不健全鎮守府   作:犬魚

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本年もクソお世話になりましたァ!!
年末ワイドスペシャル(たぶん)

【登場人物】

提督(ストロングスタイル)
鬼畜眼鏡系ドS上司、幽霊?そんなものは存在しない

夕張(科学の子)
ドリルがあれば前へ進める

Atlanta(死神)
Atlantaさん、だろーが、クソが


提督とそれいけ科学調査隊2020‐真紅の中年伝説‐

新型ウィルスが列島だけではなく世界を席巻した激動の2020も終わるたった一度の今日と言う日…

今年も本当に色々あったと頭痛と腰痛に悩み反吐を吐き捨てたが終わってみれば光陰矢の如し、人生とは虚しいものだ…

 

「そう思わんかね?サミルトン」

 

「何がですか?あと、五月雨です」

 

五月雨は解いていたクロスワードパズルの手を止め、コーヒーでも飲みますか?とコーヒーを勧めてきたので、俺は“紅茶にしてくれ、ブランデーをたっぷりでね”と懇切丁寧に断った

 

「あぁ、そうそう、そう言えば最近、深夜の重巡寮で“出る”って噂なんですが…」

 

「へぇ、熊でも出没るのか?そいつぁきっと球磨ねーちゃんだな、もし運悪く出逢っちまったら視線を合わせないようにしてゆっくりと死んだふりするしかねぇよ」

 

「いえ、球磨ねーさんではなく半透明の霊的なも…」

 

「あー!ココ汚れてるぅー!メチャメチャ汚れてるよコレ!シミになっちゃってるよコレー!」

 

今年の汚れ、今年の内にってヤツだな!こりゃ明日までかかるな!まったく、忙しすぎて他のコトをやる余裕なんかないのだよ

 

「…はぁ、相変わらずビビりくんですね」

 

「誰がビビりくんだ、俺はオマエ以上にトクベツだ」

 

「そうですか、じゃ、今日の夜、重巡寮の見廻りをお願いしますね」

 

「やだよメンドくさい、とりあえず重巡寮にコモドドラゴンでも放っときゃ警備はバッチリだろ」

 

「コモドドラゴンだと相手が霊的なものだと対処できないじゃないですか」

 

「提督にも霊的なものは対処できねぇよ」

 

いくら俺のスネークバ●トが疾くて強かろうが物理的に掴めない相手にはあまりにも無意味、敵本体を叩かなければ勝ち目はない

 

「大丈夫です、そこら辺はちゃんと考えて今回も一人で行くとあまりの恐怖におしっこ漏らしちゃうビビり提督の為に頼もしいメンバーに声をかけています」

 

「誰が恐怖のあまり漏らすだ、俺が小便をするのは男性用便器か肉便器のナカだけだ」

 

「ちなみに、夜が早い私は今回も同行しません」

 

「知ってるよ、オマエ結構寝るの早いよな」

 

「どんなに遅くとも23:00には寝るの心がけてますから」

 

健康優良児か…ッ!ま、まぁ、コイツなんやかんや言っても駆逐艦だしな、寝る子は育つとは言うが……まったく育つ気配を感じられないのもまた一興、1つ下の妹はあんなにドスケベに育っていると言うに…

 

「まぁ、毎日の牛乳やミロだけではどうしようもない事はある、励みたまえ」

 

「イラっとします」

 

何故エールを送った俺がイラっとされるのか…?グゥゥゥム、やはり若い娘は気難しくていかんな

 

◆◆◆

 

深夜2:00、草木も眠るUSHIMITSU-DOKI…

このあまりに暗く、不気味な時間帯は古来より魔が、邪が、悪鬼が、物の怪の類が、そんな魔が大挙して続々と這い出て殺しに来る時間…っ、

 

「よし、異常なし、帰るぞ」

 

そんな殺戮の饗宴とも言える時間に、重巡寮へと見廻りにやって来た俺、そして今回もこの科学調査隊のメンバーとしてやって来た霊的なものなど全てトリックと断じる科学の申し子、夕張…

 

「まだ寮の中に入ってないじゃないですか…」

 

「入らなくてもわかる、ここは安全だ」

 

そう、この重巡寮こと“さわやか寮”には艦娘最高峰の12人の重巡が居るのだ、かつて神話の時代よりただ一人として突破した事がないと言われる聖域、黄金重巡寮…

 

「もしかしてビビってるの?バカじゃない?Pen●sついてんの?」

 

「ついとるわい、っーか口悪いなキミ」

 

そして、今回科学調査隊の新メンバーとして加わってくれたMAJOR出身のスーパーボイン、アトランタくん…

口は悪いがその圧倒的な対空力とパイオツはまさにワールドクラス、日本最高峰の高さを誇る秋月姉妹を軽がると凌駕するその実力は瞬く間に一軍レギュラーとしてチームに定着し、数々の海軍将校から“Atlantaがあと5人は欲しい”と言わしめるまである…

 

「ハァ…ってかメンドくさ、アタシ帰っていい?」

 

「ダメだ、ちゃんと前金払っただろ」

 

「ハイハイ、冗談よ、ジョーダン」

 

そしてこの口が悪くて態度が悪いアトランタくん、アホの夕立と可愛い暁ちゃんに懐かれているらしく、最近ではM.S.P、MAD SOLOMON PARTYなるユニットで各地のディビジョンバトルを荒らし回っているらしい

 

「まぁまぁテイトクもアトランタさんも、大丈夫ですよ、例えナニがあったとしても私とコレがあれば大丈夫、そう、この………ドリルがね!」ドヤァ!

 

「だからオマエ、それオマエのケツ以外衝いたコトねーだろ!」

 

夕張の背負ったバックパックから伸びるフレキシブルアームの先端に装着されたドリル、まっこと雄々しきそのドリル!

 

「ちなみに今回はドリルアームを4本に増やしました、ドリルさえ外せば対阿修羅バ●ター用マシンとして流用できます」

 

「どこにアシ●ラマンがいるんだよ…」

 

たしか去年は2本アームで挑戦し、1本は夕張を衝き、もう1本はコロちゃんのア●ルをぴぎぃ!したっけか…

あの時のコロちゃんの突然の痛みと衝撃と絶望に彩られた顔は最高に抜けたな、今でも定期的にオカズにしているのだよ

 

「おっと…我慢我慢❤︎」ズキイィィィン!

 

「うわ……なんで勃ってんの?気持ち悪っ、近寄らないでくれる?シッ!シッ!」

 

バシッ!!バシッ!!(フリッカージャブ)

 

「痛いっ!?地味に痛い!!」

 

ヒットマンスタイルから繰り出されるフリッカー!しかもなんて長いリーチだ、これがワールドクラスの対空性能ってヤツか…

 

ーーー

 

とりあえず、黄金重巡寮に足を踏み入れた俺達科学調査隊…

まず、ここから一番近いのは古鷹さんの部屋か…

 

「よし、まずは古鷹が眠っているのを確認してからパンツをズラして挿入れるぞ」

 

「ナニ言ってるんですか……っと、ちょっと待ってくださいね」

 

夕張はいつもの戦闘民族が使う戦闘力を測るアレみたいなのを装着し、この近くに霊圧はないようですねと呟いた

 

「へぇ、そんなのでワカるんだ?」

 

「えぇ、私が開発した霊圧スカ●ターくんです、コレさえあればどんな霊的なものでも逃しませんよ」

 

「ふ〜ん」

 

夕張の説明を心底どうでもよさげに聞き流し鼻歌交じりに廊下を歩くアトランタくん、もしかして彼女、幽霊だのゴーストだのにまったくビビってないのだろうか?

 

「アトランタくんはアレかね?なんかこう、ほら、アレだ、ゴースト的なものは信じないタチかね?」

 

「そうだね、見たコトないし、むしろ死んでるヤツより銃とかナイフ持ってるヤツの方がよっぽど怖いよ」

 

「なるほど」

 

「だいたい、アタシの生まれ育った街にghostなんかいたならもうとっくに定員オーバー、地下鉄の線路の上までびっしりよ」

 

ま、税金払わず地下鉄乗り放題ならゴーストになるのも悪くないわね、と小粋なアメリカンジョークで嗤うアトランタくんだがその顔はちょっと寂しそうだったのを俺じゃなきゃ見逃していただろう

 

「むっ…!」

 

と、夕張の霊圧スカ●ターが何か反応したらしくピピッと音が鳴った!

 

「どうした?」

 

「反応がありました!上、二階ですね、これは」

 

俺は何か武器になるものをと廊下の側に置いてあった消火器を手に取った

 

「よし!全員消火器は持ったな!行くぞォ!」

 

「よしきたぁ!!今度こそ私のドリルで極楽にぃ!イカせてあげますよぉ!」

 

俺たちはとりあえず重巡寮内の階段へと走り、そのまま一気に二階へと駆け上がった………!!

 

「ハァ…ハァ…!」

 

「ハァ、あの…テイトク」

 

………駆け上がった、が!!

 

「なんだ?ハァ…」

 

「いや、この階段、なんか長くないですか?」

 

「たしかに…」

 

…長い、異様に長い気がする、どう考えても一階から二階の距離以上に走ったぞ

 

「フーッ〜……や、普通におかしいでしょ?なんなのコレ?実はescalator?」

 

「バカな…っ!重巡寮にそんな設備はないのだよ!」

 

だ…だが、たしかにおかしい!まるで俺たちは迷路にでも迷い込んでしまったかのような感覚、ま、まさか…!アナザーディメンシ●ンか!?

 

「夕張、アトランタくん、俺たちの相手はどうやらとんでもないヤツのようだぜ」

 

「クッ!いくら上っても階段と言うのなら……このドリルで風穴を開けてやりますよォ!」

 

夕張は背中に背負ったバックパックから4本のドリルアームを展開すると、壁に向かってドリルをドリドリし始めたッ!!

 

ガコォ!!(粉☆砕)

 

「あ、開きましたよ!穴!」

 

「マジかオマエ、ドリルもたまには役に立つなオイ」

 

「よっしゃー!!このドリルで串刺しにして内臓グチャグチャに掻き回してミンチにしてやりますよォー!」

 

そう言って夕張はドリルで開けた穴に、目覚めよ!第八感とか言いながら飛び込み………

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーっ!!」

 

「夕張ィィィィィィィィ!!!」

 

四次元みたいな空間に飛び込んだ夕張はグルグル回りながら何処かへ消えて行った…

 

「あーぁ、アイツ死んだわね」

 

「ドライ!アトランタくん、仲間の死にドライすぎんかね!?」

 

「さぁ?ま、dryじゃなきゃやってられなかったからね」

 

「あ、そう…」

 

 

こうして、夕張の尊い犠牲の甲斐あり?俺たちはとりあえず上って来た階段を下りてみようと下りてみると普通に一階に降りれた…

 

結果的に、重巡寮の謎は解けなかったが、まぁ…特に害はないと思うのでこれで良しとしようと結論付け、俺とアトランタくんは夜明けのコーヒーでも飲みに行くかと自販機コーナーへと向かったのだったッッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

【???】

 

「クッ…!私のアナザーディメンシ●ンから脱出するとは…ッ!」

 

もうやめなさい邪悪な私、そこまでして提督の座を欲するのですか?

 

「えぇい!黙りなさい黙りなさい!今まで私がこの海上の愛と平和を守ってきたのよ!それをあのメガネ、次期提督には長門さんをと………納得できるものかーっ!」

 

ダァン!!(机ダァン!)

 

「うるさいぞ大和!!夜中にデカい声で叫ぶな!」

 

「あ、ごめんなさい武蔵」

 

「ったく、邁進もほどほどにしとけよ…じゃ、おやすみ」






 
←To Be Continued

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