不健全鎮守府   作:犬魚

801 / 940
657日ぶりに帰ってきた礼号組鉄の保護者会

【登場人物】

足柄(子持ち処●)
最悪のディスりにも負けない妙高姉妹の三女、キッズ達からの人気は高く、最近ちょっと脂物がキツく感じてきた

大淀(NO LIMIT)
足柄とは眼鏡をかける前からのダチ、羽黒から今一番殺したい軽巡No.1に毎年名前を挙げられている


足柄と大淀と戦慄の魔王街

「うっお―っ!! くっあ―っ!! ざけんな―っ!」

 

 

「オイ!足柄サンがまた荒れてんべ!」

 

「超怖えー」

 

 

妙高型重巡の三番艦、足柄、普段は気のいい南町商店街のお姉さん、しかし!故郷や仲間が危機になれば、その、鍛えぬかれた牙を剥き、たとえ相手がどんな強大な敵であってもTOUGH&HARDに戦い抜き、そして勝つ!そんな最高にROCKな生き様は駆逐艦のキッズ達からは憧れの対象とされている…

 

 

「どうしたァ?足柄ァ…」

 

 

荒れて椅子とテーブルに当たり散らす、そんな近寄り難い足柄に平然と近寄るインテリ眼鏡系軽巡、大淀

 

足柄とは艦種は違えどよくつるんでいるベスト・フレンド…

牙を持つ猛獣足柄とは幼少期からの付き合いで、ある時は強敵(ライバル)として、またある時は頼れる戦友(ライバル)として、彼女とは同じ修羅場をくぐり抜け、そして固い友情で結ばれた親友(マジダチ)である…

 

「オイオイ、ここはみんなの憩いのスペース、談話室だぜ足柄ァ…オメーがそんなじゃキッズ達がビビってボ●バーマンできねぇだろ?」

 

「…フッ、そうね、私としたコトが………ついアツくなっちまったわ」

 

足柄は最近買ったGU●CIの財布からスタイリッシュに紙幣を取り出しキッズ達に、オマエ達!コイツでワンダース●ンでも買って遊びなー!っと、ワイルドに紙幣を投げ渡した

 

「ヒューッ!さすが足柄サン!」

 

「コレで遊●王カード買うのです!」

 

「ワンダース●ン…?知ってるわ!なぜなら暁はレディだからね!」

 

キッズ達は足柄からの粋なお小遣いにハシャぎつつ談話室から去って行き、談話室に残ったのは二人………否、二頭の猛獣

 

「………で?なんでまたキレてんだオメー?」

 

大淀はまだ原型を保っていた椅子に座り、テーブルの上にある電気ケトルのスイッチをONにした

 

「キレてねーし、っーかナニオマエ?メガネ変えた?」

 

「ワカる?前のやつ、朝寝ぼけて踏んだら割れたんで買い換えたのよ、どぉ?フレーム鼈甲にしたんだけどよぉー?」

 

「ババクセっ」

 

「ハァー!?誰がババアだコラァ!!立てテメーコラァ!!」

 

大淀はテーブルをダァン!し、足柄に上等だよォ!ヤってやんよォ!とメンチ切った

 

「まぁ落ちつけよババメガネ、電気ケトルよか沸点低いんかテメーは」

 

足柄はまぁ落ちつけよとテーブルに置いてあった誰かの食い残しのヴェルタースオリ●ナルを大淀の前に置いた

 

「チッ、っーか先にキレてたのテメーだろーが、で?なんなの?なんでキレてたの?最近キレてなかったじゃねーの?狼はもしかして牙を失ったんでちゅかぁ~?」

 

「歯クソクセー口で喋んな、総入れ歯にしてポリデ●トで歯ァ洗ってろ」

 

「ハー………キレたわ、ハイキレた、マジプッツンしたわ、穏やかな心で激しい殺意に目覚めたわ、マジで、足柄、オマエ明日の朝刊載ったわ、立てよ………タイマン張れや」

 

「アァン…?大淀ォ……オマエ、タイマン張って勝てると思うとるんか?」

 

「勝つ…?アハ!アハハハ!アーッハッハッハハッハッハ!!勝つ?んなナマ易しいコトすっかボケ!殺すんだよダボが!!」

 

大淀は電気ケトルを掴み、足柄の頭部を強打したッッ!!

 

「がっ!ハァ…!!大淀ォ!!!」

 

「来ォい!足柄ァ!徹底的にたたきのめしてやるッ!それも正正堂堂とな!そうする事によって“自分はもうこの大淀には勝てない!”という事を足柄自身の体で覚えるからだッ!ケンカでも人生でもなッ!」

 

◆◆◆

 

「…………で?なんでキレてたんだ?」

 

「あー…」

 

電気ケトルでドタマカチ割られた足柄と大淀は凄絶な殴り合いを繰り広げた、傍から見たらたぶんどっちか死ぬだろうと思える壮絶な喧嘩、こい!バ●ターウルフでこい!→不死身か!バ●ターウルフを二度喰らって生き残ったものなどおらん!と、なかなかの壮絶ぶりだったが、拳と拳で殴り合ったならば後はノーサイド、二人は談話室の床に大の字に寝転び笑い合った…

 

「アレよ、アレ、昼間、ガキども連れてデパート行ったわけよ」

 

「ハイキター!!オレ聞いてねーし!礼号組でオレだけ誘われてねーしぃー!」

 

大淀は床をバシバシ叩き、ナマカ外れですかー?ナマカ外れってヤツですかー?と叫んだ

 

「いや、誘った、フツーに誘った、キヨシとアサシに朝、大淀呼んで来いって言ったよ?言ったワケよ?」

 

「朝?」

 

「キヨシとアサシ、オマエの部屋行って帰ってきてなんて言ったと思う?オーヨドさん、大人なのにおもらしして布団ビチャビチャだったー…だぞ?なぁオイ、なぁ?」

 

「あー………うん」

 

「オマエさぁ、なぁ?オマエさぁ?いや、いいよ、うん、前みたいにオーヨドさんチ●コ生えてたーとか言われなかっただけ私もまだ言い訳スムーズいったよ、なぁ?チ●コ生えてなかっただけ前よかマシだよ、うん」

 

「いや、チ●コじゃねーし、デ●ルドーだし…」

 

「や、チ●コもディ●ドーもかわんねーし、硬いかフニャかの違いだし、っーかチ●コに間違われるとかどんだけエグいチ●コ使ってんのオマエ?なぁ?」

 

「いや、だからチ●コじゃねーし、まぁ…ほら、アレだよ、なんかこうアレだよ、自分の限界とか知りたくね?ってアレだよ、まぁそりゃ誰だって最初は小指とかボールペンみたいな細いヤツからスタートして最終的にはどんだけイくか挑戦したくなったりしね?」

 

「いや、全然ならねー」

 

「マジか?足柄ァ、オマエもし男デキてチ●コがありえねーぐらい巨根だったらどうすんだオマエ?アメリカンサイズだったらどうすんだ?ムリムリムリとか言ってると男萎えるぞ」

 

「っせぇーな!生々しいハナシすんなボケ!っーかオマエ、なんでわざわざ週末にオ●るの?しかもめっちゃハードに、気絶するまでアへるとかバカじゃねーの?ナニ?クスリやってんの?」

 

「オレは毎週花金の夜はガクセーの頃からオ●ニーデーって決めてんだよ」

 

「オマエ、そういや昔っから花金のアフター5付き合い悪いよな…」

 

「そーゆーワケだからオレの真性なルーティーンに文句言うなや」

 

「ヘイヘイ、わかったわかった、悪ぅござんした」

 

足柄は転がったペットボトルを手に取り、ナカに入っていたライ●ガードをガブ飲みした

 

「…でだ、まぁ昼間にデパート行ったわよ、キヨシとアサシとカスミ連れて」

 

「マイエンジェルカスミ今日も可愛いかった?」

 

「めっちゃ可愛い、マイエンジェルカスミマジ天使」

 

足柄はスマホを取り出しジャンボパフェを前に口許が弛む霞の写真を大淀に見せた

 

「マジ天使、それ後でマジ転送な」

 

「わかったわかった、今送った」

 

「…でだ、最近ほら、アレじゃん?ソーシャルディスタンスとか社会的距離とか叫ばれてる昨今じゃん?」

 

「叫ばれてるな」

 

やはりデパートに行く以上、マスクは必需品なので足柄や大淀も何枚か持っているが、昔使ってたのは白無地に卍だの殺だの書かれており現在は使われていない

 

「それでもアレだよ、ガキどもはもぉ遊びたくて遊びたくてウズウズしてんのよ、ウズウズが止まらねーのよ」

 

「だよな、ガキってのはいつだってウズウズしてるからな」

 

「でだ、とりあえずガキどもに小銭渡してゲーセンにでも放ってコスメでも買うかって一旦解散したわけよ」

 

「あるあるだな、なんか買った?」

 

「買った、ファンデ買った」

 

「マジ?どんなの?」

 

「めっちゃいいヤツ、マジすげーのな、10代か!っーぐらい若返る」

 

「マジ?マジ寄りのマジ?」

 

大淀は転がったペットボトルを器用に足で蹴り上げてキャッチした

 

「でだ、買い物済ませてバカガキどもとランチすっかとゲームコーナー行ったら既に資金が尽きたのか、ベンチのとこでプロレスごっこしてたらしくてだな、キヨシがアサシに阿●羅バスター喰らってたわ」

 

「それごっこで使っていい技じゃねぇよな!?っーか阿修羅バ●ターって!アサシ腕6本あんの!?」

 

「あ、悪りぃ間違えた、改良阿●羅バスターだったわ」

 

「な~んだ間違えか………って改良でも腕6本いるじゃねーか!!」

 

大淀は力いっぱい床をダァン!した

 

「まぁいいじゃねーか、細けぇーコトは」

 

「細かいか?なぁ…?コレ、ケッコー細かくなくね?」

 

「でだ、バカガキども回収して、駐車場まで行ってあとはジョ●フル行くかと思ってたらよ、駐車場になーんか見覚えのあるクルマあんのな、見覚えのあるDQNカーが」

 

「あー…」

 

「で、まぁアレだよ、案の定見覚えあるDQNカーだよと思ってたら見覚えのあるDQN姉の車だったワケよ」

 

「あー…ミョーコーサンな」

 

最恐重巡姉妹と名高い妙高姉妹の長女、妙高ッッ!!

その高い実力と圧倒的カリスマ、残虐性、異常性においては同じく重巡姉妹を率いるカリスマ、高雄以上ッッ!!とも噂されており、妙高姉妹最恐伝説の始まりにしてその伝説(レジェンド)を今なお更新し続ける伝説の頭である

 

「実の姉だけならまだ良かったわ」

 

「んだよ?ミョーコーサン連れいたの?ナニ?男?」

 

「んにゃ、高雄サン」

 

「なんでだよッッ!!!」

 

大淀は両手で激しく床をダァン!した

 

「あの二人めっちゃ犬猿だべ?めっちゃ仲悪いべ?もー目合ったら絶対殺すぐれー仲悪いべ!?」

 

「や、それにはさすがに私もビックリしたわ、マジで天地逆になったかと思ったわ」

 

足柄はラ●フガードを一口飲み、一心地ついたところで再び口を開く…

 

「なんか二人でヤキュウのバット買いに来たらしくてな」

 

「なんで!?え?ナニ?二人でバット買いに来るぐれー仲良いの!?っーかそれヤキュウ用?ケンカ用じゃなくて?」

 

「なんでそーなったのか経緯はよく知らねーし、聞けるワケねーっての、あの狂犬長女どもにお二人は仲良いんですか?とか聞けるかオマエ、それはもう殺してくださいって言ってるのと同じだろ?」

 

「たしかに…」

 

そんなワケで、狂犬長女コンビ、妙高と高雄に思わずブルっちまいそうになったワケだが、それはそれとして、キヨシとアサシはバカなのでミョーコーサンタカオサンって安易にハシャいで近付いたものの、妙高と高雄はキレると手がつけられないDQN重巡だが意外にも子供には優しいタイプのDQNらしく、コレでガキどもになんか良いモン食わせてやれってメチャ分厚い財布渡された…

 

「あと、領収書とか切るなよって」

 

「ヒューッ!妙高サンマジCOOL………で?ナニ?ジョ●フル行ったの?」

 

「行くかよ!あとでバレたらブッ殺されるわッ!!」

 

「だよなぁ~」





イベント始まったんですって

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。