【登場人物】
Scirocco(四女)
ついに現れたマエストラーレ級最後の刺客、末っ子です
Sheffield(五女)
Town級軽巡、英国から来た新たなる刺客、モッサリヘアー
Washington(次女)
North Carolina級の2、ハイスクール時代、イキがってアイオワにケンカ売って吐くほど殴られた
竹(次女)
松型の2、雷撃が得意なシャカリキボーイ
冬!その、素敵な季節が提督を行動させた!寒いからと言ってダラダラするのはよくないと考え、朝から長良主将とゲロを吐くまでランニング…ッッ!!
「ゲロ吐くまで走らなくても良くないですか?」
「提督もそう思う、あと、全身が痛い」
年甲斐もなく朝からハッスルマッスルなたった一度の今日と言う日、天気は晴れ、風は北東からの弱い向かい風…面接には絶好の日和と言えるだろう………たぶん
「今日の新人面接は4人です」
「4人か、少ないな…」
「そうですか?わりと普通だと思いますけど」
言われてみるとたしかに、ここ最近と言うか前回が異常だっただけかもしれない気もする…
「まぁいい、面接くれーチャッチャと済ますか、チャッチャと、今日は香取先生とディナーの約束があるのだよ」
「へぇ…」
秘書艦五月雨子は心底興味なさげに相づちを打ちつつ、今日面接予定の人の資料ですとペラい書類を何枚か俺の机に置いた
「ちなみに今回、4人中3人が外国の方です」
「歯止めがきかぬ国際化の波か…」
ウチも随分とインターナショナルになったもんだ、今や助っ人外国人どころか外国艦はチームの主力になりつつあり、ヤマトダマシイ、そしてサムライダマシイは失われつつあるのかもしれない…
ーーー
新人面接四連戦、まず迎えるトップバッターはイタリアから来た合法駆逐艦…
「Buongiorno〜…?あたし、マエストラーレ級駆逐艦?そう、末っ子です」
「ふむ、スエッコくんか…」
これまたまるで私は末っ子です!と自己主張の激しいキラキラネームじゃねーの?なるほど、スエッコくん、俺は改めて履歴書的な書類に目を通し…………ん?
「って!違うじゃねーか!スエッコじゃねーでシロッコじゃねーか!!」
「そうですけど〜?」
このガキ、いきなりこの俺を舐めてくれるじゃねーの?さすがは合法駆逐艦、一級マエストラーレ級四天王最後の一人と言うワケか…
一級マエストラーレ級と言えば数多くのおじさんを法の裁きの下に葬ってきたまさしく一級駆逐艦、マセガキのマエストラーレ、メスガキのグレカーレ、アホガキのリベッチオ……その、一級に並ぶ最後の一人と言うだけはある
これはアレだ、まず最初にビシッと言ってわからせにゃなるめぇ…
「まぁいい、シロッコくん?だったか、まず先に言っておくが俺は逆らう者は女子供にも容赦しない鉄拳の持ち主だ、もしこの基地で俺に逆らえばたとえ子供でもア●ルでイクまでケツにビンタかますからそこら辺はちゃんと理解するよーに…」
「zzz…」スヤァ…
「って!!寝てるよ!!なんなのコイツ!!シロッコくん、シロッコくぅーん?今、面接中!わかる?面接中だかねー?面接中は寝ちゃダメってマンマから教わらなかったかなー?」
俺は椅子に座ったままヨダレを垂らして寝ているシロッコくんの肩をガックンガックン揺らした
「ふあぁぁぁ〜…え〜?ナニ〜…?聞いてま〜す、クールさをなくしたらダンディではなくただのキザ野郎で〜す〜……zzz」スヤァ…
「そんな話してねーよ!なんだよこのガキ!」
は、初めてですよ……この俺をここまでコケにしてくれたおバカさんは…っ!これは面接初日から厳しい躾が必要らしいな
俺は眠っているシロッコくんの両肩を掴んで持ち上げ、必殺のダ●ルニークラッシャーでその健康的なニーを破壊してや……
スルリッ…!!!
「なにぃ!?」
眠っているハズのシロッコくんは俺の拘束をまるでヘビのようにヌルリと抜け、流れるように再び椅子へと戻った
「zzz…」スヤァ…
「こ、コイツ…!!」
これが一級マエストラーレ級!?四天王の実力だと言うのか!!
ーーー
新人面接四連戦、四天王の衝撃に動揺を禁じ得ないまま終了したトップバッターから続く二戦目、次なる刺客は英国から来たROYAL軽巡…
「Town級軽巡洋艦、HMS Sheffield、キミがAdmiral…?ふぅん、キミが?まぁ、よろしくね」
「えー……シェフィールドくん?で間違いないかね?」
「間違いないけど?」
ふむ、今まで英国からの刺客は何人か来たが軽巡と言う枠ではこのシェフィールドくんが初めてだな…
見たところ、モッサリヘアーで真面目そうな娘ではあるが真面目そうだからと言って油断はならない…
「ナニかね?」
「いや、一応、ArkからAdmiralについて事前に話を聞いてたから……なんと言うか、イメージがね」
「それが良い意味なのか悪い意味なのかは聞かないことにしておくのだよ」
「そう?別に悪いコトは言ってなかったよ、まぁ、キミについてはこれから知ればいいと思ってたし」
っーかいきなり馴れ馴れしいなコイツ、キミ?オイオイ、キミと僕はまだお互いに好きな音楽のジャンルすら知らない仲だぜ
「えー……シェフィールドくんは、まぁアレか、なかなかの高性能らしいな、うん」
「まぁね、燃費は良くないケド」
「燃費など大和さんに比べたら神と虫ケラほどの差があるから気にするまでもないのだよ」
「そう?ならいいんだケド…」
「ま、最初は下で徹底的に鍛えてからになるが、シェフィールドくんならすぐに一軍に上がれるだろう、期待しているのだよ」
「期待してくれるんだ?」
「当然だ、ウチは誰がトクベツとかそんなものは無い、この基地に来た以上、俺の傘下に入った以上、みんな大事な俺の家族だからな!」
「ふぅ〜ん、家族ね………」
ーーー
新人面接四連戦も折り返しの後半戦、3人目の刺客は世界最大・最新・最強の国からやって来たMAJORの新たな大砲!!
「North Carolina class. USS Battleship Washingtonです、貴方がテイトク…ってワケか、まぁ、ヨロシクね」
「俺がこの基地絶対支配者で提督様だ、ヨロシク」
過去、何度かMAJORの大砲が来日したコトがあったが……このワシントンもやはりMAJORの例に漏れず、ずいぶんと自己主張するワガママな大砲をお持ちでいらっしゃる…
「ま、座ってどうぞ」
「フゥー…せっかく私が来たのよ?coffeeくらい出ないの?」
「サミー、彼女にティーを淹れてあげたまえ」
「コーヒーですね…」
秘書艦サミー子はぬらりと立ち上がると愛用のコーヒー機材をいそいそと用意し始めた…
「えー…たしかアレかね、ワシントンくんはサウスダコタくんのベスト・フレンドと…」
「は?………誰と?誰が?」ピキッ!パキッ!
「え?違うの?」
「違うわよ、ってかあのバカがここに居るの?ハーッ〜………サイアクっ!ホントサイアク!It feels like being very worst!来るんじゃなかったわ」
オイオイオイオイ、なんっーかえらく険悪みたいだなワシントンくんとサウスダコタくんってのは…
アイオワのヤロー、ナニがワシントンはサウスダコタとはベスト・フレンドだ、テキトーなコト言いやがって…
「まぁいいわ、あのバカづらブン殴って私には勝てないってコトを教えてやるわ」
「オイオイ、同じ基地の仲間同士だ、ケンカは俺の見てないところで頼むぜ」
ワシントン曰く、ワシントンくんとサウスダコタくんはキンダーガーデンの頃からのお互いに目の敵にしている仲らしく、同じハイスクール時代、サウスダコタくんはランチを2回も奢ったコトを自慢げに話すがワシントンくんは13回も奢らされたそうな…
「で、よ!ネイビーに入隊するトキにあのバカ“アタシは海兵隊1のアイアンマンになる!”とか言ってたのよ、バカでしょ?いや、バカなのよ」
「すごいな」
「まったく、あのバカは…」
「なるほど」
「でしょ?ほらやっぱり!貴方もそう思うのね!」
「悪いのは君じゃない」
どんだけサウスダコタの話で盛り上がれるんだよコイツ…………ツンデレかよ、めんどくせぇなコイツと考えていると、秘書艦サミー子がまるで今淹れました!ってぐれーアツアツのコーヒーを持ってきた
「コーヒーです」
「ん?あー………そういや喉渇いたわね、Thanks………って!!マズッッ!!!ナニコレ!?マズッッ!!」
やはりダメだったッッ!!!っーかこの娘、ジョンくん以来、久々にストレートにマズいって言い切りおったわい!!
「今………なんと?」
「マズいって言ったのよ!よくこんなcoffee私に出せたわね!訴訟される覚悟はできてるんでしょうね!」
マズいものをマズいと言える言論の自由…
五月雨は信じられないものを見るような目で沈黙した後、失礼しましたと言ってワシントンくんに頭を下げた…
「ったく、この国にはマトモにcoffee淹れるヤツもいないの?」
「あの………ワシントンくん、そのくらいで…」
「まぁいいわ、そこの青いの、今度私が直々にcoffeeの淹れ方を教えてあげる、いいわね?」
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新人面接四連戦もついに最後の一人……
最後の一人を迎え撃つべくこの執務室で待ち受けるのは本来ならば提督様である俺と秘書艦サミー子だが、サミー子はなんか頭痛がするんで帰りますと言って帰ってしまった…
「よお、お前が提督なんだって?俺が丁型駆逐艦、松型の二番艦、竹。よろしくな!」
「えー………竹くんか、ふむ、ウチに来る前は有限会社アサヒクリーンさんか何かで?」
「すまん、ナニ言ってるかまったくわからねぇ」
たしか竹くんは前回ウチに来た松くんのキョーダイらしいから、もしかしたら前の職場も同じか…?いや、そうでもなけりゃあんなロックなズボンをスタイリッシュに穿きこなすのは難しい…
「まぁいいや、えー…竹くんはアレか、雷撃とか得意な感じなのか?」
「おうよ!自分で言っちゃなんだがメチャ得意だぜ」
「なるほど、だがまぁ……とりあえずは下で徹底的に鍛えてからだな、キミには期待している、励みたまえ」
そう言って俺は席を立つと食器棚からグラスを取り出し、冷蔵庫に入っていた買い置きのバ●リースを注いで竹くんに渡してやった
「あ、悪いなぁ、提督自らったぁ…」
「何、気にすることはないのだよ」
「そーいや提督、秘書艦いねーの?フツーはいるって聞いてるけど、あ!アレだろ?セクハラしすぎて誰もやりたがらねーってヤツだな!」
「違うわい、っーか失礼か」
「じゃなんでいねーんだよ?あ、もしかしてアレか?その机の下でチ●ポしゃぶらせてんのか?」
「女の子がチ●ポとか言うんじゃないよ」
下品なヤローだな、やっぱコイツ、前職はフロントウ●ングなんじゃないのか?
「残念ながら、机の下には誰もいないのだよ、あと、提督は大人でなおかつ巨乳がタイプだから竹くんは安心して構わんよ」
「マジか、ウチのねーちゃんとかじゃダメか?」
「ダメだね、このゲームに登場する人物は全員18歳以上ですと謳ってよーがダメだ、何故なら俺は紳士だからな」
「マジかよ、トシなんか関係ねー女はみんなヤるんだよ!ってワケじゃねーのな」
次回から通常営業ですって