【登場人物】
提督(この手の武器は使い慣れてなくてね)
刃物:E
銃器:E
Ark royal(女王陛下の騎士)
弓も使えるマルチ騎士、むしろ弓騎士
Sheffield(女王陛下の料理人)
アークロイヤルのファンの娘、顔には出さないのが英国淑女のPRIDE
遂に開幕した今シーズン最初のシリーズ、初戦を五十鈴さんによるパーフェクトゲームで飾る最高の滑り出しとなったチームの士気は高かった
「フーッ~………」
そんな高まるチームの士気でも見物するかと喫煙所でタバコを吸いつつ長良主将のナイスガッツ限界ランニングに巻き込まれグラウンドでヒィヒィと汗水垂らし脇腹の痛みに苦しむ駆逐艦のバカガキどもを眺めるのも実にオツなモノだと思っていると…
「そこに居るのはAdmiralではないか?」
「あ?」
通りがかりの女騎士みたいなのに声をかけられた…
「よぉ騎士サマ、今からゴブリン退治か?」
「いや、今からSherfyと剣の稽古をしようと思っててな」
「シェフィー?」
…誰だそれ?とか思ってたら、よく見ると騎士サマの後ろにもう1人いたのか……そうそう、たしかちょっと前にウチに来た英国軽巡の
割と真面目そうなツラした娘だったな、たしか
「やぁ、Sheffieldクン」
「こんにちは、Admiral」
懇切丁寧に頭を下げるシェフィーくん、やはり見た通りに真面目な娘なんだな、英国人は“あの御方”を除いて大抵クセの強いアレな人材だらけなせいか、実に新鮮なものを感じるのだよと考えていると、女騎士が俺も一緒に鍛練をどうかと誘ってきやがった
「フッ、どうだ?Admiralも」
「いや、遠慮しておこう、提督は刃物が苦手でね」
「そうなのか?ならば尚更鍛練が必要だな!」
「何が尚更なのだよ」
「フッ、Admiralもいずれは私と共に生涯を我が女王陛下と英国に忠誠を捧げる身だからな」
「なんで俺が生涯忠義を捧げにゃならんのだ、深海棲艦絶滅させたら国に帰れよ」
「モチロン帰るとも、我が女王陛下、そしてオマエと共に、な…」
ナニ言ってんだコイツ?イカれているのか…?
「あの…Ark、貴女、よくこの男の話をしているケド……ホントに貴女の一目置く男なの?」
シェフィーくんによる冷静で的確な意見…ッ!!っーか何気に失礼だな、キミ
「フッ、Sherfy……Admiralはいずれ私と共に女王陛下の為に尽くす騎士となる男、たしかに、オマエがAdmiralの実力を疑う気持ちはわからなくはないが、しかし!Admiralは我が女王陛下が是非に臣下として欲しいと言わしめる男!Admiralを疑うのは女王陛下を疑う事になる!忠義を失うぞ!Sherfy!」
「そ……そうなの?そ、そうなんだ…」
「フッ、わかればいい」
そ、そうなのか……陛下、まさかそこまで俺を買ってくれていたのか…っ!俺はてっきり陛下はこの残念女騎士をどうにか俺に押し付けたいのだと疑う心を持っていたッ!!しかしそれは間違いだった!
クッ!恥ずかしいぜ!もしこの場に陛下がおられたら思わず膝を折り、生涯の忠誠を誓っていたかもしれねぇ…
「あ、そうだAdmiral、そう言えば女王陛下からの勅命でAdmiralの休日に自然な流れでShoppingに誘えと言われていたのだ、休日はいつだ?私も同行する」
前言撤回、やはり陛下はこの残念女騎士をどうにか押し付けたいのだ
「悪いな、俺、休日は一人で瞑想する予定だから」
「それは困る、女王陛下から“Admiralを何がなんでも連れ出せ、二人きりで、いいですか?二人きりですよ?絶対に二人きりでなくてはなりません、当日の服装はモチロン、いえ、むしろ宿泊の準備をしなさい、あと必要な資金はNelsonが出します、手段は選ぶな”と厳命されているのだが…」
陛下…ッッッ!!!陛下ッッ!!!
「よし、ならこうしよう、たしかに女王陛下の勅命は何よりも優先しなければならない事だが……私とAdmiral、決闘をして決めようではないか!」
ナニ言ってんだコイツ?イカれているのか…?
「私が勝てばAdmiralの休日は私が同行する、Admiralが勝てば女王陛下には私から謝罪しよう」
「え?やだよめんどくさい」
むしろこの女騎士がダメでしたって謝罪に行ったら、なら瞑想に付き合いなさい!と新たな勅命が下りそうなのだよ
「決闘………ねぇ、Ark、お願いがあるんだケド?」
「なんだ?Sherfy」
「その決闘なんだケド、Arkの代わりに私がAdmiralとシたいんだケド?」
「なに…?」
オイオイオイ、ナニ言ってんだこの娘は?シェフィーくんだっけか?え?ナニ?俺になんか恨みでもあんのかこの娘は…?
「正直、Arkには悪いケド私はこの男の実力を疑っている」
「フム……なるほど、フッ、なるほどな…」
ナニがなるほどなんだ?
「いいだろう、Sherfy、ヤってみるといい!Admiralもそれで構わないな?」
「俺抜きで話し合って俺抜きで納得されてもなぁ…」
「では!この女王陛下の騎士Ark royalの名において決闘を認めよう!」
「だからッッ!!!俺の話聞けよ!!」
まるで俺の話を聞かない騎士サマはルールは一対一のデスマッチ!腕を飛ばされようが足をもがれようがどちらかがマイッタしない限り終わらないッッ!!と力強く宣言し、お互いに剣を構えて!と手を振った
「いや、俺、剣とか持ってないんだが?」
「なんだと?Admiral、オマエそれでも騎士か!」
「アドミラル様だよ、舐めてんのかテメーは」
「仕方ない、Sherfy、少し待て、Admiralには私が剣を貸そう」
そう言って騎士サマは廊下の隅に立て掛けてあったやたら長い袋からやたら長い剣みたいなのを取り出し、この剣を使われよと騎士らしく俺に投げつけてきた
「その名は真魔剛●剣、真のドラ●ンの騎士のみが使う事を許された神々が造りしまさしく地上最強の剣!」
コイツ、実はただの残念女騎士じゃないで実はドラ●ンの騎士なのか!?
「フッ、ちなみに私はドラ●ンの騎士ではなく女王陛下の騎士なので使えないがな」
「意味ねぇ!!」
そしてこの俺もドラ●ンの騎士ではなくただのハンサムな提督なので使用不可ッッ!!
「ったく、仕方ねぇなオイ…」
俺はポケットをまさぐり、なにか武器になりそうなものはないかと探し、そこらを探すと誰かが落としたらしいカッターナイフが落ちていた、っーかたぶん鹿島先生だな、マジックで教務室とか書いてるし…後で返しておこう
「よし、Admiralの剣はそれでいいな?」
「いいワケねーだろ、舐めてんのかテメーは?」
「と言うか、キミ、早くしてくれない?」
「あ、はい、スンマセン」
シェフィーくんに怒られてしまった、ってかなんで俺が怒られんの?理不尽じゃね?
「まぁいいか、俺はコレでいいよ」
「は?」ピキッ!
「遠慮はいらんよ、何故ならシェフィールドくん、キミが本気を出しても勝てない相手が目の前に立っているのだぜ」
「へ、へぇ~…言ってくれるわね?」
俺はシェフィーくんにあいにくコレ以下の刃物は持ち合わせがなくてね、と煽ると意外と短気だったらしいシェフィーくんの額にアオスジが浮いた
「よし、では始めようか!」
シェフィーくんからバチバチのメンチビームを浴びつつ、俺達は向かい合うと女騎士から開始めぃッッッ!!!!!の合図が飛ぶと同時にシェフィーくんの気合の入った両手持ちスラッシュが炸裂する!!
「死ねッッッ!!」
なるほど、シェフィーくんはパワーよりもスピードで攻めるタイプか、しかし残念だよシェフィーくん、もし相手が提督でなかったらキミは勝っていただろう…
「フンッ!!!」
バシッッ!!!!(無刀金的破)
「ウソでしょ!?」
白刃取りに金的をプラスしたエンメイリュウの技……かつて、長門にしかけてキンタマを破壊されかけたこの技を自ら使うコトになるとはな…
シェフィーくんは股間を強打され涙目でへたりこみ、こちらをキッ!と睨みつけ…
「クッ…!殺せ!」
「騎士サマじゃなくてキミが言うんかい!!」
次回は第二海域
ヨナタスのデビュー戦は潜水艦の潜水艦による集団リンチ