【登場人物】
提督(クズ)
秘書艦がいないと露骨に仕事しないクズの鑑、No.2不要論?愚問だな!必要不可欠だ、話はそれだけか?下がれ!
鈴谷(クズ)
自称メインヒロイン、そもそもメインヒロインが何かよくわかっていない
香取先生(先生)
クズどもを正しい道に導く教育者の鑑、提督への好感度がやたらと高い
鹿島先生(先生)
最近、異世界行って聖女ってちやほやされたいと考えている
『このままでは終わらんぞぉー…終わらんぞぉー……わらんぞぉー………ぞぉー………ぞぉー…』
コロンビアに豆を買いに行くとか行ったとかなんとかで有給を取り、未だに戻って来ない秘書艦サミー子…
そして我が半身にして共に銀河を手に入れようと誓い合った莫逆の友であり頼れる秘書艦不在の中、開戦となった此度の戦に不安を感じつつも、とりあえずなんとかなるだろうと考え、気持ちを切り替えてみるかとゲーセンに来たワケだが…
「相変わらず弱いな、オマエ」
「弱くねーし、ちょっと油断しただけだし」
何故コイツはここまで弱いのだろうか?そして何故執拗に八●女を狙い続けるか??たしかに八●女はカッコいい技だ、泣け!叫べ!そして死ねぃ!は俺だってカッコいいと思う…
ただし、当たればのハナシだ
どんなカッコいい大技だろうが当たらなければどうと言うコトはないし、むしろ当たらなければカッコ悪いコトになるのだ
「ハァ…もぉいいわオマエ、やっぱ弱いもんイジメは気分が悪くなる」
「弱くねーし、もう1回!もう1回やろーぜ!次は絶対勝つし!」
鈴谷は不遜にも台をバンバン叩き、まだ満足できない!もう1回戦シたい!ヤリたいヤリたいとゴネるので、とりあえず俺は財布から千円取り出して鈴谷に手渡した
「え?ナニ?くれるの?」
「それで負けて来い」
「ハァ?意味ワカんねーんですけど?」
「俺、あっちで子育てクイズマイ●ンジェルやってるから、その千円でできるだけ強そうなヤツに挑んで負けて来い、千円あったら20回くらいできるだろ」
「だから負けねーし!ってかなんなの!?珍しく鈴谷がゲーセン行こうぜ!ってのに付き合ったと思ったら子育てクイズマイエンジ●ルとか意味ワカんねーし!」
「うっせーな、オマエが弱すぎてつまんねーんだよボケ、悔しかったらあっちのK●F96でゲーニッツ倒して来いよ、そしたら相手してやる」
「ハァ?鈴谷を舐めてんの?ゲーニッツぐらいラクショーよ!ラクショー!すぐ八●女でボコってやんよ!」
ーーー
『このままでは終わらんぞぉー…終わらんぞぉー……わらんぞぉー………ぞぉー………ぞぉー…』
「か、勝てるかァァァァ!!なんなのコイツ!!」
インチキ…っ!インチキ…っ!!勝てるワケがない…っ!!と台パンする鈴谷、まぁ、気持ちはワカらなくもないが、この超反応にすら対応し、あまつさえ完封して勝利する“怪物”はたしかに存在する…
今、この店に来ている上位ランカーは巻雲さん、望月さん、鳥海さん、あの人達からすれば俺などカス同然…
あまりのレヴェルの違いに、相手が筐体に金を入れただけで負けを認めてしまうレヴェルだが………幸か不幸か、鈴谷はそのレヴェル差すら感じ取れないほどのファッションビッ……ファッション格ゲーマーなのでたとえ相手が上位ランカーでも果敢に挑戦できるだろう
「しかし、だ…」
今さらやっても未だにムズいなこのゲーム…
そして何故今さらこのゲームを入荷したのか?相変わらずこのゲーセンのラインナップはよくわからんのだよ
『ゲェッ!?香取ティーチャーだ!』
『香取センセイが見回りに来たぞッ!』
『ヤッベ!逃げろ逃げろ!』
………なんか騒がしいな、乱闘か?まぁ、ゲーセンにカツアゲとストリートファイトは付きものだしな
そんな周囲の騒がしさをBGMに、子育てクイズマイエン●ェルに興じていると…
「あ、テイトクじゃないですか、こんなところでナニやってるんですか…」
「アァン?…………あぁ、これはこれは、鹿島先生じゃないですか」
後ろから声をかけられたと思ったら、鹿島先生だった
「こんな時間にゲーセンとは、鹿島先生は見回りですかな?」
「え?えぇ、香取姉ぇ……じゃない、姉さんと一緒に」
「なるほど」
この辺では地域の条例で18時以降、駆逐艦のバカガキどもは盛り場でサカってはいけない決まりらしく、こうして先生方がバカガキどもがサカっていないかを見回りに来ているそうな…
まったく…香取先生のアツい熱血指導にはいつもながら頭が下がるね
「ちなみにテイトク、その子は?」
「その子?」
鹿島先生が指差した先…………俺の座ってる椅子の隣
「うおっ!?ダレじゃいキミは!?」
「平戸です」
隣の椅子になんか白いのが座っていた、ま、まったく気付かなかった…
「い………いつから居たのかね?」
「テイトクが350円使ったあたりです」
「そうかね」
この俺がまるで気配を感じないほどの“絶”の使い手なのか?このガキ………大した子ねと感心していると、風紀を乱すバカガキどもを追い払ったらしい香取先生がやって来た…
「あらテイトク、テイトクもこちらに…?」
「はぁ、ちょいと息抜きに……香取先生はバカガキどもがヤンチャしてないかわざわざ見回りを………ハハッ、さすがは香取先生、私も見習わねばなりませんなぁ」
「いえいえ、私などまだまだ………子供達には手を焼くばかりで」
「いやいやご謙遜を!ウチのアホどもが真っ当に育っているのも香取先生のアツい教育あってこそ!まったく、香取先生のような素敵な御方からご指導頂くアホガキどもが羨ましいものですなぁ、ハッハッハ」
「まぁ!テイトクったら…ウフフ」
まったく、香取先生のアツい熱血教育者魂はいつだって俺をアツくしてくれるのだよ
「…なにこのトレンディ小芝居」ボソッ…
「鹿島、何か言った?」
「サーッ!香取姉ぇ!何も言ってません!サーッ!」
「業務中は香取姉ぇじゃないでしょ、まったく…この娘は、ハァ………あ、テイトク、失礼いたしました、鹿島には後で私からよく言って聞かせておきますので」
「いやいや、姉妹仲良きことは実に良きかなですよ、鹿島先生もそれだけ香取先生の事を頼っていると言うコトですなぁ」
「姉としては、そろそろ教師としてしっかりして欲しいと思っているのですけど…なかなかシャンとしなくて、この前も休みの日に私も異世界行ってイケメン達からちやほやされてぇ〜ってニヤニヤして…」
「あーっ!!香取姉ぇ!!そーゆーのいいから!!ね?そーゆーのはいいから!ほら、今の子はそーゆージャンルの本とかアニメとか見てるって言うし!私もほら!勉強ついでみたいな!」
「そうなの?」
「そうなのッッッ!!!」
鹿島先生にしては珍しい強気な押しに、香取先生はよくわからないけど納得したらしい
…まぁ、俺としては鹿島先生のお気持ちはわからなくはない、あるよね、最近そーゆーの、うん、異世界行ってチート能力で無双してオレカッコイイするのが男の子の夢であるように、女の子は出会うキャラみんなイケメン男子のよくわかんねーけど好意を寄せられるイケメンパラダイスを夢見るものなのだよ
「まぁ、よくわからないけど鹿島がそこまで言うなら…」
「わかってくれて嬉しいよ、香取姉ぇ」
まったく、香取先生と鹿島先生ェは仲がよろしいものだ
そんなコトを考えていると、香取先生はいつの間にやら俺の隣に座っていたナマっ白い海防艦の子をジロッと見て…
「まぁ、保護者同伴ならアリとしましょう…」
いや、提督は保護者ではないのですが………いや、保護者なのか?たしかに俺は基地で一番偉い立場だし、ウチの基地にいる仲間はみんな俺の家族、保護者と言えば保護者か…
「ところで提督は何のゲームを?」ニコッ
にこやかな笑顔で微笑みかける香取先生ェ……いや、まぁ、よりによってちょっと言いにくいタイトルだなオイ、せめてもうちょい別のゲームだったら良かったが……ま、ファイナルロマ●スじゃないだけマシか…
「え?あぁ、子育てクイズマイエンジ●ルを少々…」
「子育てッッッ!!?」
いかん!やはり香取先生ェもドン引きのタイトルだったかッッ!!
「テイトク、次の問題です」
「ん?あぁ、悪い悪い、え〜…アマゾ……」
「ポロロッカです」
「いや、まだ問題途中…」
「①のポロロッカです」
「あ、そう………あ、マジだ」
しかしこの平戸クン?ゲームが好きってのは知ってはいたが、なかなかのゲーマーだな、まさかここまで俺がボタン押してない間にバシバシボタン押して、しかも正解ときてる…
「子育て………そ、そうですか、なるほど、えぇ…なるほど、フフフ……なるほど、さすがは提督、素晴らしいお考えです」
そして香取先生はもう既にそこまでのお考えがあったとは…と、いたく感動してくれたらしい、良かったドン引きされたワケじゃなくて
「提督のお考えを理解した以上、私もこうしてはいられないわ、鹿島、帰りましょう」
「え?あ、うん」
「それでは提督、失礼します」
あくまで、エレガントに挨拶をして去って行った香取先生、そしてそれに倣うように頭を下げる鹿島先生ェ…
いったいナニがワカったのかわからんが、香取先生のコトだ、きっと俺などには及びがつかん深い考えがあるのだろう…
「提督、次の問題です」
「はいはい、次は〜…」
この後、ほぼ、平戸クンの入れ知恵のせいか、ノーコンティニューでクリアしたのは何とも言えないが、まぁ、クリアしたから良しとしよう
ちなみに、鈴谷は鳥海サンにケンカを売って、あえて無抵抗で1R先取をプレゼントされ残り2Rを完封されると言う屈辱を与えられ台パンしていたが、そこから何かを学んだかと言うと、何も学んでいなかった…
作戦海域回+新人面接終わったらifエンド回書く感じです
まだifエンドは大してネタは固まってないので何かあればお気軽にどうぞですって(他力本願)