブマリン・γ】
…2本立て
かつて、戦争があった…
桃源郷……人と妖怪、化学と妖術が共存を果たす、無秩序な世界…
その均衡は突如崩れた!500年の昔葬られた大妖怪・牛魔王の蘇生実験によって発するとされる負の波動その負の波動の影響を受けた妖怪たちの暴走と云う、謎の異変によって……
おいおい、な~に今さら説明してんだか
かくして、四人の若者が西域天竺国への旅を余儀なくされた、異変の元凶と見られる牛魔王蘇生実験を阻止し、この世界に平和を取り戻すために!
世界のため? フッ、それこそ今さらだな……四の五の理屈はいらねえんだよ!!さあ、準備はいいか、野郎共!
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【不健全鎮守府-latest days-】
海軍と言う名のヤ●ザに入隊し、妖精さん(隠語)とか言うワケのわからんふわふわした存在も見えないまま艦娘を率いる提督業を任せられ、深海からやって来たとかいう謎の生物、深海棲艦との海の覇権をかけた戦いを強いられた日々…
しかし、いつしかそんな戦いも終わり、平和が訪れたのも一時…
深海棲艦に替わる新たなる強敵達は平和になったかと思いきや定期的に現れ、戦いの日々に終わりは無かった
「…………フーッ〜…あ〜…」
戦いに終わりがないようにタバコの煙を吸って吐くというルーティーンにも終わりがない、いや、タバコの火を消せば終わるのだが……ま、再び火を点ければ繰り返される不思議
「あ、やっばりここにいましたか」
「なんか用か?」
「河奈大将から連絡がありましたよ、至急折り返しで」
「へいへい」
至急折り返しってのがイヤな予感を掻き立てずにいられんのだよ、俺は新しいタバコをポケットから取り出して火を点けた
「フーッ〜………」
「至急って言ったじゃないですか、ナメてるんですか?」
「サミダソース、卿は紳士には如何なる時にも余裕が必要とは思わないかね?一杯のコーヒーを、そして一服の喫煙を愉しむことが紳士であると…」
「いえ、まったく思いません、あと、五月雨です」
「ハハッ、相変わらず卿は堅くていかんな」
五月雨はさっさと電話しろと言わんばかりにケイタイを俺に押し付けてきたが、至急の用件ともなれば秘匿性の観点から軍の回線とか使った方が良いのでは?と思ったが、あんま用件の秘匿性は高くないのだろう
とりあえずアドレス帳に登録してある河奈くんの番号にコールすると、2コールめで出た
「もしもーし?オレ、オレオレ、オレだよオレ、風邪引いちゃって声がイケボだけどオレだよ、今ヤ●ザの車と事故起こしちゃってさぁ」
『ナニがオレよ、ふざけてんじゃないわよクソメガネ!』
「なんだ、河奈くんじゃないのか…便所?」
電話に出たのは河奈くんトコの秘書艦の〜…えぇと、なんと言ったっけか?アブド●ルとかポル●レフとかたしかそんな名前の…
『叢雲よ!!』
「コイツ…電話越しで俺の心を読んだ……!
『河奈なら別の用件で席を外してるから用事があるなら後にしなさい』
うえぇ……そっちが至急って言ったじゃあ…
「じゃ、いいですぅー」
『は?なんですって?』
ピッ!(通話終了)
「…至急ちゃうやん」
「提督がチンタラタバコなんか吸ってるからですよ」
「失敬な」
まぁ、急ぎの用ならまたすぐに折り返してくるだろ、中央の連中ってのは何事もセカセカしていかんな、人間ふと立ち止まり、後ろを振り向いて自らが地球環境を破壊をしていたと後悔しつ絶望する時間は必要だろうに
「まぁいい、第一から第五部隊はいつでも
「もう連絡済みです、由良さんなんて今すぐ誰か殴りたくて殴りたくてウズウズして思わず阿武隈さんをパイプ椅子で殴って五十鈴さんから怒られたそうですよ」
「そうか」
相変わらずバイオレンスな姉妹だなオイ、姉妹の中でバイオレンスじゃないのは名取クンだけじゃないだろうか…
そんなコトを考えていると、手にしていたケイタイがブルブル震えたので着信かと思って画面を見てみると、メールが一件…
「…さて、とりあえず部屋に戻ってコーヒーでも飲むか、卿の淹れるマズいコーヒーをな」
「失礼な、提督の舌がおかしいんですよ」
あの時カッコつけないで中央行ってりゃ今ごろエアコンの効いた快適なオフィスで、お高価なレザーの椅子に座って“お前がやれ”と言ってふんぞり返ってられたんだろうが…
ま、この基地のバカどもを放って行けるワケもないわな
「…お前、髪伸びたか?」
「そりゃ伸びますよ、提督と違って」
「こやつめ!カッカッカ!こやつめ!」
やはり我が秘書艦の髪は鬱陶しいくらい長い髪がよく映える
「行くぞ五月雨」
そう言って廊下を歩きながら上着のポケットから新しいタバコを取り出して火を点けた
おわり
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かつて、戦争があった…
少女は華やぐ、輝くスターを瞳に映し
少女は舞う、弾ける夢を胸に掲げ
少女は奏でる、無限の未来を追いかけて
憧れのプリズム・クイーンを目指し、ダンスと歌とおしゃれ、それにちょっとのラブをミックスした、ハッピーでラッキーなガールズ・ストーリー、スタートだよッッッ!!!
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【サブマリン・γ】
この光溢れる地上の愛と平和を守るべく艦の艤装を身に纏い、邪悪な深海棲艦との長きに渡った死闘の日々は終わった…
海軍、艦娘達もその役目を終え、それぞれが帰るべき場所へ帰ったり新たな場所へと旅立ったりした
そして、艦娘を率いた海軍将校の俺もその役目を全うし、上からペラッペラの退職金を渡されて軍を追い出された…
これからは深海棲艦の脅威に怯えることなく地域に根付いた太いパイプを活かして甘い汁を吸って私腹を肥やし、2年に1回関連会社に顧問で入って天下りして私腹を肥やそうと思っていたのに、ガーンだな、出鼻をくじかれた
そんなペラッペラの退職金を手に、洞海湾から青い海を……いや、あんま青くないわ、すまない、ウソをついた
まぁ海を眺めていると、だんだん体色が青くなりそうな気がしたので嫌気がさして俺はキタキュウシュウ空港からハワイに行くべく飛行機に乗ろうとキタキュウシュウ空港に行ったら、この空港、ハワイ行き直行便の国際線ないんだって、ガーンだな、出鼻をくじかれた(2回目)
しかし俺は諦めなかったね、キタキュウシュウ空港がダメならF空港に行けばいいじゃない、そんなワケでキタキュウシュウ都市高速に乗りF空港のあるF市内へと向かった俺だったが都市高速から高速道路へ入らずに都市高速の終端を降り、T市へと車を進めた
T市からバイパスを経由して峠を1つ越えるとすぐにF市内へと行けるのだが、何も高速料金をケチったワケじゃあない、T市からF市へと続くバイパス沿いにあるラーメン屋に寄ってトンカツを食べてから行こうと考えたワケだ
別に今食べる必要なくね?そう思ったかもしれないが、1度トンカツを食べようと思ったなら俺のお腹はまるで死んだ魚みたいな目をした仙人みたいな空母のようにもうトンカツを食べる準備でバッチリ整っていた、そんなウキウキした気分で車を進め、T市へと入り、目的のお店の駐車場に入ろうとしたその時、お店の入口に定休日の札がかかっているのが目に入った、ガーンだな、出鼻をくじかれた(3回目)
目的のトンカツが食えなかった俺は1度車を降り、紙タバコに火を点けた、せっかく楽しみにしていたのにと言う残念な気持ちと空腹感が混ざり合う紫煙が肺から口へと出ていき、俺は改めて自分が何故F空港に行こうとしているのか考えた、紙タバコはミリミリと紙と葉を焼き灰が靴へと落ちた…
「前置きが長げぇよ!!」
「そのハナシいつ私達出てくるの!?」
「ってか、ガーンだな多用しすぎなのね、頭悪いのね」
水で濡れたハンドタオルで顔面を叩かれ、いわれなき非難を受けた俺は右の中指に力を込め、19のヘソに突き刺さした
「はおっ!」
「誰が頭悪いだ、あ?誰の頭が悪りぃだとぉ?このマリフ●ナ潜水艦が」
「19パイセンがヤられたですって!」
「女の子の穴に無造作に刺すなんて……ニンゲンじゃない!」
「うるせぇなぁ、でぇーじょーぶだ、19はマリフ●ナキマってるから痛いのも痛くないんだよ、なぁ?なぁオイ?」
グリグリグリグリ!(一指拳)
「おほぉ!オゴォ…!ちょ、痛い!マジ痛いのね!お腹やば、ヤバいのね!」
19は思わず逝きそうなのねと俺の肩を叩いてタップの意を示したので、指を抜いて顎にショートアッパーを叩き込むと19はヒキガエルみたいな声で鳴いて床に転がった
「19パイセン!」
「19パイセン!しっかりするですって!」
「負け犬が、俺様に逆らうとこうなるのがわかったかマヌケめ」
ハワイ州オアフ島…ニホン人なら誰もが1度は憧れるであろう常夏の楽園
そんな楽園に居るのはまだ天国にいるつもりでいる狂った堕天使……ではなく、頭のおかしさと露出度がおかしい集団である潜水艦娘………いや、元か、元・潜水艦娘どもだな
「ちょっとテイトク!いつもながらヤリすぎでしょ!」
「ヤリすぎぃ?やかましい、お前如き貧乳が意見するじゃあない」
「誰が貧乳よ!」
168はナメてんじゃあない!とハイキックを繰り出してきたが、そんなスロウなハイキックに当たるほど俺はスロウじゃあな…
「168サン!やるですです!」
「26!キサマっ!」
姉妹のように仲の良い19のカタキを討つ!26は俺の背後から力強く抱き付いてきたが、その程度の拘束で俺を拘束できるワケもな……いや、なんか背中にクッション要素がある!クッション要素がある!
「キャオラッ!」
ズビシッ!!(ハイキック)
「ドヘァ!!クッ、俺としたコトが……目の前のハイキックより背後のパイオツに気をとられたか」
「へ、ヘンタイ!ヘンタイですです!」
「テイトクはヘンタイ、これは既に常識ですって」
「…ユーも、知ってた」
クッ!このガキどもがぁ、どいつもこいつもこの俺をナメやがって……潜水艦はおじさんには勝てない、わからせが必要らしいな
「オラ、バカやってねーで開店準備するでち」
「58サン!」
「58サン!でも…!」
「うるせぇー!!26は厨房!ローとユーはホール行ってテーブル拭いてこいでち!!」
潜水艦どものリーダー的存在、58にだまらんかー!と一喝され、バカどもはヒギィ!と情けない返事をしつつ散り、58は床に転がったままの19のお腹を蹴り上げた
「イグっ!!」
「テメーも厨房行けやマリフ●ナ野郎、168、ハチは?」
「8っちゃんさんなら外で本読んでるケド…」
「いつもどーりでちね、テイト……テンチョーもセクハラしてねーで仕事しろでち」
「へいへい」
色々あってこのオアフ島に来て、何の因果か潜水艦のアホンダラどもとステーキハウスを始めてもうどのくらい経っただろう…
相変わらずコイツらはアホだが、見た目だけはいいので客寄せウェイトレスとしては役に立つ、水着で接客がデフォなのでステーキがウェルダンになる前にアソコがカチンコチンになっちまう店としてそこそこ有名になってしまった
しかしだ、そこそこ有名にはなったがこの成功をパクってホノルルのヤツがアメリカンサイズのステーキとアメリカンサイズのパイオツのステーキハウスをオープンしてウチの強力なライバルになりやがった、いつかあのアメリカンサイズのパイオツをパンズで挟んでバーガーにしてやんよ
「そういやイヨティンと13ちゃんは?」
「アイツらならホノルルの店に行って肉が焼けてないってインネンつけてこいって行かせたでち」
「タチ悪いなオイ」
だがそれがいい、目的の為には手段を選ばない冷徹さ、いざとなったら仲間を切り捨てる冷酷さと冷血さ、それこそが艦娘時代より受け継がれてきた魂と言うものだ
そんな3冷に感心していると、開店前なのに店のドアが開き、誰かが入ってきた
「センパ〜イ、今日ガッコーお休みだからヨナも手伝いきた〜」
「ヨナ………フッ、いい子でちねぇ、ヨナは」
アホな潜水艦とは言ったものの、オリョールの荒波を知らない新世代潜水艦娘は基本的には店の手伝いではなくマトモな学校に通わせている
これには58や168らも賛成しかなく、ヨナタスには自分らのようなクズになって欲しくない、真っ当な大人になってほしいとの願いであった…
「フーミンとフレーとカッペはどうしたでちか?」
「フーミンとフレーはお買い物、カッペーはアイス食べてお腹痛いって言ってた〜」
ちなみに、スキャンプは海軍を抜ける際に故郷へと帰り、故郷に帰って真面目に学校に通っているらしい、将来の夢はハリウッド俳優のお嫁さんとか言ってたがたぶん無理だろう
「よーし、じゃ開店するぞ」
『『イエ、イェーイ!』』
ここから数年、俺たちの店はホノルルの店とこのオアフ島を舞台に熾烈な激戦を繰り広げることになるが、新たに現れたアメリカ本国のライバル店の登場や信じていた仲間の裏切りなど息つく間もないタフな展開が目白押しになるがそれはまた別のハナシ
あと、数十年後…………ヨナタスは州知事になった
おわり
次回は㉔、浦風回と春雨?回