不健全鎮守府   作:犬魚

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頂上決戦の決勝戦、レアキラーズVSジ・アドミラル

【登場人物】

青葉(実況)
自称、恐縮の申し子、提督とは性癖関係で話が合うらしく、わりと仲が良い

初春様(解説)
金●島出身の妖怪仙人の疑いがあるやんごとなき身分の御方、妹の有明に武から身を退けと勧めたことがある


カース・オブ・アドミラル奪還作戦 act.7

正悪強豪ひしめく友情のタッグトーナメント決勝戦

幾多の激戦を制し、この決勝の舞台へと勝ち上がってきた2チーム

 

最凶最悪のカンバンを背負い、目が合ったヤツから皆殺しを即断即行でいく無敵の一航戦コンビ、レアキラーズ

対するは、我々こそが完璧なのだ、下等どもを粛清する為にやって来た完璧(パーフェクト)艦娘界の刺客、ジ・アドミラル

 

『さて初春様、いよいよ決勝戦となりましたが〜…どうでしょう?ここまでほぼ無傷で勝ち上がってきたレアキラーズに対し、ジ・アドミラルは前の試合でアドミラル1号ことN-ノーチ●スが死亡確認しています、タッグトーナメントなのにタッグパートナーを欠いたジ・アドミラルがやはり不利でしょうか?』

 

『ふ〜む、ま、そうとも言い切れぬな、ほれ、アレを見てみい』

 

そう言って初春は手にした扇子で今、リングの側に来ているレアキラーズを指した

 

『あーっと!あきらかに警戒しています!無敵の空母コンビ、レアキラーズ、対するたった一人の相手に対してかなり警戒している様子がここまで伝わってきます、ここまでの試合、傲岸不遜、どんな相手にも舐め腐った態度を崩さなかったレアキラーズの二人が入念にアップしています!これはどーゆーコトでしょう初春様!』

 

『それだけヤバイ相手と言うワケじゃろうな』

 

実質二対一、レアキラーズに対し、ジ・アドミラル側はリング側でやたらと長いキセルをふかすアドミラル2号ことビッグ・ザ・ママと死体となって転がっているN-ノーチ●ス…

 

そして…

 

「まさか卑怯とは言わないですよね」

 

「こちらも全力でいかせて頂きます」

 

レアキラーズ、先鋒のリングに上がったのは加賀、そして赤城…ッ!!タッグとは言えいきなりの掟破りのダブルリングインッ!!

 

「フーッ〜………ま、いいんじゃないかい?」

 

最凶空母コンビの二人に相対するのはジ・アドミラル2号、ビッグ・ザ・ママ…

 

あの赤城と加賀が二人がかりで挑む、いや、挑まざるを得ないことを選ぶしかない、その事実が会場を戦慄させたッッッ!!

 

「フーッ〜………」

 

赤城と加賀、二人はとある田舎っぽい村で生まれ育った…

その村は、まるで古き良き時代で時が止まったような村で、村唯一の特産品は芋…

他にコレと言って言うべきことはない辺鄙な村だが、その村には大きな秘密があった…

 

最凶空母…一航戦、凶悪なる邪悪龍…二航戦、無敵の死神…北上と大井、その他にも、数多くの猛者達を、深海棲艦達を恐怖のドン底に落とす悪鬼羅刹を世に送り出してきたその村は………ただの村ではない、まるでファンタジー小説やゲームにある、魔王が棲むラストダンジョン一歩手前に存在する、この世で最も危険な村だったのだッッッ!!

 

そんな村でッッッ!!そんな世界でイチバン危険な村で最凶コンビと呼ばれる空母二人がッ!!恥も外聞も捨て去って二人がかりで挑まざるを得ない相手がこの世に存在するッッッ!!

 

「行くぞォォ!!加賀ァァァァ!!」

 

「足引っ張るんじゃないぞ!」

 

戦闘開始のゴングと共に、改二エンジンを全力全開にした赤城と加賀はリング中央に立つビッグ・ザ・ママに猛然と飛びかかったッッッ!!

 

「だらぁ!!」

 

「ハアッ!!フンフンフン!ダァーッ!!」

 

エンジン全開のレアキラーズの猛攻!!それをかわし、受け、捌くビッグ・ザ・ママ…!!

 

「ほぉ…ヤるじゃあないか、赤城GIRL……加賀GIRL……あの頃より随分動きにキレがある」

 

「クッ!!バケモノめッ!」

 

「でも、まだまだだね」

 

ビッグ・ザ・ママは加賀の頭を掴み、自分の膝に当ててその膝を抱え上げて一気に落としリングに着地と同時に衝撃を叩き込む!!

 

ガゴォォン!!(ココナッツクラッシュ)

 

「ゴハァ!!!」

 

「加賀ァァァァ!!クソッ!なんてパワーだ!」

 

赤城は加賀を抱えるとビッグ・ザ・ママから一旦距離を取ってリング側に離脱した

 

「大丈夫か!加賀ァ!」

 

「ハー……ハー…クソッ、ただのココナッツクラッシュが“あの方”が使うだけでまるで必殺技だ」

 

「たしかに…」

 

 

『強し!!強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し強し!!ビッグ・ザ・ママ強しーッッッ!!この青葉、とんだ考え違いをしておりました!完璧艦娘の首領はあの転がった死体かと思っていましたが、それは違いました!!間違いありません!完璧(パーフェクト)艦娘の真の首領(ドン)はあの方です!』

 

『その…完璧(ぱーへくと)艦娘?がなんなのかは妾には未だによぉわからぬが、まぁ、アレじゃ……あやつは強いぞ』

 

『あの赤城さんと加賀さんがまるで子供扱い!赤子の首を捻るかのようだァァァァ!!』

 

『赤子の首を捻るのは感心せぬなぁ』

 

 

「フーッ〜…どうしたんだい?来ないならこっちから行くよ」

 

「クッ!!加賀ァ!フンドシ締め直せよ!」

 

「それはこっちのセリフだぜ!!」

 

村でもとびぬけた才能を持ち、天才と呼ばれていた赤城も、そして赤城と並ぶ才能を持つ加賀も、ただ、あの方に挑めば勝てない事は知っていた…

 

彼女らの考えた結論は一人では勝てない、だが、二人でなら勝てる!二人でなら超えれるッ!!今こそ、とびっきりのフルパワーをあの方にぶつける時!!

 

「行くぞォォォォォォォォ!!」

 

「クソッタレェェェェェェェ!!!」

 

赤と青、二つの閃光がリングを駆ける!!そして………ッッッ!!銀河が泣いた!!虹が砕けた!!

 

観客席からは彼女達と同じ時代に生まれた事に、誰もが涙を流したのだった…

 

◾️◾️◾️

 

『えー…数々の激戦、名勝負が繰り広げられたトーナメントマウンテン、最後に勝ち残ったのは完璧(パーフェクト)艦娘チーム、ジ・アドミラルでーす、皆さんの大きな拍手と歓声です、実に感動的なシーンです、青葉こーゆーシーンはいつ見ても感動します、いつも涙と一緒にちょっとおしっこ出ちゃいます』

 

『ハル●ケア飲め』

 

『あ、大丈夫です、青葉まだ若いんで、涙腺緩いのは仕様ですが膀胱緩いのはギリギリを愉しむ為にいつもおしっこ我慢してるからです』

 

『変態か』

 

『トーナメントマウンテンを見事制したビッグ・ザ・ママ、相棒のくさった死体を引きずり今、頂上に立ちます!あ、なんか拾いました!ビッグ・ザ・ママ、なんか拾ってくさった死体のポッケに入れました!ゴミでしょうか?』

 

『さぁ?妾にはなんか光るモノに見えたが…』

 

『感動的です、感動的光景です、それでは!トーナメントマウンテン、放送時間延長できないのでここで中継を終わりたいと思います、ラジオとCSではこの後ヒーローインタビューまでお届けできると思います、ご覧のチャンネルではこの後、愛棒season072が…』

 

 

決勝戦

○ジ・アドミラル VS ●レアキラーズ

(31分12秒 貫通腹パン)

 

 

悪夢のタッグトーナメント編 おわり





次回は通常運転回、ですわ!!


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