なんやかんやで苦戦中、奇跡の友軍パワーでE2は撃破
【登場人物】
提督(メガネ男子)
今回は賢さをみせて作戦開始を遅らせてみたものの、やはり痛い目をみる
潜水艦ズ(潜水艦)
元実力派エリート集団の実力派セレブニート集団、新人は、かわいがる
軽めの小規模とは何か?軽めの…!小規模!とは!!そんな考えるだけムダなコトを考えても仕方ない昨今、既に上からは開戦されたし、さっさと行けとのお達しを受けてはいたが、夏休みなんでムリでーす!ウェーイ!と作戦開始をゴネていた当基地もようやく重い腰を上げ……
「えー…提督からのアイサツは以上、じゃ、長良主将からみなさんにアツい感じでお願いします」
「ナイスガッツ!いいよみんな!ナイスガッツがあればなんでもデキる!ナイスガッツ燃やしていこう!ナイスガッツ!ナイスガッツ!」
開戦を告げる恒例の行事、全艦集会…
今回はたいして話す内容もないので提督からの有難いアイサツもそこそこにして、夏休み明けでダラけきったクズどもをアツくさせるにはやはりナイスガッツだろうと考えた俺はナイスガッツ基地陸上部のナイスガッツ主将、ナイスガッツ長良主将にアイサツを頼んだ
『ナ・ガ・ラ!ナ・ガ・ラ!』
『ナイスガッツ!ナイスガッツ!』
『ウォォォ!!燃えてきたァァァァ!!』
長良主将のアツいナイスガッツは伝染する…
壇上でアツいナイスガッツを叫ぶナイスガッツ長良主将の熱意にクズどももアツいナイスガッツを感じたらしく、アツい長良コールで場内は包まれ、長良主将はマイクを投げ捨て壇下へと跳び、アツいナイスガッツ達にナガラわっしょい!ナガラわっしょい!とウェーブ胴上げで流されて行った……
ーーー
アツいナイスガッツ開戦のアイサツも終わり、そろそろ真面目に海域作戦について考えてみるかと自販機コーナーで缶コーヒーを買い、喫煙所へと練り歩いていると、なにやら中庭のあたりで潜水艦のバカどもがたむろしているのが目に付いた…
「おう、バカども、ナニやってんだ?こんなところで」
「あ、テイトクなのね」
「見てワカんねーのかオッさん」
当基地が誇る実力派エリート集団、潜水艦ズ
かつては基地の資材確保に多大な貢献をしてきた実績とオリョールの荒波の中で揉まれた確かな実力、そのハードな労働環境に見合った高給で稼いでおり、当時は男は佐●、女は潜水艦と言われたぐらい金回りが良い時期もあったか、近年の海域刷新から労働環境が激変、今や金と暇だけ持ってるセレブニートへと成り果てた…
「オッさんじゃない、提督だ、そもそもそれはなんだ?肉か?」
「肉だよー!お肉、あと野菜」
「今からここでバーベキューするのね」
「バーベキューだぁ?」
当基地の潜水艦の雇用契約には【本部からの海域作戦中は長期休暇を与える(一部例外あり)】と言う一文がある…
これは、かつて安心の24時間三交替マグナムシフト労働環境時代から残っているもので、当時は貴重な長期休暇に国内だの海外だのこのバカどもはバカづら下げて旅行に行っていたものだ…
まぁ、仕事の激減から今や毎日が長期休暇レベルに落ち込んでいるが、潜水艦の雇用契約について見直しするのも面倒なのでそのままになっており、つまり今、コイツらは長期休暇に入っているのだ
「ホントは旅行に行きたいけど、昨今の情勢を鑑みて今回は旅行はやめにしたのよ」
「SNSで叩かれるかもしれねーからよぉ〜」
「で!今回はおとなしく基地でバーベキューとかしよーですって!」
「…ユーも、それがいいって」
なるほど、昔からバカだバカだと思ってはいたが、一応、世相を反映させ、不要不急の旅行などを自粛するアタマとか持ってたんだなコイツら…
「まぁいいんじゃねぇのか、クズどもにしては低い知性で良く考えた」
「誰がクズね」
「オマエにだけは言われたくねーよ」
「あと言っておくが、バーベキューするのは別に構わんが間違ってもバーベキューしてまーすウェーイ!ビールサイコー!とかSNSに写真あげるなよ」
「ウェーイ!わかってまーす!テイトク!ウェーイ!」
缶ビールを片手にゲラゲラ笑いつつ俺の肩をバシバシ叩くイヨティン、これほどまでに説得力の無いわかってまーすはそうないだろう…
「って!酒クサッ!!」
「テイトクも一緒にどーぉー?14が色々サービスしちゃうよぉ〜、ギャハハハハ!」
慣れ慣れしく俺にまとわりつくイヨティンをベリッと引き剥がし、お腹パンチをメリ込ませた13ちゃんはお腹パンチのダメージで光る吐瀉物を吐く妹の背中を優しくさすりながら言った
「14ちゃん…少し黙ろうね」
「ウボロロロロロォォォ……ね、姉ちゃん、ごめ、ゴメ!もうぶたないで!」
うんうん、美しい姉妹愛とはこういうものを言うのだろう、これまたアイ●ツなのだよ
「テイトクー、テイトクー、このお肉ヨナが焼いたよ」
「ほぉ、よく焼けているじゃあないか」
「エヘヘ〜」
基本バカばかりの潜水艦だが、このヨナタスは海域刷新後配属され、オリョールの荒波を知らず、潜水艦のバカどもも久々の新人をちやほや甘やかしたせいか無垢で優しい子に育った新世代潜水艦である
「オイ、ゲロしゃぶ、アンタも肉焼きなさい、肉」
「…ハ?それアタシに言ってるんですか?」
「アンタ以外誰がいるのよ、新人でしょ?」
「ハ?なんですかそれ?パワハラですか?168さん、新人だからとかそーゆーの古いですよ」
「ハァ…?オイ、オイオイオイオーイ!ゲロしゃぶちゃ〜ん?え?今、なんて言ったの?なぁオイ?」
「ちょ!やめて、やめてください!暴力ですか!フーミィ訴えますから!」
そしてもう1人の新世代潜水艦、伊203ことフーミン?くん…
彼女はヨナタスと違い、今まで潜水艦には居なかったタイプ、今風で繊細な子らしく、潜水艦のリーダー格である168や19から態度が悪いだの生意気だの目をつけられているらしい
「やめてください!服が伸びちゃうでしょ!」
「コイツ生意気なのね、アクメハーブ吸わせて失禁アクメさせるのね」
「ヒッ!?な、なんですかその葉っぱ!」
「アクメハーブなのね」
「フッ、19はアクメハーブドランカーだからね、いつも持ってるし、常にキマってるわ」
かつて、彼女は誰よりも真面目で、誰よりも優しく、誰よりも責任感があり、誰よりも頑張り屋さんだった…
そんな彼女が頑張る為にアクメハーブにハマったのも基地高度成長期の弊害と言えよう
「ダイジョーブダイジョーブ、すぐキマるのね」
「ヤダ!!ヒィィ!やだ!アクメしたくない!」
イヤがるフーミンくんにハーブをキメようとしていたバカな先輩達にやめんかとゲンコツを叩き込んだ俺はフーミンくんに大丈夫かね?と紳士的に尋ねた
「うるさい!!大丈夫なわけあるか!センパイ達もテイトクも●ね!」
フーミンくんは●ね!●ね!と連呼しながら走り去った
「オイオイオイ、168クンよ、コイツはまたズイブンと手のかかるナマイキガールじゃねーの?」
「だからそう言ってるじゃない、ヨナタスは素直で可愛いのにゲロしゃぶときたら…」
「いや、たぶんそのゲロしゃぶとか言うアダ名が悪いんじゃないのかね?」