南の島に左遷された提督編その4、艦娘要素0の皆殺し饗宴
オス!オラ元提督!提督業をクビになってポリネシア諸島に左遷されちまったケドよー、煩わしいバカどもの相手しなくてもいいって考えたらよく考えたらケッコーこの暮らしも悪くねぇなって思ってたら、いいーっ!またあのお嬢様が大ピンチちゅーんだ!
正直、あんま関わり合いになりたかねぇけど、お嬢様のピンチっーならヤらねぇワケにはいかねぇ!天海!モロ!今回ばっかしはオメーらの力を借りねーワケにはもいかねぇ…!オラと一緒に戦ってくれ!
「オイオイオイ、なんだアレ?」
「さぁ…一応、見当はつきますが………とりあえずは今は考えない方がいいですね」
「そうだな、それがいい」
帰ってきた復讐のテロリストVSハンサムな提督とゴキゲンな仲間たち-囚われのお嬢様救出一本勝負-の火蓋が切って落とされた今日この頃
予想以上に多いテロリスト軍団の前にどうしたものかと攻めあぐねていた俺達の前に突如現れた謎の男は手にしたダンビラでテロリストを斬りまくり刺しまくり、さらに全身凶器のヘンタイドクターもテロリスト撃ちまくりで、もぉー!私のピンチはどうなっちゃうの!
「まぁ、とりあえず外のはあの人たちに任せられたのでこっちは楽に目的のクルーズ船に乗り込めましたが…」
「それな!」
「…大佐、いや中佐でしたっけ?」
「大尉だ、たぶん」
「外はいいとして、中はオレ達だけでなんとかしますよ、わかってますよね?」
「ワカってるって、でもピンチになったらちゃんと守ってよね!」
「ヒロインですかアンタは」
「ジョークなのだよ、小粋なテイトクジョーク」
ま、お嬢様を助けに行くのにヒロインじゃサマにならねぇわな、しかしあの変態博士、どっからあんなヤバいの呼んだんだ?チラッと見たけどあのニイちゃん、正面から銃弾を刀で弾くとかメルヘンやファンタジーの住人だぞオイ
『Hey!Hey Hey!』
『Fuckーッ!!』
ハイハイ来ましたよ血気盛んなテロリストの皆さん、どうせ日本語的には“な、なんだー!貴様ー!”とか言って銃を抜いてるんだろーよ
「天海クン、ぶっとばしてさしあげなさい」
「言われなくても…」
言われなくても既に動いてくれてる天海クンは銃を構えた下っぱチンピラに至近距離からそれぞれ一撃、頭に一発、心臓に一発ブチ込み仕事を終えていた…
「オイ、殺すなよ」
「危ないと思ったら躊躇わない、そうやって生きてきましたから」
「ハイハイ、そーですか」
海軍の闇は深いってか、ま、染み付いたモンはファブ●ーズでもどうしようもないし、外道は死ぬまで外道味っーしな
しかしだ、コイツの過去に色々あったのは大将殿から一応聞いてるから知ってはいるが、今は今だ、何よりも大事なモノを取り戻したコイツはもうこんな仕事に手を染めるべきじゃない…
…と言ってる俺の批難の目に気付いたのか、いつもの胡散臭い空笑顔を作り、先を急ぎましょうと俺を急かした
「…ま、帰ってから可愛い妹にお兄ちゃんクサーいって言われねぇ程度にな」
「善処します」
ま、こっちは俺もいるし出来るだけはするが………
ーーー
「どうしました?まだ弾倉に弾は入ってますよね?あ、入ってませんか?いやいやコレは失礼、どうぞ、こちらをお使い下さい、そんな遠慮せず、ほら、アナタのお仲間がせっかく残してくれたのですから、ほら、どうぞ」
『ヒ、ヒイイイィィィィィ!?』
「さぁ!人生に悔いを残さない為にも弾は全部撃ち尽くして!」
撃ち尽くして!と言い終わらないタイミングで私の首ごと斬り飛ばす勢いの横一線が目の前の彼の首を海へと飛ばしてしまった……あーぁ、彼、悔いを残してしまいましたね
「…と言うか、今、君と私は味方同士なのでは?」
「味方…?お前と…?」
刀に付着している血を飛ばし、ナニを言ってるんだコイツ?みたいな顔をした槇原南洲はさらに後方から飛んで来た十数発の弾丸をその刀で彼方へと弾き飛ばした…
まぁ、人間技とは思えませんが、彼の場合はその、人間の枠を超えていると言っていいでしょう…
「だいたいお前、何を考えている?いつから人助けのマネをするようになった?」
「人助けのマネなんて人聞きの悪い!私は常に困っている人間に出来得る限りの協力をしていますよ?」
「その“協力”ってのがクソ以下にメイワクなんだがな」
「失礼な」
私との軽いトークをこなす間に3人、いえ、4人ですか、流石ですねぇ
「しかし槇原南洲、この数、腕一本ではキツいのではありませんか?」
「たかがこれくらいの数とバカ1人を斬るぐらいは腕一本あれば足りる」
「そうですか?あ、なんなら今度、私が新しい腕を用意しましょう!一本、いえ、二本ぐらい付けてみませんか?」
「死ね」
男の子は古来よりロケットパンチや目からビームに憧れるモノ、この浪漫が理解できない槇原南洲とはやはり相容れませんねぇ…
ズッ!!
「…ん?」
おや?私の腕がもげた…?いえ、コレは切れた…?刃物による切断?いえ、これはもっと鋭利なものですか?たとえば単分子ワイヤーのような…
『なるほど、これはたしかに人間ではない』
「誰ですか?」
本命のクルーズ船以外の守りは下っぱチンピラだけかと思っていましたが…これは少々誤算でしたか、まぁ、誤差の範囲ですが
「たしか君は……嗚呼、たしかアレだったか?あの妖怪老人の手下の」
「手下、とは違いますよ」
いつの間にやらボゥトに乗り込んでいた身なりの良い壮年の男、見覚えがありますね……
「そして君は………嗚呼、たしか槇原南洲だったかね?」
「俺もアンタのツラには見覚えがあるな、たしか第五特務課の課長だろ?」
「それは前職だね、今はそう……アルバイトで生計を立てているよ」
「よく言う、大したアルバイトだ」
未だ数だけは多いその他の下っぱチンピラを無視させるほど槇原南洲をして警戒させる男ですか、これは誤差修正が必要ですかね…
「腕一本で勝てる相手ですか?」
「十分だ、ただし、お前は邪魔だから視界に入るな、あと死ね」
「辛辣ですねぇ」
ーーー
「ところで天海クン」
「なんですか?」
「今日はその……あのオッさん来てねぇよな?」
「ジイさん?あぁ、教授ですか…」
俺の質問に天海は微妙なツラして来てないといいですねと一言だけ答えて再び船内を歩き出した
前のゴタゴタの時、軍を裏切ってテロリストに手を貸した天海の上司とヤリ合ったが、ハッキリ言って二度とヤリたくねぇなと心の底から思ったね、俺と天海の2人がかりで互角……いや、たぶん互角に合わせてくれた感があるな、ありゃ…
一応、最後はビルから落下してるから普通ならあの高さなら間違いなく死んでるが、あの手のヤツはほぼ間違いなく生きてるだろう
そんなバケモンとまた遭遇したりしない事を神に祈りつつ天海と共に船内を歩いていると…
「………居ますね、ここに」
「え?何が?」
「人質になってる乗員乗客ですよ」
「あぁ、そっち…」
ビビらせやがって、バケモンの話してたからてっきりあのオッさんかと思ったのだよ
ハンドサインを出す天海が中を見てみろと指示してるので窓から中を見てみると……たしかに、やたら広いホールみたいなとこにお金持ってそうな紳士淑女の皆さんと、銃火器を持った数人のチン・ピラみたいなのがいた
………お嬢様もあの中か?ここからじゃよくワカらんが
「どーするよ?天海クン」
「迂闊に飛び込んで人質に銃を向けられてはこちらもやり難いですね」
「そうだな」
だがしかし、このままではラチがあかない
「よし、俺があっちの扉から入ってイイ感じにチンピラの皆さんの注意を引くから天海クンは俺がイイ感じになんとかしてる間に銃持ってるやつなんとかしてくれ」
「ハァ?」
「何秒かかる?2秒か3秒か?ひょっとして5秒ぐらいかかるか?」
「………そうですね、8……10人………60秒あれば」
「なるべく早くしてくれ」
60秒か、まぁ、カミサマは俺の善行をみてるだろうし、なんとかなるか…?
「よっしゃ、作戦開始っーコトで」
俺は天海にできるだけ早くな!と念を押し、1人ホールの扉の前に行くと、お高価そうな扉に勢いよく蹴りを入れてホールに侵入した
「オラァ!!!!どっからでもかかってこいやァ!!外道共に今日を生きる資格はねェェェ〜…!!」