不健全鎮守府   作:犬魚

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誰だよ、あのE2考えた奴……ってかあのヌ級なんなの?無敵か!

【登場人物】

提督(最近の楽しみはヤキュウ)
メガネ男子、休日くらい何も考えたくない…

五月雨(最近の楽しみは風景動画)
髪長専業秘書艦、次女の時雨様が改三で爆乳になると聞いて少し希望を持った


提督と五月雨とある晴れた昼下がり

春は曙、ようよう久しからない3月の空、基地の設備点検の報告出てないよと上からツッコまれ、グチグチ期日までに出せよとグチグチ小言を賜ったので真面目に設備点検をしているワケだが…

 

「消火器よし!」

 

「期限切れてないですか?」

 

「大丈夫だ、キレてない」

 

たった一度の今日と言う日、秘書艦サミー子と共に基地の設備点検に回っていたが、さすがに朝っぱらからやってると疲れる…もう膝がガクガクだ

 

「そこにベンチありますし休憩でもしますか?」

 

「バカ言うんじゃないよこの子は、俺のタフネスはまだヤれると言っているのだよ」

 

「膝はもうカンベンしてくれって言ってますよ」

 

こやつめ、冷静で的確な判断を……フッ、卿はいつでも俺が間違った方向に行くのを諌めてくれる

 

「卿の意見を是とする」

 

「そうですか」

 

そんなワケで俺と秘書艦サミー子はベンチに腰掛けたワケだが……嗚呼いかんなコレは、一度座るともう立ち上がりたくない欲求に駆られる

 

「サミー、なんか飲み物とか持ってないか?」

 

「持ってませんケド?」

 

「使えんやつめ」

 

「使えんやつで悪うございました、自販機でナニか買ってきましょうか?」

 

「そうだな、そうしてくれ」

 

俺はケツのポッケから財布を取り出し秘書艦サミー子に外角に逃げ気味に投げつけたがサミー子は難なくキャッチした

 

「おしること缶ポタじゃなきゃなんでもいい、あと、お前も好きなの買っていいぞ」

 

「あったか〜いですか?つめた〜いですか?」

 

「つめた〜い」

 

「つめた〜いですね、ちょっと待っててください」

 

そう言って秘書艦サミー子は手にしていたファイルをベンチに置き、自販機コーナーへと歩いて行った…

たしかここから1番近い自販機は体育館の裏辺りか……ゲータ●ードが売ってるやつ、そんなつまらないコトを考えてうなだれていると…

 

「………なんだ?犬?」

 

ハッハッと舌を出して歩いてきたのは犬、見た目はまごうコトなきただの犬だが、中身はただの犬ではなく米軍が開発した動物型最新AI兵器である

 

その名もD-●1(デ●イチ)

 

この毎日がワルのオリンピック状態のクソ見てぇな吹き溜まり基地に舞い降りた聖女、フレッチャーくんの飼い犬らしく、フレッチャーくんはこの自立型最強兵器を普通の犬と信じて可愛がっているそうな

 

「このクソ犬!勝手にどっか行ってんじゃないわよクソ犬!………って、テイトクじゃない?」

 

「君は…?ジョンくん?」

 

「なんで疑問形なのよ…」

 

犬の散歩用のリードっぽいヒモをブンブン振り回しつつ歩いてきたのは聖女フレッチャーくんの妹、聖女ではないジョンくん、見てのとおり、昔、好きだったアイドルに似ている気がするが、今はもう………わかりません

 

「こんなトコでナニやってんの?」

 

「ご覧の通り、ベンチに座っているだけさ」

 

「そんなモン見ればワカるわよ、ベンチに座ってナニやってんのかって聞いてるのよ、Are you sick with your head?」

 

「やかましい、テイトクのことよりジョンくんはナニをしているのかね?犬の散歩に見えなくもないが…」

 

「見てのとーり犬の散歩よ、Fletcherから頼まれて仕方なくよ!シカタナク!」

 

「ノーノー、アイムテイトク、イングリッシュノー、ジャパニーズオンリー」

 

「ニホンゴで言ったでしょ!!バカにしてんの!!」

 

「小粋なテイトクジョークなのだよ」

 

そう言って俺はそんなにカリカリするなYO、チャーミングな顔が台無しだZE!とハンサムなフォローを入れてやったが、ジョンくんはナニが気に入らなかったのか、俺のベン・ケーに鋭いローキックを放つが…

 

「ITE!………なんて硬さッッ!!ナニよその足!鉄板でも仕込んでるの!?」

 

「バカめ、提督の硬度10ダイヤモンド・フットはキサマごとき下等艦娘がどうこうできるものではない」

 

せめてアイオワぐらいのハード・パンチャーでも連れて来るんだなと小粋なテイトクアドバイスを送ると、なんか早口な英語でペラペーラ言ってたが、ところどころFuckとか交じってたので多分提督を罵倒していたのだろうと考えていると、冷たいものを持った秘書艦サミー子が帰ってきた…

 

「ゲー●レードでいいですか?」

 

「うむ、褒美に頭を撫でてやろう」

 

「結構です、あと……ジョンストンさん、コンニチハ」ペコォ…

 

「コンニチハ」ペコォ…

 

サミー子につられてか、ジョンくんも律儀に頭を下げて挨拶を交わした

 

「ジョンストンさん、犬?の散歩ですか?」

 

「そーよ」

 

サミー子はあまり興味なさげに忠犬D-●1(デ●イチ)をチラ見してベンチに座った

 

「で?テイトクとSammyはなんなの?もしかしてDateのおジャマだったかしら?」

 

「コレがDateに見えるのならジョンくんは眼科に行った方がいいのだよ」

 

「Jokeよ、小粋なNavy jokeってヤツね」

 

なるほど、仕返しってワケか……なかなかイイ性格してるわね、この子

 

「あ、そー言えばテイトク、Atlantaがテイトク殺すって言ってたケド」

 

「なんで!?」

 

「知らないわよ」

 

アトランタくんに殺される心当たりなんか無いけどなぁ…

あ、もしかしてアレか?こないだ俺のズボンが暁ちゃんのアイスを食っちまったコトか?次は五段のを買うといいって金渡したんだがなぁ…

 

「最近の出撃シフトの件で怒ってるんじゃないですか?」

 

秘書艦サミー子の冷静で的確な意見…っ!

 

「出撃シフト…?あぁ、シフトね、だってしょーがねーだろ、大和さんが秋月姉ちゃん達じゃ不安だって言うんだし…」

 

高さでは駆逐艦最高の秋月姉妹を上回るまさしくワールドクラス、MAJORの切り札、アトランタくん

ここ最近、なんか大和さんに連れ回されてるらしいがストレスでも感じているのだろうか…

 

「Atlantaはマジでヤバいからね、地元じゃ殺人以外の悪事は全部ヤってるってハナシだし、狂犬を超えた狂犬ってよばれてたらしいわ」

 

しかしそんなアトランタくんも地元で暴れ回っていたがアイオワに目をつけられ、半ば強制的に海軍に入隊させられた哀しき過去がある…

 

「ま、アタシには関係ないか、せいぜい殺されないよーに気をつけなさいよ」

 

「そうするのだよ」

 

「なんならこのアタシがAtlantaにハナシつけてあげてもイイんだケドなー」

 

「オイ、サミー子、スタンガンと荒縄とクロロホルムと三角木馬の在庫あったか?」

 

「知りませんよ、そんなもの」

 

「聞きなさいよ!!アタシのハナシ!!」


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