【登場人物】
TEITOKU(メガネ男子)
未だ中二病から抜け出せずにいる恥ずかしい大人、最近疲れがとれないのが悩み
TEN-ЯYU(眼帯)
世界で一番自分が強くてカッコいいと心から信じているおっぱいのついたイケメン、妹にはやや弱い
†KISO†(眼帯)
4人の個性豊かな美人の姉がいるラノベ主人公属性持ちのイケメン、家では良い子
2月14日、それは12月24日と並ぶモテない男達がこの世のアベックどもに天誅をくだすイベントである第二次ハルマゲドンの日である…
「では、各自戦果の報告を」
スーパーフ●ミコン内蔵テレビと誰かが買って放置したコンビニコミックが本棚に並ぶ基地No.1憩いスペース、談話室…
その、憩いのスペース談話室に集まった基地No.1のハンサム集団(自称)!スーパー・ハンサム・ボーイズ!!
「ハッ!俺は1だぜ」(龍田様)
一目で尋常ではないとわかる高級感が漂う包み紙に包装された箱をテーブルに置いたのはS.H.Bの厨二担当、煉獄より生まれし黙示録の龍(自称)TEN-ЯYU
「フッ、オレは4だ…」(お姉ちゃん達)
一目で価格・品質共に高級品ではないにせよそれなりに選んだ感のある包み紙に包装された箱を置いたのはS.H.Bの厨二担当、漆黒を纏い禁忌の力に手を染めたダーク・ナイト(自称)†KISO†
「なるほど、さすがはオマエらだ、期待を裏切らない」
「オイオイ、TEITOKUはどーなんだ?」
「漆黒の絆であるオレたちの間に嘘偽りは無しだぜ」
「フッ…」
まったく、コイツらは俺を飽きさせてはくれないな…
天龍と木曾がニヤニヤとする中、俺は持参した紙袋からチョコレートの入った箱を取り出した
「2個だ」
「ハッハッハ!んだよ!やっぱいつもと同じじゃねーか!」
「だな、フッ…やはり今年もオレ達は輝いてるってコト………ん?2個?」
「って1個多いじゃねーか!!TEITOKU!」
「オイオイ、不正はナシって言ったろ?1つはアレだろ、秘書艦の………え〜……なんだっけ、髪長げー子」
コイツ、基地歴長いのにサミー子の名前曖昧なのか…コイツがアホなのか五月雨の存在感が無いのか微妙なところだが、たぶん前者だろう
「たしかに、1つは秘書艦サミー子だ」
一目でわかるテキトーに買ったっぽい普通のキ●トカット、毎年思うがアイツは俺に対する敬意とか無いのだろうか
「じゃもう1個はなんだよ?」
「知らん、朝、執務室の前に落ちてた」
「それ、落とし物だろ?ゼッテーテイトクのじゃねーよ」
「バカ言うんじゃないよこのアホンダラどもが、俺宛にキマってんだろーが!シャイなあの子が名前も告げずに置いて行ったんだよ」
俺の予想ではやはり浜風ちゃんだと断言したいところだが、朝、秘書艦サミー子に尋ねてみたところ鼻で笑われた上に夢は見れたかよ?と俺のキメ台詞まで奪われた
「…………いや、フレッチャーくんか?」
基地には珍しい聖女であるフレッチャーくんならあるいは……ハハッ、参ったなこりゃ
「フレッチャーって誰だ?」
「知らん、外人だろ?」
ウソだろコイツら聖女であるフレッチャーくんを知らないのか!?どこの田舎から出て来たんだよオイ、それとも異世界から来たばかりか?
「ま、そのフレッチャーだかプレッシャーだか知らねーケド、普通に落とし物だろ」
「そうだぜ、テイトクのカウントは1だぜ」
「クッ!こやつらめ…!たしかに、この謎のチョコレートには誰からとも誰へとも書かれていない、つまりは俺宛であって俺宛でないとも言える数学上の難問と言える、つまりは3以上の任意のヒルベルト空間において相互に直交する一次元射影作用素からなる任意の集合についてその中の1つだけに射影作用素に1を与え…」
「よくワカんねーよ!」
「もっとワカりやすく言えよ!」
「つまり、愛=理解だ」
「な、なるほど…」
「正直、サッパリわからねぇがなんとなく理解できた気がするな…」
愛=理解であるように引力とは即ち
これは現代社会においては常識とも言える定説であり、かつてダーウィンの進化論ほどではないが学会にてセンセーションを巻き起こした事もある
「ちなみに今年ものわっちクンがめっちゃ貰ってたな」
「あぁ…」
「ハンパじゃねぇよ、アイツ」
基地No.1の激モテイケメンボーイ、のわっちクン
その…飾らない、気取らない、素っ気ない、ないない尽くしのスタンスが最高にクールでありつつどこか可愛げがあるとこがチャーミングともっぱらの評判である
「アイツなんであんなにモテるんだろーな?オレの方がカッコいいのに」
天龍は妹から貰ったチョコレートの包み紙をワイルドに破り、ワイルドにチョコレートを口に放り込んだ
「さぁな、ただ、1つ確かな事があるとするなら……天龍、オマエよりもアイツの方が頭良さそうに見える気がするな」
木曾も龍田様謹製の高級チョコレートを1つ口に放り込んだ…
「んだとテメェ!木曾ォ!タイマンだ!オモテでろ!」
「フッ、オレとヤる気か…?やめてお……ウッ!鎮まれッ!鎮まれ俺の右手!フッ……どうやらオレの右手は血を欲しがっているようだぜ」
俺はそんな最高のマジダチである天龍と木曾にカフェ・オ・レしかないけど?と2人のグラスにカフェ・オ・レをなみなみと注いでやった
「まったく………キサマらときたら、遊びがすぎるぞ」
「ヘヘッ!」
「フッ」
…………しかしだ、あの落とし物、なんなんだろうな?
俺宛じゃないのならのわっちクン宛か?
そう考えた俺は天龍・木曾と別れた後にのわっちクンのいる基地体育館に訪れ、コレ、俺の気持ちだからと小粋なテイトクジョークを交えつつのわっちクンに渡してやるとのわっちクンは若干引いてた