不健全鎮守府   作:犬魚

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第二海域を書くには気力が足りない

【登場人物】

提督(大人)
女子供にも容赦しない鉄拳の持ち主、良い子には甘い

山風(改二準備中)
海風姉ぇは口うるさいけど、まぁまぁ好き


提督と山風とミズギダイバーズ・リライズ

夏は既に過ぎ去り、昼夜の寒暖差が身体のふしぶしを痛めつける今日この頃、当基地でも魔の地中海クルーズ-殺意の船出-と名付けられた海域作戦にボチボチ従事しており、日々執務室でファック!と叫ぶのが常態化していた

 

「サミー、コーヒーくれ、缶の」

 

「ご自分でどうぞ、あと、缶コーヒーなら冷蔵庫の中にはありませんよ」

 

「ファーックス!」

 

しまった、既にストックが切れていたか、また明石の店に行って箱買いでもしておかないとな、いや…むしろ俺は提督だ、この基地で最も尊き存在であり絶対支配者、電話一本で持ってこさせても良いのではないだろうか?

 

そんなイキでイナセな提督としてのあり方を考えていると、執務室の重厚な扉が勢いよく開き、特に招いてはいない侵入者が現れた…

 

「…なんだアレ?」

 

「ネコ…?じゃないですかね、毛がないですけど」

 

開いた扉からヌルリと入って来たのは………ネコ、しかもアレだなコイツは、たしか山風クンの飼ってる毛のないネコ

 

「…遊びにきたよ」

 

飼いネコに続き飼い主がヌルリと扉の裏から顔を出して執務室に入室してくると、飼い主はネコを拾い上げてお客様ソファーに座った

 

「山風クン、執務室は遊びに来るところじゃあないんだがね?それにほら、ご覧の通り、テイトクは忙しいのだが…」

 

「…息抜きがてら遊べばいいと思う」

 

「なるほど、息抜きがてらか…」

 

山風クンは今すぐ海に遊びに行きたいのか、麦わら帽子に白露姉妹特有のいやらし水着といったファイティン・スタイル…

まぁ、いやらし水着と言ったものの、水着と言う強力な武器に中身がついていけなければ意味はない、自分に合わない装備をしても効果がないぜ!と言うヤツだぜ

 

「…おっぱい大きい海風姉ぇも呼んでいいよ」

 

「そいつは魅力的な提案だな、なぁ?おっぱい大きい海風ねーちゃんのお姉さんの五月雨ねーちゃんよ?」

 

「それは、殺してくれって意味でいいんですか?」

 

「冗談なのだよ、小粋なテイトクジョーク」

 

いつの間にやら黒檀の執務机に刺さったカッターナイフを引き抜き、刃をキチンと収納して山風クンにコレ、お姉さんに返しておいてと渡してやった

 

「悪いが山風クン、提督はヒマ人ではなくてね、ヒマならおっぱい大きい海風ねーちゃんとかおっぱい平たい江風とかと遊びにでも行ってきなさい」

 

俺はポケットから財布を取り出し、紙幣を数枚抜いてコレでジュースでも飲みなさいとあくまで紳士的に追い払う努力をしたが、山風クンはナニが気に入らないのか、被っていた麦わら帽子を俺に投げつけてきた

 

「痛い!地味に痛い」

 

「…いつか返しにきて、いや、今すぐ返して!」

 

「ハイハイ、返しますよ、ってかね、大事なモノなら投げたりするんじゃないよ、昔から言うだろ?大事なモノは手放しちゃダメだよ〜って」

 

「…知らない、聞いたコトもない」

 

「だとよ、サミダッチ」

 

「まぁ、山風さんは昔から漫画とかあまり読みませんしね、あと、五月雨です」

 

三蔵一行に詳しい秘書艦サミー子はとりあえずお菓子でも出しましょうかと戸棚からお●つどきっ!の袋を取り出し、ついでに冷蔵庫のカル●スウォーターをグラスに注いで2つ下の妹、山風クンに出してやった

 

「…五月雨姉ぇはなんで水着着ないの?」

 

「なんででしょうね?水着グラの発注とかしてないんじゃないですか?たぶん」

 

メタいコト言うんじゃないよ、この子は…

 

「山風クンよ、それにはまぁ……アレだよ、高度に政治的な事情があるのだよ、うん、だからこう……なんだ?うん、あまりに聞いてやるな、うん」

 

「…わかった」

 

良かった、山風クンが聞き分けの良い子で

 

「…テイトク、ヒマそうだから海に行こう、おっぱい大きい海風姉ぇと一緒に」

 

前言撤回、まったく聞き分けが良くないよこの子、と言うかなんなのこの子は?たしかに海風ねーちゃんのおっぱいは大きいが、俺がおっぱい大きいだけに釣られるだけのおっぱい星人とでも思っているのか?

 

いや、まぁ、たしかに海風ねーちゃんはおっぱいが大きいだけではなく、どいつもこいつもプッツンしてるバカばっかの白露姉妹の中では頭一つ抜けた常識人であり美少女、仮に海風ねーちゃんが駆逐艦でなかったら初対面で1000%超えて2000%はブチ●してるのは最早常識…

俺の肉●器として毎日聖水を飲ませていただろう

 

「だから、俺は忙しいのだよ、ほら、帰った帰った、あといつまでもそんな格好してると風邪をひいてしまうぞ?早く帰ってまともな服を着なさい」

 

「山風さん、提督、今から明石さんの店に缶コーヒー買いに行くらしいので一緒に行ったらどうですか?お菓子買ってくれますよ」

 

「…じゃ、そーする、テイトク、いこ」

 

五月雨、おんどれェ……!2つ上の姉から援護射撃を貰い、山風クンは俺の袖をグイグイ引っ張り執拗に俺を動かそうとするッ!

 

「やめたまえ、袖が伸びちゃうのだよ」

 

「…じゃ、早く立って」

 

まったく、なんてワガママガールだ、いったい誰に似たのか?お姉さんの教育が悪いんじゃあないか?

 

「ハァ……仕方ない、ま、どのみち缶コーヒーは買わねばならんしな、オイ、サミーなんかついでに買うモンあるか?」

 

「単三電池ですかね?」

 

「単三電池な」

 

 

そんなワケで、気晴らしついでに山風クンと明石の店に買い物へと行った俺だったが、買い物に行く途中、執務棟と教育棟の中庭で水着でパーベキューをしているアメリカ人団体と遭遇、すでにデキあがっていたのか?アロハアロハ言いながら一緒にどーよと誘ってきた巨乳アメリカ人の前に、こちらもアロハしなければ無作法……と抜きかけたが、水着でも巨乳でもないアメリカ人軽巡からFuck!とガンメンがへこむ勢いで殴られた






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