いや、ホントに最後にして欲しい
【登場人物】
提督(メガネ男子)
最近左肩の痛みに悩まされている四十肩男子
海防艦三十号(みと)
純粋に由良さんをリスペクトする子、あの由良さんが扱いに困っている
ある晴れた昼下がり、今日のディナーは子牛のソテーかしらとウィットに富んだジョークを考えつつ執務棟と教育棟の中庭を歩いていると何やら小さいのに声をかけられた
「あ、テイトク!探していました!」
「…キミは、えぇと……たしか海防艦の、え〜…」
「みとです!」
そうそう、たしかそんな名前………いや、名前?たしかこの子には名前なんてものは無いのだ、海軍で極秘裏に行われていた最強艦娘建造実験なる闇の深いプロジェクトにて造られたらしい悲しき存在なのだ…っ!(たぶん)
しかしあまりにも闇が深すぎるそのプロジェクトは凍結され、被験者であった子供達は全員廃棄されたハズだったが、なんやかんや生き残りがいたらしく、みとクンもその類、かつては被験体No.15と呼ばれた彼女はあの暴力が服を着ているバイオレンス軽巡、悪魔を超えた悪魔とディスられる由良さんに実の妹より可愛がられているらしく、そんな彼女はみんなから悪魔王女と呼ばれているそうな
「え〜……みとクンは提督にナニか用かな?残念だが提督は今これしか持ち合わせがなくてね」
そう言って俺はポケットに入っていたS●Y JOY(ピーナッツ)を取り出しみとクンに手渡してやった
「うわぁ、ありがとうございます!」
「ハッハッハ」
お菓子を貰ったらキチンとお礼が言えるなんて、まったく……海防艦ってヤツは最高だな、いや……そうでもないか、アホの占守クンとか提督にタカるコトに味をしめたアホガキもいるし
「それで?みとクンはなんで提督を探していたのかな?」
「はい!由良さんがテイトクを探していたのでみともそれをお手伝いしてました!」
「……………由良さんが?」
由良さんが俺を探している………
その、嘘偽り無い無邪気な言葉に俺は一気に警戒レベルを上げた、俺の“円”は射程大体2メートル、少なくとも2メートル以内に由良さんが居ないのは確かだ
むしろ、2メートル以内に由良さんが立つと言うコトはそれは既に必殺の間合いに他ならない
「なんか……ユー……ユーツーブーってインターネットを見て幻魔拳を覚えたからテイトクのチ●コに幻魔拳だあっ!って言ってました」
あのヤロウ…っ!!なんてコト思いつきやがるッ!!正気じゃあない…!なんて発想しやがるんだ!
「と言うか、みとクン、女の子がチ●コに幻魔拳だあっ!と言うんじゃあない」
「そうなんですか?」
「そうなのだよ」
まったく、由良さんのヤロウ…純真な子供になんて単語を教えるのだよ、清く正しく生きていたらチ●コに幻魔拳だあっ!なんてセリフ思いつかないのだよ
「とりあえず、由良さんは目についたヤツに実験がてらに幻魔拳だあっ!しながらテキトーにテイトクを探し回るって言ってました!」
「サイアクだよオイ!!」
な、なんてヤツだ…っ!しかも由良はユーツーブだかなんだかで幻魔拳を覚えたせいで幻魔抜きができない幻魔拳素人、このままでは由良さんによる無責任幻魔拳で基地が阿鼻叫喚の坩堝に突入してしまう!!
「ハァ………しゃーなしだな、みとクン、由良さんはどっち行ったのかね?」
「え〜……たしか、手始めに実の妹達に幻魔拳してくるって言ってました!」
「鬼かッ!!」
このままでは鬼怒と阿武隈がアブない!いや、むしろもう手遅れな気もするが…っ!
俺は由良さんの凶行を止めるべく、みとクンと一緒にとりあえず歩いて鬼怒と阿武隈が居ると言う談話室の方へと向かった…
◆◆◆
「………既に遅かったか」
談話室には鬼怒と阿武隈が転がっていた…
とりあえず、胸のあたりを両手で押さえた鬼怒を抱き上げた
「大丈夫なのかァ!!だ、誰にヤられたーッ!」
「う…ぅぅ、テ、テイトク」
「由良さん!!由良さんだなーッ!由良さんにヤられたんだなー!」
「そ…そうだよ、鬼怒の、お……おっぱい、おっぱいが爆裂しちゃったよ…」
鬼怒曰く、談話室で阿武隈とティーを飲みつつ龍驤のやってるダビ●タを眺めていると、突如として現れた実の姉から幻魔拳だあっ!の直撃を受け、鬼怒っぱいが爆裂したらしい
まぁ、見た目は変わりないから本人にしかワカらないのだが…
「う…ぅぅ…!」
「阿武隈ァ!オマエはどこをヤられたんだーッ!」
「あ、アタシも…アタシもおっぱいを…」
「なら大丈夫だ、最初からほぼねぇからな」
「ヒドィ!!」
よくわからんが阿武隈は幻魔拳の影響をあまり受けていないらしく、しいて言うなら阿武隈の武の字が爆裂して現在阿◾️隈になってるぐらいだろう…
「由良のヤツ、覚えたての幻魔拳でハシャいでおったわ」
「RJ!居たのか!」
「まぁな、しかし幻魔拳か……厄介な技身につけおったのぉ」
日がな談話室のスーパーファミ●ン内蔵テレビでダビ●タに興ずる暇人空母、龍驤
その実力、そしてカリスマ性は高く、基地空母界の中でもビッグママと唯一並ぶと言われている…
そんなカリスマ空母はみとクンに黒棒食うか?と菓子皿に入ってた黒棒を渡してやった
「うわぁ、ありがとうございます!」
「アッハッハ、悪魔王女言われとるわりにキチンとお礼言えるんやな、えぇ子やん、うちの子になり、百足固め教えたるわ」
◆◆◆
RJ曰く、由良さんは次はウチとやろーか?と言ったらビビり散らして軽巡狩りだあっ!とか言いながら談話室から出て行ったそうだが…
「いったいどこへ…?」
「あ、テイトク!あっちから由良さんの匂いがします!」
「匂い…?え?ナニ?みとクン、由良さんの匂いとかワカるのかね?」
さすがは悪魔王女………大した子ね
とりあえず俺たちはみとクンがたぶんあっちです!と言う方へと向かってみると…
「デロ子ォー!!」
デロ子が転がっていた…
「大丈夫かーッ!!誰にヤられたァーッ!!」
「ヘッ…へへ、テイトク、ヤられちゃったよ…」
合法ハーブの香りがするわかりみが深い軽巡、デロ子は髪の長い軽巡からいきなり幻魔拳だあっ!と幻魔拳をおっぱいに喰らいおっぱいが爆裂したと…
「なら大丈夫だな、最初から無いから」
「ヒドくない!?」
「そんなコトよりパースちゃんとヒューストンくんは一緒じゃないのか?チームABDAは常に一つ、決して散る事のない鉄の結束じゃないのか?」
「パースなら今日はヤマダナントカ先生の新刊出るから話しかけるなボケって、ヒューストンはお姉さんとスーパーボールを観に行くって…」
脆い鉄の結束だなオイ、まぁ、被害に遭ったのがデロ子だけなのが幸いか…
「デロ子、由良さんはどこへ行った?」
「知らないよ…っ!ってかなんなのコレ!アタシのお腹穴開いてるんですケド!?」
「お腹に風穴ぐらいで文句タレるな、俺なんかチ●コを爆裂させられる危機なんだぞ」
「別にいいじゃん」
「良いワケねーだろ、俺のおチ●ポ様をなんだと思ってるんだ」
「意味わかんない、ってかコレ治るの?」
「知らん」
この後、天龍、木曾、夕張と幻魔拳の餌食になり………いや、正確には夕張はノーダメージだったらしいが、たぶんアイツは性格的なものと言うか、人間性がゼロなので幻魔拳が効かない系なんだろう、悔しいんだろうが仕方がない…
そして、ついに度重なる実践幻魔拳を積んだ由良さんは俺のチ●コを爆裂すべくその姿を現したッッ!!
一触即発………今、まさに俺と由良さんの頂上決戦か幕を開けようとしたその時、みとクンが由良さんとお買い物に行きたいです!となんかグイグイきたので、結局俺と由良さんの頂上決戦はイイ感じにお流れになった…