【登場人物】
提督(メガネ)
メガネ男子、得意な料理はクックドゥー
香取先生(メガネ)
メガネ女教師、得意な料理は卵焼き
鹿島先生(巨乳)
どエロイ女教師、駆逐艦のアホガキどもからスケベの化身かよ!とディスられている
夏の暑さも去り、なんやかんやで日中も寒さを感じつつある初秋の執務室、アフター5の鐘と共に今日は姉妹で焼肉するのでこれで失礼しますと言って颯爽とGET W●LD退勤をカマす秘書艦サミー子の背中を見つつ俺も本日の業務を終えた…
しかしあの姉妹、昔から仲良いのか悪いのかよくわからんな…まぁ、俺には関係ないコトだが……
「さて…」
今日はもう仕事する気もねぇし、ママんトコにでも行って一杯ヤるか、マミー屋に行ってアツアツに焼いたステーキでも食うか……
間宮の子分から聞いた話では、間宮は最近グ●メ界に行っていたらしく、なんかスゲー稀少な肉を仕入れたとかなんとか言ってたしな〜……と考えていると、執務室の重厚な扉をキチンとノックする音が響き、扉が開いた
「失礼します、提督、少しお時間よろしいでしょうか?」
「これはこれは香取先生!モチロン」
エレガントに扉を開いたのはメガネがステキな香取先生
ウチの救いようの無いバカどもにアツく熱血指導してくださるまっことアツい教育者の鑑である
「今度の基地開放祭について少し相談が…」
基地名物秋の基地開放祭ッッッ!!
当基地では毎年この時期に基地開放イベントとして開催しており、秋の地域密着型イベントとして多くの地元民達に愛されている大事な大事な年間行事である
毎年大好評であり目玉である“撲針愚”や“羅惧美偉”は特に大盛況であり基地の大事な大事な運営費獲得イベントでもある
「ほぉ、開放祭の…?」
「えぇ、今年の合唱コンクールなんですけど一部の海防艦の子がちょっとアレでして…」
「ほぉ…アレですか」
「えぇ」
ちなみに、毎年血を血で洗うデスマッチとか宣伝してるせいか開催日に警察が飛んでくるがその度に派手な宣伝してる学芸会ですわガハハハ!とサラリと流している
「香取先生、なんでしたらお話はディナーでもとりつつ…」
「まぁ!提督から誘って頂くなんて…」
モチロン構いません、えぇイエスです、イエスです提督と俺とのディナーを快く了承してくれた香取先生、まったく、香取先生はいつだってエレガントでいらっしゃる…
「では提督、少し準備をして参ります、えぇと……」
「では18……いえ、19:00に駐車場前にでもしておきましょうか」
「わかりました、19:00に駐車場前ですね」
そう言ってエレガントに一礼し香取先生は執務室を去って行った……
さて、俺も準備するか、準備、相手は香取先生だしな!これがサミー子とかだったら黒に金のラインなジャージにキ●ィちゃんのサンダルでもハッキリ言って俺は気にしないが、相手が香取先生となればハンサムな俺としては努めて紳士な装いでなければ香取先生に恥をかかせてしまう
◆◆◆
皆さんこんにちは、鹿島です
練習巡洋艦鹿島と言えば世間的には突然基地に着任し提督をメロメロにし古参の艦娘から嫌われる鎮守府クラッシャーとかディスられたり、秒で搾精する淫魔とかディスられたりしてるらしいですがそれは一般的な鹿島です、私ではありませんし、そんなふうになりたいと考えていた時期が、私にもありました……
「あー………もう夕方じゃん、香取姉ぇまだ帰ってきてないし」
本日の私は休日、普段は先生と呼ばれて駆逐艦や海防艦の子の模範にならないといけないと言う責任感からパリッとした制服を着こなしているが、休日の部屋着はジャージ、しかも高校の時…
まぁ、誰に見られるワケでもないのだからジャージで何の問題もないワケだけど…
「ハハ…撮り溜めしたアニメ見てたら休日終わってるとか色々終わってるわ、私…」
ぼんやりと窓の外を見つつ冷蔵庫から取り出した缶チューハイのプルトップの蓋を開け、それを口に流し込むと少し涙が出てきた…
………昔は若くてイケメン提督のいる基地に配属され、イケメンな提督とイイ感じになってみんなから先生先生ってちやほやされたいな〜…って夢を持っていた
でもね、夢だった、夢だったんですよ…
まだ夢見ちゃってた頃の自分にショボい人生でゴメンねって謝りたい気持ちでいっぱいですよ
……と、そんなコトを考えつつ冷蔵庫にたしかカニカマがあったなと漁っていると、部屋の扉が開く音が聞こえてきた、香取姉ぇが帰ってきたのか…
「ただいまー………って、鹿島、休みだからってまたそんな格好で…」
「おかえり〜香取姉ぇ、今日の夕飯なに〜?」
「夕飯なに〜?じゃありません、鹿島、今日姉さん提督にディナーを誘われてるからアナタはアナタで適当に済ませて」
「…はぁ?」
マジかあのメガネ、香取姉ぇをディナーに誘うとかやるなあのメガネ
「はぁ………しゃーない、カップ麺にしよ、香取姉ぇ、カップ麺のストックってこの棚だっけ?」
「……アナタねぇ」
「別にいいでしょ、たまにはカップ麺で済ませても」
香取姉ぇは呆れたように溜め息を吐くが、私は私だ、誰もが香取姉ぇのように公私共に完璧には出来ない
まぁ、完璧かと言われたら香取姉ぇも男の趣味だけは最悪だけど…
「…………鹿島」
「ナニ?」
「すぐに着替えなさい、アナタも行くのよ」
「…………は?」
「は?じゃありません、は?じゃ、アナタも一緒に行くと言ったんです、早く支度しなさい」
ナニ言ってるのこの姉…?言っている意味がわからない、提督とディナーに誘われた、この状況で………イカレているの…?
「いやいやいやいや、香取姉ぇ!私、関係なくない!?ディナーに誘われたの香取姉ぇだよね!?」
「たしかに、ディナーに誘われたのは私ですが、提督からは食事でもしつつ今後の教育方針に関するディスカッションでもどうかと誘われています」
「はぁ?」
香取姉ぇ曰く、基地の教育方針に関する話をするのだからアナタもいなきゃダメでしょ、とのコトだが………え?ナニ?この姉、ヘタったの?この必勝を約束された空前の土壇場でヘタったの?あの香取姉ぇが………?
「とりあえず、超失礼なコトを考えているのはわかります」
「か、考えてないよ!!」
「………はぁ、鹿島、だからアナタはダメなのよ」
香取姉ぇは溜め息まじりに東方先生みたいなコトを言った…
「鹿島、アナタはナニ?」
「え?え〜………練習巡洋艦?」
「何故疑問形…?まぁいいわ、練習巡洋艦鹿島、アナタの仕事は?」
「え?え〜……若くて将来有望そうで見た目よりエッチがスゴそうなイケメンの提督とイイ感じの関係に…」
ダァン!!!(禁鞭)
香取姉ぇの鞭が私の頰を掠めて床を叩いた………
「わ、わたし……わたしのお仕事は、くちくかん、とか…カイボーかんとか……小っちゃい子たちに、一般的な常識とか教養を与え健全な大人になれるようにお手伝いする、お…お仕事、ですっ!」ガタガタ…
ヤバい、怖い、ダメ、死ぬ、ヤバい、殺される、あ、ダメ、漏れそう…
「そう…」
「こ……殺さないで…」ガタガタ…
「殺すワケないでしょ、ほら鹿島、はやく準備しなさい、準備、提督をお待たせするわけにはいきません」
「は、はぃ!!」
この後、私は香取姉ぇと共に提督と待ち合わせしていると言う駐車場に行ったものの、提督の車は2シーターだったので、コレ!私邪魔ですよね!私マミー屋行きますから!と手を挙げたが、では私の車で行きましょうと香取姉ぇに提案され、3人で食事に行くコトになった…
移動中、そして食事中も提督と香取姉ぇのトレンディ小芝居にちょいちょいイラっとしたが、香取姉ぇが怖くて私は心の中でツッコんだのに、そんな私の心の中を見透かす鹿島?と言う微笑みに生きた心地がしなかった…