続きはわりと間を置かずにイケる予定で御座います
【ステーキハウス・コロラード】
かつて、戦争があった…
古代ギリシャオリンピア祭の五種競技とは 競走・幅跳び・槍投げ・円盤投げ・レスリングから成り立つが それは戦争の際に必要な動作・所作を細分化し競技化したものだと言われる…
つまり すべてのスポーツの発祥は“人を殺すため”の技術向上から誕生したものである!!
なにが平和の祭典だ!!
歴史を見ても人を殺すことに長けている国のみが支配者として君臨するのだ!力こそ正義だ!出でよ!血に飢えた勇者ども!“ハイパー・バトル”という血戦の場へ!
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深海棲艦とのあくなき戦いも終わり、海軍と言う名の組織から無事に族抜けした俺はギブ●ンの待つMAJORへ挑戦するべく海を渡った…
しかし、海を渡ったその先で待っていたのはギブ●ンではなくギャングの洗礼であった…
色々あって利き腕を負傷し、唯一の球種であるファックボールを投げることができなくなった俺はMAJORへの挑戦を諦めマウンドに立つ事なくマウンドを去り、これからナニを生きがいに生きれば良いのかと悩みつつジョージアのダウンタウンで楽器屋のショーウィンドーを眺めていると見知ったキンパツから声をかけられた
「Admiral!Admiralじゃナイ?」
「あァ…?」
「に、睨まなくてもイイでしょ!ワタシよ!ワタシ」
「…………誰?」
いや誰だよ、見た目だけで言うならキンパツ美少女だが………フレッチャーくん?いや、違うな、フレッチャーくんはもっとこう……唆るもんな
「シツレーね!Coloradoよ!Colorado!!偉大なるBIG7のリーダー的存在の…」
「コロ……あぁ、コロちゃんか」
「Colorado!!USS BB-45!Colorado class nameship Coloradoよ!!」
コロちゃんはキィーキィー言いつつ大振りでスロウなパンチを繰り出してきたがそんなテレフォパンチが俺に当たるハズもなく、勢い余って顔面から壁に激突した
「ピギャ!!う、ぅぅぅ…!」ポロポロ…
「大丈夫かね?」
「だ……大丈夫よ!ワタシは元BIG7よ、こんなもの…痛くも痒くもないわ!」
たぶん内臓が損傷してるんじゃあないかと疑いたくなる量の鼻血が流れているが本人が無事と言うなら無事なのだろう
「で?コロちゃんはこんなトコでナニしてんだ?サックスでも買いに来たのか?」
「ナニしてるわワタシのセリフよ!Admiralこそなんでstatesに居るのよ?ニホンに居るんじゃなかったの?」
「色々あってな、今はアツい就職カツドウ、略して就活中なのだよ」
「ふ〜ん」
コロちゃんはイマイチ納得いってなさげな顔をしていたが、特に気にすることでもないと切り替えたのか、よくわからないがウンウンと頷いた
「Admiral、シゴト探してるならワタシの店で働かナイ?」
「ハァ?」
コロちゃん曰く、コロちゃんの実家はデンバーでも有名なステーキチェーンを営んでいるらしく、今度このアトランタにも新しい店を出店する計画があり、今日はその下見にやって来たのだと…
「へぇー…」
「ナニよ、イヤなの?」
「いや、別にイヤってワケじゃないが…」
後で知った話だが、海軍を退役し実家に戻ったコロちゃんはこれからはパパの事業を手伝うわ!と息巻いてとりあえず色んな事業に首を突っ込んではトラブルを起こし、どうしたものかと考えたコロちゃんのパパは自社の事業の中でも大して重要ではなく、最悪赤字を垂れ流しても問題ないステーキ屋を可愛い愛娘(重要)に任せてみることにしたそうな…
「どうせヒマなんでしょ?」
「ヒマじゃねぇよ、ナメてんのか」
「ナニが不満なのよ、お金?お金なら払うわ、いくら欲しいのよ?」
金持ちお嬢様かよ、コロちゃんはこの庶民はナニが不満なのかわからないといったツラで腕を組んだ
「ま、やるからにはこの街でイチバンの………いえ!全米でイチバンの店にしてみせるわ!」
「全米No.1か…」
コロちゃんのコトだ、イチバンの店にしてみせるとか息巻いてはいるが、おそらくはノー・プランだろう…
俺はそんなコロちゃんの上着をそっと掴み、勢いよく上着のボタンを引き千切った
「ピギャ!?な、なにするのよッッッ!!」
「いいだろうコロちゃん、コロちゃんの店を手伝っていい………だが!もし店を潰したり店の経営がヤバいと途中でバレた時は俺はお前を助けない、自分の失敗は自分で償うんだ、それ以外は、自分の上着をひきちぎったほどの おまえの気高き“覚悟”と………黄金のような “夢”に賭けようコロちゃん」
「ヘンタイ!!ヘンタイ!!!ナニすんのよバカァー!!」
2年後、ステーキチェーン『Colora-do』は意外にも盛況となり、コロちゃんのパパから全米No.1にしたら愛娘を譲ってもいいと口の中に猟銃を突っ込まれながら念書をかわし、その約束は、それから8年後に果たされることになった…
おわり
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【ファイナルブレット】
かつて、戦争があった…
俺たちは騙されない!“努力”などという言葉は成功者の詭弁だ
努力して成功するのならモモタスはアイドル・艦娘としてもスーパースターになっていたはずだ!
極東の小さな島国から大戦艦になったナガトやムツは持って生まれた才能があったんだ…
ナガトは40㎝の砲弾を遠くへ飛ばす才能があった、ムツはどんな敵でもぶちのめす才能があった…
ナガトやムツ程度の“努力”はBIG7なら普通にやっている!そして!!このリングに立っている艦娘達も生まれながらに人を殴る才能・投げる才能・極める才能・殺す才能に長けている!凡庸な提督達よ!殺艦技エリートたちの血の競演に括目しろ!
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深海棲艦とのこの海の生き残りを賭けた戦争が終わり海軍を早数年…
海軍はその役目を終え、提督と艦娘はお払い箱となり、ある者は故郷へと帰り、ある者はもう戻れない青い春を探しに行き、またある者は次なる闘争のフィールドを求めて旅立った…
しかし、多くの艦娘が新たなる人生を見出だす中、未だ、新たなる人生を見出だす事ができない者達もいた…
『しれぇ…次は誰を●せばいいんですかねぇ?』
数ある駆逐艦の中にあって、イチバン強いのは誰か?その、あまりに難しい質問を受け有識者達の活発な意見が飛び交い、様々な論争を巻き起こすであろうその問題…
しかし、その結論は常にこう締められる…
“まぁ、ルール無用なら雪風でしょう…”と…
史上、最も深海棲艦を殺害し、生き残った深海棲艦もその姿を思い出すだけでも未だ震えが止まらないと涙を流す恐怖の象徴、陽炎型姉妹の八女、その姿を見て生き帰れないと深海棲艦を恐怖のズンドコに叩き落とした死神…
その彼女は今……………普通の学校に通っていた
「ただいまー!」
「うるせぇよ、ドアぐれー静かに開けろ!」
深海棲艦との戦いが終わり、多くの艦娘が社会復帰なりセカンドライフを送ろうとする中、提督最後の仕事として全員が元気に巣立つのを見送る仕事をしていた俺だったが、最後の最後まで次が決まらずに残っていたのが雪風と島風だった…
まぁ軽巡重巡ぐらいなら社会と言う名の四角いジャングルに放り出しても心は痛まないが、さすがに駆逐艦となると〜…と考え、とりあえず2人を一応引き取る形になった…
「っーか雪風だけか?島風のアホはどうした?」
「島風なら殺人的な加速だッ!と言いながら走って帰ってました、まだ帰ってないんですか?」
「あのヤロウ、どうせ買い食いでもしてるんだろ…」
まぁガッコーの帰り道に買い食いするなとは言わないが…
「今日の晩御飯はカレーですか?」
「いや、ハヤシライスだ」
「ハヤシライスですかぁ…」
ハヤシライスと聞き雪風は露骨にテンションが下がったのか、大きくため息を吐いた
「オイオイ、ハヤシライスをバカにしてんじゃあないよこの子は、ハヤシライスは薄切り牛肉・たまねぎ・デミグラスソースを煮たものを白米にかけた完全食だぞ」
「雪風はカレーの方が好きです」
「ナマイキな子だわね」
このナマイキぶりは誰に似たのかね、長女か?長女だな、間違いない
「そう言えばこの間、ガッコーの近くにカレー屋さんができてました」
「ふ〜ん、CoC●壱か?」
「いえ、なんかインドで修行した女の人が作ったとかなんとかの店です」
「本格派ってヤツか、意識高けぇなオイ」
「ガッコーではお店の店長さんゲロマブー!毎日通っちまうぜ!うっ…!って話題です」
「そうか」
うっ…!じゃねーよ、なんだよその店、サキュバスでもいるのかよ
教会に通報して早めにエクスキューションして貰った方が良いのでは?
「雪風もクラスの子から一緒に行かないかって誘われました」
「ほぉ、そうかそうか、ちなみにその誘ってきたやつは男か?それならばわからせる必要があるからな」
「女の子です、雪風より島風の方が男の子には人気があるみたいですよ、黙ってたら可愛いので」
「…オマエ結構よく見てるな」
島風は未だに友達が居ないらしく、学校ではあまり喋らない・動かないの孤高なお清楚で通っているそうな
そんなパチモンお清楚の島風の話をしていると、部屋のドアが勢いよく開いた
「ただいまー!!今日の晩御飯なに?カレーうどん?」
「やかましい、ドアは静かに開けろ!静かに!」
「痛い!!ちょ、痛いー!アイアンクローやめて!」
コイツらの面倒見るのもあと2〜3年ってところだろうと考えると多少のハシャぎぶりは寛容にみてやるが、コイツらそもそも学校卒業してからのコトとか考えているのだろうか?
いまいち聞くのが怖いので聞いたことはないが………まぁ、ナニも考えてないってコトはないだろう、うん
ナニも考えてないってコトは…
おわり