【登場人物】
提督(1)
スーパーハンサムボーイズのリーダー的存在、鬼畜メガネ上司系ドS担当
天龍(1)
スーパーハンサムボーイズのオラオラ系オレ様ドS担当
木曾(4)
スーパーハンサムボーイズのクール系罵倒ドS担当
のわっちクン(いっぱい)
基地No.1のモテボーイ、レズの王子様の異名を持つが本人は普通にイケメンが好き
バラ撒きバンバンバレンタイン、そんなバレンタインの良き日、相変わらず秘書艦サミー子からしょーもない事務的なチョコしか貰えなかった俺と相変わらず妹からしか貰えなかった天龍と相変わらず姉ちゃん達からしか貰えなかった木曾の3人は談話室で今年度のバレンタインをどう勝ち越すべくかをアツいディスカッションをしていた…
「と言うワケで、諸君らの忌憚のない意見を聞きたい、まずは妹からしか貰えなかった負け組の天龍」
「誰が負け組だ」
世界で一番オレがカッコいいと心から信じるおっぱいのついたイケメン、自称、煉獄より生まれし黙示録の龍、天龍
「やっぱアレじゃねーの?オレが、カッコ良すぎるから…?」
「ふむ、カッコ良すぎてか……ではお姉ちゃん達からしか貰えなかった負け組の木曾、卿の意見を聞こう」
「誰が負け組だよ」
自称、漆黒を纏い禁断の力に身を染めたダーク・ナイト、木曾、カッコいいポーズをつけないとカッコ良く喋れないが素材はバツグンのイケメンであり、なおかつ属性は違うが、なんだかんだで末っ子の事が大好きな4人のお姉ちゃんがいるというラノベ主人公属性も持っている
「まぁ……そうだな、みんなオレ達には近寄り難いって思ってるのかもな」
「近寄り難い?」
「なるほどな、つまりアレだろ?やっぱオーラ出ちまってるみてーな?」
たしかに、オレ達S.H.B、スーパーハンサムボーイズともなるとただ立っているだけで女はみんな濡れてしまうのかもしれん
「つまり、我々には歩み寄りが必要と?」
「でもよォ〜…歩み寄るってどーしたらいいんだ?オレらでそこら辺練り歩いてみるとか?」
「バカか、天龍…だからオマエはダメなんだよ」
「ア゛ァ!?なんだと木曾ォ、テメーこのオレにケンカ売ってんのかコラァ?上等だぜ、オモテ出ろよ、タイマンだ」
「フッ、勝てるつもりか?この俺に」
バチバチバチバチバチバチ!!(メンチビーム)
「よさんか見苦しい、天龍、木曾、今日、我々が集まっているのはつまらんイザコザをする為ではない、有意義な話し合いをする為だ」
「お、おぅ!すまねぇ、ついカッとなっちまったぜ、へへ…」
「フッ、まぁTEITOKUがそう言うならな」
俺は天龍と木曾にまぁお茶でも飲んで、ハナシでもしよーじゃねーの?とリプ●ンのペットボトルを手にし、2人のグラスに注いでやった
「しかしだ、木曾の言う通り我々がただ練り歩くだけでは効果があまり無い事は過去の事例から既に実証されている、そこをどう考える?木曾」
「そーだぜ!オマエなんか考えあるんだろーな!」
「フッ、俺を誰だと思っている?この漆黒を纏い禁断の力に身を染めたダーク・ナイトだぜ?」
木曾曰く、過去に行った練り歩きではオレ達の輝き、プリズムの光を消す事ができなかったせいか、やはりみんな緊張し、オレ達に声をかけるコトができなかった……ならば今年は
「程よく声をかけやすい感じにすればいい…」ドヤァ!
「なるほどな」
「ヘヘッ、さすが木曾だな、良いトコ突いてきやがったぜ」
やはり天才か…?なるほど、たしかにオレ達S.H.Bの輝きが強すぎるのは最早常識、その輝きの前ではオクテなレディー達も眩しさのあまりチョコレートを渡すに渡せなかったと…
「素晴らしい洞察力だ木曾、褒美をやろう」
俺は秘書艦サミー子から貰ったアーモンドチョコをおひとつどうぞと木曾に渡してやった
「でもよォ、輝きを消す!って言われても難しくねーか?ほら、オレとか普通にカッコいいじゃねーか?」
妹から事あるごとに天龍ちゃんカッコいい!と褒められて育った天龍はゴメンな、世界一カッコ良くってさ!とニカッと笑った
「そうだな、ならアレをやってみるか」
「アレ?」
俺は“絶”を使いオーラを消した…
「おぉ!!コレならイケるぜTEITOKU!」
「フッ、さすがTEITOKUだな、たしかに“絶”を使えば俺達のオーラも消える」
こうして、オレ達は“絶”を使い基地の中を練り歩いた、それはもう基地の右から左まで練り歩いた…
しかし………
ーーー
「ダメじゃねーか!」
ダメだった、よく考えたら“絶”でオーラどころか気配そのものを消してたせいか、誰もオレ達には気付かなかった
「ダメじゃねーか!オレ、S.H.B辞める!」
「まぁ待てよTEN-RYU、よく考えたら“絶”はやりすぎだったとは思うが…」
ちなみに、“絶”を使っていても球磨ねーちゃんから“オマエらまたナニやってるクマ?っーかウチの木曾を悪い遊びに付き合わせんなよ、殺すぞ”と脅され俺と天龍は思わずチビりかけた
「あと金剛サンな、絶対見えてたぜ!アレ」
「あぁ、殺されるかと思ったな…」
やはり、天龍と木曾も感じたか……
金剛のヤロウ、なんか姉妹で優雅にティーしてたがヤツの射程に入った瞬間、確実な“死”を感じたが、あのヤロウ、なんかバカなコトしてるなみてーな目でチラッと見て鼻で笑いやがった
「“絶”でオーラを消す作戦は失敗だったな」
「あぁ、っーか木曾、オマエのねーちゃんなんなの?オレチビりかけたぞ」
「ま、まぁ…球磨ねーちゃんだしな、ねーちゃん昔から勘がいいんだよ」
野性の勘ってヤツか、さすがは食物連鎖の頂点に立つ猛獣…
「ってかどーすんだよ?練り歩いてもダメっーなら他の作戦考えるか?」
「そうだな」
このままではオレ達S.H.Bの敗北は必至!!今年も基地No.1のモテボーイはイケメンののわっちクンでキマり!になっちまうぞオイ…
「オーラを消さず、なおかつ親しみ易くか…」
「チッ、難しいな、オレがカッコ良すぎるせいか?」
「のわっちクンのように親しみ易さとカッコ良さを併せ持てるのはまさにキセキと言えるだろう」
「あ、そーだ!ならオレ達甘いもの大好きです!みてーなアピールを前面に押し出しつつ練り歩くってのはどーよ?」
「TEN-RYU……オマエ」
「やはり天才か…」
ただイタいだけのバカじゃなかったんだな、オマエ…
「フッ、あとはアレだな!親しみやすさアピールと言えばやはり子供!駆逐艦のヤツらがベンキョーしてる教育棟で、ってのはどうだ?」
「†KISO†………オマエ」
「天……才」
木曾、そして天龍………ヘヘッ、コイツら、いつまでも厨二病を卒業できないイタいだけのヤツらかと思ってたら、すっかり大人になりやがって!
「よしっ!TEN-RYU!†KISO†!イクぜ!今日こそオレ達S.H.Bが輝くステージだ!」
「あぁ!行こうぜTEITOKU!」
「フッ、仕方ねぇな…付き合ってやるよ!」
こうして、俺達は甘いものとか、チョコレートとか大好きです!的なアピールをしつつ練り歩くべく駆逐艦のバカガキどもがベンキョーしているであろう教育棟へと歩き出した!!俺にも、そして天龍にも、木曾にも見えているハズさ、俺達の栄光へと続くロードが!!
主に駆逐艦のバカガキどもが一般教養を学ぶ基地教育棟…
「………誰もいなくね?」
「あぁ、誰もいないな」
不自然なほど誰もいない教育棟、俺はポケットから取り出したケイタイを見て全て納得した…
「なるほど…SUNDAYじゃねーの」