不健全鎮守府   作:犬魚

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なんやかんやで8月ですわ

【登場人物】

提督(ハンサム顔)
知性溢れるメガネ男子、数学?算数で卒業したわいガハハハハ

鈴谷(負け確)
誰もが羨まない負け確ヒロイン、ビッチ?オモテ出ろよテメー

熊野(お嬢様はエセガント)
鈴谷の妹、あらゆる面で鈴谷と対になる部分があるが、根本的には似たようなもん




提督と鈴谷と通常営業【その8】

連日、灼熱‐ヒート‐な暑さが続く真夏の執務室…

この季節は上が推奨するクールビズ期間なせいか、毎年水着で基地内を闊歩するバカどもがいるせいで基地の風紀は乱れまくり、これがイケメン提督の基地ならば勝ちまくりモテまくりなんだろうが残念ながら俺はイケメンではないので勝ちまくりでもないしモテまくりでもない…

 

そんな真夏の執務室、今日は秘書艦サミー子もいないので気兼ねなく執務室で全裸にでもなるかとズボンのジッパーを上げたり下げたりしていると、執務室の重厚な扉が勢い良く開いたッッ!!

 

「ティーッス、テイトクぅ、鈴谷が遊びに来ましたよぉ~」

 

「ふむ、デ●ヘルは頼んでないのだがね…」

 

「デリ●ルじゃねーし、鈴谷だし」

 

現役援航巡の異名を持つビッチの中のビッチ、キング・オブ・ビッチ鈴谷は暑くねー?っーか暑くねー?とか言いつつ、執務室の据え置き冷蔵庫を開け、ミニッツメイドのペットボトルを取り出すと豪快に口をつけた

 

「ぶっは!うんめぇー!」

 

「あーあー、もうそのミニッツメイド飲めねぇじゃねーか、オマエにやるよ」

 

「ハァ?なにそれ?鈴谷を病原菌扱い?ヒドくね?いやいや、普通にヒドいっしょ?普通の鈴谷ならショックで引きこもりになっちゃうかもよ?」

 

俺の執務机によっこらセッコとか言いつつ尻を置き、俺の肩を馴れ馴れしくバシバシ叩く…

 

「なんだオマエ、今日はまたずいぶんと攻撃的じゃねぇかオイ、そりゃアレか?殺してくれ、ってコトでいいんだよな?」

 

「いいワケねーし、っーかサミーは?今日休み?姉妹バーベキュー?」

 

「休みだ、姉妹でバーベキューするかどうかは知らんが」

 

「ふ〜ん」

 

「ふ〜んじゃねぇよ、あと机からそのビッチクセーケツをどけろ」

 

「ビッチ臭くねーし、っーかビッチじゃねーし」

 

「やかましい、暇なら外行って走り込みでもしてこいや、シャツだけじゃないでパンツの中までグチョグチョに濡らしてこい」

 

「やだし」

 

俺は机の引き出しからスタームルガースーパーブラックホークを取り出し、鈴谷のフトモモに銃口をあて、躊躇いなく引き鉄を引…

 

「あぶねぇ!!」

 

鈴谷は勢いよく机から転げ落ち、ブザマに床に転がった

 

「ハー……ハー……!殺す気かッ!!」

 

「でぇじょうぶだ、艦娘は頭部を破壊されなければ何度でも頂点を目指して戦うコトができるルールだからな」

 

「んなワケねーし、ナニそのルール?初めて聞いたし、っーかそれ弾入ってんの?」

 

「入ってるだろ、たぶん、普段からあんま使わねぇし自信はないが…」

 

「ちょ!銃口こっちに向けんな!!」

 

「オイオイ、ビビりクンかぁ〜?」

 

「ハァ?ビビってねーし、っーかテイトクの銃って全然当たらないってハナシじゃん、この距離なら怖くねーし」

 

「たしかに」

 

軍学校時代から銃というものは苦手な科目だったしな、みんなパンパン撃ってバシバシ当ててたけど、俺には銃の才能がなかったのか、まるで当たらなかった

 

「まぁ、あくまでコイツは両手両足を念入りに破壊した後にゆっくりと口の中に突っ込んでズドン!用だしな、コレなら外さない」

 

「残忍かッ!!」

 

「残酷じゃない、提督だ」

 

俺は愛銃を引き出しにしまいしまいし、代わりにポータブルなゲーム機を取り出して電源を入れた

 

「あ、ナニそれ?P●P?」

 

「NE●GEO Xですけど?」

 

「…ナニそれ?聞いたコトもねぇんだけど…」

 

NE●GEO X

かつて海外で発売され、後に1000台限定で国内でも販売されたこともあるNE●GEO好きでもあまり馴染みのないマイナーゲーム機である…

携帯型ゲーム機をドッキングステーションにドッキングすることでテレビ画面でもゲームをプレイする事が可能で、ある意味、後年に発売されることになるNE●GEO miniの先駆けとも言える存在なのかもしれない

 

「まぁ、お前のようなビッチは知らんわな…」

 

「ハァ?っーかビッチじゃねーし、ね!それ鈴谷にもヤらせてよ!」

 

「お断る」

 

「ケチか!!いいじゃん!貸してよ!」

 

「ケチじゃない、提督だ」

 

鈴谷はヤらせてヤらせてと俺の肩を掴み身体をガックンガックン揺らしてきたので、俺はNE●GEO Xを執務机に置いて椅子から立ち上がり鈴谷の両腕をダブルアームスープレックスに固め、身体をミスミスと回転させて勢いよく鈴谷のダブルアームを破壊した

 

ゴガァツ!!(ス●ンダブルアームソルト)

 

「うっぎゃあァァァァァァァァァー!!腕がァァァァ!」

 

「馴れ馴れしいんだよクソが、自販機コーナーの隅でオナってろ」

 

しかし、オナる腕を破壊をしてしまったかな?と小粋なテイトクジョークを交えつつ爽やかに鈴谷のケツに蹴りを入れた

 

「…クッ!相変わらず鈴谷に対しての当たりが厳し過ぎるっ!」

 

「やかましい」

 

両腕を破壊されつつも未だに闘志は衰えないか、大したやつだと思っていると、執務室の重厚な扉が開き、新たなる挑戦者が入室してきたッッッ!!

 

「鈴谷ァー!鈴谷はおりますのー!?」

 

「ん…?なんだ、熊野じゃん」

 

「やはりここに居ましたわね!」

 

やって来たのは姉妹の末妹、鈴谷の妹であり相棒的存在でもある熊野…

 

「最上ねーちゃんが庭でバーベキューするから肉買って来いと金を渡されましたわ!」

 

「バ、バーベキュー!?それは真実(まこと)なのかーっ!」

 

「真実も真実、リアルにガチですわ」

 

そう言って熊野は現ナマの入ったブ厚い封筒を上着のポッケから取り出し鈴谷に押し付けた

 

「ま、間違いない、本物の現ナマだ…っ!」ごくり…

 

「鈴谷、これは相当(リキ)入れてかからねーとマジヤバイですわよ」

 

「たしかに…」

 

鈴谷と熊野は互いにガッチリと手を組み、お互いの友情を確かめ合った

 

「最上クンが金出してくれるのか、さすが長女だな」

 

「バッカヤローですわね!これはそんな単純なハナシではありませんわよバッカヤロー!」

 

「誰がバカだ、誰が」

 

ギリギリギリギリギリギリ!(魔のテイトククロー)

 

「ギバァァァァァプ!!ギバップですわァァァァ!!割れる!私の頭が割れるゥゥゥゥー!」

 

「熊野を放せ!このクソメガネ!」

 

魔のテイトククローに苦しむ熊野を救うべくカットに入った鈴谷の的確なローキック連打が俺の足を打つ!!

その衝撃で思わず体勢が崩れた俺は熊野を解放してしまった…

 

「ハァ…ハァ…助かりましたわ!鈴谷」

 

「フッ、いいってコトよ!」

 

まるで友情を確かめ合うかのようにガッチリと手を組み合った姉妹…っ!コイツらとはそこそこ付き合いは長いが未だかつてコイツらがこれほどまでに仲良しな光景を見たコトがあったであろうか…

 

「フッ、どうやら貴様ら下等どもも多少は成長しているらしい」

 

「誰が下等だ!誰が」

 

「そうですわ!ビッチな鈴谷だけならまだしも……私を下等呼ばわりとは失礼千万!」

 

ピシッ!!

 

「あ?オイ熊野、オマエ今なんっつた?あ?」

 

「事実を述べたまでですわ」

 

そして一瞬で友情に亀裂が入るあたり、コイツらはやはり何も成長していない事が実感できた

 

鈴谷と熊野は互いにアンアン言いつつメンチ切り合っていたが、ふと、熊野がそんな場合じゃありませんの!と地面を蹴った

 

「最上ねーちゃんを1秒でも待たせたら殺されますわ!鈴谷、行きますわよ!」

 

「たしかに!熊野、オマエとの決着はバーベキューの後でつけるじゃん!」

 

「バーベキューの後………フッ、お互い生きていたら、ですわね」

 

「ヘヘッ…!」

 

鈴谷と熊野はまるでこれから行くのが死地である事を悟っているのか、まるでイタズラっ子のように鼻の下を擦り執務室から飛び出して行った…

 

正直よくわからないが、アイツらとは二度と会えない予感がする、たぶんアイツらは死ぬだろう…

 

「ヘヘッ、扉ぐらい閉めて行かんかいダボどもが」

 

 

後日、中庭でバーベキューをしていたらしい最上姉妹の姿が複数の艦娘達に目撃され、神戸牛らしき良い肉を焼いていたとの証言を聞いた…

そして、鈴谷と熊野はたぶんどこかのタイミングで姉ちゃん達を怒らせ、地面にメリ込んだ姿で発見されたが翌日には自販機コーナーでダベっていた…

 





次回

終末奥義!ア●ルハルマゲドンアヴェンジャー!

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