【登場人物】
提督(クズの鑑)
艦娘を下等と見下すイヤな感じの男、金と権力が好き
五月雨(秘書艦)
提督とはわりと付き合いの長い秘書艦、髪も長い
塵も積もれば塵芥、人の命も塵芥、しかしカミサマから見ればそんなちっぽけな存在である人間も魂を燃やして生きている…
「卿もそうは思わないかね?」
「ナニがですか?」
秋の夜長の執務室、本日の業務を当たり障りなく終え、満月を肴にセンチメンタルな事を考えていた俺は、我が右腕にして共に銀河を手に入れようとあの日誓った莫逆の友、秘書艦サミー子からナニ言ってんだコイツ?イカレているのか?と言いたげな目を向けられた…
「え?アレだろ?オマエほら、アレだろ?なんっーか、ほら、なんかを心を見る能力とかそーゆーの持ってんだろ?」
「いや、普通に無いですけど」
「ウソつくんじゃないよこの子は!」
「そーゆー厨二的な能力は無いですが、またテイトクがアホなコト考えてるな〜…ってのはそのツラ見たらワカりますよ」
「誰がマヌケヅラじゃコラァ!そのドラゴン●龍みてぇーなロン毛、アトムみてぇーに刈り上げっど!」
俺は執務机の上にあったハンドスピナーを秘書艦サミー子に投げつけたが普通にキャッチされた
「で?今日は何ですか?また浜風さんをレ●プする画期的な案でも思いついたんですか?」
「まるで俺がレ●パーみたいに言うんじゃないよ、この子は…」
「まぁたしかに、そのレ●プが一度も成功してないですしね、これは失礼しました」
…コケにしやがって、しかしだ!しかしサミー、たしかに、なんやかんやで連載900回もかけて俺は浜風ちゃんをレ●プするコトができていないコト、認めよう…
そして!今までの俺には甘さがあり、レ●プを侮っていたコト、認めよう…
認めることで人間と言う生き物は“成長”をする、そしてその“成長”こそが大事なのだッッ!!今までの俺はその人間の“成長”を侮っていた、軽視していたのだッ!その人間の持つ侮りがたい爆発力が幾度となくこの俺を邪魔してきた要因ッッ!!
「コーヒーでも淹れましょうか?」
「いらん、貴様の淹れたコーヒーを飲むぐらいならヘドロでも飲んだ方がマシだ」
「イラッとします」
秘書艦サミー子は左手でクルクル回していたハンドスピナーを止め、外角に逃げるスライダー気味に投げ返してきたが俺はそれを片手でガッチリとキャッチした
「そう、なんやかんやで900回目だ」
「はぁ…?」
サミーはナニメタいコト言ってんだコイツ?イカレているのか?と言いたげなツラをしていたが、俺はイカレてはいない
「“ハードボイルド医療ロマン”と銘打って始まった不健全鎮守府だが…」
「いや、ハードボイルドでも医療ロマンでもないですよね…」
「最終回まであと100回です」
「へぇ〜…」
コイツまったく興味なさげに…
サミー子は机からホチキスを取り出し、新しいホチキスの針を詰め始めた…
「trueエンドは俺が浜風ちゃんを無事レ●プしてチ●ポ大好き性奴隷へと堕とすエンドなのだよ」
「クソエンドじゃないですか」
「クソエンドじゃない、提督だ」
「それに、なんか放置気味の長編もあるし、やる気あるんですか?」
「やる気はある」
「はぁ?」
「やる気はあります」
「声が小さい」
「やる気はありまぁす!」
知ってるんだよ!!そんなコトはよォー!こ、国語の教師かよォー!テメーはよォー…!!
わかってんだよ、ただ、なんかイマイチ気分がと言うか……ほら、アレだよ!アレ、アレな感じなんだよ
「とりあえず、浜風さんをレ●プする前に放置気味のやつなんとかして無駄にフラグを立てた人をキチンとお断りするなり始末するなりして有馬のお嬢様の件はなんかイイ感じの当たり障りない言い訳してからにしてください」
「お、おぅ…!」
こやつめ、今、俺が抱える問題をなんと冷静に的確に…
フッ、まったく……大したやつだよ、オマエは
「あ、あと由良さんもなんとかして下さいよ、trueエンド条件は由良さんをア●ル隷奴に堕とすこと、金剛さんとの完全決着(最後に風の拳で倒せ!)、浜波さんの両目開放イベントが必須ですよ」
「条件キツいなオイ!!」
特に由良さんをア●ル隷奴に堕とすとか無理ゲーすぎるだろ、付き合いは長いが由良さんをなんとかする必勝法は無い、しいて言うなら“起き上がりに足払いを重ねる”ぐらいだろうが、それでもひょっとしたら倒せるかもしれないってレヴェルだ、由良さんからテイクダウンをとると言うコトはそれだけで一流と言っていいだろう
「っーか浜風ちゃんの両目開放イベントってなんだよ」
「浜風さんじゃないです、浜波さんです」
「誰だそいつは!新手の敵か!」
「夕雲さんとこの姉妹の子ですよ、ほら、なんかエロゲの主人公みたいな前髪の…」
「女の子がエロゲの主人公とか言うんじゃあない」
…あぁ、あの子か、そうそう、たしか浜波ちゃんと言ったっけな、バカガキがデフォルトなウチには珍しく真面目で良い子っぽい子
前にサミーがチラっと見て戦慄し、あのリシュリューすら美しい…と言わしめた浜波ちゃんの素顔…
たしかに、興味がないコトはないが、古来より、前髪目隠れと瓶底眼鏡は超絶美少女、これは既に常識…俺ほどの男にはそう珍しいものじゃあない
そして、浜波ちゃんがその素顔を晒してしまえば今までヒロインヅラしてイキっていたバカどもが全て霞むだろう、真のヒロインはそれだけで全ての偽ヒロインをブッチギリに超越するのだ
「っーか前髪なんかフツーに上げられるだろ、なんかそれだけ条件緩いな」
「とんでもない、浜波さんの両目開放イベントこそ最難関と言っていいレベルですよ」
「ハハ…んなワケないない」
「まずは浜波さんを除く夕雲型全員の好感度★8以上にあげつつコレを15ターン維持、すると7月の第1週で清霜さんが異世界転生するイベントが発生しますがこれを阻止、阻止する為には陽炎さんの下の毛、平戸ちゃんの右目、デスブリンガーが必要になります、異世界転生トラックをファイトネスポイント20万以上ある状態でスタイリッシュKOしてください、そうすると7月の第3週で白露姉さんが闇堕ちするので…」
「もうよい、卿の話はわかった!もうよい!」
「そうですか?」
攻略本かコイツは!っーか条件が厳しいとか厳しくねーとかそんな次元じゃねーぞオイ!
「ちなみに陽炎さんの下の毛はケツ毛でも代用できるそうです」
「女の子がケツ毛とか言うんじゃあないよ、この子は」
っーか陽炎にケツ毛なんか生えてるワケねーだろ、下の毛すら怪しいだろアイツ
「とにかく卿の話はわかった、難しいコトはよくわからんが…………とにかく俺は浜風ちゃんとヤれる!ってコトだな!」
「…………はぁ?」
「オイ、なんだその目は、眼球からゲロ吐きてぇーのか?あ?」
「いえ、むしろ眼球が洗われた気分です、とびっきり汚いものを目にするとそんな気分になりません?」
こやつめ、ナチュラルにこの提督様を見下しおって…
どうやら自分が下等艦娘であることをわからせる必要がある
「まぁいい、俺、今から浜風ちゃんレ●プしに行ってくるから、オマエも一緒に来い」
「え?普通にイヤですよ」
「バカオマエ!オマエが居ないと始まらねーだろーが!オマエが撮らなきゃ誰が撮影係するんだ!」
「ハメ撮りすればいいじゃないですか」
「女の子がハメ撮りとか言うんじゃあない!第三者視点での映像がいるだろーが!第三者視点の!」
「定点カメラでもセットすりゃいいじゃないですか」
「バカオマエ!レ●プには臨場感が必要なんだよ!イイ感じのカメラワークが!」
たしかに定点カメラと言う手も無いこともない、あえて無機質なカメラに向けて自らの痴態を撮影されているんだぞ!っと羞恥心を煽る効果も期待できる
しかしそれはエレガントではない、ノット・エレガント
「ほら、俺のハンディカム貸してやるから」
「なんかテープ入ってますけど?」
「あー?あ〜………たぶん去年の運動会のやつだな、いいよ、そんなもん消して」
たしかリレーで頑張る暁ちゃんを撮影してる最中、同じく礼号組のバカガキを撮影してた足柄のボケから邪魔だボケと肘を入れられたり入れたりして熾烈なポジション争いをしたっけな…
「まぁいいですけど」
「よし!ハンディカムは持ったな!ハンカチーフとティッシュも持ったな!では行くぞ!」
「別に構いませんけど、あとでチョコレートパフェ奢ってくださいよ」
この後、五月雨と浜風ちゃんをレ●プするべく駆逐艦のバカどもが住む寮に向かったが、あいにくと浜風ちゃんは不在、同じ部屋に住んでいる浦風から浜風なら昨日から釣りに行って帰ってきてねーと説明されたが、なんかその態度がムカついたのでお腹パンチをブチ込むと浦風は当然の如くナニすんじゃワレェ!と俺の胸ぐらを掴んできたのでもう1発お腹パンチを叩き込み失禁KOした