不健全鎮守府   作:犬魚

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第四ステージ、これが余のネルソンタッチだ

【登場人物】

南方戦艦新棲姫(南方一族)
かつての深海最強を欲しいままにしていた名門、南方一族久々の超新星、今回、早々と再生怪人と化してリベンジだ!

South Dakota(アメリ艦)
MAJOR出身のハードパンチャー、センスが天才型なせいか、他人に教えるのは苦手

Washington(アメリ艦)
MAJOR出身のハードパンチャー、努力型らしく意外と面倒見がいい、アメリカ人にしては珍しくコーヒー淹れるのが苦手らしい


ラバウル空襲!遊撃部隊、出撃せり!

前半戦を制し、海の豪傑達がウヨウヨする後半の海へと突入した正義の艦娘達、前半と変わらずクソ面倒な手順に再生怪人として甦ったリコリス棲姫、深海海月姫などに苦戦しつつもチームは着実に敵を追い詰めつつあった…

 

「で、なんでまたSouth DakotaとWashingtonなワケ?」

 

「フッ、わからぬか?」

 

「わかるワケないでしょ、っーかあの仲悪い2人組ませて上手くいくとは到底思えないんだけど」

 

未だ有給から帰ってこない秘書艦サミー子に代わり、ブツクサ文句言いつつ秘書艦代行してくれるヘレナくんは手にした書類をバシバシハタキつつアメリカン特有のオーバーなアクションで理解デキないぜーと首を振る…

 

「たしかに、あのバカどもは仲が悪いのかもしれない、だが……提督はあの2人の中に確かに光る可能性に賭けてみようと思ったのだよ」

 

「可能性ねぇ〜…」

 

「それはそうとヘレナくん、コーヒーを淹れてくれんかね?とびきり濃いヤツ」

 

「たまには自分で淹れたら?」

 

◆◆◆

 

第四ステージ最終決戦!古豪にして名門、南方一族のスーパールーキーこと南方戦艦新棲姫率いるVS深海艦隊増援部隊旗艦集団!!

 

『野郎ドモ!海軍ヲ滅ボセーッ!』

 

『1人タリトモ生カシテ帰スナァー!!』

 

この戦い、チームの士気は高い!この海域、再生怪人多めじゃね?とディスられつつもここまでの道中、皆、たしかな仕事をし、余計な札を使わせて海軍どもを混乱させると言うたしかな結果を残した…

そして迎える最終決戦、かつての深海最強の名を欲しいままにしていたが近年はハブられ気味だった強豪、南方一族が見事に復活を果たし、今期もこの海域のBOSSとして登板しているッ!!

 

『ッシャー!!殴リ合イ殴リ合イ殴リ合イ祭リダァァァァァ!!コノ中デ一番強イヤツ!出テコイヤァァァァ!!』

 

南方一族のスーパールーキー、南方戦艦新棲姫は勢いよく上着を脱ぎ捨てかかってこいや!と海上と言う名のリングへ飛び出した!!

 

「オラァ!!」

 

『ドヘァ!!』

 

先手必勝とばかりに飛び出した南方戦艦新棲姫に対し、強烈なボディで迎え撃つのはMAJOR屈指のハード・パンチャー、サウス・ダコタ!!

その高速パンチは破壊力・速度共に十分に驚異的であるとアイオワも評している!(ただし、meホドじゃないケドネー!HAHAHA!)

 

「ヘイヘイ!もうオネンネかいー?」

 

『クッ…!アノ体格デコノスピード…参ルゼ!』

 

「先に言っておくが今日のアタシはすこぶる機嫌が悪いぜ、ヘイ!オマエなんったっけ?帰りのヒコーキ予約しとけよ!」

 

『舐メンジャネェゾコラァ!!!』

 

ドゴンッ!!!(南方全力パンチ)

 

「ゴホォ……!!Jesus!なんて威力だ、まるでcokeの缶に入れられてバットで殴られたみてぇだ!」

 

『Fuck!帰リノヒコーキ予約シトクノハテメーミタイダナ!』

 

まさしく開戦から血で血を洗う血戦!!右の頬を殴られたら右の頬を殴り返す、左の脇腹に悶絶ボディをもらったら左の脇腹に悶絶ボディを返す、互いのPRIDEを賭けたリアルバウト!!

 

『待テ!待テッテバ!南方ォ!チョット飛バシスギダゼ!』

 

『タ級ェ…』

 

『オマエ1人デ戦ッテル気カ?少シ下ガレ!』

 

血気盛んに攻める南方戦艦新棲姫の肩を掴み、チームの副リーダーにしてまとめ役のタ級はなおも血気盛んな南方戦艦新棲姫の頬にビンタした

 

『ブベラ…ッ!マ、ママニモブタレタコトナイノニ…!』

 

『少シハ落チ着イタカ?ナァ?』

 

『ア、アァ…悪リィ、タ級、チョットアツクナリスギチマッタ、悪カッタヨ』

 

タ級は南方戦艦新棲姫にドリンクを手渡し、深海媚薬入りワセリンを切れた瞼のあたりに塗り込み、よぉ〜し!落ち着いたな?と確認し、同じく一時下がった海軍陣営を睨んだ

 

『多少作戦ハ狂ッタガ、幸ニモオマエノパンチハカナリ効イテイル!ハッキリ言エバチャンスガ広ガッタ!ワカルナ?』

 

『OKOK、ワカッテルゼ…!』

 

『オソラク相手ハ呼吸ヲ整エヨウト消極的ニナル、ソコヲ突ケ!ト言イタイトコロダガ……マダコッチハ全開デイクナ』

 

『何故ダ!?タタミカケルChanceダロ??』

 

『勝負ノタイミングハ私ガ送ル、ソレマデハコッチモスタミナ回復ニ努メルンダ、イイナ?』

 

ーーー

 

「アンタバカじゃないの?ってか私と代わりなさいよ」

 

「そいつはデキない相談だぜMighty、ヤローはオレのパンチで沈める………そうじゃねーとここには来れなかったコロちゃん先輩に顔向けデキねーだろ?」

 

「フッ、それもそうね…」

 

ワシントンはパイプ椅子に置かれた笑顔でダブルピースするコロちゃん先輩の写真を見て哀しげに笑い、コーナーポストにもたれかかるサウスダコタの肩を抱いた

 

「アンタのパンチは効いてるわ、ただし、アンタのスタミナはMAXでも6Rがイイトコ、多少ムリしてでも攻めなさい、足を止めたら殺られるわ」

 

「だな、ナイスなアドバイスだぜ」

 

「アイツの弱点はアゴ(ジョー)よ、アゴ(ジョー)、とにかくあのアゴをブチ割ればあとはどうとでもなるわ!いい?ハイ!行ってきなさい!Stand and Fight!」

 

「OK!Mighty!ブチのめしてくるぜ!」

 

ワシントン はサウスダコタの背中を力強く押し、サウスダコタは再び戦闘開始のゴングと共に飛び出した!

 

◆◆◆

 

梅雨の晴れ間の執務室…

 

「仲良いじゃない」

 

「だろぉ?実はアイツら仲良いんだよ」

 

現場の中継を見つつ、ヘレナくんはマジかよアイツら…と言いたげな顔をしつつ自分だけクッキーをサクサクしていたが、さすがに悪いなと思ったのか、戸棚から取り出した安物のキャンディを執務机の菓子皿にサーッと入れた

 

「…コニャックによく合う」カロ…

 

「そう言えばColoradoはどうしたの?昨日の夜“明日の出撃memberに選ばれたわ!モチロン!flagshipよ!マァトーゼンよね!だってこの偉大なるB.I.G.7のリーダー的存在であるこのワタシだもの!あーっはっはっは”ってドヤ顔してたのに…」

 

「ヘレナくんはドヤ顔とか難しい日本語知ってるんだな」

 

「別に難しくはないでしょ…」

 

しかしまぁヘレナくんの疑問には答えよう、たしかに、今日出撃、この晴れ舞台はコロラドくんに任せる予定だったし、その準備をしていた…

しかしだ…!!しかし出撃当日に我々はとんでもないコトに気付いた…!!

 

…………アレ?誰か変な札付けたヤツいない?

 

そう、コロちゃんに変な札が貼りついていた…

思い起こせばたしか前半戦のどっかどうでもいいところで、そういやお使い程度に出したような……

そうそう、なんか守備固めと称してなんかコロちゃんに行って貰った気が…

 

『イヤよ!出たい出たい出たい!!ゼッタイ出たい!出る出る出る出る出るぅ!!』

 

ゴネた、コロちゃんはめっちゃゴネた、後輩の2人にイイカッコ見せたくて昨日の夜からスゲー楽しみにして夜も眠れなかったコロちゃんはめちゃめちゃゴネた

しかし現実は非情である!!どうでもいい札が貼られたコロちゃんはどう頑張っても出られなかったが、それでも行こうとしたら呪いの札がア●ル固めの術の効果を発揮し、コロちゃんは屈辱の公開脱糞ショーの憂き目にあったとかあわなかったとか…

 

「まぁ、そーゆー事情もあってあのバカどもも脱糞先輩……じゃない、ソンケーするコロちゃん先輩の為にやる気出したんだろ」

 

「いや、あの2人、Coloradoさんのコトチョロい先輩とか思ってるわよ」

 

まぁ………事実チョロいけどな、そんなコロラドくんだが、現在はア●ル固めの術の対となる禁術、ア●ル破りの術を川内から喰らったらしく、医務室で寝てるそうな

 

「お、イイの入ったわ!今の肝臓イったわね!」

 

「ブラック★プリンス様のダサいアダ名は伊達じゃないんだな」

 

「ダサいとか言わないの、本人はカッコいいと思ってるんだし…」


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