不健全鎮守府   作:犬魚

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メインヒロイン=オモシロオブジェ

【登場人物】

提督(眼鏡)
堕ちゲーには些かうるさい

鈴谷(非眼鏡)
落ちゲー?まぁまぁ得意!八●女の次ぐらいに!

平戸(眼鏡)
お小遣いは全部10円玉に両替してました


提督と鈴谷と平戸と堕ち物ゲー

秋のゴキゲンな執務室、今日は秘書艦サミー子も休暇で居ない、窓から見える外では来たる秋のマラソン大会に向けて走り込みの練習をしている駆逐艦のクソガキどもがヒィヒィと苦痛に歪む顔をしながらフラフラと走る姿を見て今日はステキな日になりそうだと感じた…

 

そんなステキな予感がした日…

 

「ティーッス、鈴谷さんが遊びに来ましたよぉ〜、テイトク、ゲーセンいこーぜ、ゲーセン」

 

ビッチ臭のする、いかにも遊んでそうな頭の悪いJKみたいなのがやって来た…

 

「帰れ、そして二度とそのツラを見せるな、ビッチが」

 

「ビッチじゃねーし、っーか帰るもナニも鈴谷基地(ここ)に住んでるし、現住所ここだし」

 

「やかましい、次そのビッチクセー上の口開いたらジェ●トアッパーで顎砕くからな」

 

「ハァー?別にクサくないですケドー?ってかむしろ鈴谷の口臭フローラルな香りが…」

 

JET!!!(ジェ●トラベンダー)

 

「がぶろっ!!?」

 

俺の渾身のJET!で下顎から脳天まで撃ち抜かれた鈴谷は執務室の宙を舞い、きりもみ回転しながら脳天からグシャァッ!!とエグい音を立てて床に激突した

 

「ペッ、クズが…」

 

「あ……あがが、ちょ…チョ……マヒか?コヒツ、マジか……マジでひゃりやがったぁぁぁ…」

 

「あ?なんだって?」

 

コイツ、俺のJET!を喰らってまだ立ち上がるだと…?なるほど、さすがは最上型航空巡洋艦を名乗るだけあって駆逐艦や軽巡のボウヤとは違うらしい、大したタフネスだ

鈴谷は立ち上がりつつ砕かれたハズの顎を右手でゴキゴキ鳴らして調整し…

 

「フゥー…この鈴谷様の美しいメインヒロイン顔に何の躊躇いもなく傷をつけるとは」

 

「ナニがメインヒロイン顔だ、負け確ヒロイン顔が、知っているかね?勝敗は常に顔で決まるのだよ」

 

「負け確ヒロインじゃねーし」

 

まるで上級の鬼のような回復力で顎のダメージを完治した鈴谷はヘラヘラ笑いつつ執務机に座った

 

「ゲーセンいこーぜ!ゲーセン!」

 

「お断る」

 

「即断か!もーちょい考える時間あってよくね?」

 

「ご覧の通り、俺は仕事中だ、貴様のようなビッチを相手している暇などない、あと、机からその下痢便クセー尻をどけろ、次は顎では済まんぞ」

 

「あーハイハイ、そーゆーのいいから、あと、鈴谷ビッチじゃないですケドー?」

 

「我こそ蛇遣い座の使者なり…その呪わしき命運受け入れし……」

 

ザザッと!!!(緊急回避)

 

「いきなり本気バイトはマジでやめよ!本気で!せめて段階踏も!段階!」

 

一瞬で机から勢い良く跳びのき俺の右手の攻撃射程ギリギリまで距離をとるか、良い判断だ

 

「……されば愚かなる者共に鉄槌を打ち下ろせ…」

 

だが、あくまで右手の射程外であり左手は射程内だ

 

「ちょ!詠唱やめろ!マジでやめて!ホント、ホントやめて!!悪かった、へ…へへ…少し調子に乗っちまっただけさ、へへ…悪かったよ」

 

命乞いにも躊躇いもない、良い判断だ

 

「………」

 

「悪かった……悪かったよ、鈴谷が悪かったです、調子に乗ってスイマセンした」

 

「………」

 

「コレでいい?ね?鈴谷謝ったじゃん、ね?コレでもー終わりね、あ、なんならパンツ見せましょうか?鈴谷今日超エロいの穿いてるから後でオカズにしてもいいよ」

 

「………汝が神に我が身を捧げん」

 

「ヒッ!?だからやめ…っ!!」

 

◆◆◆

 

秋の風通しが良くなった執務室…

あとで修理しないとな、扉はもうちょい頑丈にして、できれば選ばれし聖なる者だけが入れる結界とかあればこーゆーバカが二度と入れなくなるが…

 

「さて、良い汗かいたし……腹が減ったな」

 

そこらに転がったオモシロオブジェの片付けは後にするとして、とりあえずマミー屋にでも行ってBLTサンドでも食うかと考えていると、先程まで執務室の扉のあったところに誰かやって来た…

 

「失礼します…」

 

「キミは……平戸クン、だったかな?」

 

「ハイ、平戸です」

 

たしか事案型……じゃない、海防艦の子だったな、たぶん択捉さんトコの姉妹だろう、たぶん

 

「あの……扉、どうかしたんですか?」

 

「扉?」

 

「いえ、前はこんなに風通しが良くなかったかと…」

 

「ハハ、バカを言っちゃいかんよ、当基地の執務室はいつだってオープンスペース、提督は愛する部下の声を聴くべく、扉はいつだって開かれている」

 

キミも困ったコトがあればいつでも理解ある上司である私に相談しなさいと若干困ったような顔をしていた平戸クンに優しく声をかけ、ポケットに入っていたクランキーチョコを渡してやった

 

「みんなで分け合って食べなさい」

 

「ありがとうございます」

 

頭を下げ素直にお礼が言える平戸クン……まったく、海防艦ってのは最高だな、その純粋さに照らされて俺も自分を偽らず、素直に生きられる…

 

「それで?平戸クンはナニか用があってここに来たのではないかね?」

 

「あ、ハイ、書類を提出しにきました」

 

「あぁ、書類ね、書類」

 

何の書類かは知らないが、まぁ、たぶんアレだろう、近海とか行った時の報告とかたぶんそんな感じのアレ、基本的にはどいつもこいつも報告書とか日報とか真面目に書かないのでこーゆー真面目に書いてくる子は好感が持てるのだよ

 

そんな真面目で好感の持てる眼鏡っ子の平戸クンは執務室のオモシロオブジェ……ではなく、棚にあるものをジッと見ていた

 

「どうかしたのかね?」

 

「いえ、あれ…ゲーム機かなぁ、と…」

 

「あぁ、そいつはメガド●イブミニなのだよ」

 

「メガド●イブ?」

 

やはり今の小さい子は知らないか、メガド●イブ…

かつてはメガドライバー、サタニスト、ドリームキャスターと些かアレな信者達を熱狂させてきたセ●のゲーム機達…

正直、買う気はまるでなかったが大人はつい買ってしまう生き物である…

 

「やってみるかね?」

 

「いいんですか?」

 

メガド●イブミニに興味津々丸らしい平戸クン…

 

「とりあえずぷ●ぷよでもするかね?対戦で」

 

「ハイ」

 

メガドラ●ブミニ収録ソフトの1つ、ぷ●ぷよ通…っ!

いわゆる、落ちモノゲーの一種で同じ色のぷよを組み合わせて消し、その連鎖を繋げて大量のおじゃまぷよをブチ込んで相手を倒すゲームである

 

そしてこのゲーム、俺は波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚よりも得意であり、このゲームでなら沖波、鳥海、武蔵にも勝ったコトがある………まぁ、こんな子供に本気を出すことはないがね

 

『いっきまーす』

 

「ま、楽しんでいこーぜ」

 

「……」カチカチカチ…

 

…迷いがないッ!!この子、一見すると適当に積んでるように見えるが操作に全く迷いがない!!

それにこの組み立て…ッ!コイツは…ッ!!

 

「…平戸クン」カチカチカチ

 

「なんですか?」カチカチカチ…

 

「キミ、このゲームをやりこんでないかね?」カチカチカチ

 

「小さい頃、実家の近くに10円のゲームセンターがありました」カチカチカチ…

 

よしわかった!その答えで全てわかった…………コイツは手加減していい相手じゃあない…ッ!!

 

「俺に勝ったらマミー屋で好きなモン買ってやろう、一週間分」カチカチカチ

 

「一週間ですか、ドーナツとかいいですね」カチカチカチ…

 

◇◇◇

 

基地から公共交通機関を利用して40分程度の距離にあるイ●ンモール…

 

「いやぁ〜やっぱ話題の映画は多いね〜」

 

「話題ですしね」

 

休暇を利用し、夕張さんと話題の映画を見つつ買い物でもしようとやって来たワケですが、話題の映画はやはり人が多くて軽くウンザリしますね

 

ブーブー!(バイヴ音)

 

「五月雨ちゃん、電話鳴ってない?」

 

「鳴ってますね、と言うかメールです」

 

「テイトク?なんか買って来いって?」

 

「いえ、なんか完堕ちしたそうです、アヘェ、ヒラトクンには勝てなかったよ…って」


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