不健全鎮守府   作:犬魚

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勝てないのか…っ!やはり特効がないとダメなのか…っ!

【登場人物】

提督(メガネ男子)
だからオマエはダメなのだよ

Janus(キンパツ強烈パーマ)
ダメじゃない、Janusよ!


提督とJanusと友情の有情

足元が冷える朝晩の寒さを感じずにはいられない今日この頃…

明石の店であんまんと煙草を購入し、ごきげんなあんまんだと考えつつ歩いていると廊下の向こうから来た一目で育ちが良さそうだとワカるキンパツ美少女が声をかけてきた

 

「Hi!テイトク!ゲンキー?」

 

「キミは………ジャ?ジャ…?ジャスティス?」

 

「No!Janus!J級駆逐艦のJanusよ!」

 

「あぁ、そうだった、スマンスマン、小粋なテイトクジョークなのだよ」

 

輝くキンパツに肩口から曲がる強烈なパーマネント、そう、たしかジェーナスくんだったか…

あの御方と同じく英国出身であり、ジャーヴィーくんと同じくあの御方が目をかける英国小淑女…

 

「キミ1人かね?ジャーヴィーくんは一緒じゃないのかね?」

 

「Jervis?JervisならArkに捕まってオセッ・キョー中よ」

 

ジェーナスくん曰く、先ほどまでジェーナスくんとジャーヴィーくんの2人でラグビーしていたところ、ジャーヴィーくんのパスがアークロイヤルの愛馬の尻を強打し、一時暴れ馬になったがなんとか事なきをえて2人で謝ろうと謝罪しようとしたら、ジャーヴィーくんはよせばいいのに“このジャーヴィスが女騎士なんぞに頭を下げられるかー!”と逆ギレし、今、まさに馬小屋で吊るされているらしい…

 

「バカでしょ?あの子」

 

「いけないなァ、姉妹のことを悪く言っては…」

 

「や、フツーにバカだし、むしろ英国にいる時はもっとお淑やかだった気が…」

 

「ふ〜ん」

 

提督的にはこの基地に来てからのジャーヴィーくんしか知らないのでなんとも言えないが、まぁ、姉妹がそう言うのだからそうなのだろう

 

「ところでテイトクはナニしてたの?散歩?」

 

「ご覧の通り、一息入れようと思ってね」

 

「あ、ソレ!アカシの店の袋ー!ナニ買ったの?ねぇ?ナニ買ったの?あ、いや、いいわ!言わないで!当ててあげる!」

 

そう言ってジェーナスくんは5秒程ムムムっと考え、答えはズバリブタマンジューね!と言ってビシリと指を指してきた

 

「残念、ブタマンではなくあんまんなのだよ」

 

「うえっ!?違うの…?う〜ん、違ったかぁ〜」

 

ジェーナスくんは違ったかーと嘆きつつもナニやらこちらをチラチラ見ている、そうチラチラとだ、たぶん俺じゃなきゃ見逃しちゃうだろう

 

「じゃ、テイトクはこれで…」

 

「チョ!チョット待ってよ!チョット!」

 

「ナニかね?テイトクはこう見えてもなかなか忙しい身なのだよ」

 

「チョット待って!私、そのアンマーンが大好物なのよ!」

 

「へぇ、そうなのかね」

 

「そう!大好物なのよ!」

 

ナニが言いたいんだ?このキンパツ強烈パーマは…?まさか卑しくも俺が買ったあんまんを寄こせとか言うつもりでは…

 

「バカみてぇな明石の店にバカみてぇに売ってるのだよ、じゃ、テイトクはこれで…」

 

「チョ!チョット!チョット待って!!」

 

しかし回り込まれた!!このガキ、スライムみてーなしまりのない口してなかなか素早いじゃねーの?

 

「実は私、お小遣いの手持ちがあまりなくて…」

 

「ネルソンから金借りればいいじゃねーの?金持ってんだろ?あの余」

 

「たしかにNelsonはお金持ちだわ…ってか、そんなことしてLadyにバレたらタダじゃ済まないわ!」

 

むしろ提督にタカるのがバレてもタダじゃ済まない気がするのだが………グゥゥゥム、英国淑女の基準と言うものがわからん

 

「そこでテイトク!貴方を紳士と見込んでお願いするわ!」

 

「お断る」

 

「はやっ!!うえっ…!?断るのはやっ…!?」

 

「ま、しかし提督も鬼ではないので後で食べようとしていたこのあんまんだが………今、この場で食べるとしよう」

 

「あ、悪魔…っ!!な、なんてコトを考えつくのよ!貴方それでも紳士なの!?」

 

「俺の紳士道にガキに優しくと言う文字は無いのだよ、俺からタカりたいのなら巨乳になって出直してきたまえ」

 

「クッ!これほどの外道とは…!今!疑惑は確信に変わったわ!Jervisはアナタに騙されているのね!」

 

英国に居た頃はもっとマトモで小淑女の鑑のようだった姉、しかしニホンで再会した姉はプッツン系金髪美少女になっていた………その原因はいったいなんだったのか?ジェーナスくんは今、その諸悪の権化へと辿り着いたのだ!

 

……いや、諸悪の権化もクソも俺はナニもしてない、たぶんジャーヴィーくん、猫被ってただけだろ?それ

 

「許せない!」

 

ジェーナスくんはあんまんの入った紙袋を持つ俺の右手をガッチリと掴んだ!

 

「クッ!その右手を離すんだジェーナスくん!友情を失うぞ!」

 

「友情なんかないわ!」

 

クッ!仕方あるまい、紳士としてここはこの英国淑女と言う名のクソガキに制裁を与えねばなるまいと考えていると………

 

「あら?AdmiralとJanus、こんなところでナニをしているの?」

 

廊下の先から放たれる圧倒的高貴のオーラ!!思わず讃える姿で跪きたくなるこの絶対的な高貴、唯一無二の絶対女王がこちらへ歩いて来た…

 

「あ、Lady…」

 

「Janus、Jervisを見なかったかしら?」

 

「え?Jervis?Jervisなら~………Arkに吊るされてるけど?」

 

「…そうですか」

 

それだけで事情を察したのか、女王陛下は小さくため息を吐いて肩を落とした…

 

「それと、Admiral…」

 

「ハッ、なんで御座いましょうか?」

 

「次の休暇、Arkと映画にでも行ってはいかがですか?」

 

「…は?」

 

「Arkと映画にでも行ってはいかがですか?」

 

「映画、ですか」

 

何故俺があの女騎士と映画に…?いや、これは女王陛下直々の密命である可能性がある、つまり、映画を観に行くと言う体を装っての何か重大な使命があるのだろう…

陛下のコトだ、おそらくは俺などではおよびもつかない何か深いお考えがあるのだろう

 

「エーガ見に行くの?アタシも!アタシも行きたーい!ほら、アレ!なんか今スゴーい人気のやつあるんでしょ?アレ見たい!」

 

映画と聞き、ジェーナスくんは興味しんしん丸で飛びついてきた、まぁ…あの女騎士と2人で行くよりは他に誰かいた方が俺的にも気が楽…

 

「Janus」ジロッ!

 

「ヒギィ!?」


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