【登場人物】
提督(テイ・トク)
1海域4ゲージはルールで禁止スよね
Helena(ヘレナ)
美味しいコーヒーが淹れられるアメリカン、沸点低め
同期のアリアケにパンチの指導をしてたら全治3週間にした
夕張(ユウ・バリ)
ネオ・軽巡
五月も終わりになろうとしつつある五月晴れの午後…
そんな良き日は一杯のティーでも飲みつつ今後の明るい未来とこれからの苦難に満ちた日々について考えたいねと小粋なテイトクジョークを交えつつ秘書艦代理殿にアツいティーを淹れてくれたまえと頼むと、ハァ?Tea?Coffeeでいいでしょ?milkは?blackでいい?とアツいコーヒーを淹れてくれた…
「…んン!エクセレンツ…ッ!」
「当たり前でしょ、HelenaはCoffeeにはチョット自信があるの♪」
「ふ〜ん」
ナニがそんなに誇らしいのか、無い胸張って誇らしげな顔をしているあたり、この娘はたぶんちょっとカワイイカワイイって褒めりゃツケあがるワリとチョロい娘なのだろう…
まぁ……たしかにコーヒーは美味いがね
そんなコトを考えつつ、たまには真面目に仕事でもするかと現在絶賛開催中の海域作戦の書類でも読むかと机に広げると、執務室の重厚な扉をノックし、何者かがぬるっと顔を見せた…
「失礼します」
ぬるっと執務室へとやって来たのは最高の科学力と最悪の発想力を併せ持つ狂気のスーパーサイエンス軽巡、夕張…ッ!!
「失礼すんじゃねぇよコノヤロー、なんだぁ…?テメぇ…?」
「いきなりキレないで下さいよ、ってか五月雨ちゃんどうしたんですか?お休みですか?」
「アイツなら有給取ってコロンビアに豆買いに行ったらしいぞ」
「へぇ〜」
豆なんかにこだわってもマズいものはマズいんですけどね〜…と言ってケラケラ笑う夕張、たしかに、身も蓋もない事実ではあるが、五月雨が聞いたら間違いなく阿修羅バ●ターじゃ済まないぐらいにメチャメチャにされかねないコトを平然と言ってのけるのには感心する
「で?オマエは何の用だ?有給が欲しいのか?」
「いえ、新しい装備を作ったのでテイトクに見てもらおーと」
さらに、ハッキリ言って自信作です!といつものセリフを付け足し、ヘソ出しメロンは自信満々にグッ!と拳を握った
「ハッキリ言って自信作です」
「二度も言うな、ケツに牛乳とミルメークのホースを二本挿してボテ腹になるまで注入されてーのか?テメーは」
「そ…それはちょっと、えぇ…うん、ちょっと…」
…なんでちょっと嬉しそうなんだよコイツ、ほら見ろ、ヘレナくんとかドン引きしてるぞ、間違いなく俺への好感度が下がったよ
「まぁいい、とりあえず見せてみろ、クソみてぇなモンだったらテメーの作ったコーヒー牛乳をヘレナくんに飲ませるからな」
「ハイっ!」
「ハイっ!じゃないわよ!!なんでHelenaがそん…そんなヘンタ…!Abnormal playに付き合わなきゃいけないの!?」
「大丈夫です!自信作ですから!」
「イヤ…スッゴイ不安…」
イイ顔でニカッ!と笑う夕張とは対照的に、ヘレナくんはウソでしょコイツら、イカレてるわ…と言いたげな顔をして秘書艦机に置いてある電話機の受話器にそっと手を置いた…
おそらく、いつでもポリスかレスキューに連絡する準備だろう
「そして今回の自信作はこちらァ!!米軍の協力の下、最新最高のテクノロジーをもって開発した軍事ロボット!名付けまして
そう言って夕張がベリっと破り捨てたブルーシートの中から現れたのは、なんともこう…アレな、そう、メカメカしいと言うか、ザコキャラみたいな産業ロボットっーか、ミスターVTRっぽいのが姿を現した
「…足があるな」
「足なんか飾りです」
ヘレナくんから、え!?飾りなのォ!?と冷静で的確なツッコミが飛んだがこのやり取りは様式美なので仕方ない
「このト●ー、機械のような人間と真逆、人間のような機械をコンセプトに作られたAI・マシンです」
「ふ〜ん」
「ちなみにト●ーの軽い蹴りイッパツでまるでトラックに撥ねられるぐらいの破壊力があります」
さらにスピードは時速100キロを超え、その耐久力は殴った鉄パイプが逆に折れ曲がるほど耐久性を誇り、しかも腕がもげようが足がもげようが頭だけになろうが内部のコードを伸ばして自己修復するのだとか…
「なんと言うか、スゲーような、スゴくないような…」
むしろ以前作ったジ●ンパーソンとかガン●ブソンの方がスゲーっーか、カッケーっーか…
「フッ、テイトク、ト●ーのスンゴイところはこれからですよ!なんとト●ーには高度なAIを搭載しており、なんとお喋りするコトができるのです!」
「いや、ジ●ンパーソンも喋ったじゃねーの?」
「ってコレ、全然強そうに見えないんだけど…」
ヘレナくんによるト●ーに対するあまりにも忌憚のない意見…
『エレナ、オモテニデロ』
「うわっ!?喋った!?ってか、Helenaよ!Helena!壊れてんじゃないの?このポンコツ」
ト●ーはメカメカしく動くとヘレナくんにオモテにでろと宣言すると、夕張はナニがそんなに面白いのか、クックックと頭のおかしい悪の科学者のような笑みを浮かべ…
「怒らないでくださいね?ヘレナさんってバカみたいじゃないですか」
「ハァー!?なんですって!!ユーバリ!アナタ!アナタ今なんて言ったのかしら!?」
「忌憚のない意見ってやつですよ」
悪のマッドサイエンティスト特有のイヤらしいニヤニヤ笑いを浮かべつつ、夕張はさらにヘレナくんを挑発する!
「ファファファ!軍事ロボットト●ーは人間サイズであるためあらゆる一般兵の持つ武器・兵器が使えます!さらに、その腕前はどんな射撃訓練を受けた兵士より正確に的を撃ち抜くのです!」
「へぇ〜………このHelenaがこのポンコツマシンより弱いと?ジョートーじゃない!!」
ヘレナくんの殺人パンチがト●ーのボディに突き刺さるッッッ!!!
ドゴンッ!!(ヘレナ殺人パンチ)
「〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!?」
『ソンナモノカ?』
「クッ…!ウソでしょコイツ!!」
ヘレナくんの殺人パンチを受けてなお平然としているッッッ!!これがト●ーかッッッ!!
まさかもう日が落ちて……いや、まだ太陽はある!昼間の時間なら絶好調!夜は早く寝るタイプの健康優良軽巡のヘレナくんの殺人パンチが通用しないとは…!
「ハーッハッハッハッハ!!どうですかぁー?この最強ロボ、ト●ーの力!そしてこのト●ーは既に量産体制に入っているのです!いいですか?機械の前では人間の肉体など豆腐のように脆い!AIの軍事利用はこれからの戦争の有り様を根底から変えるのです!」
夕張は両手を大きく広げ頭のおかしい悪の科学者特有の悪役ムーヴをかまし、自分の右手をフーフーするヘレナくん相手に勝ち誇る!!
「クックック、恐怖せよ人類!もはや戦争に艦娘など不要!過去の遺物!さぁ行きますよト●ー!この最新最高最強の科学の力を深海のクズども見せつけてやるのです!」
そう言って夕張はト●ーと共に執務室の窓ガラスをブチ割り、外へと飛び出した!!
「あ!ちょ、ちょっと待ちなさい!!」
ヘレナくんはヘレナが負けるワケないでしょ!とWANA-WANAと身を震わせ、提督の執務机を叩き割った!!
「あぁ!?俺の机ぇ!?」
「キイイイイイイイィィィィィ!!!許せない!許せない!許せない!許せない!許せないィィィィィ!!テイトク!ちょっとヘレナ出かけて来るわ!!」
そう言ってヘレナくんはロッカーに入っていた金属バットを手に執務室の窓から外へと飛び出して行った…
「…………いや、執務室をメチャメチャにされて一番戸惑っているのは俺なんだよね」
この後、怒りに狂ったヘレナくんが夕張のバカとト●ーを探し回った結果、メチャメチャに破壊されたト●ーの残骸が転がっていたらしく、たまたま飼い犬の散歩をしていたフレッチャーくんの愛犬D-51が向かってきたト●ーをメチャメチャに破壊したそうな…