【登場人物】
提督(旅に出たい)
最近の趣味は空想旅行、パスポート…?もう切れたよ
熊野(アホ)
最上姉妹の末っ子でエセお嬢様風エセお嬢様、一応、自分の胸囲に関しては気にしてるあたりがJK風
「スゲェ作り込みですわ!スゲェ作り込みですわ!」
「あぁ、さすがチャンプだ、ハンパじゃねぇ…」
世界中の水上機バトラー達が集う水上機バトルの頂点を決めるアツかりし戦い、ズイウン・バトル…!!
その第11回世界大会の幕開けは前人未踏の大会10連覇を達成しているチャンプとメイジン・カワウチのエキシビション・マッチから始まった!!
『フッ、やはりそうなるか』
『やるわね、あえて言っておくわ、さすがはと…』
チャンプの愛機、瑞雲改二・マグナムとメイジンの九八式夜偵・アメイジングの世界レヴェルでの戦い、このファイトを目にして興奮しない水上機バトラーは居ないだろう、いや、水上機バトラーでなくともこのアツい戦いを見て奮い立たない………いやあえて言わせて貰おう!そう、勃起しない男子はいないだろう!と
史上、最もアツかりし水上の戦い!それこそがズイウン・バトル!!
◆◆◆
「…と言うワケで、次の大会に向けて私のズイウンも思い切って改良しますわ」
「へぇ…」
甘いモンも辛いモンも扱う本格派スイーツ・ショップ、マミー屋…
その、本格派スイーツ・ショップに来ていた俺の向かい側に座る熊野はへぇじゃありませんわー!とテーブルを勢いよくダァン!した
「私とテイトクは一心同体!勝利の喜びは2人で倍に!敗北の悔しさは2人ではんぶんこですわ!」
「いや、そもそも俺たちチームじゃねぇし」
「えぇ、チームではありませんわ………名コンビ、ですわ!」
なんかウマいコト言ってやったみたいにビシッと指を立てて紅茶をグィーッとイッキ飲みした熊野はアツゥイ!と紅茶を噴き出した
「うぅ……ゲホッ!と、とにかく、次の選手権こそ勝ち上がり、チャンプと……そしてメイジンと戦いますわ!ワールド・チャンピオンの座を賭けて!」
「バカ言ってんじゃねーよ、チャンプもメイジンも次は出ないだろーが」
「え?なんでですの?」
「オマエ、本気で言ってんのか…?」
ズイウン・バトル、前人未踏の10連覇を達成したチャンプは史上初のズイウン・バトル殿堂入りを果たし大会には参加できなくなり、そしてメイジンもチャンプと言う最高の
「ファーックス!!」
さらにスター選手を失ったズイウン・バトルは実機である水上機をリアルで戦わせるズイウン・バトルに代わり、これからは電脳仮想空間でリアルに近い感覚でより身近に、誰しもがズイウン・バトルが楽しめる
「オトナになれよ、熊野」
「クッ!大人はいつだってそう言う!」
俺はコーヒーを一口啜ってシュークリームにかぶりつき、読んでいた旅行雑誌のページをめくった…
「ハァ〜…なんっーかこーゆートコに旅行に行きたいよなぁ、ノスタルジーっーのかなぁ、こーゆーナニもないトコで1日何も考えずに過ごしたいっーかさぁ〜」
「そんなくだらねーハナシはどうでもいいですわ!」
「熊野、熊野熊野熊野熊野よぉ〜…くだるとかくだらねーとかじゃねぇんだよ、ほら、見ろよ、オマエもタイとか行きたくねーか?タイ、神秘の国だぞ、タイ行って自分を見つめ直してこいよ」
「興味ありませんわ」
「タイに行ったら巨乳になるらしいぞ」
「………マジですの?」
「マジマジ(適当)」
熊野は俺の食べかけシュークリームを手に取るとペロリと口に放り込み紅茶で流し込んだ
「………この味は嘘をついている味ですわ!」
「オマエ、ナニ俺のシュークリーム勝手に食ってんだボケ、謝罪しろ」
「すいませんでしたわ」
「ならばよし」
俺はカウンターへ行き間宮に新しいシュークリームを2つ注文するとカスタードですか?生ですか?と聞かれたのでテメーの乳首に塗って興奮する方だボケと小粋なテイトク・ジョークをまじえつつトークしていると、間宮から麺棒で顎をアッパースイング気味に強打された
「お゛またせ」
「顎が砕けてますわよ」
「ハンサムが台無しだな、コレは」
ダメージを受けた顎にチャクラを集中し、ハンサムを取り戻しつつコーヒーを一口啜った俺は再びトラベル雑誌のページを眺めることにした
「とりあえず私としてはやはり今までのズイウン六三四空をベースにあらゆる状況に対応できるカスタマイズを考えていますわ」
「へぇ…」
「そこで考えているのがこのプラネッツ………って!!聞いてますの!?」
「聞いてる聞いてる、アレだろ?ドッキング・ゴーだろ?」
「…意外と聞いてましたわね、まぁ聞いてるならよしですわ」
「それよかオマエ、タイに興味ねぇか?タイ、煌めきの国タイ」
「なんなんですの?その異常なまでのタイ推しは…?まるでタイが曲がっているかの如きタイ推し…っ!」
熊野のシュークリームを己の口に放り込み、アツアツの紅茶で流し込んだ
「っーかそんなズイウンバトルしてぇなら秋津洲クンと組めよ、秋津洲クンと」
艦娘としての能力は底辺だが、水上機ビルダーとしては天才的なテクを持つKAWAIIの化身、秋津洲クン
その、天才的かつ独創的、それでいて厨二心をくすぐるKAKKOIIデザインは他の追従を許さず、秋津洲クンの愛機、二式大艇・ノーネイムは大艇ちゃんの本来の愛らしさがカケラも感じられない凶々しさで仕上がっている
「あの方とは趣味が合いませんわ」
「そうかぁ?」
「私などちらかと言えばチャンプのように正統派なカスタマイズが好きですの」
たしかにチャンプこと日向の愛機、ズイウン改二・マグナムは見た目に派手なカスタムは無いが一目で凄まじいチューンだとわかる、純粋な水上機の走りを徹底的に追求したまさしく
「まぁ、オマエにはムリなハナシだがな」
「ハァ?できらぁ!ですわ!」
「ムリムリ、できるワケがない、熊野、オマエはこれから3回だけ“できるワケがない”と言っていい」
「クッ!なんたる傲慢さ!テイトク、私とアナタは一心同体!WZPワールドチャンピオンになる夢を忘れましたの!?」
「ワールドチャンピオン…?」
「そう、ワールドチャンピオンになる為に」
「ワールドチャンピオンになる為に…」
「そう!ワールドチャンピオンになる為に!」
「ワールドチャンピオンになる為に…」
「ハイもう1回!」
「ワールドチャンピオンになる為に…」
「ハイ!元気よく!」
「ワールドチャンピオンになる為に!!」
「私とテイトクはァ!!」カッ!
「上司と部下ァ!!」クワッ!
「そ……そこは名コンビと言うところなのでは?」
「誰がキサマなどとコンビを組むかダボが」
この後、間宮から店内でデカい声で騒ぐなと怒られた俺たちは熊野に引きずられチャンプが経営するカスタムズイウンショップへと行き、なんかよくわからんお高価なパーツが欲しいですわと強請られ、とりあえずパンツ脱いでここでションベンしろよと交換条件を出したら熊野は10秒ほど悩みパンツに手をかけたところ、そう言う変態プレイは外でやってくれとチャンプに店を追い出された
【登場しない人物】
日向(チャンプ)
ズイウンバトル界の絶対王者にしてカリスマ的存在
基地の中にカスタムズイウンショップを作っており、ズイウンバトルを広めることに余念がない
今までのズイウンバトルは水上機が持てる軽巡以上限定と敷居が高かったが、今後広まるであろうZBNなら駆逐艦でもズイウンバトルが楽しめると期待している
川内(メイジン)
通称、メイジン・カワウチ、チャンプに匹敵する力量を持つ凄腕、特に夜戦ステージでは無類の強さを誇り、チャンプにも勝った事がある
蛇のような目をしているせいか、駆逐艦のキッズたちからはちょっと怖がられている