不健全鎮守府   作:犬魚

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人気漫画家を目指すアツい執筆カツドウ回

【登場人物】

秋雲(2)
尊敬する漫画家は本宮ひ●志、今風のキャッチーな絵も描けない事はないが、本心では学ランが描きたい

提督(34)
好きなバスターはアルティメット阿●羅バスター

鈴谷(13)
腹筋はまるでマシュマロンのようにやわらかい


提督と秋雲とまんが道

『うおおおぉぉぉ!!死んだらんかいこのクサレ外道がーッ!』

 

『おんどれぇ!このクソガキャ!生きてマウンド降りられる思うなよダボハゼがァー!』

 

『これがワシの孫一ボールじゃあ!!』

 

秋雲の新作、アツいベースボール漫画“なんと孫一”

軍と言うヤバい組織から一刻も早く足を洗い、憧れのジ●ンプでの連載を目指すハードコア少年漫画、執筆中はいつも満開、秋雲先生…

 

「てぇへんだ!てぇへんだー!」

 

重厚な鋼の扉を開き、焦った様子の秋雲が執務室へ入って来た

 

「まったく…部屋に入る前にはノックしたまえ、もし私が自慰行為をしていたら気まずいだろう?」

 

「てぇへんなんです!提督!コレ!コレを見て下さい!」

 

「何が手へんのなのかね…」

 

秋雲が持って来たのは俺も愛読する週刊誌、最近こ●亀も終了し、あのビスマルクさんもこ●亀が載ってないなんて少し寂しいわねと言っていたな

 

「この読切なんすけど、私が投稿を始めたのと同じぐらいに投稿しだした新人なんです」

 

「ふ~ん、ライバルってヤツか?」

 

「まぁ、向こうはどう思ってたかは知らないですけど」

 

ふ~ん…団地妻エージか、なるほど、秋雲の無駄に濃い漫画と違い今風の絵でありながら次のページが気になるストーリーだな

 

「クソッ!団地妻エージめ!こんな屈辱は生まれて初めてっすよ!」

 

「まぁ、こっちの方が普通に面白いしな」

 

「この秋雲!負けてられないっすよ」

 

「その意気や良し、熱意や良し」

 

まぁ、絵だけは上手いからな、コイツ…

ストーリーがちょっとアレなだけで、そうだ

 

「秋雲」

 

「なんすか?」

 

「誰かに原作書いて貰ったらどうだ」

 

「…原作すか?」

 

「あぁ、お前とりあえず絵は上手いから優秀な原作者と組めば連載待ったなしだよ」

 

「マジすか?」

 

「マジマジ、ほらアレだよ?色んな大ヒット漫画だって結構作画と原作別れてたりするしな、お前の躍動感溢れる作画を生かせる原作があったらそりゃもうアレだ、無敵だよ無敵、幼妻エージだか人妻エージだか知らねーが即打ち切りコースに追い込めるね」

 

「たしかに……恥ずかしながらこの秋雲、我ながらストーリーはちょっと苦手なんじゃないかなと考えていました!」

 

「だろ?よし、じゃ原作探せ、原作!」

 

「しかし提督、原作者を探せと言われてもどう探せば…」

 

言ってみたものの、作画を探すのとは違い、原作を探すのはなかなか難しいな…

 

「とりあえずアレじゃねぇの?作文とか上手いヤツじゃねぇの?たぶん」

 

「作文すか…今からみんなに書いて貰うのはさすがに時間がないし、むしろ頼み辛いものがあるっすね」

 

「そうだな………あ、こないだ夏休みの宿題で読書感想文あったろ?アレだよアレ、アレ見たらいいんじゃね?」

 

「なるほど!さすが提督!キレてるっす!スーパードライみたいっす!」

 

「だろォ?」

 

「ちなみに、その作文はどこにあるんすか?」

 

「たぶん、香取先生か鹿島先生が持ってると思うが…オイ、サミー、先生はどちらへ?」

 

「…先生達なら今日はイ●ンモールに買い物に行くって言ってましたよ」

 

「だそうだ、秋雲くん」

 

「間が悪いっすね」

 

そうか、先生方は今日は休みだったな、言われてみると朝、香取先生がたこ焼き買って来ますねと言っていたな

 

「よし、希望が見えたところでジュースでも買いに行くか!」

 

「マジすか?奢りすか?」

 

「サミーも何か飲むか?」

 

「じゃ、オレンジジュースで」

 

自販機でジュースを買い、ついでに喫煙所で煙草を吸うかと考え、重厚な鋼の扉を開いて外に出たその時、何かが足にぶつかった

 

「痛いッ!」

 

「ハラショー」

 

暁ちゃんとハラショーがアイスを持って歩いていたらしく、残念ながら暁ちゃんのアイスは衝撃で落ちてしまった

 

「あ、あぁぁあ!暁のアイスがァ!!」

 

「悪いな暁ちゃん、俺のズボンがアイスを食っちまった、次は5段のを買うといい」

 

俺とした事が…ここは紳士的に金で解決しよう

 

「あ…ありがとう提督!」

 

「ハラショー、コイツは力を感じる」

 

良かった良かった、しかし…俺にアイスをぶつけるとは、大した覇気だ

 

◆◆◆

 

後日…

 

「痛ッ!!あ、鈴谷のアイスがーッ!」

 

ふふ~ん♪鈴谷知ってるよ!提督はもっと高いやつ買いなさいってお金出してくれるって!鈴谷たまたま見てたからね!

 

「このクサレビッチがァ!!」

 

ドゴンッ!(腹パン)

 

「おごぉ!!」

 

「俺のズボンが汚れたろーがァ!クリーニング代出さんかいダボハゼがァ!」

 

「な゛……なんで?す…鈴谷に対して……きびしすぎ……る!オヴェェェェ」

 


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