【登場人物】
Massachusetts(マサさん)
MIT出身のインテリ戦艦、MAJORの例に漏れないパイ乙でありつつ太ももとか超エロい
秋の新人面接を終えて翌日…
「そう言えば提督」
「なんだ?」
本日晴天のゴキゲンな天気、風は向かい風で喫煙所まで15から20ヤード、そんなゴキゲンな執務室で朝から特にやることもなくメガス●アを読んでいた俺に、秘書艦サミー子がどうにも神妙な顔で1枚の書類を差し出してきた
「ナニこれ?休暇申請か?」
「いえ、新人さんの履歴書的な書類です」
ナニ言ってんだコイツ?イカれているのか…?だって面接、昨日終わったじゃん…?
「いや、それが普通に1人忘れてました、アメリカ人の戦艦の人が」
「コイツ!俺の心を読んだ……!?能力者か!」
「いや、普通に能力者じゃありませんし、提督の浅い考えなんて顔見りゃすぐわかります」
「やかましい、誰が浅い考えだ」
っーか普通に1人忘れたとか真面目にヒドすぎじゃねーの?じゃあナニか?新人面接6人とか聞いてたけどホントは7人だったってコトか?ナチュラル非道体質だよオイ、訴えられたら負ける要素しかないよ
「とりあえずアメリカ人でマサさんって言うんですけどね」
「マサさん…?」
「なんこう……ちょっと手違いがあってマサさんだけ面接日が1日違いなんですよって一応事前に連絡してあるので、まぁ、たぶんいきなり殴られるコトはないとは思います」
「殴られる前提かよ、っーかお前が殴られろよ、お前がミスったんだろーが」
「え?普通にイヤですよ」
ーーー
まさかのナチュラルに1人忘れていたと言う緊急事態発生にも安心の対応力、過ちを気に病むことはない、ただ認め、次への糧にする、それが大人の特権なのだよと特権乱用し、新人面接7人目…
「Nice to meet you?My name is Massachusetts、よろしく」
「Nice to meet you Ms.Massachusetts」
MAJORから来た本格左腕Battleship、マサさん
見た目がアメリカナイズで愛国心に溢れるサウスダコタの妹らしく、よく見るとなんとなく似てる感がある
「Admiral、ニホン語でOKよ」
「Thanks、では日本語で…」
グゥゥゥム、さすがマサさん……ナチュラルにさん付けされるだけはある、基本的に戦艦と言えば落ち着きがなかったり人の話を聞かなかったりとアレなやつが多い気がするが、このマサさんは違う!!
なんと言うか、知的でクールで、落ち着きがある…ッ!
「えー……マサさんはあのサウスダコタの妹と聞いてますが」
「そうね、South Dakotaは私の姉妹よ」
さすがはマサさんだ、今までのバカどもとは落ち着きのレヴェルが違う、MIT出身の超インテリと言うだけはある
そんな超インテリのマサさんに感心していると、秘書艦サミー子が冷蔵庫から取り出したバームクーヘン(俺の)をマサさんの前にどうぞと置いた
「Thanks、ありがとう」
「あ、コーヒーでも淹れましょうか?」
「そうね、お願い、Blackでいいわ」
「ブラックですね」
サミーはにこやかに笑い、愛用のコーヒーセットをISO-ISOと準備し始めた…
いや、ダメだろ?超インテリのマサさんにお前のクソマズコーヒーとか飲ませたりしちゃ、知的でクールなマサさんでもキレるんじゃあないのか?
と言うかそのバウムクーヘン、俺が買ってきた俺のOYATSUだったんだが…
「ところでテイトクさん」
「ナニかね?」
「Dakotaのやつ、ナニか迷惑をかけてなかった?一応、本人からは真面目だぜ!とか言ってたけど、イマイチ信用できない」
「あー…特に迷惑と言う迷惑は…………あ、むしろワシントンとつるんでコロちゃんに迷惑かけてた気がするなぁ」
「コロ……?あぁ、Coloradoさん?」
「それな」
マサさん曰く、本国………と言うか、high school、college時代とサウスダコタとワシントンの2人はコロちゃんにレポートを書かせるわ、代返させるわ、学食を奢らせるわ、車を廃車にするわとチンピラそのものの所業を繰り返していたそうな…
「まぁ、アイツら昔から特にColoradoさんに懐いてたけど…」
「コロちゃん先輩(笑)って1ミリもリスペクトする感じない懐き方だけどな」
そんなワリとマトモなマサさんと、コロちゃん先輩(笑)に対するバカどもの対応が任意の自然数 n について、n2 と (n + 1)2 の間には必ず素数が存在するか否かを当てはめて改めてアプローチしつつ議論をかわしていると…
「コーヒーです」
「Thank」
ご自慢のブレンド·コーヒーを淹れた秘書艦サミー子がやって来た
「…………ウッ!」
コーヒーを一口啜り、顔をしかめたマサさん………しかし
「…………個性が強い味ね」
優しい!!マサさん優しい!空気読めないジョンくんと違って空気が読めるアメリ艦だった…!
そしてサミー子よ、何故お前はそんな唯一無二の殺人コーヒーを出しておいて誇らしげな佇まいでいられるのか…
本場アメリカ人から文句が出なかったことに気を良くしたのか、秘書艦サミー子は菓子棚からちょっとお高価なクッキーを取り出し菓子皿に入れた
「………テイトクさん」
「いいんだマサさん、言葉ではなく、心で理解している」
「そう…」
この後、無事に面接は終了し、自慢のコーヒーがアメリカ人にも受け入れられたことに気を良くしたサミー子から、やっぱりジョンストンさんも提督と同じで舌がおかしいだけですよと言われ、ややイラッとした