【登場人物】
重巡棲姫(ブルー)
いつものかませ犬と思いきや今回は意外なタフネスぶりを発揮したタフネスモンスター
革命軍(露)
本当に必要な場面は次のステージだった事を、あの時ボクらは知らなかった
熱戦のバレンツ海頂上決戦、最強軍団ドイツ海軍 VS 深海北極海方面艦隊遊撃隊!!
“われらドイツの傘下にくだることにヤアかナインか!?”
序盤、ドイツが誇る最強戦艦ビスマルク率いる軍団の強大な力の前に圧倒されていた深海北極海軍だったが、追い詰められれば追い詰められるほどその力を増していき、ビスマルクの右腕と名高い恥将、プリンツ・オイゲンを撃破!ついに、大将ビスマルクを引きずり出すことに成功したッ!!
『ウオオオオオォォォォ!!ぷりんつ・おいげん!オレト一緒ニ十万億土ノ彼方トヤラニイッテモラウゼーッ!』
「な、なにぃ!キサマ!みずから
『ツ級!バ、バカナー!!』
『ア、アイツハ自分ノ生命ト引キ換エニシテマデ…!』
『振リ返ルナ、ヤツモマタ命ヲ賭ケテコノ青イ海ヲ護ル戦士…』
ツ級、最後まで男らしく戦ったぞ………
深海北極軍の仲間達にアツい魂とその意思を残した軽巡ツ級との別れ、その意思は、たしかに仲間達に伝わったのだ…
「オイゲン、デカい口を叩いた上に私に恥をかかせるとはね…」
デカい口叩いた上に無様に敗北したプリンツに失望を隠すつもりはない、ビスマルクは腕を組んだまま重苦しくため息を吐いた…
「まぁいいわ、重巡棲姫だったかしら?どうやらオイゲンを倒すだけの実力があるのは認めるわ」
「や、オイゲンはツ級に負けたんじゃ…」ヒソヒソ
「レーベ、しっ!」ヒソヒソ
レーベの冷静で的確なツッコミを止めたマックスは下手なコト言うものじゃないわと空気を読んだ
「フッ、やはり私が直接アナタ達に引導を渡すコトになったようね」
豪奢な黄金の髪を掻き上げ、自信に満ちた足取りで歩き出す、ついに!ドイツ最強の戦艦ビスマルクが戦場に立つ時が来たッッ!!
………がッ!!
「フッ、その戦い、待って貰おうかーッ!」
◆◆◆
歳末も忙しいゴキゲンな執務室…
「…ナニやってんだアイツら?」
「ナニって、自分が編成組んで送り出したんじゃないですか」
執務室のテレビで見る現場からの中継、現場は水ものとはよく言ったものだが……そういや出したっけか、革命軍
今までどこに隠れていたのか?第二艦隊か?
「あの強さと美しさと気高さを兼ね備えたビスマルクさんがやる気を出していると言うに……ヤツらめ、まさか余計な真似をしようとするつもりか?」
「余計な真似って…」
プリンツのクソが無様に敗れ去り、実に胸が空く思いだったのも束の間、現れた革命軍がビスマルクさんにここは我々に任せて貰おうかー!と、まるでかませ犬のように前に出ていた
「まぁいい、所詮ヤツらなど二流、これ以上の恥の上塗り、ビスマルクさんが許すとは思えん」
「そうですかね?」
「ほら見てみろ、揉めてるだろ?」
「あー…揉めてますねコレは」
現場からの中継を見るに、あきらかに揉めている、ビスマルクさんとガングートのアホンダラがあきらかに言い争っている、あ、殴られた
「あーぁ、どうするんですか?コレ?」
「チッ、仕方ねぇな……オイ、電話だ電話だ、現場に繋げ」
◆◆◆
『オイ、アイツラ揉メテルゾ』
『仲悪インジャネーノ?』
深海北極海軍からも心配される緊急事態発生に、とりあえず様子を見て考えると結論を出した重巡棲姫…
そして…
「ハラショー、待たせたね」
『オ、オウ!』
途中、何度か殴り合っていたようだが結論は出たらしく、なにやら生白い駆逐艦みたいなのが前に出て来た…
「色々話し合った結果、まずは私が行くコトになったよ」
『フン、駆逐艦風情ガ…!キサマモヤクニタタナイガラクタニシテクレルワーッ!』
「それはどうかな?」
あれだけ揉めて、出てきたのは駆逐艦……舐められたものだな!!と軽く怒りを覚えた重巡棲姫は対峙する駆逐艦、ヴェールヌイに殴りかかったが、鋭いカウンターで殴り返された
『ブベラ…ッ!?ッッッ、ヘッ……へへへへ、大シタコトネェゼ』
なんてことない軽い拳、この程度のパンチではこの重巡棲姫怒りの重装甲を貫くなど不可能!まずはキサマから血祭りに上げてくれるわー!と勢い良く飛び出し、ヴェールヌイをボコボコに痛めつける!!
『オラァ!!バカメ!ヤクタタズドモメ!オラッ!シズンデシマエー!!』
ドゴッ!!ドゴッ!ドゴッ!(重巡キック)
どうだー!!このド畜生め!どうだー!思い知れ!思い知れー!!思い知……
『ハッ…!?』
今まさに、いや、たしかにあの駆逐艦に蹴りを入れていた…しかし何か感じる奇妙な違和、そう…たしか勝っているのは自分である、だが………
自分の足元に転がっているその姿は…ッ!!
『バ、バカナー!!ワ、私自身ダトー!!私ガ、私ヲ蹴リ殺シテイタト言ウノカーッ!!!』
ーーー
『ハッ!?』
「ハラショー、ただの幻覚だよ」
膝をついていたのは重巡棲姫!その姿に、深海北極海軍の仲間達は彼女にいったい何が起きたのか理解できなかったが、革命軍の仲間達は全てを理解していた…
「フッ、同志ちっこいののハラショー幻魔拳は相手の精神をズタズタにする魔拳」
「へぇ、アレがそうなのかい?」
「フッ、我々はヤツが敵でなかったコトを神に感謝しなければなるまい」
ハラショー幻魔拳をマトモに受けたならば精神がズタズタにされ廃人になることは必至、しかし…ッ!!重巡棲姫はその魔拳にもなんとか耐え抜き、再び立ち上がった!
「ハラショー、次は幻覚じゃ済まないよ」
『ウオッ!ナ…ナンダ!!コイツカラ感ジルコノ攻撃的
カッ!!!!!
『ヴェアアアアアアアァァァァァァァァーッ!!』
ヴェールヌイが突き出した掌と同時に宙を舞った重巡棲姫はきりもみ回転しつつ頭から海面にグシャア!とワリとエグい音で叩きつけられ、動かなくなった…
『………』死ーン
「ハラショー、地獄でキョーダイ達に詫びるんだね」
こうして、バレンツ海海戦は終わった………しかし、不死鳥はたった一握りの艤装の灰さえあれば何度でも甦るのだ、闘争こそ本性!煉獄こそ故郷!紅蓮の炎で身体を冷や、不死鳥は歩む、修羅の道を!!