不健全鎮守府   作:犬魚

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山風、男の顔になったな…(世紀末感)

【登場人物】

提督(クズの人)
歪んだクズである事に対する自覚はある

海風(七女)
五月雨の1つ下の妹、場合によってはグイグイくる(物理的に)



提督と山風改二轟臨

「オイ、ここに挿入れといた設計図と戦闘詳報知らねーか?」

 

「はぁ?知りませ………あ、それなら山風さんが欲しいって言うからあげましたよ」

 

「ファーックス!」

 

ナニがあげましたよ?じゃないんだよ!設計図と戦闘詳報はガキのオモチャじゃないだよ!落書きする紙がいるならチラシの裏紙でも使ってろっーのな、まったく…

 

「っーかなんだ?なんで山風クンがそんなモン欲しがるんだ?今まで興味もなかったのに…」

 

「さぁ?あ、そういや上から山風さんの改二実装許可出てるって連絡きてましたよ、FAXで」

 

「ファーックス!」

 

メールで送れよ!なんでそーゆーの今どきFAXで通達するんだよ!アナログか!上はこの高度情報化社会についていけてないんじゃあないのか?まったく、アタマの固い老人どもはこれだから困る、オレが中央で権力を握った暁には中央のクズどもを全員、芸術品に仕立てや……仕立ててやる!

 

そんな明るい未来について考えていると、執務室の重厚な扉が勢いよく開き、何者かが執務室へと入室してきたッッッ!!

 

「テイトク!!いますか!いますね!」

 

「キミは………海風ねーちゃん?」

 

勢いよく入室してきた勢いのあるパイオツ……ではなく、勢いのある駆逐艦、妹でありながら長女と言うキセキ、あらゆる面で旧型の長女である白露を上回る言うなれば新型の長女、海風クン…

 

その、海風クンは挨拶もそこそこに今日はなんの日だかご存知ですか?と尋ねてきた

 

「え?なんの日か…?いや、普通に平日だろ」

 

ビタンッ!(平手打ち)

 

「ダビデッ!!……い、いきなりなんなのかね?」

 

「今、山風が改二改装に入ってます」

 

「へぇ、そうなんだ……ごめん、興味ないから知らなかったよ」

 

ビタンッ!ビタンッ!(往復平手打ち)

 

二度もぶった……!!オヤジにもワリとぶたれてるのに!!

 

「い…痛いじゃないか?」

 

「山風、改装が終わったらきっとすぐに執務室に来ます、わかってますよね?」

 

「いや、わかってますよね?とか言われてもなぁ」

 

そんなすぐに改二ってのを見せびらかしたいって言うのかい?ハハッ、まるで子供だな………いや、子供か

 

「いいですか?提督は改二になった山風を見て、まるで今知ったような素振りで驚いてください」

 

「いや、今、改装中なんだろ?改二になるんだろ?」

 

「い い か ら!!そこは空気読んでください!わかりますね?」

 

海風ねーちゃんは俺のガンメンをアイアンクローで捕らえてメリメリして圧を加えるッ!!ってか痛い!マジで痛い!クッ、この細腕のどこにそんなパワーがッ!!むしろそのおっぱいで駆逐艦はムリでしょ!やめなさいよ!駆逐艦なんて!

 

「わかった!わかったのだよ!うん!わかったからちょっと力を緩めようなー!うん!提督は空気読める大人だからねー!うん!」

 

「話が早くて助かります」

 

海風ねーちゃんのパワー溢れるアイアンクローから解放された俺はにこやかに微笑み海風ねーちゃんの手をシェイクハンドし、秘書艦サミー子にちょっと耳貸したまえと手招きした

 

「なんですか?」ヒソヒソ…

 

「なんですか?じゃないよ!オマエ知ってたろ!今、妹が改二改装ヤってるって知ってたろ!!」ヒソヒソ…

 

「あ~…なんかふわっと聞いてましたね、ふわっと」ヒソヒソ…

 

「ナニがふわっとだよコノヤロー」ヒソヒソ…

 

この髪長駆逐艦めが、この俺をなめくさりおって…

本来ならこの俺をなめくさった駆逐艦には然るべき制裁を与えるところだが、まぁいい、全て許そう

何故なら俺は心の広いハンサムな提督なのだから…

 

俺は秘書艦サミー子に下がってよしとハンドシグナルで的確に指示を出し、改めておっぱいが大きい海風ねーちゃんに向き直り一つ咳払いを入れた…

 

「えー……話はよくわかった、うん」

 

「提督は山風におめでとうと褒めて甘やかしてやってください」

 

「え?甘やか……いや、提督は硬派な男なので甘やかしなどはちょっと…」

 

「甘やかしてください」カッ!

 

クッ!なんて覇気だ…ッ!!この俺が一瞬だけだが気圧された…!まさかこの駆逐艦、覇●色に目覚めつつあると言うのか!

 

「わかった、可能な限り善処しよう」

 

「わかって頂けて嬉しいです」

 

おっぱい大きい海風ねーちゃんは深々とお辞儀するが、故意か事故か、深々すぎてその驚愕の谷間を作るパイオツをガン見してしまうのは男児として恥ずべき事ではないだろう

 

「ところでテイトク、山風改二記念の何かプレゼントとか用意してますか?」

 

「え?してないよ、そんなモン」

 

ビタンッ!(平手打ち)

 

「メタスっ!………またぶった!」

 

この娘、ちょっと提督に対して気軽にビンタしすぎじゃあないか?クッ、ちょっとおっぱい大きいからって甘い顔してりゃツケあがりやがって、どうやらわからせが必要らしいな、この基地の絶対支配者が、誰なのかを…

 

「…まぁ、プレゼントはパーティーの時までに用意して頂ければいいとして」

 

「え?パーティー?なんの?」

 

「山風の改装記念パーティーですよ、姉妹でやろうってハナシになってまして…」

 

「サミー!!サミー子さーん!ちょっと!!ちょっとこっち来て貰っていいかなぁー?」

 

俺はサミーにちょっと耳貸してくれるかなー?とハンドシグナルで指示すると、秘書艦サミー子はイヤそう半分、メンドくさげ半分なツラをしつつやって来た

 

「オイ?!」ヒソヒソ…

 

「なんですか?」ヒソヒソ…

 

コノヤロー…さては最初から全部知ってやがったなコノヤロー、ふざけやがって…コモドドラゴンの巣に全裸で放り込まれても文句言えねーゾ!

 

「…プレゼントってナニ買えばいいんだ?明石んトコで買えばいいんだよな?」ヒソヒソ…

 

「甘っちょろ!やっぱロリ●ンなんですか?」ヒソヒソ…

 

「甘っちょろくもないしロリ●ンでもない、提督だ」ヒソヒソ…

 

そして山風クンはたしかに一見するとタッパはないがオマエよりも遥かに成長の“兆”があるのだよ

 

「とりあえず菓子パンとか買っといたらどうですか?」ヒソヒソ…

 

「雑ッッッ!!雑すぎか!」ヒソヒソ…

 

「山風さんなら提督からナニか貰えればなんだっていいんですよ」ヒソヒソ…

 

「…そう言うものか?」ヒソヒソ…

 

「そう言うものです」ヒソヒソ…

 

よくわからんが提督のカリスマ!があれば当然か…

俺は秘書艦サミー子に下がってよしとジェスチャーで指示し、海風ねーちゃんにお待たせしたねと声をかけた

 

「海風クンの言い分はよくわかった」

 

「わかって頂けて嬉しいです」

 

「それで?山風クンの改装はあとどのぐらいで終わるのかね?」

 

「3時間弱と聞いてます」

 

「ふむ、ならば時間は十分あるか……よし、私は先にプレゼントを購入しに行くとしよう、海風クンはその……なんだ?パーリーの準備とかそーゆーの忙しいだろう?すぐにそちらに取り掛かりたまえ、うん」

 

「いえ、もう準備は終わってますので、よければ提督のお買い物に同行しようかと…」

 

チィ!抜け出し失敗ってヤツか!!そんなコトを考えていると海風ねーちゃんは俺の腕を掴みグイグイ引っ張ってやわらか海風っぱいをグイグイ押し付けつつ、さぁ行きましょう!すぐ行きましょう!と俺を急かす…!

 

マズイな、海風ねーちゃんが付いてくるとなると菓子パンとかテキトーなモン選んだらまたぶたれる可能性がある…っ!そして提督はわざわざプレゼントを選ぶなど下等な行為はあまり好きではないのだが…

 

海風ねーちゃんにガッチリと腕をロックされてはいるが、この程度、下等艦娘ごときのロックなど完璧であるこの提督のパワーには…………って!!グゥゥゥム!なんと言うパワー!下等艦娘ごときのパワーから抜け出せん!

その秘密はおそらくはガッチリとした剛なるロックと柔らかなるパイオツの柔!!

 

「さ、行きましょう!五月雨姉さん、ちょっと提督をお借りしていきます」

 

「どうぞ、レンタル料は提督の命です」

 

「俺のかよッッッ!!」

 

◆◆◆

 

クソみてぇな店主がクソみてぇな商品を売るクソみてぇな店、みんなの店アカシマート

 

「ウヘヘ〜…明石サン、お酒、お酒売ってくださいよぉ〜」

 

「あら?アル中のポーラちゃん、いらっしゃい」

 

「コレ、コレで買えるお酒を…っ!」

 

そう言ってポーラがスカートのポッケから取り出したのはザラ姉ぇの厳しいお小遣い管理の目を盗んで貯めたなけなしのヘソクリ……しわくちゃになった千円札ッ!

 

「千円かぁ〜………ちょっと待ってくださいね〜」

 

たしか賞味期限の切れたボジョレーがあったハズ…

以前、ザラ姉ぇの厳しい目を盗み、提督におっぱい揉ませてお小遣いを貰ってワンカ●プ大関を買いに来ていたポーラだったが、色々あってバレた

ポーラは体内のアルコールが全部出るまで腹パンされ、提督は大地に頭がメリ込むほど土下座をさせられ、二度とこのような事はしないと血のオメルタを誓わされた

 

しかし…ッ!!

 

ポーラは諦めなかった!!深い哀しみと絶望にも負けなかった!!

 

「はい、ボジョレー」

 

「いいんですかぁ!?こ……こんな、1本丸々いいんですかぁ!?」

 

「いいのいいの、ポーラちゃんはお得意様だからね、お得意様は大事にしなくっちゃあ…」

 

「あ……あ……明石サン、明石サン、明石サァァァァン!なんて良い人…っ!善人っ!地獄に仏とはこのコト…っ!!」

 

「ポーラちゃん、地獄に仏とか難しい日本語知ってるのね」

 

ポーラは明石の手を握り何度も何度も感謝し、この恩は生涯忘れません!と涙を流し感謝した…

こんな救いのない世界にも神はいる、いや、希望はある!ザラ姉ぇと言う悪魔に背くと誓った日から!向かうべき正しい道はきっと必ずあるんだ!と…

 

「ナニやってんだクズども」

 

「ゲッ!テイトク…!!」

 

そんな圧倒的感謝に涙を流すポーラが店のカウンターでウヘウヘやっていると、やって来たのはメガネ男子……と、おっぱいの大きな駆逐艦

 

「ゲッ!とはなんだ?ゲッ!とは、またわからせが必要らしいなこのピンクは」

 

「ピンクじゃない、明石です、買い物ですか?菓子パンと缶コーヒーですか?」

 

「この俺がそう毎回毎回菓子パンと缶コーヒー買うとか思うなよボケ、だいたいなんだ?そのいやらし浴衣は?着たままヤるか?」

 

「いやらし浴衣ってなんですか、こんなのフツーでしょ、フツー、ってかまた珍しい子連れてますね、え〜……たしか白露ちゃん姉妹の、なんでしたっけ?ラノベヒロインみたいなツラした…え〜……あ、そうそうンミカゼちゃん!」

 

「発音が微妙にアレですけど……ハイ、海風です」

 

海風は深々と懇切丁寧にお辞儀をした

お辞儀した海風に対し、明石はこの子、やっぱスゲーおっぱいデカいなと思ったがそんなコトはゲスの考えだと忘れることにした

 

「で?なんですか?まさかンミカゼちゃん用に呪いの指輪買いにきたとか」

 

「んなワケねーだろ」

 

「指輪………いいですね!テイトク!指輪買いますか!指輪!」

 

「えぇぇ…!?いやいやいや、さすがにそれはちょっと」

 

「ナニ言ってるんですか!指輪を貰って嬉しくないハズありませんよ!明石さん、サイズ表ありますか?見せてください」

 

海風は明石にグイグイ詰め寄った

 

「え?マジで?提督、マジですか…?え?いや、まぁ、たしかにこの子、どちらかと言えば超可愛いしおっぱいデカいですけど……え?引くわ、硬派が服を着てるとか言っておきながら駆逐艦の子にとか、さすがにヒキますよ」

 

「オイピンク、勘違いするんじゃあない」

 

「じゃなんですか?遊びですか?ド●キで指輪買ってやンよ!的な…」

 

「遊びでもないしマジでもないし海風クンに指輪を買いに来たワケじゃない、山風用だ」

 

「もっと引くわ!!このロリペド野郎がッ!!」

 

「違うわ!!誰がロリペド野郎だ!ちょっと耳貸せ、1から10まで懇切丁寧に説明してやる、あと鏡に手をつけ」

 

「ケダモノか!!」

 

 

この後、明石にここまでの成り行きを1から10まで懇切丁寧に説明し、とりあえず誤解であることを納得した明石は、そんなコトならかわいい山風ちゃんの為に私も協力しましょう!と、店で1番邪魔そうなクソデカいベンガルトラのぬいぐるみを持って行ってくださいと押し付けてきた

 

ちなみに、明石の店にはロクなモンがなかったので仕方ないので提督は山風に使ってない万年筆をあげた


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