【登場人物】
提督(ツーシーター)
佐世保は暇ならドライブがてら行こうかなと記憶の中でふわふわした考え中
鈴谷(すずや)
自称メインヒロイン、好きな対空技は鬼焼き
「ティーッス、誰もが羨むメインヒロインの鈴谷様が遊びに来まし……ってアレ?テイトク、なんで服着てんの?」
「まるで俺が普段から服を着てないような誤解を招く発言はやめたまえ、膝の皿叩き割るぞ」
「へいへい」
五月の晴れやかな気分の日、無礼にもNOノックで執務室の重厚な扉を勢いよく開いた鈴谷はわかったようでまるでわかっていない返事特有のやる気なさげな返事をしてきたので俺は執務机の引き出しにしまっていた拳銃を取り出し、鈴谷のどてっ腹に向けて発砲した
どんっ!!(44口径)
「あぶなっ!!」
「チッ、外したか…」
「危なすぎるわっ!!なんなの!?今、鈴谷を躊躇いなく撃った?え…?ナニ?撃ったの?鈴谷を!?」
「やはり銃は性に合わんなぁ〜…ハッハッハッハ」
「いやいやいや!!ハッハッハッハじゃねーし!!フツーに殺す気か!!」
「…………殺意は無かった、と、言ったらどうするね?」
「や、普通に殺意の塊じゃん、44口径を人に向けて殺意無かったとかド刑事でもムリじゃん、コレもしかして鈴谷が海軍の然るべきところに通報したらテイトクは破滅するんじゃね?」
こやつめ知った風な口を利きおるわい、だが鈴谷よ、わかっているのか?ド刑事でもムリじゃんと言うコトはそれは同時に外道に人権はねぇ〜と言うコトが…
「バカめ、それだけ得意げにペラペラ喋って俺が生かして帰すとでも思っているのか?キサマに残された選択肢は俺と真のデュ●マで勝負するか全裸で土下座をするかだ」
「や、どっちもやだし、っーか鈴谷デュ●マ知らねーし」
「大丈夫だ、俺もよく知らん」
「知らねーのかよッ!!」
ーーー
「ってか今日サミー子は?休み?」
「休みだ、見たい番組でもあるんじゃないのか?」
神聖なる執務室の冷蔵庫を我が家のように勝手に開け、中に入っていたカル●スウォーターのペットボトルを取り出しグラスに注いでイッキに呷った
「で?何の用だ?ご覧の通り、俺は忙しい」
「ナニがご覧の通りじゃん、ってかなんで真面目にセーフク着てんの?ウケる」
真面目なセーフクの着こなしとはなんぞや……?スカートは膝丈2センチでブラウスの第2ボタンまで留めないとかそんな感じであろうか?
「今日は街の商工会議所とか役場とか行くんでな、執務室誰もいねーからって好き勝手すんなよ、じゃあな」
「じゃあな、じゃねーし!ナニ?アイサツ回り行くの?鈴谷も行っていい?」
「いいワケねーだろ、今日は真面目な会合なのだよ」
「ハッ?どうせ豚尻孕臓議員(49)とかアブラのノったオッサンと、いやぁ~私最近95を切りましたよ、今度一緒にどうですか?ガッハッハ!とか酒飲んで話するだけじゃん」
「失礼なコト抜かすな売女が」
「売女じゃねーし、ってかビッチより辛辣くね?」
「辛辣じゃない、提督だ」
鈴谷は再びカル●スウォーターをグラスに注ぎ口に含んだの見た俺は魔のテイトク・クローで鈴谷の頬を掴むと鈴谷はカル●スウォーターを勢いよく噴き出した
「ブゥー!!!」
「オイオイ汚ねぇじゃねぇか、ちゃんと床舐めて掃除しとけよ、テメェの舌でキレイにな」
「やだし」
「やれやれ、相変わらず生イキ!な子だわね、この子は…」
「生イキじゃねーし、鈴谷素直で良い子だし」
「バカ言ってるんじゃないよこの子は、いいか?良い子のとこには毎年クリスマスにサンタさんが来るんだぞ、お前のとこサンタさん来るか?来ねぇだろ?つまりそーゆーコトなのだよ、わかったらこの銃で自害したまえ」
「誰がするかバーカ、お前が自害しろ」
仮にも上司に向かってなんて口きくのかねこの子は、親の顔が見てみたいものね
「まぁいい、俺もお前に付き合っているほど暇人じゃねぇんでな、アバヨ」
アバヨとクールかつ颯爽とその場を去ろうとした俺だったが、かわしたハズの鈴谷は強烈なターンオーバーから再び俺の前に立ちはだかった
「鈴谷も一緒に連れてってって言ってんじゃん」
「イヤだと言っている」
「………平行線か!」
「平行線だな」
平行線ならばどちらかが折れるしかあるまい、物理的に
俺は即座に鈴谷に掴みかかるべく両手をあげて襲いかかるが、鈴谷は俺と手を合わせるコトなく体勢をスライドさせた
「ほぉ…!俺とのパワー比べには自信が無いと見える!」
「ハッ!テイトクとパワー比べなんかするだけムダじゃん!」
鈴谷は鋭いミドルで俺の脇腹にダメージを与え、即座に射程外へと間合いを取った
「ほぉ…!随分と消極的なファイトをするようになったな」
「賢くなったって言えし、鈴谷褒められて伸びる子なんですぅー」
なるほど、どうやら褒められる勉強法を身につけたらしい、誰がこのアホを褒めてるのかは知らんが…
「アレか?動画配信とかそんなの始めたのか?それともサークルの姫にでもなったのか?」
「そんなのヤってねーし、鈴谷は自分で自分を褒めてるじゃん」
「マジかよオマエ」
しかし自分で自分を褒めると言うのはそう悪いコトではない、自分を信じる、自分が信じる自分自身を信じる、ある種究極的な自己肯定感は自己暗示の理想とも言える
もともと、この鈴谷は超絶ポジティブ精神の持ち主…
自分がメイン・ヒロインであることに対し、夢はいつかきっと必ず叶う!とポジティブな目で言える暗黒の太陽だ
「………まぁいい、これ以上お前に足止めされて大事な大事な会合を遅刻してもかなわん、お前の同行を許可する」
「マジで?やったぁ!!その変な集まり終わったら帰りに映画見てカレー食おーぜ」
「変な集まりとかゆーな、おデート気分か!」
「ハァ?おデート気分とかじゃねーし!」
「ま、お前と歩いてたらおデート様気分どころか援交の疑いでポリスからお声がかかるわな」
「ならねーし!」
まぁ、同行するのが鈴谷ではなくフレッチャーくんなら、帰りに映画見てディナーしてのおデート様がしたいと俺からお願いするがね!
ハッキリ言ってフレッチャーくんが駆逐艦のヤングガールじゃなかったら間違いなく出会ったそのその日に即ファックからの14日間監禁&昼夜無く搾乳器とア●ルとホースを直結して搾りたての母乳を自身のア●ルに流し込んでいただろう…
「ククッ、さすがは聖女様だな、その目はまだ希望を失っていないと見える…」ニマァ…
「ナニが!?」
「おっと、考えているコトがつい口に出てしまうのが僕の悪い癖」
「や、ナニ考えてたらそんなセリフ吐けるじゃん…」
「まぁいい、さっさと行くぞ」
「へいへい、あ、執務室鍵閉めんの?」
「いや、別に盗られて困るモンはね…………あ、いや、あったか」
俺は自身の執務机の引き出しを開け、二重底になっている棚から微妙にひしゃげた金属のリングを取り出した
「ナニそれ?シルバーの指輪?ダサくね?」
「ダサいとかゆーな、コイツはほら、アレだ、上から支給されたケッコン指輪だ」
「あー…………前に失くしてモメたやつ」