【登場人物】
ナガムツブラザーズ
長門と陸奥の力と技の姉妹コンビ、投げ技は基本的には投げる+極める+折るを同時に行うのがデフォ
カミナゲーナズ
五月雨と由良さんの古参コンビ、その実力はあくまでも軽巡駆逐艦の域を出るわけではないものの、不気味なものを漂わせている
一回戦第四試合ッ!!
最有力の優勝候補が登場するこの試合は前三試合よりも注目度が高く、そして、客入りも多い!
『さぁー!始まりました第四試合!注目の優勝候補、ナガムツブラザーズが登場するこの試合、ナガムツブラザーズに対するはこれまた異色のコンビ!基地最古参のレジェンドファイター!五月雨ちゃんと由良さんだーッ!』
両チーム、定刻通り堂々のリングインに歓声が増す会場!勝つのは最強姉妹コンビか、それとも最古参コンビか、会場の期待だけが高まっていた
『至高のツープラトン、ナガムツドッキングが炸裂すれば見開き即死率100%を誇るナガムツブラザーズ、対してやたらと古い資料しかなく、その実力も曖昧なカミナゲーナズ、初春様、この試合はどうみますか?』
『まぁ、平たく言うと戦艦VS軽巡・駆逐艦……圧倒的な実力差があるのは事実、しかし……艦娘の戦いにおいて艦種の差が絶対的な優劣でないのもまた事実』
『それはつまり…』
『艦娘の勝負を分けるもの、それは即ち………
たとえ駆逐艦であっても限界まで
時間は既に待ったなし!両チーム、先鋒がリングへと上がる!!
◾️◾️◾️
「フッ、まさかオマエ達が相手とはな…」
ナガムツブラザーズ、先鋒でリングインするのは長門ッ!!大和型、金剛型、Iowa級……世の中には強いと呼ばれる者が多く居り度々議論の肴となる………が、皆、最後には口を揃えてこう言う…
“ま、ステゴロならナガトでしょう…”と…
「長門さんかぁ〜…さすがに正面からはヤり辛いかな〜…ね?」
カミナゲーナズの先鋒は提督との付き合いだけは長い古参軽巡、由良…
「由良さーん、プランBでお願いしますねー、プランB」
「ハイハイ、プランBね」
相棒である五月雨から“プランB”なる謎の指示を受けている由良はめんどくさげにヒラヒラ手を振って応え…
「プランB……ねッ!!」
ドンッ!!!(足刀)
「うぅ…!!なかなか強力だ!」
ゴングが鳴る前に長門に強烈な跳び足刀を叩き込む……が!!長門はこれはガードしていたッ!!
「ゲッ、やっぱ硬いわ」
「だが所詮は軽巡の蹴り、この戦艦長門をグラつかせるには………10年早いわーッ!!」
長門は由良を弾くとコレが本物の蹴り!そして本物の拳と強烈な豪打で一気呵成に前に出る!!まともに被弾すれば一撃死すらあり得る戦艦長門の打撃…ッ!!
「チッ、コレはさすがにヤバいかも…ね!」
長門の剛腕を避けつつカウンターの隙を狙う由良、当たればタダでは済まない事が必至の中、それでも由良の目は死んではいない!
「ッ、死ねッッ!!」
豪打の中に見えた隙に喉を狙う必殺の貫手を放つ由良、しかし!!
ズシャアッ!!!
「…裏蛇破山 朔光」
長門は由良の貫手に自分の拳をぶつけそのまま上に流して突き上げるように鳩尾に肘を叩き込んだッ!!
『エンメイリュウだァァァァ!!その圧倒的なパワーだけが注目されがちな長門さん!しかしその実は多彩な技を使いこなす技巧派でもあります!と言うか、第四試合にして初のまともな試合です!初春様!』
『あやつめ、技を使わせたか…』
『基本的にはエンメイリュウの技は使わない長門さんですが、なるほど……それだけ由良さんが警戒すべき相手と言うワケですね!』
技の精度は陸奥にも決して劣らない、いや、むしろ破壊力だけならば陸奥を上回るであろう長門の技…っ!
「カハ…ッ!っっっ痛ッ!ホント痛い」
「手応えが少々足りなかったが、ふむ……さすがにやるな」
「それはどーも」
「だが、やはりこの戦艦長門相手に軽巡1人ではフェアではないな、そこの青髪ロング子、リングに入れ、二人がかりで構わんぞ」
最大最強の戦艦に対し、格下相手の1対1はフェアではない…
絶対的な自信、そして実力が長門にはある
「遠慮しておきます」
………が!拒否!五月雨、長門から二人がかりでかかって来いよとの提案を拒否!
「あまり由良さんを舐めない方がいいですよ、その人、口悪いし、性格悪いし、すぐキレるし、ヤンデレだし、人間のプリミティブな部分を集めて煮込んで混ぜ合わせた最低最悪の艦娘ですから」
「ハァ…!?ちょっとサミー子、今ちょっと聞き捨てならないコト言ったわよね?今、由良を褒める流れで普通にディスったわよね?ね?」
「別にディスってないですよ、ほら由良さん、プランB、プランB!ママが見てる!」
「クッ…っ!チッ、サミー子、あとでチョコレートパフェ奢りなさいよ?ね?」
◻︎◻︎◻︎
「フーッ〜…あの娘ら、いつからあんな仲悪くなったのかねぇ、BOY…」
「BOYじゃない、ファン・ガンマ・ビ●ンだ」
観客席の上段で試合を眺めるジ・アドミラルの2人は、環境と周囲に配慮した観客喫煙所へと来ていた
「フーッ〜…で?勝てるのかい?あの娘らは?」
「負けるでしょう、何故ならもしこの試合に勝ちでもすれば次の対戦相手は我々、つまりはママとヤるコトになる…」
ファン・ガ●マ・ビゼン曰く、五月雨と由良はママにだけは絶対に逆らわないし、絶対に喧嘩を売ったりはしない、これは既に常識なのだと…
「ママが見てる以上、ヤる前から降参は出来ない、そしてあまりハンパな試合をしたら怒られるかもしれない、とりあえずそれなりにいい感じに試合して、いい感じに負けとこう………どうせそんな考えでしょう、プランBってのは」
「フーッ〜…なるほど、さすが、あの娘の考えるコトはよくわかるワケかい?」
「舐めんなよババア、アレは俺が選んだ秘書艦だ」
用意されたレールの上の海軍人生、自ら選び取るものなどなかったが、秘書艦だけは自分で選んだ
「誰がババアさね!!」
ゴスッ!!(クソ長キセル)
「痛い!!」
◾️◾️◾️
「フッ、この戦艦長門を相手によくやっていると褒めてやろう………だが、そろそろお遊びはおしまいだッ!!」
長門は身を低く構え、低空から一気にダッシュして由良からテイクダウンを奪うと由良の両脚を掴んだまま高く!上空へと跳んだ!
『あ、あの体勢はーッ!!長門さん必殺の
『完璧な入りじゃな』
『これは決まるか!これは決まってしまうのか!!あの由良さんでもコレはさすがに返せない!!今、勢いよくナガトドライバーが勝利に向かって落下を開始したァァァァ!!』
「死ね!!ナガトドライバー!!」
「クッ!さ、さすがにコレは抜けれな…ッ!」
勢い良くリングへと落下するナガトドライバー!!そしてリングへ激突しようとしたその瞬間!!
ダッ!!!(ダッシュ)
リングの着弾地点に、リング外から飛び込んで来た五月雨がまるで由良をリングへの激突から守るように覆い被さった!!
ズガアァン!!!(ナガトドライバー)
「ガハァ!!」
「ぐふっ!!」
しかし!!必殺の破壊力を持つナガトドライバーの破壊力は絶大!結果として、ナガトドライバーで由良と五月雨、二人を撃破!!
「ぬ…ぬぅ、まさか身を呈してまで相棒を守ろうとするとは…」
『決まったァァァァ!!ナガトドライバー炸裂!身を呈して由良さんを守るべくカットに入った五月雨ちゃんごとナガトドライバーで粉砕したァァァァ!』
『決着じゃ…』
『そして決着ゥゥゥゥ!!ナガムツブラザーズVSカミナゲーナズ、勝利は王者ナガムツブラザーズだーッ!しかもこの試合なんと!タッグマッチだと言うのに長門さんたった一人で相手を倒してしまったーッ!おそるべき大戦艦!おそるべき戦艦長門!まさに優勝候補No.1に相応しい実力を見せつけてくれました!この試合、どうでしたか初春様?』
『うむ、見事な勝利、そして負けたカミナガーナもタッグを見捨てぬ見事な敗北じゃ』
『ありがとうございます!あ、今、負けた由良さんと五月雨ちゃんも互いに肩を組み手を振っています、美しい光景です!実に友情に溢れた素晴らしい光景です!』
………こうして、ナガムツブラザーズ VS カミナゲーナズの戦いはナガムツブラザーズの勝利に終わった
そして………
「五月雨ちゃ〜ん、残念だったわねぇ」
「陸奥さん…」
笑顔でリングを降り、控え室へと続く通用口で、馴れ馴れしいんだよボケと五月雨と由良が罵り合っていると陸奥が声をかけてきた
「私としてはアナタとちょっとヤってみたかったけどね」
「冗談やめてくださいよ、陸奥さんとなんて勝負にすらならないですよ」
「そっかなぁ〜……ルールの範囲で汚いコトさせたら五月雨ちゃんかなりタチ悪いのお姉さんよく知ってるんだけど?」
「失礼な、それは私の得意分野じゃないですよ」
第三試合
○ナガムツブラザーズ VS ●カミナゲーナズ
(29分28秒 ナガトドライバー)
次回は二回戦!!
B・エロリューションズ VS レアキラーズ
ジ・アドミラル VS ナガムツブラザーズ