不健全鎮守府   作:犬魚

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今日は珍しく二本勃て

今回はドロップできなかったので昭南クンは来ません、昭南クンは来ません


【登場人物】

Scamp(潜水艦)
MAJORから電撃移籍、しずまヅラしたいやらし潜水艦
一人称はアタイと昨今なかなか見ないスケ番みたいなタイプだが大切なものはパパとママとなかなか良い子




続続続続続続続続続続続続続続続・提督と新人と面接+R

冬の晴れ間の執務室…

たった一度の今日と言う日、どんなしょぼいヤツにも人生に一度はあるであろう今日と言う日に執務室の扉を叩くのは誰であろうか…?

 

「今日の面接は1人です」

 

「ふ〜ん」

 

本日の面接予定は1名、本来は2名の予定だったが1人は様々な事情により今回は配属が見送りとなった

そんなワケで、今回の新人面接No.最初で最後、MAJORからの電撃移籍!

 

「あんたがAdmiral?ふーん……そっか、アタイはGato級潜水艦、Scampさ」

 

「ほぉ…スキャ……えー…スキャンプくんか」

 

これまたズイブンとナマイキそうなツラをしているな、だが、まぁMAJOR出身となればその実力は疑うところは無いだろう…

 

「当基地としては潜水艦は実力派エリートとして特に力を入れていてね、まぁ、ガンバってくれたまえ」

 

「ヘェ…」

 

「ワカらないコトがあれば優しいセンパイ達がナンでも教えてくれるので気兼ねなくナンでも聞くといい」

 

しかしだ、潜水艦のバカどもは英語とか話せるのだろうか?たしかドイツ語とイタリア語はワリとイケる感があるが、英会話には疑問が残る………ま、なんとかなるか

 

「オイオイAdmiral、アタイがこんなチンケな島国でバスケごっこしてるサルどもに教えを乞うなんてありえねーぜ、マァ見てなって…明日には今居る潜水艦ども全員シメてテッペン獲ってやっからよ!」

 

「そいつは頼もしい、まぁ、できるものならな」

 

「ヒュー!言うねぇ…」

 

「ハッキリ言って当基地の潜水艦どもは基本バカだがその実力だけは折り紙つきなのだよ、特に、オリョールと言う地獄を見てきたヤツらは全員ツラ構えが違う」

 

「面白れぇ……ヘヘッ!なら教えてもらおーじゃねぇか!その地獄の一丁目ってヤツをよォー!」

 

MAJORから来た期待の新人、スキャンプくん

その、ギラギラした闘争心とエグいハイレグを武器に潜水艦界と言う魔境に挑戦するも、後日、潜水艦のバカどもから可愛がりを受けてギラギラした闘争心を喪失!!

 

毎日祖国のパパとママに電話しているッッッ!!

 

◆◆◆

 

「本日の面接は以上です」

 

「早いなオイ、もう終わりかよ!」

 

「1人だけですし」

 

「まぁ、それもそうか…」

 

さすがに面接1では当日の予定は全て潰せないなと考え、とりあえず空いた時間を有効活用でもするかと考えた俺は、有効活用するにはナニをすべきか、それを考えるべく喫煙所へと向かうコトにした

 

「タバコ吸いに行くならついでシャーペンの芯買って来てください」

 

「こやつめ!カッカッカ!こやつめ!」

ーーー

 

秘書艦サミー子からクソみてぇなお使いを頼まれ、とりあえず明石のバカの店にでも寄って行くかと歩いていると、明石の店のところからナニやら言い争うような声が聞こえてきた…

 

「C’est un magasin très mal approvisionné.!」

 

「エェェ……イングリッシュノーノー、アイムジャパニーズオンリー」

 

「ナニやってんだオマエら?」

 

「あら?mon amiral」

 

「あ、テイトク!丁度いいトコに!」

 

カウンターのところに居たのは店主の明石、そして……まるで黄金の獅子のタテガミの如き豪奢なキンパツをブワーっとナビかせて立つフランスから来た美の戦士、自称最強戦艦のリシュリュー…

 

「テイトク、私英語よくわかんないんで通訳して貰えません?さっきからこのパッキンさんがナニ言ってるのかワカんないんですよ」

 

「パッキンサンじゃない、Richelieuよ」

 

「リシュ…リシュリーさん?あー、スンマセン」

 

「Richelieuよ!二度と間・違・え・な・い・で」

 

明石はヘコヘコ頭を下げつつサーセンサーセンと言っているが、これほど誠意と真心を感じないサーセンはなかなか見ることはないだろう…

 

「っーかリシュリューくんはPRIDEの高いフランス人だから英語じゃないでフランス語だろ」

 

「え?フランス語だったんですか?そりゃ余計にわかんねーですよ」

 

明石はそりゃワカんねーとケラケラ笑ったのでとりあえずケラケラ笑う明石にお腹パンチをブチこんだ

 

「オゴォ!!」

 

「…で?リシュリューくんは明石の店にナニ買いに来たんだ?漫画か?」

 

「違います、Je suis ici pour acheter de la nourriture pour animaux de compagnie」

 

「え?なんだって?」

 

「Je suis ici pour acheter de la nourriture pour hérissons de compagnie」

 

ナニ言ってんだコイツ?フランス語だよな?提督はフランス語会話には明るくないのだよ…

 

「ちょっと待て、わかる感じ、ニホンゴで言え、ニホンゴで」

 

「hérissonのエサを買いに来たのよ、デモ、見たところ取り扱ってないみたいね…」

 

「エサ…?なんだ、オマエ、犬とかネコとか飼ってたのか?」

 

「イヌでもネコでもないわ、hérissonよ」

 

そう言ってリシュリューはポケットからスマホを取り出すとスムーズな指先で画面をスイスイ動かし、なにやら一枚の画像を俺に見せてきた

 

「…なんだコレ?ウニ?」

 

「hérissonよ、名前はMontjeu」

 

スマホの画面に映っているのはなにやらトゲトゲしい物体……いや、なんだコレ?ウニじゃないのか?

 

「あ、コレ、もしかしてハリネズミじゃないですか?」

 

「ハリネズミだぁ?」

 

お腹パンチのダメージから復帰したらしい明石がスマホの画面を見て名推理(たぶん)

 

「そうとも言うわね」

 

「あー…ウチ、ハリネズミフードは取り扱ってないですねー、定期的に必要なら仕入れますけど?」

 

「そう?じゃ、お願いするわ、ウチのMontjeuに安いモノは食べさせたくないから高いやつでいいわ」

 

「ヘヘッ、承知しやしたぁ〜」

 

まっことゲスの顔をした明石はヨダレが止まりませんぜと言うようにカタログをペラペラ捲り始めた

 

「オマエ、ペットとか飼ってたんだな」

 

「最近飼い始めたの、どう?可愛いでしょ?」

 

「いや、トゲトゲしすぎてまるでわからん」

 

「なんならmon amiralにも撫でさせてあげてもいいわよ?超痛いケド」

 

「痛いのかよ!」

 

「ま、まだ人に慣れてないのよ!すぐに慣れるわ!」

 

コイツ、なんでまたそんな変なのを飼ったんだ…?出来心かナニか?SNS映えを狙って承認欲求を満たす道具にでもしようとか考えたのか?

 

「ハリネズミは警戒心の塊みたいな生き物ですからねぇ、慣れるのに1年は平然とかかるらしいですよ」

 

「そんなにかかるの!?」

 

カタログをペラペラ捲りつつハリネズミの知識を語る明石に戦慄するリシュリュー………コイツ、マジで知識0でそんな変な生物飼い始めたのか、ちゃれんじ精神ってヤツか…

 

「ま、まぁ…このRichelieuの魅力の前ではすぐに懐くわ!そう!」

 

「そうか、ガンバれよ」


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