不健全鎮守府   作:犬魚

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ショボい人生でゴメンなと謝れる大人

【登場人物】

提督(メカの悲しみ?ありえんな)
前方が見えにくいと思ったら減速、一時停止、わかりましたわね!

足柄(礼号組)
妙高姉妹の三女、決して散るコトのない鉄の結束を持つ礼号組の保護者担当


提督と足柄とザ・キング・オブ・***

秋晴れ!その…ステキな天気が提督を行動させたッ!!

 

…車でも洗うか

 

そういや最近なんやかんや忙しくて車洗ってねぇし、些か年式と走行距離はアレだが大事に大事に乗っている車だ、たまにはキレイキレイにしてやらないといけない

そんなコトを思い立ち、今日は秘書艦サミー子もいないので執務室の扉に不在の札を下げた提督は鼻唄を歌いつつ駐車場へと来たワケだが…

 

「おう!クズども、オマエらも洗車か?」

 

「は?誰がクズよ」

 

キレイキレイセットを持ってやって来た駐車場で、どうやら俺と同じく洗車でもするかと来ていたらしい先客の足柄………と、礼号組のガキども

 

「あ、テイトクだ」

 

「オッさんもクルマ洗いに来たんか!」

 

「アナタってホントに最低のクズね!」

 

なんで洗車に来ただけで罵倒されるのかはわからんが、この礼号キッズの霞に最低のクズと罵倒されるのだけは妙に心地よいモノだ

 

「オマエらだけか?大淀はどうした?大淀は?みんな仲良し礼号組じゃないのか?」

 

「大淀?アイツならまだ寝てるんじゃない?」

 

足柄曰く、アイツ寝起きはマジ最悪祭りらしく、わざわざ起こしに行くとか人生の無駄に相当する時間らしい

 

「ふ〜ん」

 

「大淀サン、朝たまにチ●コ生えてるから」

 

「オトナだからチ●コ生えるんだぜ!テカテカのやつ!」

 

…ナニ言ってんだこのガキども、イカレているのか?いや、バカなんだったな、うん

アホのキヨシとアサシは足柄に余計なコト言うな!とゲンコツを喰らい、霞から最低のクズね!と罵倒された…

 

ま、大淀にチ●コが生えてよーが謎の薬で肥大化したクリチ●ポになってよーが俺には関係ないし興味もない、俺は車の洗車をしたいだけなんだ、俺はクズどもとなるべく関わり合わないようにするべく自然な流れで、じゃ、ガンバってくださいねと距離を空けた

 

「さて、まずは水BUKKAKE祭りだぜ!」

 

蛇口から伸びるドラム式ホースとシャワ切替式ノズルから勢いよくスプラッシュする水道水、キラキラ光る水飛沫が反射してまるで小さな虹を作る………ゴキゲンな洗車だ

 

『スゲェ!スーパーカーだー!』

 

『マジカッケー!』

 

ゴキゲンな洗車を開始して30分くらい経っただろうか…

バカガキどもがキャッキャ言う声が聞こえてきたが俺には関係ない…

 

スーパーカー?バカ言ってんじゃないよアホガキども、スーパーカーなんてのがこの基地の駐車場にあるワケないだろ?どうせアレだろ、大淀のDQN鉄仮面とか鹿島先生の悪魔のZのコトだろ

 

しかしスーパーカーか………フッ、一度は乗ってみたいものだ、いや、今更そんなのはきっとムリだな、ショボい人生でゴメンな、小学生のオレ!

 

「オイ!クソガキども!うるせーんだよォ!足柄ァ!このガキどもキチンと躾し…」

 

俺はキャッキャうるさいバカガキどもと保護者に文句を言うべくバケツを持ったままバカどもの居る場所へと行くと、そこには…………ッ!!

 

「って!!オイイイイイイィィィィィ!!!」

 

スーパーカーじゃねーかッ!!!

 

そこに駐車してあるのは紛れも無くスーパーカー…ッ!!いや、キング・オブ・スーパーカー!!

 

「カ……カウ●タック!」

 

間違いない、それにコレは………LP400ッ!!間違いなくLP400だっ!!ウ……ウソだろ、いやいやいや、ウソだろ?

 

「オッさんコレ知ってんの?」

 

「なんかリベんトコのおっぱい大きいねーちゃんが買ったって言ってたー」

 

「ウソだろオイ……」

 

俺は足柄にマジかオイと聞いてみたが、足柄もよく知らないらしく、むしろ足柄はスーパーカーに関してよくわかってなさげだった

 

「ハッ!使えねーな!」

 

「ダレが使えないよ、ナニ?コレ、そんなスゴい車なの?」

 

「オマエよくそんなコト言えるな…」

 

足柄のアホは、とりあえず外車っぽいし、妙高のDQNセル●オとか愛宕のDQNアル●ァードよりお高価なのかな?ってぐらいの基準らしい…

 

「コイツはスーパーカーの中のスーパーカー、ランボルギーニ、カウ●タックLP400、その生産台数は僅か152台、ちょっと傷でもつけよーモンならオマエの給料3年分は飛ぶぞ」

 

「清霜!朝霜!今すぐそいつから離れろォ!!ゼッタイそいつに触るなァァァァ!!」

 

足柄はアホガキどもの首根っこを掴まえてクルマからひっぺがした

 

「な……なんでそんな高級車がここに…?」ドキドキ…

 

「高級車じゃない、スーパーカーだ」

 

い、いったい誰の車なんだ…?いや、たしかキヨシのやつがリベのトコのおっぱい大きいねーちゃんが買ったとか言ってた気が…

 

そんな謎に満ちたスーパーカーに戦慄を隠せずにいると、何者かがスタイリッシュに駐車場へと歩いて来た…

 

「あら?テイトク…」

 

「キミは…?」

 

まるでシネマから抜け出してきた一流の女優のようなオーラと国産軽巡のようなシャバ僧どもでは決して勝つことができない圧倒的なパイオツ!!

 

「ルイージ・ディ・サヴォイア・ドゥーカ・デッリ・アブルッツィくん?」

 

「え、えぇ…そうですケド、あの、テイトク?律儀にフルネームではなくアブルッツイでも良いのですが…」

 

「そうかね」

 

しかし相変わらずスゲェなこのおっぱいは、こうして面と向かって話しているとアブルッツイくんとお話ししているのかおっぱいとお話をしているのかワカらなくなるのだよ

 

「ところでアブルッツイくんはこんなところにナニをしに?」

 

「え?あぁ、ハイ、最近実家から車を取り寄せたのでたまにはエンジンかけとこうと…」

 

実家から車…?

 

「あの、アブルッツイくん……つかぬコトをお聞きしてよろシコ?」

 

「ハァ?私でお答えできるコトなら」

 

「アブルッツイくんの車って、もしかして………アレかね?」

 

俺は基地駐車場に堂々と存在するランボルギーニ・カ●ンタックを指差すとアブルッツイくんはそうですけど?と一流の微笑み返し…

 

「マジかオイ…」

 

「あ、もしかしてテイトク、私の車に興味がおありで?」

 

「あります」

 

いやいやいや、男の子なんだからスーパーカーに興味がないとかあり得ないだろ!男の子はいくつになってもスーパーロボットとスーパーカーが大好きなんだから!(※個人の感想です)

 

「なんなら運転してみますか?」ニコッ

 

「今………なんと?」

 

「え?あ、いや…よろしければ運転してみますかと…」

 

「…………ハァ〜」

 

幻術か…?いや、幻術だな、どうやらいつの間に俺は無限月●にハマってしまっていたか?ハハッ、そうさ、そりゃそうさ…

俺は幻術であるコトを認識し、隣に立っていた足柄に俺の顔を殴れと命じた

 

「え?なんでよ?」

 

「いいからいいから、思いっきりイッてくれや、手加減無用のバーンナ●クルで頼むわ」

 

少し名残欲しいが仕方ない、だがな、これは夢だ、目覚める為にはこの夢の中で死んでみるしかない!躊躇うな!目覚めるんだ!

 

足柄は大きく腕を振りかぶりAre you OK?と俺のハンサム顔を突進しつつ殴り、さらに!突き出した腕をもう片方の腕で支えながら衝撃波を放ってきたッッッ!!

 

「ブバァー!!!」

 

「でたー!足柄サンのバスターウ●フー!」

 

「狼は、狼はまだ死んじゃいねぇぜーッ!」

 

足柄のバスターウ●フでブッ飛ばされた俺は地面を転げ回ったが、なんとかゲージはギリギリ残っていたらしく立ち上がるコトができた

 

「ヤリすぎだろーがテメー!!ナニ考えてんだコラァ!殺す気か!!」

 

「そっちが手加減無用でイイって言ったじゃない!」

 

「んだとコラァ!ナメてんじゃねーぞ子持ち処女がァ!」

 

「アァン!?オイメガネ!今何っつたコラァ!たしかに聞いたぞコラァ!」

 

俺と足柄は互いに胸ぐらを掴み合いメンチを切り合う!このアマ、どうやらキツいわからせが必要らしいな!いいぜオイ、リアルバウトだよ…

 

「あのぉ〜…なんだかよくわからないですケド、ケンカは良くないですよ?あ、それと…ちょっとクルマ動かしたいんで…」

 

「あ?あぁ、こりゃ失礼」

 

「そうね、どーぞどーぞ」

 

この後、俺と足柄は3ラウンド制2ラウンド先取、ライン移動ありのスタンダードルールでの殴り合いに発展、最終的に、全ては秘伝書の見せた幻であるとの結論に至り、俺達は互いの健闘を讃えつママの店へと向かうのだった…


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