不健全鎮守府   作:犬魚

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忙しすぎと言うワケではないけど、どうにも集中できない昨今、ペースが落ち気味ですって…

あと、E2でドイツ艦とロシア艦とゴトランドさんを使い切った事は後で死ぬほど後悔した

【登場人物】

重巡棲姫(ヴェアー!)
通称かませ犬の重巡棲姫、深海メイトの仲間達からはわりと慕われている



バレンツ海海戦①

第1ステージ、チームは地中海マルタ島戦を制し続く第2ステージ、バレンツ海…

 

『ゲェーッ!ア、アノ代紋ハーッ!』

 

『マ、マサカ、マサカーッ!!』

 

世界最高峰の科学力とカリスマ性溢れる最強集団!ドイツJr.ーッ!!

 

ーーー

 

そろそろ辛いものは控えようと考えつつある今日この頃、第2ステージへ駒を進めた我々の前に立ち塞がる数々の強敵達と数多のドラム缶輸送…

 

「なんですか?それ?」

 

「ご覧の通り、犬だが?」

 

作戦期間中は窓際だけなら喫煙可となる初冬の執務室

普段、この基地の絶対支配者であり、執務室の主である俺と秘書艦の髪長駆逐艦サミー子しかいないのだが………今日、ここには何故か犬が一匹いた

 

「犬なのは見ればわかりますけど、と言うかその犬、グラーフ・ツェッペリン犬じゃないですか?」

 

「ご覧の通り、グラーフ・ツェッペリン犬なのだよ」

 

執務机の横で座り込む一匹の老いたダルメチアン犬、グラーフ・ツェッペリンがどこからか拾ってきたとのコトからグラーフ・ツェッペリン犬と呼ばれているらしい…

 

「なんでそのグラーフ・ツェッペリン犬が執務室にいるんですか?」

 

「ふむ、話せば長くなるが、そう、あれは今日の朝…」

 

「じゃ、いいです」

 

グラーフ・ツェッペリン犬から興味を失くしたらしいサミー子は自分の机に戻ると、コーヒーでも淹れましょうか?と尋ねてきたので丁重に断った

 

「オイ、冷蔵庫に鶏肉入ってるから出してくれ」

 

「鶏肉…?あぁ、犬のエサですか」

 

「そうだ」

 

この犬、生意気なコトに柔らかく煮た鶏肉しか食わないらしく、飼い主と同じく可愛げのカケラすら感じられない面倒くさいヤツだ

 

◆◆◆

 

バレンツ海を根城にする重巡棲姫率いる深海北極海方面艦隊遊撃隊…

 

『ウヴェァァァッ!! ニクラシヤァァァー!!ニクラシヤァァァー!!』

 

『重巡棲姫クン!』

 

『重巡棲姫クン!』

 

強烈なボディブローをお腹に受け、身体がくの字に折れ曲がった重巡棲姫…ッ!!しかし、その闘志は衰えないッッッ!!憎しみをパワーに変え、不屈のタフネスで立ち上がる!!

 

「チッ、コイツまだ生きてやがるよ」

 

「なかなかしぶといね」

 

迫り来る精鋭ドイツ軍+ゴトランドさんを相手に一歩も退かない重巡棲姫のその姿勢はチームに勇気を与え、更なるパワーを呼び覚ます!!

 

『へ、へへ…オレ達モ、負ケルニハ、イカナイワケガ、アルンデネ…!』

 

『マダオネンネシテルワケニハイカネェヨナ!』

 

「こ、コイツら!!」

 

「あ、あれだけ痛めつけたと言うのにまだ立ち上がるとは…っ!」

 

不撓不屈の旗の下、仲間の為に、深海の愛と正義の為に彼らは何度でも立ち上がる、たしかに海軍は強い、今まで何度となく苦汁と敗北を嘗めさせられてきた…っ!

しかしッッ!!何度倒れても、小●宙を燃やし立ち上がる重巡棲姫の姿は神々しさすら感じられる…ッ!

 

「フッ、どうやら私が相手をした方が良さそうね」

 

「ビスマルク…っ!貴女がやると?」

 

「フッ、重巡棲姫、どうやらアナタ達は眠れる獅子を呼び覚ましてしまったらしいわね」

 

最強軍団ドイツJr.を率いるドイツが誇る最強戦艦、ビスマルク!!その実力はスーパースター剣埼こと軽空母祥鳳に自分よりも天才かもしれないと言わしめた世界屈指の実力者!!

そんなビスマルクが自ら立つと前に出ようとしたその時だった…ッ!!

 

「フッ、アネゴが出るまでもありません」

 

「オイゲン?」

 

前に出ようとするビスマルクを手で制し、代わりに自らが前に出た自称ビスマルクさんの1の舎弟、プリンツ・オイゲン!!

 

「あの程度の相手、アネゴが手を下すまでもない、このプリンツ・オイゲンにお任せください」

 

「なんですって?オイゲン、アナタ、私に意見しようと言うの?」ギロッ!

 

「そ、そんなつもりでは…っ!」

 

「なら黙っていなさい」

 

「お、お待ちください!!た、たしかにアネゴの実力を疑うコトなど決してありません!しかし、しかし!このプリンツ・オイゲン!あの程度の格下相手、アネゴが相手をするまでもないと…!」

 

ビスマルクに睨まれたオイゲンは思わずチビりそうになったが、なおも食い下がった…ッ!!

 

『誰ガ格下ジャコラァー!!』

 

『重巡棲姫クン舐メテンジャネーゾー!』

 

『上等ダヨ!明日ノ朝刊載ッタゾテメー!』

 

チームリーダーをディスられた深海北極海方面艦隊遊撃隊の仲間達からふざけんなよコラと怒号があがる!しかし…ッ!!

 

「やかましい!鬱陶しいぞこのゴミカスどもがーッ!!今、私がビスマルクのアネゴとお喋りしてるのがわからんかーッ!!」クワッ!!

 

『…ア、ハイ』

 

『スイマセンシタ』

 

「チッ、三下どもが……あ、スイマセンアネゴ、それでですね、やはり大将自ら出る前にやはり私がヤツらにアネゴとヤツらとの生物としての格の違いを教えてやりたいと」

 

「なるほどね、フン………まぁいいわ、ならやってみせなさい、オイゲン」

 

「ハッ!ありがたき幸せーッ!!」ペコォ!

 

◆◆◆

 

「ナニやってんだ?あのバカ」

 

「土下座じゃないですか?ってか、提督はプリンツさんのコト言える立場にいませんよ、むしろ同じステージにいる的な」

 

執務室で現場の中継を見ていた俺とサミー子は現場の中継先で繰り広げられる謎の時代劇とさっきからチョロチョロ映るゴトランドの生脚にイラっときていた…

 

「サミー、コーヒーくれ、マグマのようにアツいの」

 

「コーヒーですね」





そろそろクリスマスです
今年もクリスマス的なお話を書いてみようと考えてますが、昨年と同じく共通ルートからの個別ルートとか書いてみたいかなとふわっと考えてます

………なんか案あったらください(他力本願)

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