不健全鎮守府   作:犬魚

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ダラダラしていたせいで2週ぶり…
佐世保か〜…たまには旅にでたいですね

【登場人物】

提督(人間族)
ヒューマンのオッさん、腰に爆弾を抱えている

江風(人間族)
白露姉妹の九女、バカではあるがアホではない


提督と江風と誠心誠意

天気が良いのか悪いのかよくわからない2月の日、そろそろ甘いものが食べたいですね→生でね、と来週に向けてのアピールをしつつ廊下を練り歩いていると、外でバカどもがハシャいでいる姿が目についた…

 

「死ね!メスガキシュート」

 

「うおっ!ペナルティエリア外からの弾丸シュート!」

 

「キーパー峯雲クンだからとれなーい!」

 

この寒いのに元気なコトだ、子供は風邪の子GENKIの子、なんだってチャレンジしてみるべきってヤツだなオイ

そんなくだらないコトを考えつつ自販機コーナーで缶コーヒーを買っていると、廊下の向こう側からいかにも頭の悪そうなバカどもが歩いて来た…

 

「だからヤベーンだって!山風のエクレア食ったのバレたら海風姉ぇにナニされるかワカンねーンだって!」

 

「ふーん、バカじゃねーの?」

 

「だからよぉー!なンかエクレアの代わりになるヤツ……あ、テイトクだ!」

 

やって来たのは白露姉妹の九女と末の十女、赤い髪のバカこと江風と見た目だけは五月雨によく似ているせいか間違われ、凶暴な方の五月雨、五月雨Bなどと呼ばれているある意味姉妹1の狂犬、涼風…

 

「ちょーど良かったぜテイトク!助けてくれよぉ!このままじゃ海風姉ぇにSATSUGAIされちまう!」

 

「ハハ、おっぱい大きい海風クンがそんなコトするワケないだろ」

 

「バカ!おっぱい大きい海風姉ぇだからやるンだよ!」

 

この迫真力……なるほど、江風の言葉にはスゴ味がある!

 

「どーすりゃいいンだよ!」

 

「そもそもなんで海風クンにブッコロがされるのかね?」

 

「いや、冷蔵庫に入ってた山風のエクレア食っちまって…」

 

コイツ、バカだバカだと思ってはいたがマジのバカなのだよ

 

しかしプッツン姉妹と名高い白露姉妹の中にあってもまだマシと言えるのがこの江風、姉妹のエク・レアを食べてしまい反省の心を持ち、どうしたらお姉さんに怒られないで済むかを本気で考えている姉妹の中では珍しい優しい子、いや、優しすぎる子なのだ…

 

これが夕立や村雨みたいなバカの上位種であったなら姉妹のエクレアを食べても反省の心を持たず、むしろ、どうやって相手を殺すかを考え躊躇いなく実行するだろう、場合によっては姉妹であっても平然と切り捨てる残酷性、残虐性、残忍性をも発揮するまさにワルのエリートと言えよう

 

 

「新しいの買って入れときゃいいだろーがよ」

 

「涼風ェ!オマエ天才かよ!」

 

姉妹の最後の子、涼風は袋から取り出したサキイカをクッチャクッチャ噛みつつ冷静で的確な意見を述べた

 

「あ、でもアタシ金ねンだわ!どうすりゃいい!?」

 

「知らねーよ、言っとくがアタイは貸さねーぞ」

 

「マジか!じゃテイトク!金!エクレア買う金くれよ!」

 

「甘えるなクズが、金が欲しけりゃ働け、7-5行って深海のゴミクズどもを皆殺しにしてくるか魚雷磨きのバイトでもして来い」

 

「う〜ン………どっちにしても今すぐってワケにゃいかねーよな、ハッキリ言ってアタシは今追い詰められている…っ!今、この瞬間にも冷蔵庫に山風のエクレアがないコトがバレて真っ先に疑うであろうアタシを探し海風姉ぇが制裁を与えにくる!事態は一刻を争っているンだよ!」

 

「もう制裁されろよ」

 

そもそも100%、いや……100億%コイツが悪いんだしな、まぁ海風クンは優しい子だ、制裁と言っても優しい彼女の制裁など児戯に等しかろう

 

「バカ言ってンじゃあねぇ!!テイトクは海風姉ぇがどんだけヤベーのかワカっちゃあいない!!」

 

「ワカっているのだよ、おっぱい大きいしな」

 

「ワカってねぇ、ワカってねぇンだよテイトクは……海風姉ぇのヤバさはおっぱい大きいだけじゃねぇんだよ…」

 

「そーだぜ、オッさん」

 

「オッさんじゃない」

 

涼風のヤローは食っていたサキイカをペッと窓から外に吐き出した…

 

なんだと?江風だけじゃない、あの涼風にすら警戒を強いるような相手なのか?海風クンが…?

 

いや、まぁ、ハッキリ言って海風クンの駆逐艦離れしたあの胸囲はハンパではない、妹である江風や涼風、姉で五月雨をも圧倒……いや、ブッちぎりに超越している…

もし彼女が駆逐艦でなければ72時間耐久ア●メ地獄で心と身体を俺色に染め抜きア●メ奴隷としていただろう…

 

「…海風とヤるのは時雨様ですら避けるからな」

 

「マジか!あの時雨様が避けんの!?」

 

「あぁ、めっちゃ相性が悪いらしい」

 

そうなのか、キ●キの世代と呼ばれた姉妹の中でも別格、絶対王者西村艦隊を率いるあの時雨様がタイマンは避けるのか…へへっ!そりゃヤベーな!

もし海風クンをレ●プしようと思ったら相当(リキ)入れねーとオラでも勝てねーかもしれねぇ

 

「ならなおさら制裁を受けるしかあるまい、good-by 江風」

 

「イヤだァァァァ!!」

 

江風は両膝を床に落とし、両手で床をハゲしくダァン!したがもはや運命は変えられない、そもそも冷蔵庫に入ってたらしいエクレアを勝手に食ったコイツが悪いし、代わりのエクレアを買う金を持ってないのも悪い

 

そんな江風の危機と慟哭が響く廊下の先から歩いてくる足音…ッ!!

 

「あ、テイトクと涼風と……江風じゃん」

 

「やぁ、こんなところで何をしているんだい?」

 

やって来たのは姉妹の長女、白露とその妹、絶対王者時雨様…

2人はどこか買い物にでも行った帰りなのか、手に袋を持っていた…

 

「おたくの妹がおたくの妹のエクレアを勝手に食っておたくの妹に制裁を受けるのだよ」

 

「いや、妹って言われても9人いるし……え?ナニ?状況がよくワカんないんですケド…」

 

「…江風が山風のエクレアを食べ海風に怒られそう………そうだよね?姉さん」

 

「あ、うん!それ!」

 

さすがは時雨様だ、白露のアホと違って一瞬で状況を把握した、それでいてその手柄を長女に譲る度量の広さ、まるで呼吸をするかの如くごく自然に人の上に立つ事が当たり前の時雨様だからこそできるのだ…

 

「ってかそれ江風が悪いじゃん、ちゃんと謝った?」

 

「謝る前に殺されそーで逃げてンだよ」

 

「ハー………なるほど、よし!わかった!この姉妹の長女である白露お姉ちゃんが一緒に謝ってあげる!」

 

「マジかよ白露のアネキ!」

 

そう言ってキャッキャとハシャぐ白露と江風だったが、その横で時雨様がエクレアくらい僕が買おうかい?今手持ちが少ないから20万あれば足りるかな?と言って財布から紙幣を出そうとしたが空気を読んでやめたのを俺じゃなきゃ見逃していただろう…

 

「アタシ謝るよ!誠心誠意!」

 

「そうよ江風!誠意を持って謝れば真心はきっと通じるわ!」

 

「よっしゃイクぜ白露のアネキ!」

 

江風は立ち上がり白露と共に走り出した、おそらく誠意を持って謝ってもダメなものはダメだろう、だが、それがいい、ワンパクでもいい、たまにはケンカに負けて来い…

 

「…ところで時雨様は白露ねーちゃんと買い物に行ってたのかね?」

 

「そうだよ、チョコレートを買いにね」

 

「へぇ〜………提督の分は?」

 

「ないよ」


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