不健全鎮守府   作:犬魚

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243年ぶりの聖戦の幕開けは近い…

【登場人物】

五十鈴(パイセン)
人類最強の潜水艦狩りの達人の異名を持つ長良姉妹の次女、姉妹の中ではわりと常識人でありナイスガッツ理論寄り、駆逐艦のキッズ達からは対潜の美技とおっぱいのデカさで人気
意外にも提督とは仲が悪くないらしく、なんやかんやでそれなりに趣味と話が合うらしい

妹にあたる由良にビンタできる稀有な存在


第三十一戦隊、展開せよ!

新年度初戦を飾るオープニングゲーム

中規模詐欺なのは当たり前として、開幕戦からトリプルゲージと言う魔境………トリプルゲージ?いったいなんのつもりだよテメェー!と、執務室でイキり散らしたところで状況は何も変わらないしやる事も変わらない

 

「開幕戦のメンバーですが…」

 

「五十鈴パイセンに開幕スタメンって伝えとけ、連れてくメンバーも五十鈴に任せる」

 

「はぁ…?ってかどんだけ五十鈴さん信頼してるんですか?ツーとかカーみたいな仲なんですか?」

 

「舐めるなよ、俺と五十鈴さんの間に余計な遺言など要らぬ」

 

「はぁ?」

 

◾️◾️◾️

 

新年度の明暗を占う大事な大事な開幕戦、初戦からまさかのトリプルゲージとなるこの戦場、先陣を任されたのはミス・開幕女の代名詞でおなじみの五十鈴パイセン

台湾/南沙諸島/比島方面沖の三ヶ所を攻略するこの戦い、人類最強の潜水艦狩りの達人の異名を持ち、対潜以外には不安視する声もある五十鈴ではあるが、その五十鈴、実は対潜以外の才能もわりと高かったりする…

 

「死ねやッ!!」

 

「メフンッ!!」

 

戦艦ル級、死亡(32秒 シャイニングウィザード)

 

「出たーッ!五十鈴サンの波紋入りシャイニングウィザード!」

 

「おお!やったッこの音!ブ厚い鉄の扉に流れ弾の当ったような音!」

 

「いつも聞く“波紋”が流れる音だぜー!」

 

第1ラウンド、VS深海艦隊南沙方面艦隊中央集団ッ!!

特に危なげもなくコレを瞬殺!たとえ対潜でなくとも五十鈴サンの実力に疑う余地なし!パワー・スピード・タフネス・カリスマ性・おっぱいのデカさ!その全てが一流!

 

そしてッ!!続く第2ラウンド!!開幕早々に現れる強敵!姫級率いる VS比島侵攻集団集積地…ッ!!

 

『マタキヤガッタヨコイツラァ!!』

 

『クソガ!ナンデコウ…イツモイツモ燃ヤシニクンダヨ!アッチイケ!!俺ラ別ニヤマシイモン集メテネーヨ!』

 

「ハァー?どうせ河原とかで落ちてるエロ本セコセコ集めてるんでしょ?知ってんのよ」

 

『集メテネーシ!!フザケンナヨテメー!!』

 

『ソノぱいすらニ顔面ウズメテスーハースーハーシテヤンヨテメー!』

 

「ハァー………?皐月、アレ出しなさい、アレ」

 

「アイアイサー!」

 

皐月は服のポケットから内火艇と陸戦大発を取り出してスイッチを入れるとゴキゲンなエギゾーストが辺り一面に響く!

 

『クッ!見タダケデワカル!スゲーチューンダ!ハンパナましんジャネェ!!』

 

『アレ絶対違法改造ダロ、ダッテはいぱーだっしゅもーたーノ音ジャネェモン、オイコラァ!れぎゅれーしょん違反チャウカー!』

 

集積地コンビは反則ちゃうんか、違法改造やろ、とブーブー文句タレてきたが、五十鈴はまるで我が子を諭す母親のような笑顔で皐月の頭を撫で、右手の親指を立ててスイーっと首を横一文字に引いた、GO!(殺れ!)と…

 

『ア…?ア…?』

 

『オイオイオイ、死ンダワオレ』

 

◾️◾️◾️

 

今日はうどん……いや、たまには蕎麦と言うのも悪くないと考えつつタバコの煙を吐き出す執務室…

 

「見なくていいんですか?現場の中継」

 

「中継…?あぁ、そういや今日ヴィクトリアマ●ルだったか」

 

「誰が馬の話なんかしましたか、五十鈴さんですよ、五十鈴さん、今、絶賛出撃中じゃないですか」

 

「バカ言うんじゃないよこの子は、五十鈴サンだぞ?五十鈴サン、あの五十鈴サンが今まで俺の期待に応えなかったコトあったか?ないだろ?大丈夫なんだって、出撃とか編成とか細けぇーコトは全部五十鈴サンに任しときゃ、提督の仕事ってのはなぁ〜…椅子に座ってドンと構えとくのが仕事なんだよ、ワカるか?俺の言ってるコト?」

 

「はぁ…?」

 

しかしそうは言っても五十鈴サンだって俺の可愛いファミリーだ、ファミリーは大切にするのが我が基地鉄の掟

俺は手にしていたスマホを机に置き、テレビのスイッチをONにした

 

『勝つのは五十鈴!勝つのは五十鈴!』

 

『勝者は五十鈴!勝者は五十鈴!』

 

『出たーッ!五十鈴サンのタンホイザー爆雷!』

 

『アレを喰らって五体満足で帰れた潜水艦はいねぇぜーッ!』

 

テレビから聞こえる五十鈴サンの美技に酔いしれるバカどもの歓声……

 

「ほらな、普通に勝ってるだろ?」

 

「まぁ、普通に勝ってますね、たまには五十鈴さんに祝福の電話でもしてみたらどうですか?」

 

五月雨は電話の受話器を手に取り、まるでベル打ちJKのようなスピードでボタンを押すと、受話器を投げて寄こしてきた

 

ゴスッ!(受話器)

 

「ITE!」

 

「なんで取らないんですか?」

 

「っーか投げて寄こすな!投げて……ハイハイ、もしもーし?こちらハンサムな提督ですけどー?デリバリー頼むわ、おっぱい2つ、大至急で」

 

『死ねッ!!』

 

ブチッ!!ツー…ツー…

 

「切られたぞオイ」

 

「当たり前じゃないですか」





次回は通常営業
女王陛下の騎士と女王陛下の料理人

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