【登場人物】
提督(クズの人)
権力と権威にはめっぽう弱い快男児
明石(クズの人)
世の中、金!勝ちまくり!モテまくり!
「これが庶民的Amusement Land…」
「まさか基地の中にもあるとは……これはまさに盲点!」どんっ!
前回までのあらすじ!
陛下(あと、ついでに余も)は庶民的ゲームセンターに興味しんしん丸ぅ!しかし街のゲームセンターに陛下をお連れして何かしらの不興を買ってしまえば日英決裂!俺は死罪!そんな未来はノーサンキュー!来るべき未来がノーフューチャー!
「ハハッ、当基地は福利厚生には特に力を入れていますので…」
以前、明石のバカが廃業したゲームレンタル業者からタダ同然で仕入れたゲーム機が倉庫に眠っていたことに気付いた俺は、即座に行動を開始、めんどくさがる明石の股間に蹴りを入れつつ突貫作業でここ、第四倉庫内に即席ゲームセンター、名付けてアカシファンタジーを一晩で作り上げたのだった…
そして本日、俺(睡眠不足)は偉大なる女王陛下と態度とパイオツだけはやたらデカい余を連れ、このゲームセンターへとやっては来たワケだが……
「Admiral、アレは?」
「ハッ、アレはクレーンゲーム機に御座います」
まず陛下が目をつけたのはゲームセンターと言えばコレ!と言っても過言ではないゲームセンターを象徴する王道のマシン!さすがは偉大なる女王陛下、如何なる時も王道を歩まれる…
「ほぉ、アレがそうか……よし!余がやろう!いくらだ?」
「1回100円だ、と言うかオマエ、小銭持ってるのか?コインだよ、コイン」
「コインか………ないっ!」どんっ!
自信満々にそのデカい胸を張り、ない!と言い切るネルソン、まぁ……だと思ったよ、だがその程度は想定内だ、陛下と余が小銭とか持ってるワケがない
そんな事態を予め想定してか、俺は明石のボケナスに朝イチ銀行で100円硬貨を両替させて用意している…
俺はネルソンにあそこのカウンターにいるピンクに言ったらコインを両替してくれるぞと教えてやると、早速ネルソンはカウンターへと行き…
「フッ、コインをくれ」
ばさっ!(札束)
「あ、いや……ちょ、ちょっとコレ多すぎですね」ゴクリ…
明石もドン引きの札束ムーヴ………明石のヤロウ、オイオイオイマジかよこのパッキン、高級車買いに来たのかよ!みたいな顔をしていたが、とりあえず高額紙幣1枚分だけを両替し、カップに入れてネルソンに手渡した…
「それでAdmiral、このコインをどうすれば…?」
「ハッ、こちらのコイン投入口にコインを投入していただくとゲームが開始されます、まずは横のボタンで横移動、縦のボタンでアームが縦移動し、最後にアームが下降して景品を掴むシステムとなっております」
「なるほど…」
陛下が挑むのは日焼けしたピンクが眩しいセ●のクレーン機、NEW UF●キャッチャー!かつて、クレーンゲームと言えばこのUF●キャッチャーを指すと言って過言ではなかった名機中の名機!
現在でも場末のゲームコーナーなどでその姿を見かけることができ、現役で稼働している
「それでは…」
陛下がコインを入れると横ボタンのランプがチカチカと点滅を始める…
現在主力となるクレーンゲーム機にはアームパワーを機械的に設定可能な機種が多いが、このNEW UF●キャッチャーにはそんな機能はない、単純に、アーム内にあるバネの強度とツメの角度だけで景品の取れやすさが決まるシンプルな構造…!
そして本日、陛下がプレイされると言うコトなのでクレーン機全てが剛力MAX調整!並のぬいぐるみ程度なら文句なく掴みとる!!
「あ、とれました!とれましたよ!Nelson!見てください!」
「ほぉ…やる、な!」どんっ!
完璧、まっこと完璧なプラン…
本日、陛下に庶民的ゲームセンターを楽しんで頂くべく徹夜しただけはある
陛下はパチモノくさいネコのぬいぐるみを見事ゲットされるとまるで子供のようにはしゃぎ、その喜びに満ちたロイヤル笑顔を炸裂させていると、俺のアイコンタクトで即座に動いた明石のカスがビニル袋を持ってダッシュしてきた!
「おめでとーございまーす、どうぞ!こちら景品を入れる袋です」
「Thanks a lot、ありがとう」ニコッ
「ハハァ!ありがたき幸せーッ!!」
金の亡者明石も絶対的な高貴の前には頭を垂れるしかないか…
ーーー
「Admiralよ、アレはなんだ?」
「アレ?あぁ、アレはアルマ●ロレーシングなのだよ」
「アルマ●ロ…?レーシング?」
ネルソンのヤローが目をつけた先にあるのはキモいアルマジロ的な看板が目につく謎のゲーム、アルマ●ロレーシング…
「ふむ、コレはどうやって遊ぶのだ?」
「金入れて、そのボールみたいなのコロコロ回してアルマジロ操作するんだよ」
「ほぉ…」
俺の説明に不備はない、だってそーゆーゲームなんだもん
「では、アレはなんだ?」
「ん?あぁ、ありゃ三味線ブラ●ーズだ」
「シャミセン…?」
三味線ブラ●ーズ、今なお大人気でわりとよく見かける太鼓の●人と楽器系を足したようなゲーム機で、ぶっちゃけ人気はまるでない、むしろ買ったら後悔する系のゲーム機で、出回った数そのものも少なく、どちらかと言えばレアなゲーム機である
「ふむ、ではアレはなんだ?」
「あれはテク●ドライブだ」
「どういったゲームなのだ?」
「運転技術を測定するゴキゲンなゲームなのだよ」
…と言うか、明石のヤロー、よくこんなクソみてぇなゲーム機ばっか引き取ってきたな、クソみてぇなラインナップすぎて思わず昨日の夜、セッティング中にクソみてぇを100回は言った気がするのだよ…
ちなみに、明石が引き取った他のクソみてぇなゲーム機には…
バーチャ●ン オラトリオ・タングラム
ニン●ャ アサルト
ス●ルドライブ
パワーシ●ベルに乗ろう!
………ゴキゲンなラインナップだ、まぁ、他にも色々あるんだがとりあえずはキチンと動く
「Admiral、この変なモノはなんだ?」
「変?あぁ、そいつはアームチ●ンプさんだ」
まるでムキムキの腕が筐体から生えたような姿が目を引くマシーン、アームチ●ンプ、言うまでもなく腕相撲マシーンである
「よし!余はコレを、やるっ!」どんっ!
ネルソンは筐体にコインを投入し、一番強いやつを出せ!と言ったので、とりあえず一番強いトラックドライバーみたいなのを選んでやった
「ぐぅぅ!こやつめ、なかなか、やるっ!」どんっ!
ーーー
陛下と余、英国高貴コンビ様は我々の努力の甲斐あり庶民的ゲームセンターを満喫してくれたらしく、プライズ、アーケード、メダルと様々なゲームに触れてはまるで子供のようにハシャぎ、時折楽しそうな笑みを見せてくれた…
「明石よ」
「なんですか?」
「アレが笑顔だ、我々の仕事は笑顔を作る仕事、そうは思わんかね?」
「そうですねぇ、あと、金をジャンジャン落としてくれたらこっちもニッコリ笑顔で二重マルですよ」
まっことクズ!コイツの頭の中には金しかないのか、哀れなヤツよ…
「ってか私、あまり儲かってないんですけど?コレ儲け話って言ってませんでした?」
「バカめ、いや、だからオマエはダメなのだよ」
「ナニがダメなんですか、言っときますけど!コレ全部私の所有物なんですからね!テイトクのでも軍のでもないんですからね!」
「そのオマエの個人的な所有物を軍の、しかもこの俺様が支配する基地の倉庫に大量に持ち込んでいたのは誰だ?」
ギリギリギリギリギリ!(魔のテイトククロー)
「イダァァァァァァァァ!!割れる!割れる割れる割れる!ガンメン割れちゃうゥゥゥゥ!!ギバップ!ギバーップ!!」
明石はオレの負けだーっ!カンベンしてくれー!とペシペシ俺の腕をタップし、俺は明石を床に放り投げた
「バカめ、儲け話は今からだ、いいか明石、キサマにはこの倉庫の一角を正式に貸し、このままこのゲームセンターの運営を続けさせてやろう」
「え?マジですか?」
「マジだ、家賃15万」
「………もうちょい安くなりません?売上の5%とか?」
「舐めてんのかクズが、35%で手を打ってやろう」
「キリよく30で!ね?30!」