不健全鎮守府   作:犬魚

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帰ってきたメイン・ヒロイン

【登場人物】

提督(頭痛が痛い)
季節の変わり目、体調にはお気をつけくださいませ

鈴谷(ビッチ)
フレッチャーくんには苦手なイメージがある


提督と鈴谷と王道を往くもの

日中の寒暖差のせいか、体調を崩しがちな秋の執務室…

 

「なんだ…っ!この攻撃的な小●宙は…っ!」

 

この神聖な執務室へとたしかに近づいているこの攻撃的小●宙!ま…まさか、不死鳥…っ!!

そんな俺を戦慄させた攻撃的小●宙の持ち主が今!執務室の重厚な扉を力任せにギギィィィと開く!!

 

「ティーッス、2ヶ月半ぶりに誰もが羨むメインヒロインの鈴谷が遊びに来ましたよぉ〜」

 

「…なんだビッチか」

 

「ビッチじゃねーし、メインヒロイン・オブ・メインヒロインだし、今日サミーいないの?休み?」

 

「休みだ、見たい番組でもあるんじゃあないのか?」

 

「ふ〜ん、まぁいいや、ゲームしよーぜ!ゲーム!今日こそ鈴谷の八酒杯でズタズタにしてやるじゃん!」

 

「八稚女はどうした?八稚女は?オマエと言ったらバカの一つ覚えみてーに八稚女だろーが、タイミングもクソもおかまいなしにバカみてーに撃つのがスズヤクオリティだろーが?」

 

「バカじゃねーし、別に八稚女以外もフツーに使うし、むしろ鈴谷と言えば闇払い、闇払いと言えば鈴谷だし」

 

「なら燃え尽きろ、潔くな」

 

「燃え尽きねーし、っーかそれむしろ鈴谷のセリフだし、とんなし」

 

鈴谷は空気読めねーなァー!とか言いつつ執務室備え付けの冷蔵庫を開けてバヤ●ースのペットボトルを取り出し、棚から取り出したグラスに注いでから豪快に上の口に流し込んだ

 

「ブハァ!うんめー!なんかお菓子ない?」

 

「ナニがお菓子ない?だ、ブチのめすぞビッチが、あと、用が無いならさっさと消えろ、この世界からな」

 

「消えねーし、ってか世界レベルで消えろとかヒドくね?」

 

まったく、アーッ!言えばKor言うナマイキな娘だね、親の顔が見てみたいのだよ

 

「そのつまんねー仕事さっさとやめてゲームしよーぜ」

 

「そのつまんねー仕事が終わらねーんだよクソが」

 

「なんで?」

 

「なんで?じゃねーよ、オマエ、もしかして暇人か?ヒマなら手伝え」

 

普段はサミー子が休みの前にある程度書類仕事をイイ感じにアレしてくれるので基本的にヒマになるのだが、今日は朝っぱらから秘書艦サミー子不在のタイミングでややメンドくさい系の書類仕事がやたらとある不運…

 

「え?いいの?マジで?やるやるぅ!」

 

ナニがそんなに嬉しいのか、鈴谷は俺から書類の束を受け取ると秘書艦サミー子の席に座り鼻唄まじりに書類を眺め始めた…

 

「オイ、言っておくがテキトーに分けるなよ、よくわからないやつは俺に聞けよ、ホウレンソウだからな、ホウレンソウ」

 

「んなコト知ってるっーの」

 

ホントにワカってんのかコイツは?そんな一抹の不安を抱えつつ、確認した書類に印鑑を押す→確認した書類に印鑑を押すマシーンのような仕事を繰り返すこと小一時間…

 

「ハイ、コレ」

 

「あ?」

 

「他のは?まだあるならチョーダイ」

 

「ナニ言ってんだオマエ、テキトーか?」

 

「テキトーじゃねーし、あと数字間違ってるのあったから修正しといたよ」

 

「バカ言ってんじゃないよこの子は、修正されていていいのは数字じゃないでクワ●ロ大尉だけだっーの…」

 

とりあえず鈴谷がテキトーに提出してきた書類をサーっと眺めてみたが………うん、特に問題は見当たらないな、修正したとか言う箇所もまったく問題ない、むしろよく見つけたと言っていい…

 

…コイツ、実はバカそうに見えてそれなりにハイ・スペックなのだろうか?よく考えると、自●系よりも希少と噂されている航巡改二であり、ふぇぇ…高速軽空母が必要だよぉ!となった場合にいつでもイケる高速軽空母としても起用でき、黙っていたらそれなりに可愛いしおっぱいもデカいし話も趣味もそれなりに合う……世が世なら間違いなく誰もが羨むメインヒロインとして君臨できただろう

 

…まぁ、ビッチだが

 

「ふむ、褒めてやろう、鏡に手をつきなさい」

 

「…なんで鏡に手?」

 

鈴谷はナニ言ってんだコイツ?みたいなツラしつつも執務室の大きな姿見にまるでカウ・ボーイのようなイキなポーズで片手をついた

 

「バカかオマエは、両手だよ、両手、で、ケツこっちに向けんかいダボ、空気読めねーなオイ」

 

「ハァ?空気読めなくねーし、ってか!褒める気ないじゃん!ケツ向けろとか、それ、鈴谷のケツぶっ叩く気じゃん!」

 

「誰がテメーのクセーケツなんか叩くか」

 

「クサくねーし、鈴谷のお尻イイ匂いがするし」

 

「するかダボ、オマエの体臭と体液は強い催淫効果があるって科学的に証明されているのだよ」

 

「サキュバスかッ!!ってかサキュバスじゃねーし」

 

逆に、聖女であるフレッチャーくんには邪悪なるものを退ける効果があるらしく、フレッチャーくんのおしっこをかけた土地は実り豊かな土地になるとかなんとか…

 

「小粋なテイトクジョークだ」

 

「ナニが小粋なテイトクジョークだっーの」

 

「まぁいい、しかし仕事は捗ったのは確かだ、褒美をくれてやろう、欲しいものを言ってみなさい」

 

「マジ?えーとねぇ〜…」

 

「俺も暇じゃねぇから10秒で決めろ」

 

「10秒かよ!え、ちょい!ちょい待ち!えー…」

 

「10、9、8、7……ヒャア がまんできねぇ 0だ!」

 

「早っ!!ってか汚っ!!いきなり0はキタなすぎ!インチキじゃん!」

 

「インチキじゃない、テイトクだ」

 

「チッ、じゃカレーでいいや、カレー、今日カレー奢ってよ」

 

「たやすいことだ」

 

「神●かッ!!」

 

 

この後、お昼になったので鈴谷がカレー食いに行こーぜとグイグイくるので財布から紙幣を取り出し渡してやったらふざんけんな!とキレられたが、俺は悪くない


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