何も考えずに通常運転で平常運行
【登場人物】
提督(恋愛小説家志望)
好きな告白文句は、オマエに一目惚れじゃあ!抱くぞ!
五月雨(コーヒー専門店とかいいですね)
好きな告白文句は、オマエの人生オレにくれ
今年は去年とは違う列島大型連休の今日この頃…
爽やかな朝日と共に目覚め、小鳥さんオハヨウと言ってモーニングコーヒーを一杯………ゴキゲンなコーヒーだ
「相変わらず卿の淹れたコーヒーはマズいな」
「失礼な」
予定表には何も書き込みがなく特にやる事のない日、あまりにやる事がないのもアレなので、たまには五月雨のコーヒー飲んでみたらもしかしたら美味いかもしれないと考えた俺だったが、やはりマズいものはマズかった
毒にも薬にもなりゃしねぇとはまったくこのコトだ
「このお話始まって早799回、それでもまだオマエのコーヒーの腕は上達しねぇとか呪われてるんじゃねぇの?ってか才能ないカスは●ねよ」
「メタい発言ですね、むしろ799回も続けてるのに第1回から何一つ進歩しない変わらない低クオリティ……と言うか、毎度毎度誤字脱字を出して恥ずかしくないんですか?」
「スイマセンでした」
………クッ!コケにしやがって、ま、まぁ…たしかにアレだ、そうアレだよ、アレ、世の中には変わらない良さってのがあると思うんだよ、ほら!なんっーかノスタルジーっーか?メランコリックっーか?バナナと間違えて拳銃咥えたくなるっーか?
「で?なんなんですか突然、てぇ〜…してぇ〜……浜風ちゃんレ●プしてぇ〜…回は節目の次回ですよ」
「やかましい、俺がいつもいつもそんなレ●プしてぇとか言ってるワケねーだろ!レ●プ魔か!」
「100回に1回トチ狂ってるじゃないですか、と言うか、未だに成功してないし、むしろ浜風さんと目も合わせられないとかなんなんですか?」
「それはほら…アレだよ、アレ、男っーのはいくつになっても好きな子の前ではいつだって純なんだよ、外に出て、色々美味いモン食べてみたが、なんやかんやでやっぱりお母さんの作るカレーが1番好きなんだよ」
「…はぁ?」
「まぁ、お母さんのカレーはいいとしてだ、カレーの話をするとカレーが食いたくなってきたな」
「そうですね」
「よし、今日の昼はカレーにすっか、カレー」
「いいんじゃないですか?私は同行しませんけど」
「え?なんで?」
「今日の昼は姉妹で河原でバーベキューしようってコトになってまして、行きたければどうぞご勝手に…」
なるほど、姉妹でバーベキューか……プッツン姉妹と名高い白露姉妹だが、姉妹仲は意外と悪くないらしく、たまにこうやって姉妹でメシ食ったり近所のイ●ンモールにお買い物に行ったりしている仲良しぶり…
「そう言えば白露姉さん、原付の免許欲しいから許可が欲しいとか言ってましたよ」
「原付?ダメダメ、転んだら死んじゃう、提督は許しませんよ!」
「お母さんか…ッ!………ま、そのまま伝えておきます」
「うむ」
そんなワケでカレーでも食うかと執務室を出た俺だったが……やはり一人でカレーを食うと言うのは味気ないものを感じるな、誰か誘うか?
①4号
②朝潮
③浜風ちゃん
………③だな、③以外はありえない、むしろ③以外を選ぶなどありえない、むしろ③以外選ぶとかただのロリコンのペド野郎だ、反吐がでるぜ
そんなコトを考えつつ希望と夢がMORIMORIなのだよと歩いていると、廊下の先からなにやら見知ったのが現れた
「あ、王!」
「む…?キミは…たしか、え〜…ガッキーくん」
占守姉妹の四女、ガッキーくん
見ての通り、気難しくて繊細な年頃のガキだ
「王!王!」
ガッキーくんは俺にまとわりつくと、俺に何をしているのか?もしかして事件なのか?と期待を込めたスゲーキラキラした瞳を向けてきた
「あー………いや、別に提督は暇でも事件でも事故でもなくてだな」
正直、提督はこの子が苦手である、と言うか、クソガキどもは基本、全員苦手なのだが……バカガキなら気にくわないなら殴って済ませばいいが、どうにもアレだ、殴って済ませられない良い子ってヤツにはめっぽう弱い
「あ、ガッキいたっしゅ!」
「ガッキ、ナニやってんのー?って、あ、テイトクだ」
そんな良い子のガッキーに対し、大人である俺はどうしていいものかと考えていると、ガッキーくんの姉妹達が廊下の先から歩いてきた
「ハッ!?まさか…!ガッキ!一人で抜けがけしてテイトクにジュース奢って貰うつもりだったっすね!」
「や、それはないと思うケド…姉さんじゃあるまいし」
「許すまじ!!クナ!ハチ!ヤツにジェットシュトリームアタックを仕掛けるっすよ!」
「え?普通にイヤだけど…」
「ってかシム姉ぇ、ジェットシュトリームアタックってナニ?」
「ガッデム!!!」
どうやらアホの占守クンには長女に必須のスキル、長女のカリスマとやらは備わってないらしい
だが、妹達をまるで使えないと判断した占守クンはHEY!HEY!HEY!とまるでチン・ピラのように俺にグイグイきた
「テイトク!ガッキにだけジュース買ってやるとか不公平じゃねーんすか?フコーへー!世が世ならシベリア送りっすよ!シベリア送り!」
「はぁ?」
「でもまぁ、シムは心の広いオンナっしゅからね!ハイ」
占守クンはニコニコしながら右手を差し出してきた
「…ナニこれ?」
「ジュース代」ニコッ!
俺はニコニコと笑う占守クンの右手を優しく握り…
「零の悲劇ーッ!!」
ギリギリギリギリギリギリ!!(強握手)
「うっぎゃあああああーっ!!イテェ!マジイテェっしゅ!痛い痛い痛い!離せ…っ!離せェェェェ!!」
占守クンは俺の零の悲劇から脱出しようと残った左手で俺の脇腹をバシバシ叩くが……残念ながらあまりにも貧弱、あまりにも非力…
「カッカッカ、こそばいこそばい」
「クナ!ハチ!早く助け、助けるっす!!」
妹達に助けを求める無様な長女に対し、すぐ下の妹であるクナくんはあまり関わり合いになりたくなさげな目を向け、さらに下の妹の八丈クンはシム姉ぇマジだっさーいとゲラゲラ笑っていた
「王、弱いものイジメはやめて」
「む」
そんな中、心優しき末妹だけが痛がるアホな長女に救いの手を差し伸べてくれた、まったく…この子は気難しくて繊細な今風の子だと思っていたが、本当に良い子なのだろう
「ハァー!?誰が弱きものっしゅか!ガッキ!お姉ちゃんバカにしてんしゅか!?ハッキリ言ってこんなのゼーンゼン!痛くもないっすからね!弱きものじゃないっすから!」
「でも占守姉ぇ…」
「あんま舐めてるとガッキのアイス全部チョコミント味にするっすよ!って痛ァァァァァァァ!!ギバップ!ギバーップ!!シムの負けでーす!許してくださぁぁぁぁ!」
この後、右手の治療費とか言ってジュース代にアイス購入代を上乗せ請求してきた占守クンをタワーブリッジの刑に処し、いい加減腹が減ってきた俺は執念深くまとわりつく占守姉妹を連れてカレーを食いに行った
次回はなんやかんやで800回