【登場人物】
提督(男児の夏)
巨乳派、巨乳なら大抵の事は目をつぶる
夕張(狂気の天才軽巡)
忘れていたけど今年も水着
「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」
「そうか、死んでくれ」
アツい真夏の執務室、毎日の暑さに辟易する今日この頃…
今宵の夕餉はどんなオシャレなディナーにするか、パワーもりもりスタミナ丼か、それとも山盛りのキャベツか、そんなつまらない事を考えていると執務室の重厚な扉がギギィィ…っと開き、見知った顔がヌルリと顔を出した
「いきなり死んでくれは辛辣ゥ!!」
「そうだったな、スマナイ言い直すよ、可能な限り苦しみ抜いてこれから先向かうであろう場所が地獄であるコトに絶望しながら死んでいけ」ニマァ…
「クッ!なんてイイ笑みっ!」
なんたるサディズム!とか言いつつ執務室に入室して来たのは己の欲望の為なら他者の犠牲など1ミリも気にならない外道の中の外道、科学を信奉するスーパーサイエンスモンスター、狂気の天才軽巡夕張ィ!
夕張はとりあえずお茶貰っていいですか?と懇切丁寧に秘書艦サミー子にお願いすると、秘書艦サミー子はめんどうくさげに冷蔵庫を開けてお茶の入ったペットボトルを取り出した…
「氷何個で?2個ですか?」
「3個で!」
「冷たいの3個ですね…」
製氷皿から氷を取り出し、お茶と共にグラスに入れたものを五月雨から手渡された夕張は渡されたグラスをイッキに、グィィィ!っと飲み干した
「ブハァ!!生き返りますねぇ!渇いた身体に潤いを感じずにはいられない!」
「やかましい、ナニが潤いだ」
「そうですか?そうですね!まぁ潤いはさておいて、今回開発しましたのは~…」
コイツ、ヒトのハナシ聞いてんのか?いや、聞いてないな、そんなヒトのハナシを聞かない事に関して他の追従を許さない狂気のマッド軽巡は頭のおかしい科学者特有のオーバーな身振り手振りで今回の新兵器とやらのヴェールを勢い良く剥いだッッ!!
「何者をも超えた最強の生物!あらゆるモンスターの体組織を移植し、ついに完成した超魔生物!!名付けまして超魔生物キヨシです!」
『闘いこそ武人の誉れ!』
どーん!!
「………足があるな」
「足なんか飾りです」
なんと言うか、清霜のヤツ、また随分とまがまがしくなっちまったな…
「この超魔生物キヨシですが、最強の騎士であるドランゴの騎士をコンセプトに地上・魔界とありとあらゆる生物の長所を取り入れたまさしく最強の生物、その凄まじいまでのフィジカルたるやドランゴの騎士にも決して引けをとら……いえ、勝ると言っても過言ではないでしょう!」
「しかしオマエ、清霜ったらアホでお馴染みの清霜だぞ」
今の清霜にはアホの清霜と呼ばれていた頃のアホさなど1ミリも感じさせぬ武人然とした硬派な顔つき…ッ!いったいナニがあったのか…っ!
いや、改造されたんだっけか…
「戦艦になりたい!いや、戦艦に勝ちたい!その為には艦娘の身体を捨て去りただの魔獣の身体になればいいと清霜ちゃんを甘い言葉でいい感じに誘導して今回の超魔生物実験に付き合って頂きました」
「オマエ、ホントに最悪だな」
「最高の誉め言葉です」
「誉めてねーよ、ちょっと壁に手ぇついてケツこっちに向けろ」
「はいっ!!」
夕張は元気良く返事して壁に手ぇついて尻をこっちに向けたので俺は夕張の尻に手を置いた…
「フー………通・●・拳ッ!」
「ンギィィ!!!」
通●拳の衝撃で壁に激突した夕張だったが、致命傷のダメージはなかったのか膝をガクガクさせつつもゆらりと立ち上がった…
「お…お尻の穴めくれるかと思いましたぁ…」
「いや、通●拳で尻の穴はめくれない」
気色の悪い笑みを浮かべつつ立ち上がった夕張は、さぁ!まだオレはヤれるぞ!と言うかの如く再び壁に手をつき、ケツをこっちに向けた…
その時だった!!超魔生物キヨシは俺と夕張の間に割って入り、俺に言った…
『提督、夕張サンはたしかに最低のゲスだがここは許してやってはくれないだろうか?』
「清霜、オマエ…」
『たとえ夕張サンがクズで、超魔生物の実験の為に私を利用したんだとしても私は夕張サンに感謝している、何故なら、艦娘であることや夕雲型であること、戦艦に対して抱いていた劣等感やくだらないプライドを捨て去り!唯一人の武人として生まれ変わらせてくれたのだからッ!!』カッ!
「お…おぅ」
コイツ、ホントに清霜か?身体だけじゃなくて脳も改造されたのか?昨日までアホ仲間のリベッチオと捕まえたクワガタをバトルさせていたアホな子が…
「ふ、ふふふ…そう、今の清霜ちゃんはこの世のあらゆる生物をブッちぎり超越した最強の魔獣!たとえド●オーラだろーが武蔵さんの殺人パンチだろーが今の清霜ちゃんを倒すのは不可能…っ!!強靭!無敵!最強!アーハッハッハッハッハー!」
ケツを押さえつつも立ち上がった夕張は頭のおかしい科学者特有のムーヴでゲラゲラ笑い、ヒィヒィ言いながら冷蔵庫からバ●リースのペットボトルを取り出し、戸棚にあったグラスに注いだ
「さぁ行けい!超魔生物キヨシ!憎っくきア●ルの信徒どもを皆殺しにしこの世を邪悪で染め上げてやるのです!」
ア●ンの使徒じゃねぇのな…
『…夕張サン、もはや私にそんな感情はない、今の私にあるのはただ己の強さを推し量りたいと言う欲望のみ、あの最強の戦艦、武蔵さんに勝ちたいと言う欲だけ!』
「な、なんだとぉ…?」
『正直、夕張さんのようなゲスは生かしておく価値もないと思うけど、感謝しているのは事実だから』
「キ、キサマぁ!創造主に刃向かうつもりか!誰がキサマを強くしてやったと思ってい…」
グサァ!!(覇●の剣)
「グハァ!!!」
超魔生物キヨシの右腕から伸びたオリハルコンと思われしブレードが夕張のお腹を貫通した
『命まではとらない、しかしこれ以上くだらない邪魔立てをするならば容赦はせんッ!』クワッ!
「ヒッ!?ヒイイィィ!?」
己の作り出した超魔生物に反旗を翻された夕張は血反吐を撒きつつ床を転げ回り、超魔生物キヨシはその姿に憐れみを込めた瞳で一瞥すると、肩のスラスターみたいな穴から蒸気を噴き出し執務室の窓をブチ破って飛んで行った…
「ぐっ…!ゴハァ!!さ、五月雨ちゃん……傷、傷ふさぐ感じの何かない?」
「ホチキスでいいですか?」
「ホチキス!?」
とりあえず、五月雨がホチキスで夕張のお腹の傷をバチバチとめてガムテープでお腹をグルグル巻きにしてみたところ、わりとなんとかなったらしい
「意外となんとかなるもんですね!ギャング式」
「早く医務室行った方がいいですよ」
「いえ!そうもいきません、あの出来損ないの不良品め…っ!この私に対して反旗を翻すとは…」
夕張はポケットからなにやら妙なスイッチを取り出して不気味な笑みを浮かべつつペロリと舐めた
「クックック、バカめ!ヤツの身体は急激なパワーアップを維持するべく生命維持装置として“黒の
黒の
それは魔界の奥地に存在する黒魔晶なる魔力を無尽蔵に吸収する石を原材料にし、それを呪術で加工した爆弾!
その、あまりの破壊力に魔界では禁呪法などを平気で使う悪人ですら恐れて使わず、邪悪な魔物ですら恐れる地獄の火種と恐れられる悪魔的兵器である…ッ!!
「その破壊力たるや一度爆発すればヤツはおろか!この海軍基地すら跡形も残りません!このスイッチを入れればドカンですよ!私をなめた罰です!死をもって償いなさ……」
ビタンッ!!(平手打ち)
「メフンッ!!」
「オマエ今なんっつた?あ?この基地ごとブッ飛ばすとか言ったか?あ?」
「え?えぇ、まぁ、そうなりますね、はい」
ビタンッ!ビタンッ!(往復ビンタ)
「メフンッ!!アフンッ!………も、もうちょい強めでもいいですよ」
相変わらず気色の悪い笑みを浮かべる夕張をロープで縛りあげてア●ルにフリスクとコーラを挿入れてからスイッチを奪ったが時すでに遅し!スイッチは押されてしまっていたらしく、基地運動場のあたりで黒の核晶が爆裂したらしいが武蔵が身を呈して爆発の威力を抑えこんでくれたらしく、運動場の半分が消滅する程度で済んだ……
後日、普通に生きていた清霜はリベッチオとカブト虫バトルするんだーとか言って廊下を走って香取先生からビンタされていた