【登場人物】
提督(クズの人)
少年はみんな聖闘士●矢
夕張(狂気の天才)
目的の為には手段を選ばない狂気のマァァドサイエティストー!
「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」
「そうか」
「ハッキリ言って自信作です」
「そうか」
師匠が慌ただしく走り回る師走の12月、天気予報を見つつ来週から寒くなる予報を見てウンザリしていると執務室の重厚な扉を開き、バカそうなツラをしたバカがやって来た…
「で?今回はどんなガラクタ作ってきたんだコラ?一目でガラクタってワカったらテメーは地下の拷問部屋で魔界から召喚した醜悪で邪悪な魔物の子を死ぬまでその身で生産してもらうからな」
「だ、ダイジョーブ……ダイジョーブです、えぇ、大丈夫!自信作ですし、きっと提督も気に入ってくれるハズです!」
一瞬笑顔を引きつらせた夕張だが、すぐに持ち直し大丈夫です!と自信満々に無い胸を張り、コホンと一つ咳払いをして間を置くと“触手系ですか?”と聞いてきたのでマグナムオーガチ●ポ系がいいのか?と問い返してやると気色の悪い笑みを浮かべたのが本当に気色悪かった
「えー……では、今回の自信作はこちらァ!!」
狂った科学者特有の大仰な身振り手振りで大きく仰け反った夕張の後ろから現れたのは重厚かつメタリックなブラックのボディのメタルヒーロー!
『ベイベー』
「名付けまして、暗殺用ロボ、ガンギ●ソンです」
「…足があるな」
「なんと100mを6.3秒で走れます」
「ハッキリ言う、気に入らんな」
なんか前にも似たようなメタルヒーローみたいなのを作ってきたなコイツ…(※第280回 提督と夕張とFor Justiceを参照ですわ!)
「このガンギ●ソンですが、基本スペックとしてはパンチ力15t、キック力35t、ジャンプ力は25mは跳べます」
「ふ~ん、ちなみにまた飴やるとか言って清霜を改造したのか?」
「いえ、このガンギ●ソンに中の人などいません!純度100%!純粋なロボットです!」
「またロボットかよ」
マジかよコイツ、いや…マジかよコイツ、たまに思うんだが、コイツマジの天才なんじゃあないのか?って思う時がある、ただ、何故その天才的な頭脳をもっと人と地球の為に活かせないのかとも思うが…
『ベイベー!ガンギ●ソンだ、ヨロシク!』
「あ、ハイ、ヨロシク」
俺は陽気なメタルヒーローガンギ●ソンと握手を交わすと不思議なコトにアツいものを感じた、そう…少年だったあの頃感じた気持ち、少年は皆、誰しもメタルヒーローに憧れたものさ
「ガンギ●ソンは暗殺ロボットですが陽気で情に厚く義理堅い性格です、しかし物事を深く考えず軽率な行動をとるなどの甘い一面もあります」
「それどう考えても暗殺に向いてねぇだろ」
「えぇ、我ながら作ってみて、なんか違うなって気がしました」
何故一番重要であろうそこに気付かないのか?っーか暗殺ロボットが感情豊かじゃダメだろーが、むしろ感情持ってちゃダメだろ
「ちなみにこのガンギ●ソン、名は体を表すようにガンが得意です、0.05秒の早撃ちと百発百中の腕前の前ではツ級でも瞬殺です」
「スゲーなオイ」
「それでいて格闘能力も高く、そのパワフルなキックはヲ級のお腹ぐらいなら平然と貫通します」
こりゃまたトンデモないじゃねーの?さすがにハッキリ言って自信作ってのも今回は頷けるか…
「しかしこのガンギ●ソン、欠点もありまして…」
「ほぉ…」
「このガンギ●ソン、感情豊かなせいかどうにも甘っちょろいコトがあり、特に同じロボットに対しては強く感情移入することが多いのがタマにキズです」
ふむ、同じロボットに対してか……つまり、人間の都合で使い捨てられるロボットなどを見捨てておけない人情味がある意味の欠点と言うコトか
『夕張、そう言えばキャ●ルの姿が見えないのだが?』
ガンギ●ソンは陽気なメタルヒーロー特有のウィットに富んだポーズで夕張に問いかけた
「キャ●ル?なんだそれ?」
「あぁ、ガンギ●ソンのパートナー的なロボットです」
夕張曰く、キャ●ルとはガンギ●ソンのパートナーとして作った女性型ロボットでガンギ●ソンとは同じ型のAIが用いられていることもあって、彼との絆は強いらしい
「キャ●ルなら作ってみたものの思ったより使えない感じなので解体してスピンドルキャノンの部品にしましたよ」
『なんだとォ!?』
ガンギ●ソンは怒りに叫び夕張の首に掴みかかった!!
「クッ!ククク…!ガンギ●ソン!やはりアナタに甘っちょろい感情など不要!それをあのキャ●ルのヤツ、ガンギ●ソンには感情が必要などと抜かしおったので処分したまでよ!」
『キ、キサマァァァァ!!』
「フーゥッハッハッハッハ!ガンギ●ソン、所詮キサマは血塗られた犯罪ロボット!この際、優しさなど捨て去り冷酷な暗殺ロボットになるのだーッ!」
ガンギ●ソンから投げ飛ばされた夕張は頭のおかしい科学者特有の大仰でオーバーな身振り手振りでガンギ●ソンを煽る!
『キサマだけは許さん!!』
「フン!創造主に牙を剥くとは……!見損なったぞガンギ●ソン!いいでしょう、このさいアナタも爆破してやりますよ!」
ガンギ●ソンは両手に持つガンボルバーとブローソンで夕張を蜂の巣にしてやるぜと乱射する………がっ!!
バチバチバチバチバチ!(バリアー)
『クッ!バリアーか!』
「フーゥッハッハッハッハ!バーカーめぇー!そんな豆鉄砲でこの両手に仕込んだ必殺夕張バリアーをどうにかできるかガラクタめ!キサマもスクラップにしてすぐにキャ●ルのところへ送ってくれるわ!」
コイツ、自分でガラクタとか言いやがった…
しかし自慢の二丁拳銃が効かないとなるとガンギ●ソンは不利!どうすれは夕張に勝てるのか……
「オイ、なんだコレ?」
俺は足元に置いてある箱に気づき、夕張に聞いてみた
「あ、それスピンドルキャノンです、メッチャ強い武器ですよ」
夕張曰く、ジャパ●ーソン用に作ったジックキャノンのプロトタイプとして作ったバズーカ砲らしく、砲弾の側面には都合よくホーミングブリットにぴったりな穴が開いており、セットした弾数で威力と暴発の危険性が変わるゴキゲンなバズーカらしい
『貸せっ!』
ガンギ●ソンはメタルヒーロー特有の豪快な側転でスピンドルキャノンを拾い上げると躊躇うことなく全弾装填し、夕張をロックオンした!!
「よ、よせ!ガンギ●ソン!そんなことをしたら暴発するぞ!」
『うるせぇ!!夕張!オマエだけは生かしてはおけない!キャ●ルの仇だ!』
FIRE!!!(スピンドルキャノン)
「こ、この威力!バ、バリアーが!!ぐ、ぐわああああああああああ!!」
スピンドルキャノンは夕張ごと執務室の壁をブチ抜き、メタルヒーロー特有の派手な爆破で夕張は爆発・爆散した
『キャ●ル、仇はうったぜ…』
〜♪(BGM 朝焼けのララバイ)
1つの悪は滅んだ、しかし戦いはまだ終わっていないのだ、これからも夕張のような第2、第3の悪がこの世界を狙っているのだ…っ!!
負けるな!特捜ロボ!頑張れ!ジャン●ーソン!真の平和が戻るその日まで!