不健全鎮守府   作:犬魚

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春は曙、曙のヤツめ………日和やがったッ!!

【登場人物】

提督(クズ)
女子供に容赦しない鉄拳が信条

天津風(アマツカゼ)
連装砲くん?あー……連装砲くん


提督とオシャレな天津風

春!その、ステキな季節が提督を行動させ………なかった

 

「あー…息をするのもメンドくせー」

 

明石の店で缶コーヒーと菓子パンのよくばりセットとタバコを購入し、喫煙所でケムリを吸い込んで吐き出す作業を繰り返していると、なにやらオシャレな格好をした白髪が歩いているのが目に入った

 

「ヘイ!ヘイ!そこのカノジョー」

 

「ん?ゲッ!テイトク…!?」

 

「もし良かったらオジサンとお茶でも……って、誰だオマエ?」

 

よく見ると……誰だコイツ?ウチにこんな正統派美少女なんかいたか?

 

「ハァ!?天津風よ!ア マ ツ カ ゼ!」

 

「アマツ…?あぁ、いたっけか、そんなヤツが…しかしウソは良くないな、天津風クンと言えば提督が何度注意してもスカートを穿かず、さらにスケスケの服ばかりかクソエロ下着を着用してみんなの視線に興奮するヘンタイオブヘンタイのベストオブ痴女………そんはマトモな服を着ているキミがあの痴女津風クンなハズがない」

 

「誰が痴女よっ!!」

 

しかしよく見るとたしかに痴女津風クンに似てなくもないが……いや、違うな、本物の痴女津風クンなら連装砲くんを連れているハズ

 

「連装砲くんはどうした?連装砲くんは?」

 

「連装砲くんなら庭で花壇の花に水をやってたケド…」

 

「そうか、さすがは連装砲くんだな、どこぞの痴女とは器が違うよく出来た子だ」

 

「だから誰が痴女よ!!」

 

「それで?キミは誰だ?ウチの子じゃないな、産業スパイか?」

 

「だから天津風って言ってるでしょ!!今日は街に買い物に行くんだからオシャレしてんの!!」

 

ナニ言ってんだコイツ?あくまで自分は痴女ですと言い張る異常者かナニかか…?

 

「ふむ、あくまで自分は天津風と言い張るか…」

 

「あくまでもナニも天津風よ」

 

「よし、ならパンツ見せてみなさい」

 

本物の天津風クンならドエロい下着を着用しているハズ、これは“シナトラに攻撃が当たらないのはもはや世界の常識”と同じ意味を持つ…

 

「イヤよ!!ヘンタイ!!」

 

「ヘンタイじゃない、提督だ、しかし見せぬと言うのなら……力づくで見るしかないなぁ…」

 

「ヒッ!?ヒィィ!!こっちにくるなァァァァ!!」

 

瞬間!!オレの顔面に一発、さらに二発目がアゴ、そしてミゾオチに三発目…!!まさに電光石火!まるで稲妻のような三連撃が打ち込まれた!!

 

「グハァ…!!な、なんてスピード……だ!」

 

「ハー…ハー……ど、どう?それ以上私に近付いたらもっと殴るから!」

 

「なるほど、そのスピード、そして正確さ、たしかにタダの正統派美少女と言うワケではないらしい…」

 

「そ、そーよ、タダの正統派美少女じゃないわ、天津風よ……って、自分で正統派美少女ってかなりハズカシーんだケド…」

 

「フッ、認めよう、キミはオシャレをして個性を失った天津風クン本人だと言うことを」

 

「誰がオシャレして個性を失ったよ!!そもそもアタシの個性がなんだか知ってるって言うの!?アナタにわかるの!?」

 

「スケスケ服、エロ下着、連装砲くん」

 

「アタシの個性ッッッ!!」

 

天津風クンは地面に両膝をつき、アタシの個性!アタシの個性!アタシの個性!と何度も地面を叩いた

 

「まぁまぁ、個性なんてなくとも人は生きていけるものなのだよ、たとえ今は個性はなくとも来世へワンチャンダイヴもあるってカッちゃん言ってたしな」

 

「カッちゃんの黒歴史に触れないであげて!」

 

しかし個性を全て失って残ったものが正統派美少女とは…

さすがは個性派揃いのスター集団、陽炎姉妹なだけはある

 

「それで?街にお買い物に行くと言っていたが……1人でかね?」

 

「アナタ、ホントにシツレーね」

 

「おやおや、これは触れてはならない心の傷でしたか、触れてはならない心の傷に触れてしまいがちなのが、僕の悪い癖、ハハッ!」

 

「ハハッ!じゃないわよ、ったく、ムカつくわね……姉妹で行くのよ、姉妹で!」

 

「なるほど〜…ご姉妹で、これはこれは姉妹仲はとても良い関係なのですねぇ」

 

「いや、その喋り方ムカつくんだケド」

 

「唯一の友達、連装砲くんを置いてまで行くと、ご自分だけが楽しければ良いと」

 

「う、うるさいわね…!たまには連装砲くんも1人になりたい時があるのよ!ちゃんとお土産だって買うし…」

 

「冗談だよ、小粋なテイトクジョーク」

 

「…」イラッ

 

俺はメンゴメンゴ、からかっちゃってゴメンねージーマーでと気さくに天津風クンの肩を叩くと、肩を叩いた俺の腕は素早く捻じ曲げられ、俺の体勢が崩れたところに天津風クンは俺の顔面に掌打を叩き込みつつ頭を掴んで地面に押し倒しつつ顔面に右膝を叩き落としてきたッッ!!

 

ゴシャアッ!!!

 

「ゴハァ!!」

 

ま、まさか……エンメイリュウ!

 

「……あースッキリした、これ教えてくれた陸奥さんに感謝ね」

 

「………」死ーン

 

「さ、遊びに行こっと、無駄な時間と体力食っちゃったわ」


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