【登場人物】
提督(テイトク)
最近内外で色々と忙しかったり頭痛かったりするせいか、書くのが遅れ気味、今年はもうちょいスピードをあげたいと、そんなふうに考えていた時期が俺にもありました
「えー…皆さん、今回の作戦海域も無事に終えるコトができてー…えー…なんでしたっけ?えー…」
新しい年も始まり、今年最初の全艦集会…
「ひっこめー!オッサンー!」
「カンペ読んでんじゃねーぞオッサン!」
「Booooooooo!!」
自分の基地のハズなのにアウェーな空気全開ブリバリな今日この頃、どいつもこいつも提督様のありがたい話を真面目に聞く気はないと見えるが………だが甘い、たとえブーイングの嵐でも、酒瓶が飛んで来ても提督様の“ロック”は止められない
「やかましいぞクソどもがァ!!まだドラネコの話までいってねーだろーが!!」
「その話をヤメろっーんだよ!」
「いい加減聞き飽きたわ!その話どころかオマエが嫌いになるわボケー!」
まったく、なんたるクズども…っ!まっこと救えぬクズ…っ!屁理屈ばかりこねて大人の話に耳を傾けようとしない餓鬼…っ!
まぁいい、だがそれもロックだ、ロックってのは誰にも止められねぇし止める権利もねぇ、そしてお互いの譲れぬロックがぶつかるのはごくごく自然なコト…
そんなワケで、新年の挨拶も兼ねた提督様のありがたいお話も早々に、俺は舞台袖に待機していた秘書艦サミー子にアレを出しなさいと合図を送った…
「えー………それじゃま、みんな大好きお給料の時間だが〜…今回のMVPチケットランキング、MVPチケット制を導入以来初、助っ人外国人が8割を占める大惨事となった、いいか国産のオマエら?オマエら全員連中に舐められてるってコトをよぉーくその賢いオツムにマッキーで殴り書きしとけよクズども」
運ばれて来たジュラルミンケースから取り出す現金、キャッシュ、マネー…!全ての欲を叶える魔性のチケット!心なしか、いつもより会場内から罵声とブーイングが飛んでいる気がするがまぁ気のせいだろう
「ハイ、では今回のMVPチケットランキング1位は第2、第3ステージと立て続け、まるで不死鳥のように甦りチームの勝利に貢献してくれた響ことヴェールヌイくぅーん、ハイ、みんな拍手ぅ〜」
パチ…パチ……(拍手)
「はい、よく頑張った、感動した!」
「ハラショー、これは信頼できる重さだ」
俺はアツく握手をしてズシリと重みのある現金をヴェールヌイくんに手渡してやった
「ハイ、続いて第2位、航空戦四連戦を見事にシャットアウトしてくれたMAJORの、いや、世界一の高さ!アトランタくぅ〜ん、ハイ、みんな拍手ぅ〜」
「アタシ?へぇ、こんなにくれるんだ…」
俺は壇上に上がって来たアトランタくんのスベスベのお手をアツく握り、よく頑張った!とその健闘を讃えたが、正直、アトランタくんのギガサイズおっぱいにしか目がいかなかったので俺はアトランタくんの健闘を讃えたのかパイオツを讃えたのかよくわからない…
ただ、アトランタくんは最初から最後まで舌打ちしかしなかったし、後で手をアルコール除菌していた
「ハイ、続いて3位、強敵であるキャンサーの姫級を見事撃破してくれたジャーヴィーくんですが、えー…ジャーヴィーくんはお尻が痛くて、え?お腹?あ、ハイ、お腹が痛くて本日は欠席してるそうなので代理で妹の天パに?オイ、天パ」
「天パじゃナイ!Janus!!」
ジャーヴィーくんの妹で今回はジャーヴィーくんと共にまぁまぁの活躍を見せた愛くるしい外見を持つ金髪強烈パーマの子、ジェーナスくん
ジェーナスくんはブツクサ文句を言いつつも壇上に上がってお給料を受け取る…
「うえっ!?こんなに!?」
「頑張った子には頑張りに対する正当な報酬を得る、不思議かね?」
「や、不思議と言うか……いつもチャンランポランでJervisシュミ悪いなって思ってたケド、変なトコ真面目なのね」
「失礼だな、キミは」
そんなワケで、お給料の時間は粛々と続き、最終的にジュラミンケースに残った額は550円…
「最下位、白露」
「なんでッ!?」
「なんでもクソもあるかボケ、自分の胸に聞いてみろや、いや、なんなら提督様が直々にお前の胸に聞いてやってもいいぞ」
「ヒィ!!へ、ヘンタイ!ヘンタイ!」
こうして、昨年末から続いてた作戦海域における儀式の全ては終わり、ここから少年漫画特有のバトル編が終わった後の宴だー!へと自然な流れで移行するのが当基地の流儀
今回も福利厚生費で用意したささやかな料理と酒が…
「ヒャッハー!水だー!」
「アレ?この水、美味くね?なんっーか気品があるっーか?」
「ホントだ!メチャうめー!っーか涙が止まらねぇ!!」
「大淀ォ!オマエなんかスゲー涙出てるぞォ!眼球がしぼんでるぞそれェェェ!!」
まったく相変わらず揃いも揃ってクズどもめが、酒、料理、女、どいつもこいつも欲にまみれておるわい
「さて…」
そんなクズどもは放っておいて、俺も適当なオカズでも選んで隅っこで食べるとするか…
今日の気分としてまずはジューシィなカラアゲとかがいいな、うん、肉汁が溢れる明石ファーム産の鳥…
「あ、テイトクさんだ」
「ホントだ、テイトクだ…って阿賀野姉ぇ、カラアゲとりすぎ」
「オマエらは…」
たしか自称最新鋭軽巡の阿賀野姉妹……軽巡にしては完成された駄肉感を持ち、それでいていやらしさと清純さを併せ持つキセキの姉妹…
「よぉ、相変わらずゲロマブじゃねーの?誘ってんのか?」
「誘ってませーん、あ、テイトクさんカラアゲないの?阿賀野のカラアゲ1個あげーよか?」
「1個と言わず5個くれ」
「イヤでーす」
このメスブタ、その皿に20個以上確保しておきながらなんと言うケチくささ…まったく、乳臭さの抜けんやつめ
「ちなみにオマエらだけか?矢矧ちゃんと酒匂はどうした?」
「矢矧ちゃんなら大和さんのパシリやってる」
「酒匂ならバヤ●ースにストロー刺してボコボコやってたわ」
「ナニそれ超楽しそう!阿賀野もやろーっと」
「やめて、阿賀野姉ぇ、やめて」
妹の心からの気持ちが通じたのか、バカ姉は、じょ…冗談だよぉ〜…と冷や汗を流していたのは俺じゃなきゃ見逃していただろう
ーーー
宴に騒ぐ体育館をそろりと脱出し、まずは一服…
キンッ!!シュボッ!!ジジジ……(タバコ)
「フーッ〜………」
俺はあと、何回イ級を殺せば許されるのだろうか?軍人たるもの一人十殺、いや、一人十助だったっけか?
「そこ、喫煙所じゃないですよ」
「バカ言ってんじゃないよこの子は、この広い大地はでっかい灰皿さ」
そんなつまらないコトを考えつつケムリを吸って吐いてをしていると、このクソ寒いのに寒色系の青髪ロング子が小皿にロールケーキらしきものを載せてぬらりとやって来た…
「何がでっかい灰皿ですか、あ、そうそう、明日は新しく配属される人の面接なのでその汚い制服じゃないでクリーニング済みのキレイな制服でお願いします、あと靴も、安全靴じゃないで革靴で」
「バカ言うんじゃないよこの子は、安全靴じゃなかったらいざと言う時に蹴り殺せないだろーが」
「自分の基地の中でいざの事態が起きるワケが………いえ、まぁ、ありますか」
「だろぉ?やっぱ俺が正しい、カッカッカ」
「イラっとします」
次回は新人面接回
きらめく4つの超新星!