【登場人物】
提督(メガネ男子)
セクハラ?なんのコトかね?コミニュケーションの一環だよ
間宮(給糧艦)
マミー屋の店主、提督への態度は冷たい
間宮の子分(伊●湖)
私の名前は…
たまには日々雑務に従事する我が秘書艦殿を労おうとマミー屋で何かオシャレなスイーツでも買って行くかとマミー屋に寄ると、店の主である間宮と……えぇと、アイツ、そうアイツだ、なんて言ったっけ?そう!間宮の子分!間宮の子分だ
その、間宮と間宮の子分はテーブルの上に置かれたサンドイッチらしきものをジッと見つめていた…
「よっ、今日も良い尻してるね!もしかして誘ってるのかな?」
「は?」
俺の小粋なアイサツに、殺意と憎悪が込められた視線で返す間宮、相変わらずジョークの通じないヤツだ……だが、それでこそいい!それでこそ、いずれこの俺に屈服した時、そのだらしない尻を振り俺の寵愛を懇願するだらけきった顔が楽しみなのだよ
「ナニか用ですか?」
「ナニか用じゃない、客だぞ、俺は」
「今日のオススメはありません」
ないのか、まぁ、そーゆー日もあるだろう
「まぁいい、で?お前らは一体ナニをしているのだ?」
「見てワカりませんか?」
「わからねぇから聞いてるのだよ」
俺にはただ、テーブルに置かれた皿に並べたサンドイッチを眺めているようにしか見えないのだが…
いや、なんだ?この奇妙な違和感は……?あの右の皿のサンドイッチ、どこか奇妙な気がする
「その右の皿のやつ、間宮が作ったやつじゃないな」
「…ほぉ、テイトクでもそれくらいはわかりましたか?」
「誉めるなよ、兵が見ている」
と言うコトは、この右のヤツは間宮の子分が作ったサンドイッチってコトか、なるほど、つまりアレだ、間宮は子分が作ったサンドイッチを品定めしていたワケだな
「なるほどなるほど、それ、1つ貰っていいかね?」
「別に構いませんけど…」
俺は右の皿に載ったサンドイッチを1つ手に取り、豪快にそれにかぶりついた!!
「……ふむ」ナポォ……モニュ…モニュ……
なんだ…ッッ!!このサンドイッチ!!スゲェ!!口に入れた瞬間、なんっーか口の中いっぱいに上品さが広がる!いつも食ってる間宮のサンドイッチは飲み込むまでに最低でも4回は味が変化する……だが、コイツは違う!口の中でそう、上品で、優雅で、雄大な……新しい国が生まれたッッ!!
「………ご馳走さま」
「どうですか?」
「いや、普通にうまいぞコレ、ナニこれ?間宮の子分が作ったのか?」
俺は間宮の子分に身体中のグルメ細胞が悦びの声をあげてやがる!と間宮の子分の肩を叩いた!
「子分じゃありません!私の名前は伊良…」
「すごいじゃないか間宮の子分!正直、俺はキミのコト舐めていたぞ、おっと、そしてなかなかイイ乳だなキミ!オジサン誘ってるのかな?」
「ヒイッ!?ちょ!胸に…っ!!イヤッッ!!!」
ゴシャアッ!!(肘鉄)
「ゴデュファ!!」
「ヘンタイ!!ヘンタイ!ヘンタイ!!死ね!」
「いけないなぁ、提督のコトをヘンタイ呼ばわりしては…」
しかしさすがは間宮の子分、良い肘だ、もう少し勢いがあれば俺の顔面はグシャグシャに破壊されていただろう…
「ウチの若い娘にセクハラしないでください、あと、コレは伊良湖ちゃんが作ったものじゃありません」
「へいへい……って、はぃ?じゃ、オマエが作ったのか?
」
「いえ、私が作ったものでもありません」
間宮じゃない…?バカな、ならばいったい誰がこんなサンドイッチを作ったと…?ハッキリ言ってこのサンドイッチは美味い、ハンパじゃない美味さだ……これほどのレヴェルのサンドイッチを作れるヤツなどこの基地にいるハズか…
「じゃ誰が作ったと言うのかね?」
「わかりません」
「わからんとはなんだ!?わからんとは!」
間宮曰くこのサンドイッチ、今日の昼頃、執務棟の中庭あたりを歩いていた間宮の子分が中庭のベンチで、うまい!うまい!と瞳孔が開いた目で豪快にサンドイッチをバクバク食べていたなんか金髪のおっぱいデカい人に1袋貰ったそうな
………ネルソンか?
いや、ネルソンだな、間違いない
「たぶんそいつはネルソンだな」
「ネルソンさん…?あぁ、あのよく食べる人…」
英国から来た偉大なる余、大戦艦ネルソン、世界政府から略奪を許可された7人の問題児の1人である
「この間もウチの店でディナーを注文して、うまい!うまい!と気持ちのいい食べっぷりをしてましたけど、ああいう人は料理人として好感が持てます」
「そうか」
「それで?そのネルソンさんがウチの商品ではないサンドイッチをどこで買われたのでしょうか?」
「明石の店……とは思えんな、コレは」
明石の店に並んでるのはYAMA●AKIの菓子パンだしな、となると、コレはいったい…?
俺と間宮が頭をひねっていると、間宮の子分が申し訳なさげに手を挙げ…
「あの…もしかして、誰かの手作りとかでは?」
「なるほど、伊良湖ちゃんにしてはなかなかいいセンね」
「然り、良い着眼点だ」
「…(なんでそんな上から目線?)」
しかしこんなサンドイッチを手作りできるヤツが存在するのか?あの超A級グルメ給糧艦間宮をも戦慄させるほどのサンドイッチを…?俄には信じがたい話だ
「間宮、オマエに心当たりは?」
「…そうですね、A級グルメ犯罪者の比叡さん、磯風さんならあるいは……夥しくも凄惨な調理法の結果、なんらかの奇跡が起きた可能性が」
「いや、その可能性は低すぎだろう」
「そうですね、それなら新たな宇宙開闢の可能性の方がまだ上ですか」
「…あの、2人して何気にヒドすぎじゃないですか?」
グゥゥゥム、ならばいったい誰が?その、奇妙な難問について俺達が頭を悩ませていると、マミー屋の扉を開き、新たなる客が入店してきた
「あ、Darling!!」
「キミは…」
キンパツサラサラヘアーの美少女は店の入り口からこの距離を初動から初速、凄まじい加速で俺にダッシュしてきた!並の提督ならそのタックルでテイクダウンを奪われかねないが、残念ながら俺は並の提督ではない!避けてみせるッ!!
「ナニぃ!?き、消えた!!」
カットの直前に急激に歩幅を縮める事で、スピードを落とさずにブレーキを掛けたのか!!なんてチェンジオブペー…
「Darling!!」
「ゴハァ!!」
来るっ!とワカっていても止められない、なんという爆発力!なんという根性!まるで重機関車のような
「や、ヤァ……ジャーヴィーくん」
「こんなトコで会うナンテ、グー・ゼーンネ!あ、そーだ!Darling今ヒマー?アタシとオシャベリしまショー?」
「いや、ご覧の通り、提督はヒマではなくてね、あと、できれば離れてくれないかね?」
そう言ってジャーヴィーくんをベリッと引き離した俺だったが、間宮の野郎がボソッと“ロリコン…”とディスったのは聞き逃していない、あと、俺はロリコンじゃない
「あ、ソレ、Shefyのsandwichじゃナイ?」
「シェフィー?」
「コレ、誰が作ったのか知ってるの?ジャーヴィスちゃん」
「うん、ソレ、Shefyのネ」
シェフィー?何者だ?聞いたことのない名だが……まさか、女王陛下御用達の料理人かナニか?
ジャーヴィーくん曰く、Shiny sheffのShefyなる人物がコレを作ったと言うが…
「ピカピカシェフのシェフィー…」
「いったい何者でしょうか…」
俺も間宮も知らない謎の超A級グルメシェフ…
「…あの、それって最近ウチに来たシェフィールドさんでは?」
「誰だそれ?間宮、オマエ知ってるか?」
「さぁ?聞いたコトない名前ですね」
「2人してヒドすぎでしょ!!ほら、あの人ですよ!あの人!なんか変な髪型の!」