不健全鎮守府   作:犬魚

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あけましておめでとうございます
今年も秋雲先生は本物の“男”を描き続けます、ジャ●プが読めるのは秋雲先生だけ!

【登場人物】

提督(S)
メガネ男子、データ以上もデータ通りです

五月雨(S)
駆逐艦、アイ●ナが終わってガッカリした

由良さん(S)
軽巡、鬼怒と阿武隈からカツアゲした金で食うトンカツ美味しい


提督と謹賀新年Ⅴ

「あけましてオメデトウ」ペコォ

 

「おめでとうございます」

 

この執務室でこのやりとりをしてもう何年になるか、思えば遠くへ来たものだ、軍に入隊し、兵学校での日々…そしてこの場末感溢れる地方への配属、魔王バ●モスを討伐せよとクソみてぇな金を受け取り、クソみてぇな酒場でクソみてぇな仲間を集めざるをえなかった勇者とはこんな気持ちだったのかと言葉ではなく心で理解したあの日…

俺、サミー子、そして由良さんの3人で共にこの光溢れる世界を魔王の脅威から救うのだと誓ったものだ…

 

「ほれ」

 

俺は財布からスタイリッシュに紙幣を取り出し、サミー子に手渡した

 

「とうとう茶封筒ですら無くなりましたか…」

 

「うるせぇな、オマエもペェペェにしてやろうか?」

 

「私、現金主義なんで」

 

そう言って五月雨は手渡された紙幣を長財布にしまいしまいすると、とりあえず新年一発目だしお茶でも飲みますか?と尋ねてきたので、俺はアツいお茶を頼んだ…

 

「フゥ…」

 

「そろそろですかね?」

 

「ナニがだ?」

 

「いや、新年一発目ですし、自称メインヒロイン(笑)さんがお年玉貰いにきましたよぉ〜…とか言いながら来るかと…」

 

「オマエなにげにヒドいよな」

 

(笑)はヒドいだろ、(笑)は、アイツはアイツなりに自分のロードを、自分だけのメインヒロイン道を目指して頑張り、努力をしている事に関してだけは評価している

もし仮に、アイツが“ビッチ”でなければ、あのオトコを惑わす気安さとスケベボディは強靭な理性と精神力持つ俺でも危うかったかもしれぬ…

 

ゴン!ゴン!(ノックしてもしもし)

 

「む…?」

 

噂をすればなんとやらか……執務室の重厚な扉を叩く音、しかし残念ながらこの執務室の扉はたとえ大戦艦級が命と小●宙(コ●モ)を極限まで燃やしても決して開くコトは…

 

ドガァン!!!(全力キック)

 

「あーぁ、壊れちゃった、このドア、材料腐ってたんじゃない?ね?」

 

「ゲ、ゲェーッ!!お、オマエはーッ!」

 

「由良さんじゃないですか、珍しい…」

 

執務室の重厚な扉を破壊し、現れたのは鈴谷………ではなく、由良ッッッ!!力と破壊を司る軽巡!!提督の骨が砕ける音だけでは飽き足らず、心の砕ける音はもっと好き❤︎と笑顔でサド発言ができる長良姉妹でもっとも危険なサディスティック軽巡!由良ッッッ!!

 

「…なんだ、正月から?」

 

「由良が新年の挨拶に来ちゃダメなわけ?」

 

「新年の挨拶…?由良さんが?」

 

「そっ、新年の挨拶」

 

何を考えている?コイツ……いや、たぶん何も考えてないな、由良さんは基本的に物事を深く考えず、今日は良い天気だな〜……だから殺す、と考えに至る生粋の破壊者、一日たりとも他者を殺傷せずにはいられない殺意の塊だ

 

「新年の挨拶か、ふむ……あけましてオメデトウ」

 

「おめでと、あと五月雨も、相変わらず髪長いね?ティ●テの無駄遣いじゃない?ね?」

 

「おめでとうございます、あと、髪の長さは由良さんには言われたくないです」

 

由良さんはお客様ソファーに座り、サミーになんか飲み物ない?と飲み物を要求すると、サミーは冷蔵庫からバヤ●ースのペットボトルと棚からグラスを取り出して由良さんの前に置いた

 

「ありがと、あと、由良バヤ●ース嫌いだからファ●タオレンジにして」

 

「バヤ●ースしかありません、ゴチャゴチャ言うなら自販機コーナーで買って来てください」

 

「は?」ピキッ!

 

「なんですか?」パキッ!

 

「オイオイオイオイオィィィィ!!ケンカすんな!なぁ?な?新年一発目からケンカすんな、な?ほら!なか●し!◯!なか●し!Love & Peaceな!」

 

コイツら……マジで仲悪いな、マジで

思えばコイツらも同期みたいなもんなんだからもうちょい仲良くても良さそうだか、なんか知らんがいつの頃からかコイツらはやたらと険悪になった…

 

「はぁ?別に由良、サミー子と仲悪くないけど?」

 

「私も由良さんのコト嫌いじゃないですよ?」

 

「そう見えねぇから言ってんだよクズどもが、だいたいなんだオマエらは?昔はあんなに仲良かったじゃないか?1個のパンを分け合い、1杯のスープを分け合っていたじゃないか?」

 

「そうだっけ?」

 

「そうですよ、私、由良さんと飲んだスープの温かさを覚えてますし」

 

そうだ、まだ我が基地が貧弱だった頃……俺たちは基地と言う名のあばら家で身を寄せ合って雨露を凌ぎ、生きる為には殺人以外はなんだってやったものだ

 

ママとの出会い、高雄と愛宕(ツー●ン・アーミー)、そして妙高姉妹(ミッドナ●と・キング)との死闘……金剛との大威震●連制覇、数多の強敵との戦いを経てチームはどんどん大きくなった…

 

「提督さん」

 

「なんだ?」

 

「ラーメン食べに行かない?ね?」

 

「ラーメンか、悪くないな」

 

そう言えば最近食ってないな、新年のこの時期だ、おせちもいいけどカレーもね、ね?の定番フレーズと互角ぐらいにアツアツのトンコツラーメンを食いたくなるのもまた、キュウシュウ男児としてあまりにも必然…

 

「よかろう、その誘い、乗ってやる」

 

「なんで上から目線かな、ま、いいケド…サミーも行く?提督さんの車、2人乗りだけど?」

 

「由良さんのそーゆートコにイラっときます」




次回はイベント海域第三ステージ、戦慄!キング・クラブの力!!

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