【登場人物】
Jervis(英)
英国式のロイヤルな技とは別に、荒々しさを持つ残虐ファイトはビッチ師匠に教わったらしい
Grecale(伊)
天才メスガキファイター、一度見た技や喰らった技を己のものとして再現できるが、破壊力までは再現できない
ジャーヴィスVSグレカーレ、己と祖国の威信とPRIDEを賭けた完全決着デスマッチ!
序盤、戦闘の天才グレカーレによる手痛く痛烈な洗礼を受けたジャーヴィスだったが、戦いの中、グレカーレの実力を認め、己の枷を外し本気となったジャーヴィスの反撃が始まった!!
「オラァ!!」
「痛てッ!このっ!!」
原始の戦い!!白熱するベアナックルによる殴り合い!!それは、英国淑女らしさのカケラも感じない泥臭い戦い方だったが不思議と見る者の心をアツくさせるものだった
「このブス!!ブス!」
「ハァー!?ブスはテメーだろーがタコ!!」
殴り、引っ掻き、醜く罵り合う戦いはリングに鮮血を散らしていた………実力は伯仲、この流れで足を退いた方が負けるッ!!
誰もがそう予感したその時!!
「とったァ!!」
グレカーレはジャーヴィスのパンチを止め、掴んだその右手をまるで握手するように握るッ!!
「零の●劇ィィィィ!!!」
「ウッギャアアアアアアアアア!!!」
グレカーレの出した技はテイトクが好んで使うただの強烈握手!!一度受けた技を見様見真似とは言え己の技とするグレカーレの天才性!!
ジャーヴィスは零の●劇から脱するべくまだ自由な左手でグレカーレの脇腹に連続お腹パンチを叩き込み、グレカーレの体勢が崩れたところで零の●劇から脱出してグレカーレから距離をとった…
「ハー…!ハー…!クッ!!マタDarlingのトクイワザを…っ!」
「このクソキンパツがァ!よくもグレカーレちゃんの美しい顔を何発も殴ってくれたじゃない…!ハァ~…もぉキレたわ、オマエ!!生きてリングから降りれると思うなよ!!」
今までの小悪魔的言動から一転!グレカーレは怒りの罵倒で叫ぶと凄まじいスピードでジャーヴィスに詰め寄る!!
「ハヤイ…ッ!!」
今までも十分速かったがそれを上回るスピード!天才グレカーレのメスガキドライブは本気ジャーヴィスをしてその反応を上回るッ!!
「死ねッ!!メスガキクラッシュ!!」
グレカーレはジャーヴィスの背後から左右の腕を押さえた状態で後方に飛び、ジャーヴィスの頭をリングに激突させるッ!!
グシャアッ!!
「グハァ!!!」
「メスガキツイスト!!」
メリメリメリメリ!!
グレカーレはさらにジャーヴィスの背後より頭を押さえ、ジャーヴィスの腕に自分の足を絡めて極め、体を捻ってジャーヴィスの腕を痛めつけるッ!!
「ウッギャア!ウギャギャー!!」
「まだまだァ!!メスガキアヴァランチャー!!」
ゴシャアッ!!
グレカーレはジャーヴィスを逆さまにして両腕を押さえ、尻でマットに落下して激突させ、ジャーヴィスはリングに転がった…
「グッ……ハアッ!!」
「フッ、どーよ?このグレカーレちゃんの実力は、ハー…疲れた疲れた、汗かいたわー」
裁きのメスガキ奥義三連打を受け、リングに転がったままのジャーヴィス…ッ!!
もはや立ち上がる事はできないだろう、観客の誰もがそう思った…
『Jervis!立て!立つんだJervis!』
『ウソでしょJervis!アナタは何度倒れてもいつだってなんかLuckyな感じで立ち上がり、そして勝ってきたじゃない!』
そんな中、リングサイドでリングをバンバン叩きリングに転がるジャーヴィスに声援を送るアークロイヤルとジェーナス…!
『Jervis!オマエはAdmiralに勝負を挑むんじゃあなかったのか!そんなやつに負けていいのか!騎士道大原則を思い出せ!』
『Jervis!アナタはいつだって奇跡の逆転ファイトを見せてくれたじゃない!』
そんなアークロイヤルとジェーナスのアツい声援に、いつしか会場に来ていた観客の空気も、なんとなくジャーヴィス頑張れ的な声に変わってきていた…
ガンバレ、ジャーヴィス!
あきらめるなジャーヴィス!
このサバイバルマッチでオマエが勝ったなら、テイトクの首を賭けて再び艦娘オリンピックで戦おうじゃないかー!
ジャーヴィス!ジャーヴィス!ジャーヴィス!
「な…なに?ナニよ?この耳障りな応援は…っ!」
会場に響くジャーヴィスコールの中、グレカーレはナニをバカなコトを……と苛立ちをみせていると、既に死に体となり、リングに転がっていたハズのジャーヴィスが起き上がりつつあったッッ!!
「バ……バカな!あ、アタシのメスガキ奥義を受けて…~まだ立ち上がるだとォ!!」
「ヘ……ヘへッ、どうやら、Lucky JervisのLuckyはマダマダ残ってイタ、みたいネ…!」
「あ……ありえない!この下等艦娘のどこにそんな力が……!」
天才グレカーレを戦慄させるジャーヴィス、不撓不屈のガッツ!!
天才であるが故に、メスガキであるが故に、グレカーレにはその、不思議なパワーが理解できなかった!!
そんな予想外の出来事に狼狽えるグレカーレをジャーヴィスは見逃さない!!もはや肉体のダメージは限界を超えているジャーヴィスにとれる作戦はたった一つ!
この一撃で、最大火力の
「喰らえッ!!」
「うッ!!こ、コレは!!」
ジャーヴィスはグレカーレの両腕をひねって上空高く投げ飛ばし自身も空中に飛び、頭から降下中のグレカーレの両腕と首を横から手足でホールドしたッ!!
「喰らえ!!
「フ……ナニかと思えば!この程度の技!」
空中でホールドされていたグレカーレはこの程度の貧弱ゥ!とホールドから脱しようと動くが……
「バ、バカなっ!!う、動けない!グオオオ!そしてこの加速…っ!」
「絶対に離さないッ!!そのまま死ねッ!!」
強烈な加速を伴い、リングへと一直線に降下を始めるスコティッシュ・スティール・エッジ!!
その破壊力は難攻不落のビッチ兵と呼ばれた鈴谷の
ゴジャアッ!!!
「ドへァ!!!」
最大必殺技、スコティッシュ・スティール・エッジがリングに着弾し、グレカーレは血反吐をブチ撒けてリングに転がった…
「ゴブッ…!!」ビクッ!ビクンッ!
血反吐をブチ撒けて転がっていたグレカーレは何度かビクッ!ビクンッ!と痙攣し、そのうち動かなくなり、それを見たジャーヴィスは右腕を高く上げた
「ハー……ハー……か、勝っタ!」
◆◆◆
「決着ゥゥゥゥゥゥ!!!試合時間51分24秒!ついに死闘の終止符が打たれましたァァァァァ!!初春様!これは完全決着で間違いないでしょうか!」
「うむ、終いじゃ」
「英伊駆逐艦のPRIDEを賭けた真剣勝負!ここに決着です!観客席からは大きな拍手とジャーヴィスコールが鳴り止みません!」
リング中央、立っていたジャーヴィスは歓声に応えるかの如く高くあげた右腕を振っていると、転がっていたグレカーレが片ひざをつきつつフラフラと立ち上がろうとしていた…
『フッ…』
そんなグレカーレに、勝者であるジャーヴィスは己の肩を貸すようにグレカーレの身体を支えた
『クッ……!な、ナンのつもり?』
『試合が終わればノーサイド、全力で戦った相手に敬意を払うベシ!それが英国淑女ネ!』
『ハッ…?ズイブンと甘っちょろいわ、ハハ…でも、マァ…悪い気はしないわ』
『アナタは強かっタ、このLucky Jervisをここまで追い込ムとは……アナタとはモウ一度ヤリたいわ!』
『ハ…?ジョーダン………マ、次は勝つケド』
ジャーヴィスはグレカーレに肩を貸しつつ立ち上がると、観客席からジャーヴィスとグレカーレ、死闘を演じた両者を讃える大きな拍手と歓声が響く…
「美しい光景です!試合が終われば勝者も敗者もありません!互いの健闘を讃え合う素晴らしい光景です!初春様!」
「そうじゃのぉ、子日、茶をくれ」
「両者が全力を尽くし合った素晴らしい試合でした!アリガトウ!」
…………そんな珍しくスポーツマンシップに則った爽やかなファイト
そんなファイトを観客席最上段から観ていた影があった……!!
『フッ、グレカーレが負けたわ』
『やつは四天王の中でも最弱』
『zzzzz……』
会場東側の最上段に立つ3つの影…
そして、その逆、西側の最上段にも影…
『…チッ、勝った』
『チッ!とか言うんじゃないよこの子は、仲良くできんのかね?キミたちは』
『…ムリ』
『即答かッ!』
おわり
次回は通常回を置いて夏イベント回
そもそも、まだイベント海域に突入してないのですわ