今回は助っ人外人枠より国産が多い
【登場人物】
提督(メガネ男子)
五月病?毎月病の間違いでしょ…?
温泉に行きたいと考え、トラベル雑誌を読むのが最近の趣味
大型連休週間も明け、雨空も明け、今日はナイス・デイな気がする五月の日
本日は海域作戦後にある恒例行事、春の新人面接なのでクリーニング済みのビッ!とした制服で執務室に来たワケだが…
「提督、靴が安全靴ですよ」
「別にいいだろ靴なんか、どうせ誰も見やしねぇっての」
そんなどうでもいいトークをしつつ迎える本日の新人面接6連戦、この長丁場に対し、無駄球を可能な限り減らし出来る限り終盤までスタミナが温存出来るかが一流の海軍将校…!
まずは1人目…
「ごきげんよう、初春型の夕暮と申します」
やって来たのはゴキゲンな駆逐艦……いや?ごきげんよう?え…?ナニ?ゴキゲンなの?
「あ、そうそう、有明型の二番艦と言う殿方も居ますわ」
そう言ってエレガンテに笑う少女、一目でワカる、俺の直感が、本能が警告げている、コイツは………手強いッッ!!
コイツ、あまりにも自然に“ごきげよう”を使い慣らしてやがる…っ!“ごきげよう”はエレガントークにおける必須スキルであり駆逐艦レヴェルでは習得は難しく、かつて暁ちゃんが無理して使おうとしてその威力に振り回された過去すらある、つまり並の駆逐艦程度には使いこなせない上級呪文と言っていい
俺が知る限り、駆逐艦でありがなら“ごきげんよう”を使いこなせるのは神風クンの妹の春風クンぐらいだろう…
しかしこの夕暮と言ったか…?春風クンと同等……いや、近い水準で苦もなく使いこなしている
「…俺がこの基地を預かる提督様だ、貴様を歓迎しよう」
「お世話になります」
「…えー、なんだ?夕暮クンは?えー…?初春様の妹ってコトだが」
「はい、わたくしの姉です」
あの初春様の妹か………っーか初春様の妹ってなにげにあんま似てないんだよな、初霜とか若葉とかは暁ちゃんの親戚なツラしてるし、あと、あの変なの、なんだっけか?なんかグッドルッキングボーイみてぇな…
「サミー子、アイツの名前なんだっけ?」
「アイツでわかるワケないでしょ」
「アイツだよアイツ、ほら、白露ねーちゃんのファンボーイみたいな…」
「あぁ、有明さんですか」
「あぁ、それそれ、有明」
そういやこの子、有明型と言ってたな、よく見たらあのグッドルッキングボーイに制服とか似てる気もするし、駆逐艦にしては発育がいい
「ちなみに夕暮さんは有明さんのガチ妹で有明さんに対して末期のシスコンです」
末期のシスコンってなんだよ、末期のシスコンって…
え?ナニこの子、お姉ちゃん大好きっ子なの?
まぁ、お姉ちゃん大好きっ子ぐれーそこまで珍しいワケでもないが…
「夕暮さんは昔から有明さんが好きすぎてウチの長女を有明さんを誑かし堕落させた魔女として心底嫌ってます」
「へぇ…」
「しかも、あの基本的には逆らう者にはトリプルスコアで容赦なく心を折る時雨様に“厄介だな”と言わしめたコトもあります」
…そいつはヤバいな、あの時雨様に厄介と言わせるとは…
あの有明ボーイには感じられなかった初春様のDNAがこんなところで開花していたのか…
とりあえずこの危険な子の取り扱いは気をつけた方がいいだろう
「ま、まぁ、ウチには有明クンだけでなく他の姉妹もいるし、ファームからゆっくりスタートしてくれたまえ」
「ハイ」
ーーー
戦慄の初春姉妹最後の1人との面接を終え、次に迎えるのは最早毎回恒例と言っていいMAJORからの電撃移籍!
…と言うか、既にウチの助っ人外国人枠はその大半がMAJORと言っていいだろう
「Fletcher級駆逐艦、Heywood L. Edwardsです」
「うむ、俺がこの基地の提督である」
やって来たのはフレッチャー級を自称するメガネ・ガール、ふぅんなるほど、なかなかC-uteじゃないの?
「えーっと……なんだっけ?ヘイ……ヘイ、ヘイ」
「Heywoodです」
「あぁそうそう、ヘイウッドくん」
基本的に過剰な自信に裏打ちされたMAJORの実力派は口もデカけりゃ態度もデカい、しかしこのヘイウッドくんはなんかアレだな、なんかおとなしそうな子だ
やはりメガネガールなだけに理知的なんだろうか?
「キミはたしかアレか、フレッチャーくんの妹にあたるのかな?」
「そうですね、一応」
ヘイウッドくん曰く、一応と付くのも、フレッチャーくんとは生まれも育ちも違うのでわりと疎遠らしく、妹と言うよりは親戚みたいな認識らしい
「まぁ、ウチは会ったコトない姉妹が多いですから」
さすがはMAJORだ、島国とは色々な意味でスケールが違うな
そしてこのヘイウッドくんもまだまだ成長期でありながらジャパンのバカガキどもとはレヴェルが違うものを持っている、きっと将来はいい挟み具合になるだろう…
「たしかこの基地にはJohnstonもいるんですよね?」
「いるよ、ジョンくんとは仲が良いのかね?」
「あの子は苦手です、私のマンガにcrackerのカスをボロボロこぼすし、あと、謝らないし」
ジョンくんェ………
ーーー
MAJOR期待のメガネガールに後でみんなで食べなさいとシル●ーヌ(お徳用)の袋を持たせ無事に面接終了し、迎える3人目、今回は6人の予定だが、なんと6人中4人がジャパニーズと昨今珍しいジャパニーズ多め配属…!
だってほら、ウチはニホンだからね、そもそも新人がガイジンだらけってのがおかしいんだよ
「日本陸軍特種船!!揚陸母艦!!!熊野丸だ!!貴様が提督か!!」
「俺が提督だ!!」
「そうか!!ふぅん、成程……そうか!!貴官の指揮下に入ろう!!!よろしいか!!!」
声デケぇなコイツ、名門ラグビー部かよ…
ってかなんだって?陸軍特種船って言ったかコイツ?
「よくってよ!!」
「そうか!!ならよろしく頼む!!!」
まるでナイスガッツ体育会系運動部のようにアツいやりとりをかわし、とりあえず秘書艦サミー子に彼女に麦茶を出してあげなさいと指示を出し、フーッと一息ついてみた……
いや、めんどくせぇな………コイツ
なんだっけか?陸軍?陸軍って言ったらアレだべ?死んだ魚みたいな目をした暗殺専門のスペシャリスト育成及び運営の闇ギルドみたいなアレだべ?あきつ丸クンとか神州丸クンみたいなのを寄越すタチの悪いトコだよ
「っーか、キミ、熊野丸って言ったか?」
「そうだ!!陸軍特種船M丙型揚陸艦!!熊野丸である!!」
「エセお嬢の熊野の親戚かナニかかね?」
「知らん!!!誰だそれは!!」
まぁ、親戚には見えないか……名前が似てる他人なんてよく居るしな、丸があるかないかなんてのは些細な違いなのだよ
「あ、そうそう!!提督にはまずコレを渡すべきと先任殿から言付かっていたのだったな…」
そう言って熊野丸クンはポケットをまさぐると、コルト・ガバメントみたいなピストンを取り出し、躊躇うことなく俺に向けて発砲した
パン!!パン!!パン!!(発砲)
「はおっ!!」
計三発発射された銃弾だったが、銃口を向けられた時点で既に回避行動をとっていた俺には当たらず、俺の背後にあるガラス窓をブチ抜いた
「な………ナニすんじゃテメー!!カチコミかァ!!」
「おお!!やはり避けたか、先任殿の言った通りだな!!!」
「先任殿先任殿って、ダレの指示じゃコラァ!!」
「あきつ丸先任だ!!!」
「あきつ丸か!!」
熊野丸クン曰く、先任であるあきつ丸から提督殿へのアイサツはまずは銃弾をブチ込むのが礼儀でありますよ(笑)と説明を受けていたらしい
あのヤロウ、後で野球やろっか?と裏に呼び出して164キロでピッチングマシン叩きこんでやる…
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陸軍と言う名の暗殺ギルドからの刺客を退け、新人面接もついに後半戦、とりあえずトイレに行って尿を出してから改めて執務室へ戻ってきたワケだが、最近やはり尿のキレが悪いな、やはりハル●ケアが必要だろうか…
「御蔵型海防艦四番艦、能美と申します、よろしくお願いします」
「うむ、俺が提督だ」
後半戦最初は海防艦のガキか…
まぁ、海防艦ね、まぁいいんじゃない?今更珍しいモンでもないし、うん
「えー…能美クンは御蔵型と言うコトで?」
「ハイ、御蔵は姉です」
なるほど、基本的にはバカガキの多い海防艦のキッズだが、御蔵チャソの姉妹は姉に倣って真面目で礼儀正しい子が多い
この子も、まぁ、真面目で礼儀正しいタイプなのだろう、うんうん、こーゆー良い子には好感が持てる
「サミー子、彼女にオレンジジュースを、あと菓子棚にクッキーがあるから出してあげなさい」
「はぁ?」
秘書艦サミー子は菓子とオレンジジュースを用意しつつ小声でロ●コンが…と俺をディスったのは俺じゃなきゃ聞き逃しちゃうね
「まぁ、能美クンはファームからスタートになるが安心したまえ、ウチではどんなカスでも一流のマシーンに育てあげる安心安全のカリキュラムがあるからね」
「そうですか」
しかし海防艦か…いつの間にやら増えたもんだな、毎度毎度、新人が来るって度にノルマのように配属され、今や海防艦だけでヤキュウの試合ができるレヴェルだ
「…そういやサミー子」
「なんですか?」
「ほら、前にお腹痛いだの膝を故障しただので配属を見送っている子ってのはどうなったんだ?実は俺が知らんだけでしれっと居るとか?」
「ああ、いましたね、そんな人が………え~………昭南さんって名前ですね、たしか」
「そう、そいつ」
「昭南さんならまだ来てませんよ、テニスの試合で肘を壊してドイツで肘の手術中らしいです」
「なんだそいつ?やる気あんのか!?」
「さぁ?」
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すでに2年程前に配属の話がいってるハズなのに未だにその姿を見せない謎多き海防艦、ショーナンくんはさておき、新人面接もついに5人目
3番4番と続くクリンナップの最後に迎えるのはMAJORから来た新外国人
「USS Tuscaloosa、New Orleans classの四番艦、よろしく」
「タス?タスカ……Tuscaloosa?」
「そう、と言うか、急に流暢になるのね…」
本日2度目のMAJORの電撃移籍、重巡のタスカルーサくん、見ての通り、キンパツで美女でボインちゃんだ
フッ、俺はボインちゃんが好きでな
「タスカルーサくんは重巡と言うコトで~……え~…に
アレか?ヒューストンくんとまぁまぁ互角と考えていいのかね?」
「まぁまぁ互角って言い方は気に入らないケド……まぁ、そんなトコね」
まぁまぁ互角と言ってはみたが、その立ち居振舞いから滲み出るエロさではヒューストンくんが上と言っていいだろう、ハッキリ言って彼女とおしゃべりしているとムラムラしてくるが、このタスカルーサくんはあんまムラムラしそうにない
「…貴方、ちょっと失礼なコト考えてない?」
「NO、カンガエテナイ」
そして勘もいい
「まぁいいわ、同じClassで先任もいるし、配属前に前もって色々聞いてきたから」
「ほぉ、たとえばどんな?」
「キヌガサが敵でなく味方であったコトに神に感謝しなければならないってね」
「そうかね」
衣笠さんの44ソニックを打ち崩せる打者はMAJORをもってしても難しく、キヌガサ攻略はある意味、この基地へ来るMAJORの合言葉と言えるそうだ
「ま、あたしが来た以上!チームのエースの座は頂くけどね!」
「なるほど、大した自信なのだよ」
「こー見えても入隊前はマイナーの3Aで4番を打ってたからね、100マイルなんか見慣れたものよ」
「そうかね、まぁキミはとりあえずファームからスタートして貰うとして、衣笠クンには後でアイサツに行くといい」
「アイサツ?あっちから来るんじゃないの?」
「来ねぇよ、あと衣笠クンめっちゃ礼儀に厳しいからな、グラウンドにガム吐いたりするとメタクソに殴られるから気をつけるように」
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3Aからの刺客、タスカルーサくんとの面接を終え、いよいよ面接も最終戦、最後に迎えるのは本日2人目の闇ギ……陸軍からの刺客!!
「第百一号型輸送艦………えっと、そうだ!二等輸送艦の方がわかりやすいですよね!一番艦、第百一号輸送艦です!気さくに、ももちで構いません」
「はぁ…?百道?」
「ももちです」
ももちを名乗る陸軍からの新たなる刺客………
いや、ナニこの子?今までの陸軍からの刺客とは随分と毛色が違うじゃないの?
妙に馴れ馴れしいと言うか、フレンドリーと言うか…
「百道くんはナニかね?輸送艦的なアレかね?大発とか積んじゃう系の?」
「そんな感じです、あ、ちなみに私専用マシンのチハがあります」
「はぁ…?」
そう言って百道くんが取り出したのはゴキゲンなディティールをしたスケール・ モデル、九七式中戦車(チハ)
今までも陸戦マシンは何台かあったが初めてみるタイプのマシンだな…
目に見えてカスタマイズされていないが、そのフォルムは対陸戦に特化されたピュア・スポーツマシン…
「なるほど、いいマシンだ」
「ですよね!私専用なんです!」
百道くん曰く、これより上のカスタム・モデルもあるらしいが、陸軍の上司に言っても買ってくれなかったらしい
「テストで80点以上とったら買ってくれるって話だったんですけど、普通に40点しか取れませんでした、難しくて!」
「そうかね…」
嗚呼そうか、この子、たぶんアホなんだな…
「ちなみに百道くんは陸軍のパイセンどもとは仲が良いほうかね?」
「う~ん………どうなんですかね?あきつ丸パイセンには前に塩アイス奢ってもらったコトありますけど」
「ほぉ」
「その後、あきつ丸パイセンが万引きした罪を私が被せられてお店の人にケツバットされました」
サイアクだよアイツ、ナニ考えてんだあのヤロウ!
「神州丸パイセンは普段からナニ考えてるかわからないですがわりと良い人だと思います、ガムくれたんで」
「そうかね」