不健全鎮守府   作:犬魚

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今回も安心の丙提督

【登場人物】

提督(丙)
なんやかんやでやっぱり丙を選ぶ丙の中の丙
勲章?貰ったよ、光ってないやつ


続続続続続続続続続続続続続・提督と作戦終了と…

「えー…日頃の頑張りもあり、えー…皆さんの笑顔が、えー…」

 

 

『オイオイ棒読みかコラァー!』

 

『気持ちが入ってねーゾ!気持ちがー!』

 

『ちゃんと原稿書いてんのかテメー!』

 

今回の海域作戦も無事に終了し、いつもの提督からのありがたいご挨拶とMVPチケット清算によるお給料タイム…

しかしだ、いつものご挨拶として壇上で原稿を読む俺と下から浴びせられる容赦のない罵声…

まぁ、たしかに今回は原稿がイマイチの出来なせいかどうにも提督様からの有難いお話ってのがシマらない

普段、この原稿は俺がざらっと書いてサミー子がなんやかんや添削したり清書したりしてるのだが、そのサミー子が未だに有給休暇から帰ってきてないせいか、今回は俺独断の原稿であった…

 

「チッ!うっせーなクズども、もういい!ヤメヤメ、ヤメだっーの!俺様からのアイサツなんざクソくらえだボケ!オラ!オマエラお待ちかねのお給料ターイムだ!名前呼ばれたら元気な声でお返事しろよ!」

 

俺は原稿を床に叩きつけ、舞台袖に置いてあるジュラルミンケースを重ねた台車をゴロゴロと押した…

これも普段はサミー子の仕事なのだが……チッ!えぇい、居ないヤツのコトを考えても仕方ないな

 

「よぉーし!今回のMVPチケットランキング、獲得数第1位は〜………あれ?これどう見るんだっけ?」

 

 

『ギャハハハハ!マヌケかー?テメー!』

 

『オイオイオッさん!ハ●キルーペ必要なんちゃうかー?』

 

『チ●ポついてるんですかー?キャハハハハ!』

 

 

「やかましい!!今罵倒したヤツ!全員顔覚えたからな!あとで全員顔面にアクメガスぶっかけて尻から生卵入れて屈辱の擬似排泄産卵させて動画撮ってやるから覚悟しとけよクズどもが!」

 

コケにしやがって…だがまぁいい、コイツらがクズなのは今に始まった事ではないし、今さらそう劇的に変わることはない、むしろ、元気があって良いコトだ!と前向きに考えるコトが大切なんじゃあないのか?

 

「まぁいい、ハイ!今回のMVPチケットランキング1位は潜水艦のヨナタス、ハイみんな拍手ぅ〜…」

 

パチ……パチ…

 

まばらな拍手と汚い野次の中、ヨナタスはみんなに手を振りながら嬉しそうに壇上に上がってきた…

 

「ハイ、よく頑張ったね、感動した!」

 

「こんなに…?こんなにいいのぉ?」

 

俺はヨナタスにジュラルミンケースから取り出した現金を手渡し、よく頑張った!と頭を撫でてやるとヨナタスはありがとーと素直にお礼を言ってくれた、提督的にもこーゆー素直な子には実に好感が持てるものだ!

しかしアレだ、基本、新人潜水艦の教育は潜水艦のアホンダラどもに一任しているのだが………今回がデビュー戦となったヨナタスをいきなりMVPものの活躍させたぐれーだし、あのバカどもも教え方は上手いんだろうな

 

「ハイ次!ガンガンいくぞ!ガンガン!第2位は秋月姉妹、姉妹揃って姉妹でMVPチケット総取りだ!」

 

今回の海域作戦、貼られると他へ行けなくなる呪いの札がやたらと多かったせいか、貴重な対空戦力である秋月姉妹の使いどころをかなり悩んだ、正直、こんなこともあろうかと!控えを含め秋月姉妹は最大11回は登板できる安心のリリーフ体制を作っていたが、それすら使い切らせたのだからマジにヤバいと思ったね

 

「よく頑張った!これで美味しいもの食べなさい!」

 

「やったよ!秋姉ぇちゃん!これいくらくらいあるのかな?」

 

「たぶんだけど……焼肉屋に2回は行けるんじゃないかな」

 

「2回も!?う、ウソだろ姉さん……こんな大金、だ、ダメだ、ボク震えが止まらないよ」

 

この性根が貧乏姉妹、稼ぎは良いが、どうにも現代の貨幣価値と言うものが未だによくわかっていないらしく、たぶん姉妹合わせりゃ今までの稼ぎで贋作のモナリザ買えるぐらい稼いでるだろう…

 

「涼!ハイ!コレは涼が持って!ハイ!」

 

「はぁ、わかりました…」

 

秋月姉妹で唯一、現代の貨幣価値を理解しているらしい涼月クン、貧乏姉妹の金庫番である

 

「よぉーし!次、第3位!もがみん!」

 

最強最悪!悪名高き最上姉妹の頂点に君臨する長女もがみん!今回、新たに手にした驚異のウルトラパワーで環境を席巻したのはもはや常識…

 

ーーー

 

「最下位、浜波ちゃん」

 

「あ、ハイ…ど…どうも、はい、ありがと…ありがとうございます」ペコォ…

 

最下位の浜波ちゃんに300円を手渡し、今回も無事にお給料の時間は終了した…

 

「えー…以上をもちまして今回の作戦海域と全艦集会を完了とし、えー…ささやかではありますが、皆さんにはお酒やお食事を用意してますので、えー…皆さん、遠慮なく!宴を楽しんで頂ければと…」

 

 

「ヒャッハー!水だー!」

 

「バッキャロー!テメー!それオレが目をつけてた馬刺しだぞ!こらぁ!」

 

「クセーよ、デブ」

 

………まぁ、人のアイサツは最後まで聞かないのも一種の様式美みたいなもんか、アホらし

 

俺は酒と料理、そしてチョイチョイ小競り合いを起こすバカどもに関わらないように“絶”で気配を消し、テキトーなオカズでも取るかとテーブルへ近づく…

 

「あら?テイトクじゃない?」

 

「ん…?あぁ、五十鈴サンか、今日もおっぱいデカいっすね」

 

「そのアイサツはどうなの?」

 

五十鈴サンからゲス野郎を見る目で見られたが、それはそれで興奮するね、おっとっと…我慢我慢

 

「五十鈴サンはアレっすか?やっぱプリンとか食べる感じっすか?」ズキイイィィィン!

 

「なんで勃ってんのよ、ヘンタイか!」

 

「ヘンタイじゃない、提督だ」

 

「はぁ………って、なんでプリン?まぁ、五十鈴的にも嫌いじゃないけど、今食べたいって気分じゃないわね」

 

「そうすか、ああそうそう五十鈴サン、知ってるっすか?浣腸器でプリンをケツ穴に流し込んでケツ穴に挿したホースを口に突っ込んでケツ穴から排泄したプリンは新食感らしいっすよ」

 

「ヘンタイかッ!!ってかアブノマールすぎるわッ!!なんなのそのプレイ!?まさか五十鈴にそんなヘンタイみたいなコトやらせたいの…?」

 

「いや、全然…」シラッ…

 

「あ、そう………いや、もしよ?もしそんなのしたいとか言ったらマジで殴ってたわ、うん」

 

「忌憚のない意見ってやつっス」

 

ーーー

 

適度な酒と料理を楽しみ、タバコでも吸うかと体育館の外に出た俺はタバコはあるが火がない事に気付いた…

 

「クソ、マジか」

 

参ったなオイ、たまにあるあるだな、コレは……こーゆー時、喫煙所に行けば誰かが捨てて行ったライターとかあったりするんだが、残念ながらここは喫煙所ではないし、喫煙所に行くぐらいなら執務室にでも行った方が早い…

 

「チッ!ったく…メンドくせぇな、オイ、サミー子、火ぃくれ、火」

 

「持ってませんよ」

 

「ないのかよ………って!!オイイイィィィィィ!!お、オマエはーッ!!」

 

当たり前のようにツッコまれた冷静で的確な意見!思わず振り向いたそこには有給休暇を取ってコロンビアまで豆を買いに行っていた秘書艦青髪ロング子こと……

 

「さ、サミ…サミュ……サミー!!」

 

「なんでちょい曖昧なんですか、五月雨です」

 

Yes!I am!と言わんばかりに指を切ってみせた五月雨はバカなんですか?と言わんばかりにため息を吐いた

 

「オマエ!生きちょったんかァァァァ!!」

 

「声がデカいです」

 

「そうですかァァァァァァァァ!!すいませんッッッ!!」

 

「いや、ホントうるさいんですけど…」

 

コイツ、思えば作戦海域始まって以来ぶりぐらいか、休暇長すぎだろ、コイツがいないせいでワケわからん書類とか困ってたし…

 

「とりあえず次回からまた私が秘書艦に戻りますんで、あと、新人面接あるのでその小汚い服はクリーニングに出しといてください、替えのヤツはロッカーに入ってますから」





次回は新人面接回
地獄から来た7人の悪鬼!

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