不健全鎮守府   作:犬魚

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イベントが始まりました、まだ突入していないだらしない提督ですまない…

【登場人物】

提督(大人の特権)
大人の特権には責任も付きまとう

Langley(ロッカー)
幼い頃、街の楽器屋のショーウィンドーで●ックスを眺めていた時期もある


提督とLangleyと赤い夜

ある晴れた昼下がり、孔子の儒教について考えつつ歩いていると前方不注意からナニかにぶつかり、なんだよクソがと顔を上げたその時…

 

 

信じられぬものを見た

 

 

ロックのカケラすら失った“ロッカー”の姿がそこにはあった…

 

USS Langley………ロッケンローラーだった空母…

 

最後にコイツを見たのはいつだっただろうか?年始?クリスマス…?たしかその頃はまだ若く、荒削りながらもアツい情熱を持った“ロック”を感じるストリートパフォーマーだった…

 

「よ………ヨォ、テイトク」

 

それがなんだ…?このチャラチャラした姿は?まるでこじらせ童提督を狙い撃つようなチャーミング&キュートに全振りしたようなファッション…

 

「ラ……ラングレーか?オマエ?」

 

「そ、そうだぜ!……じゃない、そうわよ!」

 

わざわざ言い直してあざといポーズを作る、間違いないッッッ!!コイツはラングレーだッッッ!!いや、ラングレー………だったッッッ!!!

 

「なっ…なんで………」

 

なんでこんな…ッッッ!!あのラングレーがッ!ロッケンローラーだったハズのラングレーが!!

俺は変わってしまったラングレーの両肩を掴み、どうしちまったんだよォォォォォ!!とガックンガックンと揺らした

 

「ちょ、やめ!やめろよ!」

 

「洗脳かッ!洗脳されたのか!いや、催眠アプリか!催眠アプリだなッ!!目を覚ませ!本当のオマエを取り戻せ!!」

 

ビタン!ビタン!(往復ビンタ!)

 

「ちょ!痛い!マジで痛い!やめろって言ってんだろォ!!」

 

ラングレー?は俺の身体を突き飛ばしビンタされた両頬をさすった…

 

「オマエがラングレーだとはいいとしてだ、ナニがあった?」

 

「ナニって………?ナニが?」

 

「ナニが?じゃねーよ!!なんだオマエそのチャラチャラした格好は!!ロックのカケラもねーそのチャラいファッションはなんなんだ?ア゛ァ?オマエはロッケンローラーじゃなかったのかァァァァ!!」

 

「…………ロックはもう、ヤメたんだよ」ボソッ…

 

「え?なんだって?」

 

「ヤメたんだよ!!ロックは!!!」

 

「ラ…ラングレー………オマエ」

 

「ロックなんかやっててもアタシはBIGになれねー!向いてなかったんだよッ!!アタシにはロックなんて…ッ!!」ポロポロ…

 

ポロポロと涙を流し、ラングレーは語った…

 

毎日毎日大好きなロックでビッグになってやろうとロッケンローラーとしてのアツイいロックカツドウをしていたが誰の目にも留まらず、些か自信と方向性を失い、自暴自棄になり薬に手を出しヘル・ビ●ジョンをマッド・カクテルするまで堕ちた…

 

そんなクサクサしたある日、BIGになる為には今の自分を変えなきゃならない、あの女がアタシに声をかけてきた…

 

その女の名は、Immortal・Hornet

 

アメリカ海軍きっての頭脳派であり、cool&beautyと呼ばれたHornetだが、その実態は日本のオタク文化の重度の愛好家であり、Navy時代は同僚達の前で堂々と文章を英語に翻訳したエロゲーをプレイしている本格派…

Navy時代は“Immortal・Hornet”と不死身そうなアダ名をつけられていたが、単純に美少女ゲームの”妹”キャラ好きが原因で“イモート”が変化しただけらしいケド…

 

そんなHornetから売れ線になる為の指導を受けたアタシは変わった…

 

ロックは捨て、アイドル路線になれば売れる

 

ってか、実際売れた、めっちゃ売れた、今までもロッケンローラーとして動画配信とかしてたけどクソみたいな再生数しかなかったけど片手ハートとかして媚びまくったらめっちゃ再生数伸びた…

 

「アタシだってちやほやされてぇんだよっっ!!!」

 

「ラングレェ…」ポロポロ…

 

ラングレェ……オマエの承認欲求はそこまで………クソッ!気づいてやれなかった!オマエの闇にッ!!孤独にッ!!

 

「ハハ……笑えよテイトク、こんなアタシを!もうロッケンローラーじゃなくなったミジメなアタシを!」ポロポロ…

 

「バカヤロウ!誰が笑うかよ!」

 

俺はラングレーをそんなバカを!それでも愛そうと!アツく抱きしめた!

 

「迷ったっていいんだ!悩んだっていいんだ!道を間違えてもいいんだ!それが“ロック”ってヤツだろ…?」

 

「テイトクェ…!」

 

「ラングレェ…!オマエ、カッコ悪いよ」

 

初めて買ったギターを買ったその日にケンカして叩き壊すロックの申し子、ラングレー…

悩み抜いたその先がアイドル路線なのはヘドがでるが、彼女はまだ若く、未知への冒険心に溢れている、そこは評価すべきだろう

 

「だいたいラングレー、オマエ、アイドルナメてるよ」

 

「ハァ?ナメてねーし、っーかこの世界ならNo.1イケるね!」

 

「バカ言うんじゃないよこの子は」

 

アイドル道とは、ちょっとカワイイとちやほやされた程度でやっていける世界ではないのだよ

アイドル道に必要なものは、無秩序・無軌道・無慈悲の精神であり、生半可なものではない

 

そんなアイドルをナメ腐ったラングレーくんの姿をとりあえずスマホで撮影していると廊下の先からキラめく汗をダラダラ流しつつ歩いてくる存在があった…

 

「よぉ、モモタス」

 

「あ、マネじゃん、ナニやってんの?ってかマネなのに桃のトレーニング付き合わないとかありえなくない?」

 

「やかましい」

 

手持ちの今治タオルで汗を拭きつつ偉そうに文句タレるモモタスの右手をソフトに掴み…

 

「零の●劇ィィィィィー!!」

 

「ぎゃあああああああああ!!痛い痛い痛い痛い痛ァァァァ!!」

 

ギリギリギリギリギリギリ!!(握手)

 

「痛いって言ってんのよ!!」

 

モモタスはまだ自由な左腕で俺の脇腹にブローを乱発し、俺の体勢が崩れたところで即座に俺の射程の外に離脱した

 

「ほぉ…下等のわりにはなかなか良い判断だ」

 

「下等アイドルじゃないし!」

 

モモタスはダメージを受けた右手を摩りつつブッ●すぞ!とアイドルにあるまじき発言を吐いた

 

「ってかマネ!そいつ誰!!アタシとゆー担当アイドルがいながら…!!」

 

「マネじゃないし担当でもない、提督だ、そしてこの子はラングレーくん、ロッケンローラーだ」

 

「ロッケン…?え?ロックじゃなくない…?」

 

モモタスのわりに冷静で的確な意見………!まぁ、モモタスですら今のラングレーくんからはロックを感じないのだろう

 

「カノジョ、ロッケンローラー辞めてアイドルに転向したいそうなのだよ」

 

「ハァ…?」ピキッ!

 

モモタスはアイドルにあるまじきアオスジを立て、ラングレーくんにガンを飛ばすとズカズカとラングレーくんに近づき右頬をビンタした

 

ビタンッ!!(ビンタ)

 

「イテェ!!!」

 

「ちょっとカワイイからってナメてんじゃないわよ!!アタシ達アイドル艦娘は………鍛え方が違う!精魂が違う!理想が違う!決意が違うのよ!! 」

 

「!?」

 

「わかったらアイドルなんてヤメるのね、マネ!行くわよ!アタシ水飲みたい!フランス産の!」

 

モモタスはごくごく自然なムーヴで俺の腕を掴みその場を去ろうと歩き出したので俺はそんなモモタスの身体を持ち上げつつ腰を落とし自分の片膝をモモタスの両膝に勢いよくぶつけてモモタスのダブルニーをクラッシュした

 

「ウッギャアアアアアア!!なんでぇぇぇェ!!」

 

「すまんすまん、つい…」

 

「ついで桃の両膝破壊すんな!!」


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