不健全鎮守府   作:犬魚

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日曜じゃねーの(日曜じゃない)

【登場人物】

熊野(くまの)
最上姉妹の末妹、エレガントにみせかけたエセガントに定評のある暴力系、提督とはわりと仲が良いらしく、好きな超人プロレス技が似ている

鈴谷(負け確ヒロイン)
自称・メインヒロイン様、ビッチなことに定評があるが本人はビッチではなく清純派と言い張る清純派ビッチ、闇払いと鬼焼きが得意


熊野と鈴谷となるほど日曜じゃねーの

クソみてぇな重巡の住む寮、さわやか寮…

 

「ただいまーですわ、ってクサッ!!クソい!!お部屋がクサいですわ!!ありえないぐらいクサいですわ!!」

 

「おかえりー…」

 

ある晴れた休日、今日は良い天気だから街に行ってショッピングでも楽しみますわー!と朝から出かけていた熊野が寮の自室に戻ると、部屋がありえないぐらいクサかったらしく、熊野は即座にハン・カチを口にあてて姿勢を低くしてダッシュで部屋の窓をカチ割った

 

「ハー……ハー……」

 

「ナニやってんじゃん熊野、部屋のガラス割ったらまたテイトクに怒られるじゃん」

 

「やかましいですわ!!」

 

「えー…なんでそんなキレてるし」

 

「気分良くショッピングして帰ったら部屋から刺激臭がすればそりゃキレますわ」

 

私が菩薩でもキレますわよと買い物袋を自分のベッドに放り投げ、熊野は冷蔵庫から冷たい麦茶の入ったペットボトルを取り出しグラスに注いだ

 

「ブハァ!うんめェーですわ!」

 

「ってか今日熊野出かけたんだ?プラモでも買ってきたの?」

 

「靴と鞄ですわ」

 

「マジかよオマエ、マジか熊野オマエ、どーしたよ熊野ちゃん?ナニ?急にオシャレに目覚めちゃった系?お姉ちゃんマジビビったわ」

 

「やかましいですわ、私は元々オシャレですわ」

 

「へぇー…」

 

「と言うか鈴谷はナニしてましたの?部屋で1日オナってたにしては並の匂いではありませんでしたわよ、ゴブリンの巣穴ぐれーのクサさでしたわ」

 

「オナってねーし、ってか熊野はゴブリンの巣穴臭とか知ってんのかっーの」

 

「私は知りませんけど、この前、テイトクと女騎士がそれっぽいお話をしてましたわ」

 

「へぇー…」

 

鈴谷は興味なさげに椅子から立ち上がると、あー腰痛てぇー…腰パンパンだわーとか言いつつ冷蔵庫を開けて麦茶の入ったペットボトルを取り出し、ワイルドに直飲みした

 

「ブハァ!!うんめー!」

 

「ちょっと鈴谷!!アナタ今ナニしてくれましたの!?」

 

「ナニって…茶飲んだんだけど?」

 

「茶飲んだんだけど?じゃありませんわよ!共用で買ってる麦茶を直飲みするんじゃありませんわよ!汚らわしい」

 

「いや、汚らわしいはいいすぎっしょ…」

 

「そうですわね、言われてみればまぁ汚らわしいは言い過ぎかもしれませんわ、鈴谷が口をつけたペットボトルなら出すところに出せば3諭吉ぐらいはイケそうなお宝グッズとも言えますわ」

 

「ナニが3諭吉だよコノヤロー」

 

鈴谷は飲みかけのペットボトルを冷蔵庫に戻し乱暴に冷蔵庫の扉を閉めた

 

「と言うか鈴谷、あの刺激臭はなんだったんですの?オナ臭にしてはバイオ・テロぐれーの刺激でしたわよ」

 

「オナ臭じゃねーし、鈴谷清純派だからオナったりしねーし」

 

「ハイハイ、オナ禁クイーン オナ禁クイーン」

 

「オナ禁クイーンじゃねーし、今日1日カレー用のスパイスを調合してたからその匂いじゃね?」

 

「カレー用…?あぁ、加齢臭…」

 

「加齢臭じゃねーし、美味しいカレーにスパイスはかかせないじゃん?」

 

「はぁ?」

 

熊野はナニ言ってんだコイツ、イカレているのか?と言いたげな顔で菓子棚に入っていたファミリーサイズのオ●オの袋を開けた

 

「鈴谷、軍辞めたらカレー屋やろーかなぁ〜って思っててさぁ〜」

 

「死亡フラグですわ!?」

 

「誰が死ぬかっーの、鈴谷死なねーし」

 

「…で?軍を辞めて1人寂しくカレー屋を開店した鈴谷は生涯処●のまま楽しく暮らしましたとさ、と言うオチでいいんですこと?」

 

「ハァ?鈴谷処●じゃねーし」

 

ア●ルはだけど…と小声で付け加え、鈴谷は枕元にあったキモい犬のぬいぐるみを熊野に投げつけたが、そのぬいぐるみは熊野の打ち下ろしの右で床に叩き落とされた

 

「…まぁ、鈴谷の明るい人生設計にグチグチ言うのは私の美意識に反しますし、私の健康に著しい害を残しますわ」

 

「なんでテメーにそこまで言われなくちゃならねーし、っーか熊野、さっきからナニ?ナメてんの?なぁオイ?さっきからお姉様のコトナメてんの?なぁ?ガキんときオネショでアレフガ●ドの地図作った熊野ちゃん?」

 

鈴谷はベッドの横に立てかけてあった金属バットを手にピキッ!パキッ!っと立ち上がった

 

「相変わらず野蛮ですわね、そんなコトだからモテませんのよ」

 

「ハァ?鈴谷モテますけどー?超モテモテですけどー?今だってキープくん30人はいますけどー?」

 

※キープくん

主にバブリーな世代や足柄が好んで使う死語、本命ではないけどまぁ足代わりとか財布代わりになる男をさす

 

「超モテモテのヤリ●ン女が休日を潰しておハーブの調合とかマジおハーブですわ」

 

「おハーブじゃねーし、スパイスだし」

 

「ハァ……休日におハーブカクテルキメるぐらいならテイトクでも誘ってゲーセンにでも行くぐらいのガッツを見せてくださいまし」

 

「はぁ?なんで鈴谷がテイトク誘ってゲーセンとか行かなきゃいけねーし、むしろあっちから誘うのがスジじゃね?」

 

「な、なんと言うPRIDEの高さ…」

 

しかし今日、提督はなんか海防艦の生っ白いメガネの子とゲーセンに行き、テト●スとぷよ●よでメチャメチャにボコられたコトを熊野は知っていた…

 

つまり、今日、鈴谷がゲーセン行こうぜ!と誘っても死なすぞダボの一言で斬り捨てGOMENだったであろう事実も…

 

「フッ、大した鈴谷ですわ」

 

「わかればいいじゃん」

 

「ちなみに私、今日のディナーはテイトクにカレーを奢っていただきましたわ」

 

「ファーックス!!!」


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