不健全鎮守府   作:犬魚

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忘れた頃にやってきたその⑤
真‼︎はあと2回で終わる感じです

【登場人物】

提督(ザ・提督)
イインだよ!細けぇーコトはよォ!で無双するタイプの快男児、専用武器のスーパーブラックホークは主に鈍器と使用する

有馬優(お嬢様)
喋らない事に定評のあるワリと感情豊かなお嬢様、攫われ・巻き込まれ属性は生れついてのデバフらしい




真‼︎不健全鎮守府-提督最後の日-⑤

「うぉー!外道に人権はねぇーッ!!」

 

洋上でのテロリストによるクルーズ船占拠事件、お嬢様(+その他大勢)の奪還作戦、外を囲むゴキゲン集団はイカレ露出狂博士と謎のラスト・サムライに任せ、俺と天海はクルーズ船に突入、人質になっている紳士淑女の皆様が集められたホールを確認した俺たちは人質を解放すべく作戦を決行するのだった…

 

『What is this guy crazy!』

 

『Kill the relationship!』

 

『Don't give it back alive!』

 

「アーン?アイアムアボーイ、ジスイズアオクトパスーッ!」

 

『W…what is this guy!?』

 

ーーー

 

「………1人で十分でしたね」

 

「援護が遅せぇよ!死ぬ…っ!死ぬトコだったわい!」

 

事前に決めていた話では俺がシレっと囮になって飛び込み、天海クンがイイ感じに始末にしていくプランAだったハズが、シレっと囮になる時点であまりシレっとデキていなかったらしくホールのテロ・リストの注目を一点に集めてしまい、な、なんだぁ!とガ●メントを抜くテロ・リスト相手に仕方なしにバトル・フェイズに突入してしまったワケだが…

 

「いや、正直、モブとは言え銃持ってるテロリスト17人を相手に素手で無双はドン引きですよ」

 

「やかましい、俺はモブキャラとビッチとメスガキにはめっぽう強ぇーんだよ」

 

「そうですか」

 

ハハァン?もしや天海のヤロウ、自分の活躍が無かったからってスネてるんだな?フッ、まぁそうだろうな、こーゆーのは主人公属性持ちの主人公様がなんやかんやで大活躍して人質になってるキンパツ・巨乳の美女に、好き!ケッコンして!ってなるアレだからな!………と我ながら完璧な理論で納得していると、安全な場所で待機中の明石のバカから着信…

 

「もしもぉーし?ハンサムです」

 

『あ、テイトクですか?外めっちゃヤバいんですけど?テイトクまだ死んでないんですか?』

 

「誰が死ぬかボケ、俺が死ぬ時はお前だけは必ず道連れにするわい」

 

『え!?いやぁ〜………や、ちょ、そーゆーのはもうちょいムードがあるシーンでお願いできます?私だってほら、えー…乙女ですし、テイトクのコトは人間性的としてはマジでNOですけど、ある意味でOKなトコもありますし』

 

ナニ言ってんだコイツ?イカれてんのか…?いや、イカれてるんだったな、だってピンクだし

 

「とりあえず人質っぽいその他大勢は今助けたが、一番の目的のお嬢様は〜……………あー、悪い、かけ直す」

 

『は?え?ちょ…!』

 

俺は明石との通話を切ると手にしていたケイタイを投げ捨て、ホールの奥に現れたそいつに集中した…

 

『Ah………This bastard did it………I knew this was going to happen』

 

「よぉー…アゴヒゲ外人、久しぶりだな?なぁオイ?ジャパニーズOK?」

 

『…相変わらず憎らしいツラしてんなァ?アァ?』

 

ニホンゴOKなアゴヒゲ外人はイラっとくるがニホンゴで返してきた

 

「テメーらをブッ殺すために盛大なパーティーを用意してやったんだぜ?」

 

「あー…そうかい、パーティーへのお招きアリガトウって言いたいところだが〜」

 

アゴヒゲ外人の横には手枷で繋がれ自由を奪われた少女、もう何度も目にしたコトがあるお嬢様が……

 

「って、オイ!」

 

「なんだ?Mad dog bastard」

 

「…お嬢様の頰が腫れてるみてぇーだが…?」

 

「アァ?アー……ちっとばっかウルセーからハタいた程度だ、なんだオマエ?もしかしてこのガキ心配してんのか?」

 

「いや、心配はしてねぇよアゴヒゲ外人、心配ってのは俺じゃなくてその子の身内がするモンで俺はアカの他人だからな………だが」

 

その……頰をぶたれたお嬢様は一応俺の婚約者様なんでなッ!!!

 

「イイねぇ…!オレが味わわされた屈辱の万分の一ぐらいは感じてくれたみてぇーでパーティーの主催者のオレも鼻が高けぇよ!」

 

「オイ、とりあえずそのお嬢様放せや、タイマン張ってや…」

 

クソテロリストが、お嬢様になんてことしやがるんだクソが…と臨戦態勢になった右手をバキバキしていると、そんな俺の右手を掴み、天海が止めた

 

「何の真似だオイ?」

 

「悪いんですけど、今回は譲って貰います」

 

「譲ってってなぁ…」

 

「…頼みます」

 

…ムゥ、まぁ、たしかに以前、どう考えても天海の親と妹のカタキであり一番因縁のある相手だったコイツをブチのめし監獄送りにしたのは俺だが、天海的には結果的に妹は無事だったとは言え人生の大半を犠牲にして追った仇敵ってヤツだ

 

「………ま、しゃーなしだな」

 

「ありがとうございます」

 

正直、さっきまで興味もナニもなかったが、お嬢様に手ぇあげたとなれば俺も若干殺意が湧いたが、天海の殺意は俺の比じゃないし、ここはどう考えても主人公に場を譲るのがcoolってモンだろう

 

「そーゆーワケだアゴヒゲ、俺にリベンジしてぇーならまずは手下Aを倒してみな」

 

「なんだァ?テメーが相手してくれるんじゃないのか?ま、どっちみちそっちのニイちゃんも殺す予定に入ってるけどな」

 

以前の仕事で致命的に邪魔してくれた天海もブッコロリストに入ってるらしく、アゴヒゲ外人はガリガリと頭を掻いていると、天海は手にしていた銃を構えた

 

「ギーガー・ガレムソン、20年前にお前が起こしたテロ事件の事は覚えてるか?」

 

「20年前…?さぁな、仕事し過ぎてどの仕事か覚えがないな」

 

「そうか」

 

「あー…いるんだよなァ、仕事柄、テメーみたいなのが……ま、いいぜ!相手してやる、正々堂々とな!」

 

アゴヒゲ外人も銃を抜き、左腕で掴んでいたお嬢様の身体を前に出して蹴り飛ばした!

 

「テメェ!!」

 

ヤロウ!!お嬢様の身体を盾にするように銃を構えて走り出したヤツとその動きに反応して同時に動いている天海

 

クッソ…!たぶん超痛いだろうが、しゃーなしだな!!

 

「死ねや!!」

 

ヤローと天海、その間に飛び込み、お嬢様にタックルするように銃弾から庇いつつブザマに壁側まで転がると、お嬢様が俺を見て顔を上げ…

 

「!!!?」

 

「…あー………大丈夫すか?いや、大丈夫じゃないか、あー…まぁ、もうちょい辛抱してください、すぐ終わると思うんで」

 

「ぁ…」

 

「でも、もう大丈夫です、すぐ家に帰れますよ」

 

背中が超痛いがお嬢様の前でブザマ晒してただでさえ不安なのにさらに不安にさせるワケにもいかず、イイ感じのハンサムスマイルで安心させてみようとしたが、あんま効果ないか…?


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