不健全鎮守府   作:犬魚

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最強完璧艦娘 VS 最強武闘派姉妹

【登場人物】

ジ・アドミラル(完璧)
完璧艦娘を名乗る謎多き艦娘、ビッグ・ザ・ママはやたらと他チームから警戒されている

ナガムツブラザーズ(主人公)
最強武闘派姉妹、パワー、スピード、タフネス、そのどれもが一流


カース・オブ・アドミラル奪還作戦 act.6

二回戦第二試合ッッッ!!

優勝候補筆頭のアイドル艦娘コンビ、ナガムツブラザーズVS下等艦娘どもに身分の違いをわからせるべく現れた完璧(パーフェクト)艦娘の首領(ドン)、ジ・アドミラル

 

決勝進出を賭けた戦いのゴングが鳴るッ!!

 

完璧(パーフェクト)艦娘か、フッ、どこの誰かは知らんがこのビッグセブンに勝てると思うなよ」

 

「フンッ、下等が…教えてやる、貴様ら下等艦娘がどれだけ努力しようが完璧には勝てないと言う事実をな」

 

互いに先鋒のリングに上がるのは、一回戦をたった一人、圧倒的な実力差をみせつけた長門、そして、対するのはジ・アドミラルのリーダーを名乗る謎の完璧(パーフェクト)艦娘、ファン・ガンマ・ビ●ン

 

開戦のゴングと共に飛び出した両者、先ずは力較べと言うよりリング中央でガッチリ手ぇ四つで組み合う!!

 

ガシイィッ!!!

 

「ほぉ、カンムス強度5500万と言ったところか、下等にしてはヤるものだ」

 

パワー対パワーが火花を散らす審判のロックアップ!ファン・ガンマ・ビ●ンは相対する長門をなかなかの強敵と見なす!!………がッ!!!

 

「このパワー………まさかとは思っていたが、いや…やはりキサマは!!」

 

長門は己の疑惑に確信を得たのか、ロックアップを外しリング中央から離脱し、相対するファン・ガンマ・ビ●ンを指差した

 

「キサマ、たしか自分を完璧(パーフェクト)艦娘の首領(ドン)とか言っていたな」

 

「…俺が?」

 

「これまでの言動、ファイトスタイル……そして今、疑惑は確信へと変わったぞ!キサマの正体に!」

 

「…なに?」

 

長門は突如として現れた完璧(パーフェクト)艦娘の首領(ドン)!ファン・ガンマ・ビ●ンの正体を見破ったりと声をあげ、そして…!!

 

「キサマの真の名は…」

 

長門は右手をググっと握りしめ、ググっと溜めて再びファン・ガンマ・ビ●ンを指差す!!

 

「万能戦艦!ネオ・ノーチ●ス!!」

 

長門が言い放つファン・ガンマ・ビ●ン、衝撃の正体に会場が大きくどよめいた!!

 

『ば…万能戦艦N-ノーチ●ス……あの、初春様、初春様はご存知の方で?正直、青葉は聞いたコトないんですけど、ってか万能戦艦って…』

 

『ふむ、やはりあやつか…』

 

『さすが初春様!ご存知なんですか!?』

 

『うむ…』

 

初春様曰く、万能戦艦N-ノーチ●ス…

かつて一度だけ、いや、ただ一日だけこの基地に現れ、あの戦艦長門をローキック一発で沈めたと言われている謎多き戦艦…

どこから来て、何の目的で現れたのかも不明、ワカっているのはその計り知れない戦闘力と浜風にも匹敵するパイオツの大きさ、そして、その声は妹系やロリ系に多い可愛い系だと言うコトだけ…

 

『あ…あの長門サンがイッパツで…し、しかし初春様、あのファン・ガンマ・ビ●ン、パイオツはたしかに大きいですが声はあまり可愛い系でありません、むしろ悪い井上喜●子系です!』

 

『ふむ、それもそうじゃな』

 

ざわつく会場と混乱する場内、そんな混沌の渦中に立つファン・ガンマ・ビ●ンはリング中央で腕を組みカッカッカと笑っていた

 

「フッ、下等にしてはよく考えたな……下等である貴様らはオーバーマスクと言うモノを知っているか?カッカッカ……そしてこの俺はオーバーボディて言うモノを纏っているのだ!」

 

そうよ!そのまさかよ!!と言い放ち、リング中央でバリバリィ!と黒髪美女のオーバーボディを破り捨て、ファン・ガンマ・ビ●ンはその正体を現した!!

 

「やはりキサマか…ッ!!」

 

黒髪巨乳美女から黒髪巨乳美少女へと姿を変えたファン・ガンマ・ビ●ン改め、万能戦艦N-ノーチ●スは腕を組み、不敵な笑みを浮かべる!!

 

「フン、今日は膝の皿を叩き割るだけでは済まんぞ?」

 

「面白い……この長門には陸奥の、知らぬ技がある」ニィ…

 

両者は互いに不敵な笑みを浮かべつつジリジリとリング中央へと寄り………そしてッ!!!

 

「死ねッ!!!」

 

「しゃあっ!!コブラ・ソード!!」

 

長門の殺人パンチに対し、N-ノーチ●スの高速変則膝蹴りが炸裂し、長門はその勢いでリング中央から一気にフッ飛ばされたッッ!!

 

「クッ!!なんて威力…ッ!咄嗟にガードしたとは言え、この破壊力か、クッ…!」

 

 

『コブラ・ソード炸裂ーッ!!まさかあの長門さんがブッ飛ばされてしまったーッ!!」

 

『ほぉ、なかなかじゃな』

 

『ファン・ガンマ・ビ●ン改め万能戦艦N-ノーチ●ス、完璧(パーフェクト)艦娘の首領(ドン)と名乗るに相応しい実力を見せつけます!これは勝負はわからなくなってきました!!』

 

 

一気にロープ側まで下げられた長門、そして…

 

「長門、ね、長門」

 

「なんだ?」

 

この大会始まって以来、今の今まで試合にまるで興味なく、リング下のパイプ椅子でファッション雑誌を眺めていた陸奥が、ロープ外から長門のそばに寄りその脇腹をつついた

 

「アナタさっきも一人で片付けたでしょ?タッグなんだからここは交替よ、交替」

 

「いや、しかしだな…アイツは私がヤらなければだな…」

 

「いいからほら、ハイ、手ぇ出して、手」

 

「手?」

 

陸奥は長門の手を叩くと長門をリング外へと放り投げ、自らリングへと飛び込んだ

 

「………と、言うワケで、私とヤってくれるかしら?テ……N-ノーチ●スさん?」

 

「……陸奥か、いいだろう」

 

N-ノーチ●スはリング中央で組んでいた腕を解き、この試合、初めて構えをみせる!!

 

「そうこなくっちゃ…」ニィ…

 

伝説の修羅、陸奥…

 

姉である長門は何故、陸奥に成り得なかったのか?同じ技を使い、全てが陸奥にも劣らぬ、否、要所によっては陸奥にも勝るであろう実の姉、長門が陸奥を名乗れない理由…

 

歴史の中でも屈指の武の才能に恵まれた姉の中に鬼が棲んでおらず、心優しき妹の中に、鬼は棲んでいたッッ!!

 

「!!」

 

「チィ!!」

 

一瞬で高く跳び上がり、前方宙返りしつつ左右連続で踵落としを繰り出す陸奥の技…!!N-ノーチ●スはガードをしつつも若干中央から下がらざるを得ない!!

 

「どっちが鉞だぁ……コイツは?」

 

「当たって痛い方よ」

 

 

『長門さんに代わり!伝説の修羅こと陸奥さんがリングに上がりましたが初春様、これはどうでしょう?珍しく陸奥さんがヤる気だしてますが、これはかなり珍しいですね』

 

『そうじゃな、あやつは普段からやる気なさげで滅多にやる気を出さぬヤツじゃが……それだけの相手と感じたのじゃろ』

 

『なるほど、我!強者と死合う史上最悪のミス●ス的な傍迷惑なアレですね!』

 

『この試合、陸奥の本気が見られるやもしれぬぞ』

 

陸奥VS完璧(パーフェクト)艦娘、その戦いは熾烈を極めたッッッ!!殴る、蹴る、投げる、極める、折る、ルールと言う檻がなければ間違いなくその全てが必殺、殺しの技の応酬…

流血に流血を重ねる、まさしく命のやり取り…ッ!!

 

熾烈な攻防の中、陸奥の放つ拳を左腕と肋を犠牲に破壊したN-ノーチ●ス、犠牲無くして勝利などない、血と破壊の先にこそ勝利、生き残りがある

 

「…(腕を壊したヤツに拳の技はない、なんてコトはありえない、陸奥ならヤる…)」

 

たとえ両拳を砕こうが両足を破壊しようがヤツは死ぬまで勝ちにくる、いや、たとえ死んでも勝ちにくるだろう…

その確信がN-ノーチ●スにはある、だからこそ油断はない、だからこそ……ッ!!

 

そして、陸奥が動くッッッ!!!

 

「ッ!?(人の速度(はやさ)じゃあ…ないッ!)」

 

その瞬間、N-ノーチ●スの目には陸奥がまるで分身したかのように見えた

目で追うことすら困難な速度、驚異的フットワークから繰り出されるその動き!!だが、N-ノーチ●スはその動きに喰らいつく!!

 

「ッ!!?」

 

ゴシャアッ!!!

 

空中に跳ぶN-ノーチ●スに対し、陸奥は両足でN-ノーチ●スの頭部を挟み潰すように強烈に蹴り、挟んだままの頭部をリングに叩きつけたッッッ!!

 

「か…!!」

 

 

『壮絶ーッッッ!!あ、あまりに速い!あまりに鮮烈!陸奥さんの強烈な技を喰らったN-ノーチ●ス動かない!動けない!!奥義炸裂!これはまさしく殺人技だァァァァ!!』

 

『…アレは奥義ではない、もっと上にあるものじゃ』

 

『知っているのですか!?初春様!』

 

『名を………“四門”、奥義の上にある奥義以上の存在じゃ』

 

“四門”は“死門”、その門をくぐったものには例外なく死が待っている

 

陸奥にしか開くことが出来ないまさしく死の門

 

『じゃが、仕掛けた方も人体の限界を超えた動きはその負担も大きい』

 

勝者である陸奥は高く、まるで天を掴むように腕をあげると、グラリとその場に倒れ込み……

 

「まったく、いつも無茶をするヤツだな、オマエは」

 

長門は倒れ込む陸奥の身体を支えた

 

「…あらあら、そうかしらね」

 

「フッ、それでこそ陸奥だ」

 

長門は陸奥を連れ、そのままリングを降り、控え室までの通路を悠然と歩いて行った

 

そして…

 

「フーッ〜……コレはアレかい?相手の棄権ってコトでいいのさね?」

 

 

二回戦 第二試合

○ジ・アドミラル VS ●ナガムツブラザーズ

(42分42秒 “四門”青龍)

N-ノーチ●ス 死亡


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